4051.2018年6月16日(土) わが国の財政再建は大丈夫か?

 今日は実に寒かった。一日中自宅でスェーターを着たままだったが、過去にこの時期これほど寒かったという記憶がない。初めて知った言葉だが、「梅雨寒」というのだそうだ。沖縄では台風6号の影響もあって2日間に500㎜という観測史上最大の降雨量である。全国的に来週いっぱいほとんど降雨との予報である。

 さて、昨日衆議院内閣委員会でカジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を強行採決し、安倍内閣は世論の支持を得ないまま、一昨年のカジノ解禁法に続いて国がギャンブルを公に認めることに決めた。毎度のことながら数の力に甘えて審査に十分な時間を割かずにすべてを強引に押し切ることも問題だが、基本的に安倍政権は国民のためにまっとうな政治を行う気があるのか、大いなる疑問が残る。

 加えてより以上に深刻なのは、前々から指摘されていた財政再建計画である。1,100兆円もの累積赤字を抱えた国の財政再建について国民には一向に解決の道筋が見えない。取り敢えず単年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支=PB)を黒字化して、これ以上累積赤字を増やさないことが最低条件である。来年10月には消費税が10%に上がる。安倍政権はPBを20年度には黒字化すると述べていたにも拘わらず、昨日決定した財政再建計画では、20年度を目標にしていたPB黒字化を先延ばしして、25年度まで5年も延長すると語った。これで再建計画がまたぐらつくことになる。なぜいとも簡単に国民との約束を破ってしまうのか。資金が不足するなら例え十分でなくとも、国会議員の経費を削減して黒字化への政治家としての姿勢とか気構えを、少しでも示すことが出来ないものだろうか。

 安倍首相のこの考えの中には、自分自身の自民党総裁3選の図式が描かれているのではないか。3選された任期中の20年度に黒字化出来なくても約束違反にはならないが、黒字化を約束した25年度は総裁ではない安倍首相は仮に黒字化されなくても個人的に約束不履行の責めを負わずに済む。もしそんな甘っちょろい安易な考えでいるようならあまりにも国民を馬鹿にしている。とにかくこれで財政再建の道はまた遠のいたと言える。

 まったく政治家なんて当てにならないということがつくづく良く分かる。一旦国民に約束したことはきちんと守って欲しいものだ。

2018年6月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com