4102.2018年8月6日(月) 73年目の広島原爆記念日

 73年前の今日午前8時15分、マリアナ諸島テニアン島のハゴイ飛行場を深夜0時37分に飛び立った米軍機「エノラゲイ」が、広島上空に飛来して最初の原子爆弾「リトルボーイ」を投下した。一瞬にして14万人の尊い命が奪われた。

 被爆者も年々少なくなり、遺族として記念式典に出席するのが今年で最後という人も多い。

 平和記念式典では例年通り広島市の松井一実市長が平和宣言を読み上げた。昨年7月国連で採択された核兵器禁止条約について、核兵器のない世界の実現へ向けて政府に行動するよう求めた。同条約はすでに14か国が批准したにも拘らず、日本は前向きな対応を避けている。唯一の被爆国として世界の注目を集めているが、条約に反対し、交渉会議にも参加しなかった。今日の安倍首相の挨拶でも、近年核軍縮の進め方について各国の考え方の違いが目立っていると指摘しているだけである。核兵器禁止条約については一言も触れなかった。被爆者を始め、広島市民や核戦争を恐れる日本人の気持ちをまったく配慮しない。政府の考えていることは、国民の気持ちから離れる一方である。式典後に記者会見を行った首相は、核兵器禁止条約について日本としては参加しないとはっきり述べた。こんな気持ちでよくも原爆の惨禍を被った広島市の平和記念式典に出席するものだと思う。

 40年以上も昔旧厚生省太平洋戦争戦没者遺骨収集事業に携わっていた当時、滞在していたサイパンからテニアン島へ何度か訪れたことがある。その時ハゴイ飛行場の滑走路脇にここから「エノラゲイ」が広島原爆投下のため離陸したと記された標識を見て、ショックを受けたことがある。

 3日後には、長崎原爆投下の平和記念日もやって来る。最近では米朝が衝突間近だったが、6月の両国首脳会談によって一応つばぜり合いはペンディング状態である。北朝鮮は核開発を中止するという約束だったが、こっそり開発を進めているとの情報も漏れてくる。とにかく核爆弾一発で世界は灰と化するとの認識がどれほど愚かな政治家たちにはあるかということが気になっている。

 相も変わらず平和への希求を全世界で共有出来るよう地道な努力が欠かせないということが、何ともまだるっこい。今日は偶々死者223名、行方不明者14人を出した西日本豪雨からちょうど1カ月目でもある。平和祈念の日ではあるが、悪霊の日とも呼べる。

 

2018年8月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com