5660.2022年11月11日(金) 長く深く関わった遺骨収集事業への想い

 昼前に電話を受けた。意外にも文化の日に旭日大綬章を受賞された水落敏栄氏からだった。先日この受賞のお祝いに拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に添えてお祝いの手紙を送ったことに対するお礼と、久しぶりに私と話をしてみたかったと言われた。直近の参議院選で落ちてしまったが、3期18年もの間参議院議員として活動されていた。昨年政界引退を語りながら今年3月後任不在のため、改めて立候補の決意を固めたが、準備の遅れや、日本遺族会会長として組織の少子高齢化もあり、希望は通らなかった。数年前文部科学副大臣だったころに、甲子園の開会式で始球式をされた直後に電話でお話したことがある。遺族会が中心となる旧厚生省主宰の太平洋戦争戦没者遺骨収集事業は私にとって在職中最も大きな仕事のひとつだったが、そのリーダーは常に水落氏だった。約20年間に亘りマリアナ諸島の遺骨収集団のお世話をさせてもらい、この地域を水落氏とも随分あちこち旅をして多くの思い出を作ることが出来た。

 水落氏からもあのころは楽しかったと言ってもらい、近々会いましょうということで、来週はアメリカへ行くので、再来週にも会いましょうと九段会館内の遺族会事務所を訪ねることを約束した。以前に送った「南太平洋の剛腕投手」にミクロネシアの実情がよく書かれていたので随分参考になったとも言っていただいた。それこそ30年ぶりなので、お会いすることを今から楽しみにしている。

 さて、政治家のお騒がせ事件が相次いでいるが、無責任な言動が原因のことが多い。今日は昨日までは現職に留まり最善を尽くすと語っていた葉梨康弘法務大臣が辞任することになった。法相は自民党内の会合で自分の職務を「死刑のハンコを押し、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけという地味な役職」と世間から顰蹙を買うような発言をした。それが騒がれるや、一昨日は誤解させたが、発言は撤回しないと語っていたが、昨日になって撤回すると述べ使命感と緊張感を持って取り組んでいくと辞任の気持ちはまったくない姿勢を示した。それが急転直下辞任し、陰では更迭と言われるようになったのは、山際大臣の辞任に次ぎ、人気・支持率が低落傾向にある岸田内閣としては、党内外から批判が集まり、何とか食い止めようと法相の辞任を認めることになった。岸田首相としても悪い流れを断ち切りたいとの気持ちがあったものと思われる。

 それにしても葉梨法相の発言はあまりにも軽率だと思う。仮にも死刑囚とはいえ彼らの命を絶つ書類にハンコを押す行為を地味な仕事だと公言するとは呆れるばかりである。今朝の朝日「天声人語」にもイギリスの作家ジョージ・オーウェルが植民地ビルマの刑務所所員だった実体験に基づいた話として、処刑台に向かう死刑囚が、足元の水たまりを避けようと身体を脇によけることは、生きている人間にとって当たり前の日常の動きであると見て、「1つの生命を絶つことの深い意味、言葉では言いつくせない誤りに気がついた」とある。まもなく死地に赴く死刑囚ですら些細なことに神経をとがらせている。そんなことにはまったく気がつかない人は、大臣を辞めるだけではなく、国会議員も荷が重いのではないだろうか。

2022年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5659.2022年11月10日(木) 地球温暖化で日本に厳しい声

 今年は世界各地で異常気象による自然災害が多い。地球温暖化による影響が大きいと言われているが、北アフリカ、ヨーロッパ、南北アメリカでは雨量が少なく広範囲な干ばつ状態の一方、南アジアでは異常な降雨により河川の氾濫が起きている。特に、パキスタンでは夏の大洪水の後、9月の大水害により国土の1/3が水没したと伝えられている。更に南太平洋では、温暖化により海水が上昇し島嶼が冠水する被害が続出している。

 そんな折今月6日から18日までエジプトのシャルム・エル・シェイクという個人的に印象に残っているシナイ半島の突先にある地で、気候変動対策を話し合う国連の会議COP27が開かれている。100以上の国や地域の首脳たちが演説し、深刻な被害を訴える途上国に対して、先進国がどれだけ支援することが出来るか、激しい駆け引きが行われたようだ。日本からは小池百合子・東京都知事が出席した。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオ・メッセージで「ロシアによる軍事侵攻は、世界的なエネルギー危機を招き、多くの国に石炭火力による発電所の再開を余儀なくさせた」と述べ、軍事侵攻が温室効果ガスの排出量が多い石炭への回帰の原因になっていると批判した。パキスタンのシャリフ首相は、ヨーロッパの3つの国に相当する広さの3,300万人が影響を受けたと述べた。

