3779.2017年9月17日(日) ビルマのイスラム系ロヒンギャは大丈夫か。

 北朝鮮の核実験のような荒々しい騒ぎと違って、あまり派手には報道されないが、このところビルマのイスラム系民族ロヒンギャに対するビルマ治安部隊の迫害が少しずつ国際社会でも問題になっている。国連のグテーレス事務総長は、この問題でビルマの治安部隊がロヒンギャ掃討作戦を激化させ、国外へ逃れたロヒンギャ難民が38万人に上がっていると指摘し、ビルマ政府を批判している。同じイスラム系住民の多いインドネシアや、マレーシアでは、露骨な反ビルマ・デモ隊が気勢を挙げている。中でも国家顧問のアウンサンスーチーさんへの批判が高まっている。スーチーさんが軍部の弾圧にもめげず長年に亘って抵抗し、ついにビルマの民主化をやり遂げたスーパーウーマンとして、ビルマ国民から敬愛され、ビルマ民主化の手本となっている。そのスーチーさんが、ロヒンギャへの治安部隊の弾圧に対して何の手も打たないという点で、特に海外ではスーチーさんへの批判は厳しい。

 現在のビルマの政権は、2015年アウンサンスーチーさん率いる国民民主同盟(NLD)が総選挙に圧勝して成立した。だが、憲法上の制約によりスーチーさんは国家元首である大統領職には就けず、国家顧問として実質的に国家運営を行っている。その際スーチーさんは、それまで軍事政権を担い強大な力を持っていた軍部に妥協したと見られている。それは国会議員のうち1/4が軍人であることでも分かる。スーチーさんには、軍部に遠慮するところが見られ、それが軍の治安部隊によるロヒンギャ抑圧に対して正面からそれを止めさせるような言動が取れない原因ではないかと見られている。

 しかし、このまま放置していると難民問題がヨーロッパやアラブで問題視されている折でもあり、世界のマスコミから批判の的となることははっきりしている。ここは難しい舵取りの場ではあるが、スーチーさんがいかなる裁きをするのか注目していきたい。

 さて、今日は台風18号が九州南部に上陸し、激しい雨をもたらしている。九州各地では河川が氾濫し、道路を滝のような洪水が流れている光景がテレビでも映し出されている。鹿児島に上陸した台風は、宮崎、大分県から海上へ抜けたが、四国へ再上陸した。兵庫県・京都府には記録的短時間大雨情報が出された。日本列島に添って北上しているので、今夜半には日本海岸に添って北進し続けるようだ。年中行事の台風が近年相当な水量をもたらし、豪雨による水害で多くの犠牲者と被害を与えるのがとても堪らない。

2017年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com