3927.2018年2月12日(月) 観客も稀、寒さに凍えるオリンピック

 先週37年ぶりの豪雪となった北陸地方を始めとして、北日本から九州、四国にまで積雪注意報が出された。一方、今開催中の平昌オリンピックは、極寒の氷点下で競技が行われている。選手も寒そうだが、観ているファンにとってもあまりにも厳しい寒さに音を上げているようだ。スケート競技を除けば、ほとんどの種目が屋外で行われる。しかもどういうわけか、寒さが一層厳しくなる夜間に行われるというのが理解出来ない。

 特に今話題になっているのは、ノルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒルのスタート時間が、何と10日夜9時35分だったことである。いくら冬の大会とは言え、氷点下8℃の下で競技が行われたが、風も強くて遅れドイツの選手が逆転優勝を決めたのは、翌日の0時20分だった。その感激的シーンを見た人は少なく、メダルが授与された表彰式のスタンドはガラガラだった。逆転優勝で金メダリストとなったドイツ人選手は、いかなる感激を味わうことが出来ただろうか。

 こういう主催国や、選手、競技団体、観客を軽視するような競技の運営方は、近年他のスポーツでも問題になっている。今回の平昌では、男子ジャンプの人気が高いヨーロッパのテレビ放映時間に合わせたのではないかと見られている。これには、多額の放映権料を支払うアメリカのテレビ局の意向が反映されていると受け取られている。

 2020年東京オリンピックの開催時期についても、アスリート・ファーストが配慮されず、前回東京大会開催時の10月ではなく、暑い盛りの8月開催に決まったのは、世界的にテレビ視聴率や放映料を稼げるサッカーファンやテレビ局の強い意向が通り、サッカーのオフ・シーズンである真夏に決定されたと言われている。こうして次第に本来のスポーツの在り方から外れて、ソロバンでスポーツ・イベントをマネージするようになるのである。

 果たして泉下のクーベルタン男爵は、こんなオリンピックをどう思っているだろうか。

2018年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com