 また、COP27の場で世界の環境団体で作る「気候行動ネットワーク」(CAN)は、公的資金を石油や天然ガスなどの化石燃料に拠出した国として、カナダ、韓国、中国らを追い越しダントツに資金を投入した国として日本は、3年連続して不名誉な「化石賞」を贈られた。会場周辺では、化石燃料への巨額の公的拠出を続ける日本を標的に抗議デモも行われた。

 警戒しなければならないのは、先日も岸田首相が電力不足に直面していとも軽々しく原発再開、解除に触れたことである。今や電力が不足気味であり、加えて温暖化ガス排出にブレーキがかけられている中で、クリーンな発電ではあるが、放射能の危険を顧みず、いとも気軽に原発稼働に回帰することである。

 さて、アメリカ中間選挙の総括が少々ややこしい。当初共和党が文句なしに圧倒するとの前評判だったが、開けてみると尻すぼみだった。それでも民主党にとってはこれまで以上に苦しい議会運営を求められる。ややこしいのは、各州のルールにより難しい判定があることである。例えば、ジョージア州上院選では2人の候補者が接戦を続け、現時点で2人とも過半数に達せず、州法により12月6日に決選投票することになったという。上院は現在まで民主党が48議席、共和党が49議席を得て、残りは僅か3州である。その3州の中にジョージア州があるとすれば、最終的な結果は来月まで待たなければならない。それにしてもIT技術の先進国であるアメリカの大きなイベントである中間選挙に、ITの技術が生かされていない。

 現時点では、最終結果を知ることが出来るのはいつになるか分からない。アメリカでは大統領選における選挙人というアメリカ独自の選挙制度のように、獲得総数が多くても必ずしも勝利というわけではない。かつてゴア氏がブッシュ大統領に、またクリントン氏がトランプ大統領に獲得総数では上回ったにも拘らず、大統領にはなれなかった。アメリカの選挙制度はとにかく複雑で分かり難い。

2022年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5658.2022年11月9日(水) 気にかかるアメリカ中間選挙の行方

 昨晩は皆既月食と天王星が重なる珍しいダブル現象が、夜空に見られた。午後7時15分過ぎにテレビの言われるままに夜空を見上げて月が徐々に隠れるのを双眼鏡で見ていた。このダブル現象が見られたのは、1580年以来というから驚きであるが、よくぞ調べたものだと感心する。織田信長が見たのではないかと言ったタレントがいたが、それほど昔の天文の現象が分かるというのも驚きである。挙句には、次回のダブル現象は322年後の西暦2344年と調べ上げたようだから、これにも脱帽するばかりである。だが、こういう空を見上げてロマンを想像するのは、爽やかな気持ちになるものだ。国内外に残酷な事件や、暗い事件が溢れている中で余程すっきりする。

 さて、アメリカでは大統領選挙の中間に行われる連邦議会上院及び下院の改選議員、知事選の投票が昨日行われた。すでに今日開票が進み、刻々とその状況がテレビで伝えられているが、戦前から与党民主党の旗色が悪かったが、途中までの結果でもやはりその通り民主党が共和党に先を越されている。これまで、上院50:50、下院220:212でバイデン大統領の民主党がほんの僅か抜け出ていた現勢力だったが、今日の途中経過を見る限りどうも民主党の敗色が濃いようだ。

 実は昨今のアメリカ国内の社会を見ていると、民主主義の本家を自任するアメリカが、選挙でこれほど非民主的な言動を弄するとは思いも寄らなかった。特に共和党はトランプ前大統領が前面に出て、民主党候補者を徹底的に攻撃する。重箱の隅をほじくるように小さな失策を厳しく追及すると同時に、何の証拠もないのに相手を誹謗中傷するような演説で民主党候補者を追い詰める。そのトランプ氏自身2年前の大統領選で敗れ、意に反して再選が叶わなかったが、その直後から選挙に不正があったと一方的に選挙のやり直しを求め、当選したバイデン氏に祝意を告げることはなかった。その後トランプ支持の多くの群衆が連邦議会堂へ暴力的になだれ込んで乱暴・狼藉を行ったが、その背後でトランプ氏が糸を引いていたと言われている。

