5680.2022年12月1日(木) 江沢民元国家主席死亡と流行語大賞「村神様」

 中国の江沢民元国家主席が昨日亡くなった。享年96歳は、今年9月に崩御されたエリザベス英女王と同年齢である。私と同じ寅年生まれでもある。

 安倍元首相のケースとは異なり、国葬ではなく習近平国家主席が主任委員となり追悼大会を行い、その追悼行事には外国政府の代表者は招かないと発表された。今や世界でもアメリカに次ぐ経済大国となった中国であるだけに、その経済発展を鄧小平から引き継ぎ、更に発展させた功績は大きい。江主席は、1997年に12年ぶりに国家主席としてアメリカを公式訪問し、翌98年には国家主席として初めて日本を公式訪問した。その際宮中晩餐会で当時の天皇・皇后両陛下の面前で歴史問題に言及したことが日本国内で物議を醸し、反発を呼んだ。江主席は反日的言動が多く、以後の日中間の交流にも支障を来たしていた。

 その後、胡錦涛国家主席にその座を譲ったが、背後で何かと発言力を持っていた。しかし、晩年は習近平国家主席の元で影響力は低下して行った。今中国はその胡錦涛氏から習近平国家主席へバトンが引き継がれ、国家主席として3期目の習近平氏は、盤石の体制を築いたように思える。ただ、水も漏らさぬ習体制と思われていたところへ、数日前からゼロコロナ政策に絡む反対デモが上海や北京を中心に各都市で起き、中には「習近平辞めろ!」の声が上がったり、地域によってはゼロコロナ政策が若干緩和されたことは意外だった。やはり、民主化完全抑圧ということはあり得ない。況してや人権や民主化を抑え込んでいる中国の現体制に対しては、普段声を上げないが、いざとなれば声を上げる可能性があることを示した。習近平とて、いつも絶対安泰とは言えない。

 さて、今年も今日から師走に入った。途端に急に冷え込み寒さが身に堪える。これからクリスマスをはじめ、いろいろ歳末の行事が行われることだろう。その中で、例年話題となっている年間流行語大賞に「村神様」が選ばれたという。言わずと知れたプロ野球、ヤクルト・スワローズの村上宗隆選手のことである。今年度史上最年少で3冠王を獲得し、ヤクルトのセ・リーグ優勝に貢献し、最優秀選手(MVP)にも選出された。その活躍の中でも、シーズン最終打席で日本人選手として56本目の年間最多ホームランを放ち、初めて王貞治選手の55本の記録を破ったことである。まさに神がかりの活躍ぶりだった。来季一層の活躍が期待される。

 今年野球界から流行語大賞が選ばれたが、実は意外にも昨年もプロ野球界から大谷翔平選手の「リアル二刀流」と「ショータイム」が選出されていた。今年は他にも候補として、「キーウ(ウクライナの首都)」「きつねダンス(ファイターズの応援女子ダンサーの踊り)」「国葬儀」「宗教二世」などが挙がっていた。今年もまだ1か月が残されており今後どんなヒット用語が出てくるか分からない。サッカーWCの「ドーハの歓喜」や「長友のブラボー」は選出に間に合わなかったという。今年はまだ1か月が残されている。もう少し遅く選出しても良かったのではないかと思う。

2022年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5679.2022年11月30日(水) 健康上の問題点と今後の健康管理

 1か月半ぶりに東京医療センター膠原病内科で、これまでと同じように今日も血液検査によるCRPとHbA1cの数値を参考に、担当医師と率直にお話をした。前者は0.35、後者は5.9と前回よりは若干数値は上がっているが、全般的に落ち着いてきているとの診断だった。現在両手指がやや硬直化した感じで思うように曲げられないのが悩みである。これを医師は高齢者特有の変形性関節症と仰り良くなる可能性は低いと診断されてから、毎日時間があれば指の屈伸を繰り返してリハビリに努めているつもりだが、それほど良くはならない。年齢を考えて日ごろから、健康維持には食事面などで随分気を遣っているつもりだが、年老いて来るとやはり思うようにならない一面がある。先日慶応病院から人間ドック検査で指摘された2つの留意事項の内、脈波が高い(PWV高値)とのコメントについては、やはり先日別のクリニックで検査してもらったレポートを添えて同病院に報告した。医療センターで診察の後、かかりつけの松本整形外科医院へ寄って松本医師に報告した。松本医師には日ごろから随分気を遣っていただき、指の屈伸について事細かに指導していただいた。変形性関節症もそうだが、けんしょう炎の疑いも濃いと仰っておられた。

