3938.2018年2月23日(金) 鹿児島から文化の発信を続ける夫妻

 先日NPO知的生産の技術研究会・八木哲郎会長から素晴らしい地方の文化発信者のセミナーがあるので、ぜひにとお薦めいただき、今日セミナーに出席した。

 その文化発信者とは、鹿児島市内にNPOかごしま文化研究所を創立され、「月の舟自由大学」を主宰している三嶽公子・豊ご夫妻で、すでに24年間に亘って文学を中心にセミナーを主催して活動されている。趣味でもあり、ビジネスでもあるようだが、やはり採算の点でご苦労が絶えないようだ。鹿児島から関係者の方々も同行されたが、東京ではNPOが事務所を借りて定期的に「源氏物語」解説のような文化活動を続け、生活を賄うのは中々至難の技だと思う。それをやってのけられるのは、ご夫妻の前向きな意欲と、素晴らしい着想、文化を地方都市から発信しようという足場作りが明確で、信念がしっかりしているからだと思う。

 こういう行き方もあるのかと意義深い示唆を与えていただいた。

 さて、つい最近アメリカ・フロリダ州のハイ・スクールで同校中退生が銃乱射事件を起こして17名の生徒が死亡した。アメリカにおける銃乱射事件は毎度のことながら、今回ばかりは一般の高校生の間から銃規制を求める動きが沸き上がり、それは全米に広がりつつある。それに呼応したのか、昨日トランプ大統領は事件被害者の関係者らをホワイト・ハウスに招き意見交換を行った。

 犠牲者の家族らが銃規制を要望すると、大統領は教職員に銃を持たせて対応させる考えを語り、その場で唐突にそれに賛成か、反対かを尋ねる有様である。それにしてもその場の被害者の中に賛成者が3割ほどもいたことには驚いた。結局いくら銃規制を訴えても、現状では大統領が自衛措置として銃で身を守らせると言うのだから銃の野放し状態は解決しない。その後に大統領は銃を持った教員にはボーナスを与えると発言したのだから、銃規制なんてまるで眼中にはないのだ。こうして、毎年アメリカ人が理不尽な銃発砲事件により尊い命を落としていくことになる。こんな杜撰で危険な銃砲管理の下に銃所持を憲法が認めているからと言って、事件防止へ一歩も踏み出さないとは呆れるばかりである。

 アメリカの民主主義は、これまでその時代のアメリカ社会にうまく機能してきたと思う。憲法に保障されているように、誰もが自由に意見を述べ、それを差し止めることは出来ない。日本でも段々揺らぎつつある「言論の自由」と「表現に自由」であるが、アメリカにはその礎がある。その意味ではトランプ大統領の発言は、憲法によって守られているとは思う。だが、他所の国に自分の考えを押し付け、気に入らないと恫喝まがいの発言をしたり、自衛手段として銃砲規制より銃砲所持の方が効果的だと考えるのはどうかと思う。自分の身は自分で守る自衛権のため銃所有を認めるという点は、明らかに行き過ぎだと思う。自主防衛は結構だが、そのために所持する銃砲が、自分の身を守るために使われるより他人を殺戮する目的のために所有されるとするなら、銃所持は危険極まりない。また、銃所持を一切認めないことこそ、市民同士の虐殺事件を無くすための唯一無二の手段として理解されるというのがアメリカ憲法の精神ではないかと考えている。

 共和党は、来年の中間選挙で勝ちたいがため、今では強力な支援者、全米ライフル協会の意向を無視出来なくなっているのである。どうして常識的判断が出来ないトランプ氏のような非常識で無責任な人物をアメリカ人は世界のトップ・リーダーであるアメリカ大統領に選んでしまったのだろう。

2018年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com