 一応民主的に行われた選挙に対して敗れるや、不正が行われたとして、一方的に選挙を認めないとするなら、アメリカの民主主義は一体どこにあり、どうしたら民主主義国家らしく行動出来るのだろうか。トランプ氏の口車に乗って各地の共和党候補の支持者が、異口同音に大統領選の不正を肯定している現状からは、アメリカには民主主義の種も実もなくなってしまったのではないかと危惧している。それが、具体的に表れているのが銃砲所持の認可である。これほど銃乱射事件で多くの尊い生命が犠牲になりながら、古い西部時代の論理をぶち上げて自らの身を自らが守るために必要だなんて、時代錯誤の考えを尤もらしく言っているようでは、とても民主主義がアメリカ社会に根付いているとは言えまい。

 現時点で、やや優勢な共和党が仮に議会の多数を占め、これに味を占めたトランプ氏が2年後に再び大統領選に打って出たら、どんな喜劇が演じられるだろうか。トランプ氏は15日に自身の今後について考えを公表すると言っている。アメリカも選挙ゴッコでふざけているようでは、いずれ同盟国が愛想をつかして次第にアメリカから離れていくだろう。

 今日5回目のコロナ・ワクチン接種を受けた。先月31日には、インフルエンザの予防接種も受けているので、取り敢えずこの冬を乗り切っていけると思っている。

2022年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5657.2022年11月8日(火) Googleによるブログへのアクセス評価

 毎月恒常的に送られてくる‘Google Search Console’の10月分が今日メール送信されてきた。先月1か月分のHPのブログや拙稿へのアクセス数の動向を知らせてくれるので、いつもどんな結果であるか期待しながら待っている。

 アクセス数の多かったベスト3は、①8月16日のブログ「つまらない新聞連載小説」だった。今年8月まで半年間朝日朝刊に連載された多和田葉子氏「白鶴亮翅」(はっかくりょうし)について意図も内容も分かり難かったと批判したものだ。以前に加賀乙彦氏から作品のタイトルは、短いほど良いと直にアドバイスされたことがあるが、多和田氏の書名「白鶴亮翅」は確かに短いが、書名の意味もストーリーもよく分からない。普通の連載小説の約半分で終わりホッとしたところだった。このブログへのアクセス数は飛びぬけて多く、多分来月もランクアップされるのではないかと思っている。

 ②は、ブログではなく、「論稿・エッセイ」欄掲載の「なぜ世界遺産に登録されないのか?」(JAPAN NOW観光情報紙2010年1月号)で、この当時まだ世界遺産として登録されていなかったビルマの古跡や、これまでに訪れた印象的だったクノッソス宮殿、ハトシェプスト葬祭殿、エフェソス遺跡、ベルガモン遺跡などについて、なぜ登録されないのか、疑問を呈したものである。

 ③は、2013年9月30日ブログに書いた「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」で、世間の文学的評価は別にして山崎さんのウソと裏切り行為など、山崎さんの人間性について厳しく指摘し、非難したものである。これまでに何度かランク入りしたことがある。

 その他にこれまでのアクセス数に比較して急上昇アクセス3項目の中で、今まで一度もランクアップされなかったが、今回初めて3番目にアクセスが増えた昔の小文がある。「文化財の発展費用は誰が負担するのか?」と題して、大学同期生の有志が発行した同人誌「慶38」2号(2003年5月発行)に寄稿した文章である。父が亡くなった後無人だった湘南鵠沼の自宅の庭へ文化財が埋葬されている可能性があるとの理由で、市役所が無断で勝手に立ち入り土地を掘り起こし、あまつさえその費用まで我々兄弟に請求してきた理不尽について取り上げたものである。20年近く以前に書いた拙稿が、どうして不意に多くの人の目に留まったのか不思議なことである。これについては改めて読み直し、極めて理解しがたい役所の暴挙だと思う。それだけに20年近くも経って、どうして今更読まれるようになったのかとという感がなくもない。

 1位の前記8月16日のブログ、2位10月2日ブログ「菅元首相は弔辞が恥ずかしくないのか?」と安倍元首相の国葬で、当初は評価された菅氏の追悼文の中に大分盗作があったことや、紹介したストーリーも二番煎じではないかと噂されていることにつき糾弾したものである。それらが随分伸びていた。