 結論的には、右の血管は正常値だが、左がやや硬く末梢動脈疾患の疑いがあるということで、動脈硬化の恐れがあるということである。一昨年9月に左下肢静脈瘤手術を済ませて、血管の詰まり具合は治ったものと信じていたが、またぶり返したのだろうか。来年8月に慶応病院で人間ドック受診の際、担当医師とこの点について今後どう対処するかについて相談することになった。この点は先日電話でお話しした時、慶応病院も了解してくれていた。

 やはり年齢を重ねるということは、身体が老化現象を起こすことでもあり、充分な健康管理が欠かせない。特に近年身体の衰えを少なからず実感として感じている。身体がけだるいと感じることは、いつものことであるが、椅子から立ち上がる時に、すっと立てずに椅子の両肘部分を押しながら「よいしょ!」と言って立つ。夜間の排尿も毎晩2回が当たり前になってしまったが、時には3度も起きることがある。身体は段々硬くなり、両足を伸ばして屈伸することがかなりきつくなった。身体が硬直化しつつある証だと思い、少しでも硬直化の進行にブレーキをかけるために極力身体を全身運動で動かすようにしている。幸い近くに駒沢公園があり、ウォーキングするには絶好の環境に恵まれている。単にウォーキングを続けるのではなく、全身運動と両手指のリハビリを交えながら、これからも両手と両足を高く上げ、工夫した歩き方でウォーキングを続けていきたいと思っている。

 ところで、私は一般人であるから、自分の健康には自らが責任をもって管理することが当然で、事実その通り不完全ながらも実行している。ところが、芸能タレントなんかは、仕事で身体を痛めつけられることがある。時には企画の中で無謀を強いられ、自らの意思とは別に危険な目に晒されることがある。最近こんなことがあった。1週間ほど前にお笑いタレントの松本伊代さんが、「オオカミ少年」というTBSバラエティ番組の企画で、落とし穴へ落とされ、腰椎圧迫骨折とやらで3か月の重傷を負ったという。また、かつてフジテレビのアナウンサーだった菊間千乃さんが、避難器具の体験リポートでビル5階から落ち、生死の境を彷徨ってTV界に恐怖感を与えた事件があった。健康体を敢えて危険な目に遭わせてその臨場感をPRするような健康とは的外れの企画である。健康や生命は唯一のものである。謙虚に健康を保ち、危険な目に遭うようなことはしっかりチェックして、避けられるようなことは極力避けるべきであると思う。

2022年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5678.2022年11月29日(火) 増える防衛費を止められないのか。

 日本国憲法第9条条文に、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。第2項、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と書かれている。

 実は今政府内で来年度以降5年間の防衛関係費の予算について検討が進められているようだ。財政逼迫、そのうえすでに国の借金1,100兆円を抱えているにも拘らず、防衛費には5年後に国内総生産(GDP)の2%の支出を想定している。その額は実に概算約11兆円だというから驚く。防衛費の決定と、防衛費に対する考え方において自民党を中心とする国会議員の間では、憲法違反を行っていることにはまったく無頓着である。

 第9条第2項で陸海空軍を所持しないと明確に記されているにも拘らず、日本は警察予備隊、保安隊と続くトレース上を軍備装備の現自衛隊となって大きくなっている。これは憲法違反に当たることは明白である。確かに災害出動などで自衛隊の活動は、被災者を救い、国民からも高く評価されている。国民からの評価に甘えていつの間にかなし崩し的に自衛隊は必要だとの声を定着させようとしている。しかし、これは話の筋が違うのではないか。国土の災害、人災に対して救済支援が必要とするなら、これは正面からこの問題に取り組み、国防・災害対策部門を設置すべきではないか。

