3993.2018年4月19日(木) ラウル・カストロ氏、キューバ革命評議会議長を退任

 1961年の今日4月19日は、キューバ革命後最大の危機となりかねなかった、ピッグス湾事件が企てられたキューバ革命史上記念すべき1日だったのである。幸い失敗に終わらせることが出来たが、アメリカに支援された亡命キューバ人が上陸を企てた日である。この時以来アメリカとキューバの国交は断絶され、それは3年前のオバマ前大統領の決断によって復帰するまで続いた。今日を期してラウル・カストロ氏は国民評議会議長は辞めると見られている。59年に革命が成功してから早や60年近くが経つ。フィデル・カストロ、チェ・ゲバラら当時の革命戦士はほとんどこの世を去った。新たにラウル議長の座を継ぐと見られているミゲル・ディアスカネル国家評議会第1副議長も革命後に生まれた革命を知らない世代である。今日まで政治に関与していた僅かの革命戦士もラウルとともに引退する。これで東西対立の時代に世界をアッと言わせたキューバ革命の舞台も第1幕を下ろすことになる。

 革命後国際社会の中でアメリカから経済制裁を受けて厳しい道を歩いて来たキューバは、カストロ兄弟の強い革命思想と統率力、私利私欲のない人間性によって、自由と平等、教育・医療無料による福祉などの成果を挙げ、唯一無二の社会主義国家を築き上げてきた。今キューバ国民は、まだ必ずしも経済的には充分恵まれているとは言えないが、それでも社会主義国家を標榜して失敗、堕落した看板だけの自称社会主義国家ロシア、中国、北朝鮮などに対して自由、平等、国民の意欲、将来性、倫理などの面で遥かに凌駕していると思う。これらの成果は間違いなくリーダーだったカストロ兄弟とゲバラらの卓越したリーダーシップと人間性によって結実したものである。

 2015年オバマ前大統領によってキューバ・アメリカの国交回復がなった。それが変わり者の風雲児トランプ大統領に代わるや両国間の関係は逆戻りして、再び友好的な外交関係は先へ伸ばされてしまった。

 ラウル・カストロ氏の勇退によって革命世代による国家の時代もついに幕引きを迎えようとしている。いつまでも国家創建者の国造りの理想を誤ることなく現在の健全な国家体制を活かし続けて欲しいと願っている。

 ところで、イスラエルでは1948年5月14日建国を宣言した。ユダヤ暦では今日4月19日が70回目の独立記念日に当る。5月14日にはアメリカは大使館を首都テルアビブからエルサレムに移転させると一方的に宣言している。すでにパレスチナ各地で反米テロが頻発しているが、果たして祝うべき独立記念日は大過なく迎えることが出来るだろうか。

 昨日ジョン・フリッツ大使にお会いした時伺ったミクロネシア連邦の独立行事関連日時について、草柳大使秘書に問い合わせていたが、今日ご返事をいただいた。一昨年独立30周年、今年は日本との国交30周年記念を迎えるという話だった。その式典を今年いつの日か行うことになる。ご招待いただけるならぜひお祝いに伺いたいと思っている。

2018年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com