 それはともかく、拙い文章を書き綴っていながらも多くの人々の目に触れ、関心を持っていただけるのは有難く、もう少し頑張ろうとの勇気をいただいたような気がする。

2022年11月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5656.2022年11月7日(月) 天才ピアニスト・ブーニンを通してロシアを見る。

 ウクライナへ侵攻したロシアの身勝手な言い分と行動には愛想を尽かしているが、これはリーダーたるプーチン大統領だけが悪いのではなく、ロシア人の本質とスターリン的帝国主義に基づく非民主主義的体質が関係しているように思えてならない。

 一昨日夜NHK・BSで天才ピアニスト、スタニスラフ・ブーニンを描いたドキュメント「それでも私はピアノを弾く~天才ピアニスト・ブーニン9年の空白を超えて」が放映され、引き込まれるように最後まで観てしまった。ブーニンというそのロシア的名前は、早くからよく知っている。19歳の時ショパン国際ピアノコンクールで優勝して天才ピアニストとして持て囃される。その4年後の1988年、有名人となったブーニンはKGBの監視に身の危険を感じて母とともに母国ソ連から西独へ亡命した。ソ連が崩壊したのはその3年後のことである。ブーニンが母国を捨てたのは、著名人に対する監視に耐えられなかったことと、旧ソ連の自由と人権を抑圧する厳しいソ連式社会主義体制の締め付けがあったからである。ソ連政府はこれら芸術家を外貨稼ぎの道具とみて、同時に国威発揚のシンボルとして都合よく利用し、監視した。文化人が外国で稼いだ所得はその多くをソ連政府に掠め取られ、行動は常に監視付きで心の休まる閑もなかった。海外へ出かけてもその行動は、常にKGBに付きまとわれ、外国での演奏会も指図されかねなかった。

 KGBの監視がいかに気持ちを落ち着かせず、恐ろしいものであるかということは、実際に経験してみなければわからないものだと思う。かつて、東西対立時代の1983年旧東ドイツのカール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)で、旧文部省教員海外派遣団と一緒に同地に滞在の間、派遣団は四六時中シュタージと呼ばれた東独のスパイ監視組織に付きまとわれ、教室で質問すると、応える東ドイツの教育者はいちいちシュタージの顔色を見て答えるように気持ちの休まることがなかった。我々視察団より我々を世話してくれた同地の教育関係者が随分迷惑をこうむっているようで気の毒だった。

 ブーニンもKGBの被害者のひとりであるが、幸い亡命することによって西欧では演奏活動を続けることが出来た。ただ、KGBの追求は逃れることが出来たが、その後は個人的に不幸にして左手が麻痺するというピアニストにとっては致命的な症状に襲われた。他にも転倒して痛めた左足が縊死し、手術を受けたことによってピアノのペダルを踏むのに苦悩したようだ。それらの苦労を乗り越え、ブーニンは長い9年間の空白期間の後に復活した様子が、このドキュメントで分かりやすく紹介されている。

 一時は復活を諦めかけた時期もあったようだが、本人の強い意思と日本人の榮子夫人の愛情溢れる支えがあったからである。八ヶ岳高原音楽堂の復帰公演における夫婦の睦まじい様子や、日本とドイツ・ケルンの間を往来する生活などがとても温かく、心を和ませてくれる。

 それに引き替え、ブーニンに愛想尽かしをされた旧ソ連と現在のロシアには、自由と民主主義が全く見られない。国際社会の厳しい非難を浴びながら、盟友・中国の支援を頼りに何とか無理して侵略戦争を戦っているとの印象が拭えない。

2022年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5655.2022年11月6日(日) 人情と思いやりが薄くなった昨今の世相

 最近あまりお世話になった人や行為に対して感謝の気持ちを素直に表さないという話を、しばしば耳にする。特に若い人たちが、親切な扱いを受けても心に感じることもなく、当然のような態度を示すことが世の中をギスギスさせているのではないかと思っている。