 日本の政治家の問題点を上げればきりがないが、その最大のものは、正面から問題に当たり解決しようとするのではなく、別のルートから、例えそれば法律に触れようとも押し通そうとすることである。そして既成事実を積み重ねることである。更に、例え反対があろうとも必要と思えば国会で論戦することもなく、政府内で審議にかけて法案を強引に実施しようとすることである。そこには、決められた法やルールを順守しようという真摯な気持ちが薄く、内々に隠れて事を進めてしまおうとの狡い考えがある。

 現在日本の防衛費は世界でも8番目に多い。1987年にひとつの壁と見られていたGDP1%の防衛費を達成した途端に防衛費増額には歯止めがかからなくなった。以後時によっては、下がることもあるが、全体的にほぼ上昇傾向に向かい、近年は7年連続で過去最大の防衛費支出となっている。仮に日本の防衛費がGDPの2%になったらアメリカ、中国に次ぐ世界でも第3位の防衛大国になる。これが、憲法で武器を永久に放棄し、軍隊は保持しないと固く誓った国のありようであろうか。例え防衛費増額を決めたとしたら、その予算措置、手当はどう講ずるのか。国の財政は年々厳しく、憲法違反である防衛費を一気に増やす訳にはいかない。これ以上国民に負担を求めるような増税は出来ない。更に防衛費以外にも優先的に考えられなければならない必要経費がもっとたくさんある。

 一番問題なのは、政治家が優先順位を曲げてまでも強引に自らの野望を押し通そうとすることである。そして、その手口で財源の厳しい中で憲法違反の武器、弾薬を増やすために防衛費を増額することである。彼らは、近年の中国の領海進出により、国防上の危険が迫っていると無暗に主張するが、だからと言って中国と事を構えることに一直線というのはいかがなものだろうか。その前にやるべきことを毅然としてルールに則って行うことと、法律に違反するようなことは絶対避けるべきである。こうしている間にも人目に付かないところで、こっそり背反的な行為を行っている政治家には、最早打つ手がないものだろうか。

2022年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5677.2022年11月28日(月) 中国国内に反抗ののろしが上がったか?

 ほぼ30年ぶりの再会だった。長らく参議院議員を辞められた水落敏栄・日本遺族会会長を改築された九段会館に訪ねた。水落氏は去る7月まで参議院議員を3期18年も務められた。現在は遺族会会長として主に太平洋戦争戦没者の遺族支援活動に携わっておられる。議員時代は文部科学副大臣を2年間勤めて甲子園で夏の高校野球開会式で始球式を務められ、またリオ・パラリンピックでも役員として開会式に出席されたことがある。約20年間マリアナ諸島の遺骨収集業務でご一緒したので、本部を設置したサイパンのホテルで毎日顔を合わせたものだ。お互いにやりがいがあり、仕事自体も楽しかったと遺骨収集事業の懐旧談で時をつぶした。時の経過と時代の変化もあり、もうああいう崇高な仕事には携われないなぁというのが懐かしさでもあり、寂しさでもある。これからは、もう少しお会いする機会があるかも知れない。

 さて、中国政府の厳しいゼロコロナ政策により、自宅に閉じ込められた国民から不満が出ていたが、今まで共産党と政府に対して不満を言えなかった人々が、ついに声を出して抗議活動を始めた。共産党1党独裁政権の中国では、近年政府に対する不満や抗議がぶつけられることはほとんどなかった。それが、去る24日新疆ウィグル自治区のウルムチ市で火災が起きて10人が犠牲になったのをきっかけに、昨27日には上海市内のウルムチ通りに多くの人が集まって習総書記の辞任を求める動画が出回ったり、習近平総書記が学んだ北京の精華大学では言論論統制への反発から「今声を上げなければ生涯後悔する」と訴える動画が拡散したようだ。今後地方都市へ拡散していく可能性がある。

 それにしても近年の中国では、党並びに政府批判は珍しいことである。これまで若い学生らから一言も政府への抗議なぞ発せられたことがない。その点で官憲当局も油断していた可能性はある。中国ではいかに政治的、経済的に追い詰められた状態でも、学生らは政府に対して抗議ひとつ行わないのはなぜか、共産党独裁国家主義の本質だけを学び、それに洗脳されて多くの学生たちが、独裁主義を受け入れてしまったために、敢えて他のイデオロギーに基づく国家形態のありように目が向かなかったのではないかと考えていた。その洗脳された学生たちがこれまで声を発しなかったことが、党指導部を思い上がらせ、党の思うままに国家を指導することになった。

