4099.2018年8月3日(金) 世界が報じる日本人の遅れた意識と差別観

 このところ過去にはなかったような好ましからざる事件が立て続けに起きている。海外でも報じられている2つの事象を紹介したい。

 まず、自民党杉田水脈衆議院議員が「新潮45」今月号に寄稿した「LGBT非生産論」が物議を醸していたが、昨日自民党が「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」として杉田議員を指導すると公表した。当初自民党は、議員個人の考えとして問題視しないと応えていたが、LGBT関係団体の批判や、自民党本部前で開かれた関係者による激しいデモに押されて嫌々対応を打ち出した。

 そもそも杉田議員のLGBTの人たちに対する差別発言は、「生産性のあるものとないものを同列に扱うには無理があります。差別ではなく区別」、「同性愛の子どもは普通に、正常に恋愛できる子供に比べて自殺率が6倍高い」、「生産性がない同性愛の人たちに、皆さんの税金を扱って支援をする、どこにそういう大義名分があるのか」と差別論一辺倒である。

 この自民党からの指導に対して杉田議員は、「真摯に受け止め、今後研鑽に努めたい」とのコメントを出したが、LGBTの人たちにきちんとお詫びもしないで、研鑽に努めるというだけではLGBTの人たちへの意識が変わるとも思えず、LGBTの人たちが今後どう思うのか極めて疑問である。

 こんな弱者を労わらず自分の思っていることだけをいう身勝手な国会議員がいるとは情けない。この発言に対しては国内ばかりでなく、アメリカ、イギリス、フランスのメディアが挙って報道している。

 次に、文科省局長の子息を裏口入学させていた東京医科大で、新たな問題が明らかになった。女子受験生の点数を減点していた事実が裏口入学の捜査の過程で分かった。女子医学生は卒業後医院務めの折、出産や家庭の事情で休みが多く、医大系の病院では医師不足を招く可能性が高いという事情から、男子学生比率が高まるよう入学試験の採点を操作していたことが明らかになった。あまりにも女子受験生を軽視し、愚弄する仕打ちではないだろうか。流石に林文科大臣は、「女子を不当に差別するような入学者選抜が行われることは断じて認められない」と憮然としている。

 よくよく耳を傾けているとこの医科大では、他にも差別をやっていたらしい。浪人生より現役受験生に甘く加点していたらしい。入学の段階から不公平、不平等を行っているのである。こんな大学の卒業生が果たして立派な医者になれるのかどうか、不信感が抜け切れない。

 この男女差別についても世界中のメディアから不信の声が上がっている。フランスでは女性医師の割合は年々増え続けていて2016年には、64%を占めている。イギリス、トルコ、メキシコ、韓国などでもこの女性差別を大きく報じている。これではいくら安倍首相が女性活躍社会を訴えたところで、無意味であろう。世界に向けて少々恥ずかしいような気がしてくる。

2018年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com