 昨日、妻からこんな話を聞いた。昨日友人に会うために駅へ向かって歩いていた時に、スーパーの前を通ったら小学3年生ぐらいの女の子が自転車を引きながら、大きな声を上げて泣きじゃくっていたという。人通りもある中で、このままでは心配だと案じた妻が、その子に「どうしたの?」と声をかけたら、母親とはぐれてしまったと言い涙が止まらないようだった。妻はそのまま見過ごすわけにもいかず、携帯を持っているなら、電話をしてみたらと尋ねてみたところ携帯を失くしてしまったという。「お母さんの携帯№を知っている?」と聞いたら知っているというので、妻のスマホで母親の携帯へかけてみたら、留守番電話だった。妻は携帯へメッセージを残して、しばらくお嬢ちゃんをなだめていたところ、妻のスマホが不意に鳴ったので出たらその子の母親からだった。妻が事情を話し、今ここで待っているから娘さんを引き取りに来て欲しいと居場所を伝えた。やがて母親が駆けつけてきて、娘に自分(母親)から離れないように随分言ったでしょうと言うだけだったという。妻がそれまでの事情を話すと「それはどうも」と言って、娘が世話になったとか、ありがとうございますの一言もなかったという。妻はそのまま2人と別れたというが、その話を聞いて妻より私の方がカチンときた。

 これが今どきの若者気質というのだろうか、若い母親の態度には呆れてしまった。同時に、こんなことはあってはいけないと自らを戒める「人のなり見て我がふり直せ」を噛みしめている。

 これは偶々身内が出会った「他人の気持ちがわからない思いやりのない人」の例だが、世間には同じようなことが山ほどある。気になるのは、以前はどこにもあった人の情が近年見られなくなったことである。

 ついては、最近アメリカでツィッター社を紆余曲折の末に、総額440億㌦(約6兆4千億円)の巨額で買収した起業家イーロン・マスク氏が、買収直後に自らツィッター社最高経営責任者(CEO)に就任して実権を行使して、他の役員を全員解任した。その後、全世界のツィッター社全従業員7,500人の内、半数を一方的に解雇すると述べた。そのやり方も前代未聞のスケールで、思いやりの欠片もない。全社員宛てのメールで自宅待機を命じ、解雇対象者にはメールで通達するというものだったようだ。労使の話し合いなんてあったものじゃない。このような一方的で、社員の人権や立場を考慮せずにその場でバサッと首を切るとは、人情の片りんも見られない。これも最近の世相を反映しているようで、情けがなさ過ぎる。前段の妻の話とは異質であるが、今や世界は分断、争いが溢れるようになった。このような世情で人の情けや思いやりも消えていくのだろうか。実に辛く寂しいことである。

2022年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5654.2022年11月5日(土) コロナ規制は緩和して大丈夫か?

 新型コロナウィルス新規感染者がここへきて減るどころか、むしろ漸増傾向になって来た。それでも観光業を主にあちこちで制限緩和が行われているようだ。

 2020年1月に横浜港を出港した大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号(DP号)から香港で下船した男性乗客が、コロナに掛かっていたことから横浜へ戻って来た同船に何人かの感染者がいたことが分った。船は横浜港に足止めされることになり、その後もDP号から乗客が発症した。船員、乗客合わせて3,713人が乗っていたが、その内の714人が感染し、14人が死亡した。

 そのためクルーズ客船は、21年以降まったく日本へは寄港することなく、かつて17年にはクルーズで252万人が来日していたが、21年にはついにゼロとなった。クルーズ・ブームは消えつつあった。その後DP号は運行を停止していたが、来春3年ぶりに再開することになり、予約販売は好調だという。

 中学時代の友人が、来年5月に夫人とともにクイーン・エリザベス号で沖縄、台湾を巡る10日間のクルーズに参加すると手紙で知らせてくれた。世界でも最高級の大型クルーズ船でもあり、コロナ禍のうっぷん晴らしには最高のツアーだと思う。2度目の乗船というからよほどお気に召したのだろう。とにかく広い海と青い空の中をゆっくり旅をエンジョイ出来るのは船旅の魅力だと思う。私たち夫婦も、アテネ・オリンピックの前年にエーゲ海クルーズを、そして4年前にはニッポン丸で神戸港から横浜港までクルージングを楽しんだことがある。ただ、現在コロナ禍が完全に終息したわけではなく、むしろこれから患者が増えそうな時であるがけに、友人が楽しみにしている旅行が中止にならなければ好いがと願っている。