 抗議運動が新疆ウィグル自治区から発生したことに問題とその原点があると思う。かねてより欧米諸国より同自治区の人権と民主化弾圧に対して中国政府へ厳しい非難と抗議が寄せられていた。ロイター通信が配信した一部の映像には、中国国歌の一節が書かれたプラカードが掲げられていたという。それは「立ち上がれ!奴隷になりたくない人々よ~」という政府に対して立ち上がれと呼び掛けている国歌とは、皮肉である。

 ともかく中国政府の人権抑圧政策の下で中国国民はひたすら我慢を強いられながら耐え忍んできた。反政府的言動はタブーだった。だが、国歌には矛盾する言葉が散りばめられている。国家が求めていた「耐える」から、国民が「正しく戦う」へスイッチしたと思いたい。これがどの程度のスケールになるか分からないが、中国の中にも黙りきって抵抗しない人が立ち上がり、戦う人となって公に顔を見せるようになってきた。これが中国民主化のひとつのきっかけになって欲しいものである。

2022年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5676.2022年11月27日(日) ツタンカーメン王墓発見以来100年が経った。

 昨日11月26日は、22日の「好い夫婦の日」と同じように語呂合わせで「好い風呂の日」というそうだが、世界史的にも価値の高い「ツタンカーメン王墓」が、イギリス人考古学者ハワード・カーターによって発見されてからちょうど100年になった記念すべき1日でもあった。昨晩テレビ朝日でも発見以来100年に因んでツタンカーメンについて、「世界ふしぎ発見!」でもかなり分かりやすく紹介していたが、素人にも十分理解出来るものだった。ちょうど月刊誌‘NATIONAL GEOGRAPHIC’11月号に62 頁に亘って特集が組まれていて、それが素晴らしい貴重な写真をふんだんに掲載している。これまでにギザのピラミッドやサッカラのステップ・ピラミッド、国立博物館、ルクソール(テーベ)のカルナック神殿、ハトシェプスト女王葬祭殿、王家の谷などを見学して自分なりにエジプト古代文明の神髄に何度か触れたことがある。ナショグラ誌の写真をつくづく眺めていると、かつて訪れたそれらの遺跡を感慨深く思い出している。

 それにしてもツタンカーメン王は僅か19歳で亡くなり、エジプト文化への貢献もそれほど伝えられてはいないにも拘らず、後世の人々からこれほど多く注目と関心を持たれるに至ったのは、若き王にまつわる王墓の発見とともに、多くの宝である当時の歴史的遺産が発見されたからである。

 ところで、このナショグラ誌には、別の話題も乗っていた。エジプトの首都カイロの45㎞東方の砂漠の中に、約600万人規模の新首都が建設されつつあるということである。カイロ市内の交通渋滞に、この際思い切って新首都建設を計画したようだ。移転にかかる費用も莫大なもので、約8兆7千億円にもなるという。意外だったのは、これまでエジプトの首都移転、つまり遷都は度々行われ、今度が5千年間に実に26回目という。エジプトの遷都の歴史も学んでみると興味深そうだ。

 さて、今日は午後からゼミの仲間がチェリストとして活動しているアマチュア・オーケストラの定期演奏会を浅草公会堂で鑑賞した。毎年2度定期演奏会を行っていたが、最近はコロナ渦の影響でしばらく休んでいて今年1月から復活した。今日もゼミの仲間と楽しみにしていたところ、一昨日になってそのチェリストの当人から、コロナ陽性になり演奏出来なくなったと残念な知らせを受けた。毎週のように練習を積み重ねて晴れの本番2日前になって、この悲運は悔やんでも悔やみきれないだろう。主役不在となっては、無理してでも生のクラシックを聴きたいと思っていた仲間も来なくなり、今日は僅か3人だった。

 それでも演奏されたクラシック曲は、ニコライの♪ウィンザーの陽気な女房たち♪、ベートーヴェンの♪交響曲第2番♪、そしてブラームスの♪交響曲第1番♪だった。部分的に聞いた箇所があるが、完全に知っているわけではないが、ブラームスのアンコール曲♪ハンガリアン舞曲5番♪を合わせて約2時間クラシックを堪能することが出来た。