 さて、習近平・中国国家主席の独裁色が益々強まり、人権問題、台湾問題、ウクライナ危機などを巡り中国とヨーロッパ諸国との関係が懸念されている中で、ドイツのショルツ首相が昨日中国を訪問し、習主席と会談した。会談で習主席はアメリカ主導の「対中包囲網」に加わらないようショルツ首相に訴えた。一方のショルツ首相は、バランス感覚と現実主義が必要だとして、中国は最大の貿易相手国であり、アメリカのように関係を絶って行く動きには一線を画すと述べ、ヨーロッパ・エアバスと旅客機140機販売の契約を結んだ。最近ドイツでは貿易港ハンブルグの港湾管理会社に中国の海運大手企業が、35%も出資することが国内で問題となっていた。それを何とか24.9%に圧縮した。だが、ドイツは、他のEU諸国の対中国外交方針とは大分異なるようで、アメリカや他のEUとの間でさざ波が立たなければ良いがと懸念する。

 今日午後は、いつもお世話になっているITコンサルタントの小糸武彦さんに来宅してもらい、いつもこのブログを発信しているノートPCを新しいPCに替えてもらい、インプットしてある情報をすべて新PCへ移設してもらった。ブログも幸い今日で語呂合わせのような5555回連続というひとつの節目を迎えた。HPをはじめ全体に情報量が多いので、2時間ほどかかってしまった。これで時折PC操作上首を傾げるようなこともなくなるのではないかと期待している。

2022年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5653.2022年11月4日(金) 国際政界の著しい変転ぶり

 先日ブラジルの大統領選があり、右派の現職ボルソナロ大統領が左派のルーラ前大統領に敗れた。そのボルソナロ大統領は、トランプ米前大統領と同じように選挙に不正があったと主張して、敗戦を認めず、ルーラ新大統領にエチケットである祝福の言葉すら送ることをしなかった。

 ついては、昨3日イスラエルでも総選挙が行われたが、これはブラジルとはまったく逆の結果となり、現職ラピド首相が率いる中道左派と左派グループは、ネタニヤフ元首相の率いる極右「リクード」陣営に敗れ、政権を明け渡すことになった。ただ、ボルソナロ大統領と異なり、ラピド首相は潔く敗北を認め、ネタニヤフ氏に「イスラエル国民のために、ネタニヤフ氏の幸運を祈る」と祝福の言葉をのべた。

 気がかりなのは、元々極右のネタニヤフ氏が政権カムバックすることによって、以前の在職時と同じようにアラブ人への弾圧が一層厳しくなると見られ、国内でテロ騒ぎが頻発するのではないかという懸念がある。それにしても、今回のブラジルやイスラエルのように、政治が極端から極端へ転換すると国民が選択したことであるとは言え、かなりの国民は面食らうのではないだろうか。その点では、中道政治グループがもっと活動し存在感を示して、極端に走りがちの政権にブレーキをかけさせることが必要ではないかと思っている。イスラエルは最近4年間に5度の総選挙を行った。それだけ政局が不安定であることを表している。

 あまりにも過激に過ぎると、次のような手荒なことが起きる。アメリカのペロシ下院議長宅が暴漢に襲われ、ペロシ氏は留守で難を逃れたが、自宅にいた夫が負傷した。アメリカ国内には暴力の下地があり、民主主義国家としては恥ずかしいことである。政治家が襲われることは、昨日パキスタンでも起きた。イムラン・カーン元首相が集会の最中に銃で撃たれ負傷した。こういう事態が頻発するのは、アメリカに例えれば、今以て西部開拓時代の暴力野放し時代から抜け出せないということである。こうなると子どもが銃砲を持つのと同じである。民主主義社会が進歩していると言いながら、実際にはアメリカでは民主社会が後退していると言うことである。そうなると、国が核を持つ怖さが現実味を帯びて来る。日本の周辺にも、わからずやの暴力団組織が見られる。プーチン組と習近平組、そして金正恩組である。気を付けないといつ彼らに襲われないとも限らない。

 さて、このところコロナ新規感染者数が、全国的に拡大している。第8波の到来という警鐘があまり重視されず、全国旅行支援キャンペーや、外国人入国制限の緩和のように、全体的に緩和の傾向が窺える。だが、このままにしておいて良いのだろうか。今日東京都ではその対策について専門家会議を開いた。新規感染者数の7日間平均が、10月26日の3,305人から今月2日の1週間の間に4,306人に増え、約千人もの増加となった。入院患者も増え、去年末の高い水準を上回っている。夜の街への人出も3週間前に比べて、約38%も増えている。このままにしておいて好いのだろうか。いよいよコロナ第8波到来ではないだろうか。