 ところで、今日は大相撲九州場所千秋楽でもあった。珍しく3力士の三つ巴優勝決定戦となった。28年ぶりだそうで、結局平幕・阿炎の初優勝が決まったが、3場所連続で平幕力士が優勝した。また、大関陥落と大関復帰不能があり、来場所は1横綱、1大関になってしまう。これだとまた平幕優勝の可能性がある。まさに戦国時代の幕開けであろうか。

 もうひとつ、スポーツの話題では、WCで日本代表チームがコスタリカに0-1で負けてしまった。試合前までは1回戦でドイツを破った勢いと熱気で日本中が熱くなっていたが、明日から少しトーンダウンするだろうか。残りの試合は強敵スペインであるだけに、決勝トーナメント進出の可能性に不安が出てきた。

2022年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5675.2022年11月26日(土) プーチン・ロシアの身勝手さ

 今年2月にロシア軍がウクライナへ侵攻して以来、局地的戦闘状態が続き、一進一退を繰り返す中で、ロシアがウクライナのエネルギーなどインフラ施設を主な標的に攻撃を続けて、ウクライナでは停電、断水、ガス供給停止など国民の生活面に大きな影響が表れている。すでに雪が降り始め、極寒が予想されるウクライナ各地では、厳しい寒さをいかに乗り切っていくかが目の前の大きなハードルである。

 一方ロシアでは、徴用された一般兵士が十分訓練も受けないまま戦場へ送られ、多くの犠牲者が出ている。ロシアの兵役の過酷さは、例えようもないほどで、十分な休息も与えず酷使され、食事も満足に与えられないまま厳しい冬の寒さの中を上官の命令一つで最前線勤務をさせられている。最近漏れ聞こえてくるロシア軍内部の非人間的な兵役規律は、米原万里著「ロシアは今日も荒れ模様」に随分露骨に描かれている。酒好きのロシア人は、酒さえあれば食事も要らないというほど酒に溺れがちとなる。ウォッカさえ飲めば、上司の命令一つで大した装備もなく前線へ駆り出され、戦わされていると言われている。ロシア軍では無駄に命を落としている兵士が多い。内部規律やモラルも酷いらしく、最近ロシア人捕虜と交換で解放されたウクライナ軍女性兵士に対して、頭髪を剃り上げたり、男性の前で全裸にさせる性的虐待を加えたとも言われている。

 ロシア軍は、対ウクライナ戦争ですでに多くの犠牲者を生んでいるようだが、昨25日どういう意図か分からないが、プーチン大統領がモスクワ郊外の公邸で、招集兵の母親らと面会した。しかし、彼らのほとんどは与党のメンバーや、愛国主義的活動を行っている人が多く、面会自体が政府の演出によるPRだったのではないかと言われている。プーチン大統領は「痛みを共有していることを知ってほしい」と都合の好いことばかり言い、ロシア軍に多数の死傷者が出ている現状に理解を示してほしいと訴えた。その上で多くの犠牲者が出ているのは、ウクライナの責任であり、自分たちは目標を達成しなければならないとの決意を述べた。随分身勝手な話である。残念ながら、心から息子たちの身を案じている軍人の母親ら肉親の声は、ロシアでは届きにくい。

 ついては、話題を変えて今年のプロ野球の最優秀選手(MVP)について考えてみよう。昨日日本プロ野球機構(NPB)が今シーズンの最優秀選手として選出したのは、セ・リーグではヤクルトの村上宗隆選手、パ・リーグではオリックスの山本由伸投手だった。予想通りである。ただ、驚くのは、2人とも2年連続で選出されたことである。確かに2人とも他の選手の追随を許さないほどの活躍ぶりだったが、他の選手が少々情けないのではないかと思う。競争の激しい筈のプロ野球界で2つのリーグでそれぞれの年間最優秀選手が、2年続けて同じ選手だったというのはどうも素直には納得し兼ねる。2人ともまだ若いので、これからも同じ栄誉を手にすることがあろうかと思うと同時に、他に傑出した選手が現れないものだろうか。もし新たに若い秀でた選手が現れないようだと、プロ野球界の将来もやや暗いのではないかと懸念する。毎年意気盛んな若手が数多く入ってくるプロ野球界であるが、同じ選手にいつまでもタイトルを独占されているようでは、次第にプロ野球界も沈滞し、人気もサッカーや、他のスポーツに追い越されてしまうだろう。