2022年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5652.2022年11月3日(木) 84 歳の誕生日に忌むべきミサイル発射

 先月末から4日まで米韓軍事演習が軍事境界線を挟んだ海域で行われているが、昨日北朝鮮から日本海と黄海へ向けて20発以上のミサイルが発射された。これに対抗して韓国軍が北側の公海へ向け、3発のミサイルを発射した。少し緊張感が高まったと思っていた矢先の今朝、北朝鮮はまたもや弾道ミサイルを発射し、新潟、青森、山形、宮城などではJアラート(全国瞬時警報システム)が出され、東北及び北陸新幹線が一時運行を停止した。その後ミサイルは日本上空を通過して太平洋上に落下したと報道された。夜9時半過ぎになって、また警報が流れて来た。北朝鮮が性懲りもなく今朝に続いて再び3発の弾道ミサイルを発射したという。

 しかし、今朝のミサイルは、実際には日本上空は飛行していなかったことが分り、その点は取り消された。このJアラートには、しばしば誤りが起きる。先月4日には北海道上空を飛んだとJアラートが発せられたが、実際には北海道の上空飛行はなかった。今回も新潟県関川村では、Jアラートが発せられたが、音声が流れなかったことが分り、防衛省では現在調査を行っている。

 奇しくも今日は年男の私にとって84歳の誕生日である。選りによって、明治天皇と同じわが誕生日の「文化の日」に、祝砲を打ち上げてくれるなら嬉しいが、誰もが恐れるミサイル弾道弾を打ち上げるとは、相も変わらず悪魔・金正恩と悪魔が牛耳る北朝鮮という「自治体」は嫌なことをやってくれるものだ。今日は天候も良さそうなので、横浜に住む息子から一緒にお墓参りをしようと2,3日前から提案されていた。コロナ禍でしばらく訪れなかった妻方の多磨墓地と近藤家の中野・宝仙寺へ、息子の車で久しぶりに訪れ参拝した。暫くはこれで気分的に落ち着けることと思う。
 さて、84年の生涯を今改めて振り返ってみて、完全とは言えないまでも、まずは満足すべき人生だったと言えるのではないかと思っている。幸い家族にも恵まれた。子どものころより結構自分の思い通りに生きて来た。小学校(当時国民学校)1年生時に終戦となったので、戦争の怖い体験はいくつもある。国民学校で先生に連れられ、クラス・メートと田んぼ道を歩いていた時、突然米軍戦闘機編隊が急降下して襲われかかったが、パイロットが子どもの集団と判ったのか、急上昇して遠ざかり助かった。また、米軍機の来襲により慌てて防空壕に逃げ込んだり、戦後の物資不足の時代に苦労した両親の姿を目にしているだけに、両親の言い付けは守り、父の転勤に依る引っ越しと転校にも黙って従ってきた。大学入学試験では親に散々心配をかけた末に何とか2年浪人して、100%満足とは行かないが、それなりの大学へ入学することが出来た。大学で登山と専門課程で飯田鼎教授のゼミで社会政策を学んだことが大きかった。人生の見方、生き方を学んだのも飯田教授のご指導のお蔭である。それが、生来の海外志向と重なり、政治・経済的問題の多い政情不安定な途上国へ度々ひとりで出かけることになった。それでもやや無鉄砲とも言える海外武者修行のような旅が、自らの人生を深堀する習癖を身につけてくれたと思っている。鉄道会社へ入り、その後旅行会社設立時からずっと旅行業に携わり、多くの海外企画を行い、沢山の営業経験を積むことによって、旅行業の何たるかを曲がりなりにも知ることになった。200回もの海外渡航経験や多くのツアー経験により、多くのお客様から知己を得ることにより、益々旅行業を深く知ることになった。

 今朝新聞紙上に恒例の秋の叙勲者名簿の中に、最高勲章である「旭日大綬章」を受賞された6人の中に、旧厚生省の戦没者遺骨収集事業で何度となく南洋群島へご一緒した水落敏栄・日本遺族会会長のお名前を見つけた。数年前には副文部科学大臣として、甲子園の始球式の様子をテレビで観たこともあり、その後電話でお話しした。今度もお祝いの気持ちをお贈りしたいと思っている。

 当初は旅行業者としては、まだ駆け出しであったが、40年近く奉仕している間に多くの土地を訪れ、いろいろなことを学んだし、多くの素晴らしい方々にお会いすることが出来た。今では第一線から完全に身を引いたが、変わらず一旅行者として、またフリーランス旅行業者として、これからも健康である限り旅行には関わって行きたいと思っている。

 今日はミサイルは別として、大きな健康上の問題もなく、晴れやかな気持ちで誕生日を迎えられた。あと何回誕生日を健やかに迎えることが出来るだろうか。神のみぞ知るであろうか。

2022年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5651.2022年11月2日(水) 挨拶の欠如は現代風なのだろうか?

 今月に入ってから消費者物価の値上げが激しくなり、消費者から家計が苦しいと悲鳴が聞こえる。政府もない知恵を絞って物価対策に懸命で、補助金交付を主に考えているようだが、これという妙案はない。物価上昇率も最近ではほぼ毎月3%を記録し、この上昇率は消費税率引き上げの影響を除けば、1991年8月以来、実に31年ぶりのことである。昨日から家庭では今や必需品となった乳製品が値上げされたことにより、益々家計へのしわ寄せが増している。この他に家庭にとって欠かせない電気代が前年に比較して21.5%、ガス代が19.4%という大幅な値上げとなり、一般の家庭ではどうしようもなく、給料のアップを望むより手がない。

 一方、昨日財務省が発表した2021年度第4四半期法人企業統計によると、一般の消費者物価とはかけ離れて、各企業とも好調な決算で、全産業の経常利益は前年同期比13.7%増、22兆8千億円となり、過去最高となったというから俄かには信じられない。そのせいもあるのだろうか、昨年度の企業の内部留保が500兆円をこえて、これまた10年連続で最高を更新したというから分からないものだ。企業はコロナ禍の隙間を縫って儲けても、企業内に貯め込んで直ぐに社員に分配するということはやらない。家計のやりくりで苦しんでいる社員へ少しでも還元するように給料をアップすれば、それだけで家庭はどれだけ救われることだろうか。

 会社経営者にとって、得た利益をそっくり社員に還元するということは通常考えられない。将来的に不景気時を考慮して、いつも内部留保をため込むことを頭に入れている。利益をどれほど社員に還元するかは、組合、つまり日本労働組合総連合会(連合)の腕次第である。近年この連合が妙に経営者、政府与党に歩み寄り過ぎて労働者の切実な声をアピールし、目的を達することが少なくなっている。昨年10月に女性会長として初めて就任した芳野友子氏の政治力、交渉力が弱いせいもあるのだろう。共産党とはまったく話し合う気持ちがないようで、これまでの組合リーダーの姿勢とは随分違う。これでは、企業が得た利益の一部でも還元してもらうのは、厳しいようだ。労働者にとっては、益々厳しい冬を迎えることになりそうだ。

 さて、近年お隣づきあいが薄くなり、近くで顔を合わせても挨拶どころか、声もかけないという話をよく耳にする。これが現代風とでも言うのだろうか。我々が子どもだったころに比べて随分つれなくなったものだ。実際ご近所で顔を合わしても挨拶を交わすのは精々左右の向こう三軒両隣くらいで、道路を隔てた新興住宅に住む若い人たちとは、ほとんど挨拶を交わすことはない。地方都市ならあり得ないが、都会では段々向こう三軒は縁遠いものとなったようで、一抹の寂しさを感じる。

 実は、今朝の朝日新聞「声」欄に投書された79歳の男性が、登山中に出逢った登山者に声をかけたが、無反応だったと嘆いていた。登山中に行き会った人に声をかけ、応答があったのは約7割ということに、失望と同時に自分自身も相手の心境を慮ると仕方ないと分ったと書いているが、私にも思い当たることである。私自身学生時代と会社では登山クラブに入っていたので、年中山登りをしていた。山中で登山者と行き会えば、まずは「こんにちは」とか、「おはようございます」と声かけをして、必ず同じような返事が返ってきたものだ。こういう会話が少なくなったことは、山中ばかりでなく世間で挨拶が交わされなくなった最近の一般的な風潮である。挨拶や、普通の会話を気兼ねなく交わすことが親近感を深め、固く緊密な人間関係を築くことが出来ると思うのは、今風からはずれているのだろうか。

2022年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com