2022年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5674.2022年11月25日(金) 大学ゼミの本質とは無関係な事件

 帝京大学経済学部のゼミで教授が、ゼミ希望者を面接するに当たって女子を優先するような条件を付したと男子学生がツィッターで投稿し、学生へのハラスメントではないかと学内外で物議を醸している。教授の言い分では、すでに決まっているゼミ生の男女比が10:1だったので、残り4人のゼミ生を認めるに際して、出来る限り女子学生に入ってもらいたいとの気持ちが、歪んだ形で公になったようだ。しかもテレビでも報道されるようになって教授自身手に負えなくなったのか、その対応を大学側に任せるような発言をしている。

 この事案が発覚したのは、偶々SNSで当該のゼミを希望した男子学生の名前が「聖奈」という女子と勘違いされそうな名前だったため、教授は男子学生の聖奈を女子と思い込み、直ちにゼミ生と認めたうえで、確認のため性別を本人に直接尋ねて男子だと判明した。ネットによるこの間の教授と学生のやり取りをみると、ゼミで学生として学び研究する真摯な学問から遊離して、アカデミックな空気が感じられない。

 翻って私自身大学経済学部3年生となり、専門課程へ進んだ時、当然のようにどの先生のゼミへ入り、2年間何を専門に学ぶかと考え悩んだ。取り敢えず社会政策系のゼミに入りたいと考えていたので、その中から専門分野の研究課題を見つけて学びたいと思ったものだ。面接していただいた恩師には、これまでに読んだ、或いはその時読みかけていた書物を尋ねられ、河上肇の「自叙伝」、「貧乏物語」を読んだことを伝え、感想をお話した課程で、先生からそれではゼミに入って河上肇を研究してみてはどうかとアドバイスされた。ゼミに入り卒業するまでに河上肇関係文書をかなり読み込み、卒論も拙いながらも何とか「河上肇論」を書き上げた。先生の厳しく懇切なご指導を受けて楽しく充実した2年間のゼミ生活を送ったものだ。

 この帝京大のケースは、ゼミの入り口で起きたやや軽率に失したトラブルだと思うが、ゼミナールは入ってから何を、どう学ぶかということが大事で、ひとりの学士として卒業してから時を経て、ゼミで学んだことが身についているかが問われるのではないかと思う。そういう意味では、ゼミ生活が厳しいながらも楽しいものでなければあまりゼミで学ぶ意味はないと思う。

 この件については、帝京大のホームページに「本学は教員の立場を利用した学生へのハラスメント行為(アカデミックハラスメント)や差別的行為を許容しておらず、決して許されるべきものではない」と公表している。大学では、教授本人に事実関係を確認しているが、本人の説明などは調査委員会の結論が出てから公表すると言っている。

 当教授にやや軽はずみの面があったようでもあり、同時に学生たちにもやや甘さがあったのではないかと考えている。それにしても大学ゼミナールの話題が本題から外れてはいるが、大学のゼミが話題になるのは懐かしく、久しぶりに学生時代を想い出す。

2022年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5673.2022年11月24日(木) WC初戦で予想を覆し強豪ドイツに逆転勝ち

 嬉しいことだが、「あ~ぁ びっくりした!」というのが結果を知った時の率直な本音である。昨夜行われたサッカー・ワールドカップ(WC)第1戦で日本代表チームが、優勝候補の一角で過去4回のWC優勝実績がある世界ランク11位の強豪ドイツに2―1で逆転勝ちを収めたのである。テレビで中継を観ていたら開始早々見事な縦パスを受け右ライン際を駆け上がった伊東選手からパスを受けたトップの前田選手が見事にゴールを決め、幸先の好いスタートだと思ったところ、オフサイドと認定されゴールは取り消されてしまった。その後はドイツに押されっ放しで逆にドイツにペナルティ・キックを決められ前半を0―1で折り返した。試合が進むにつれて終始押されっ放しになり、後半途中で真夜中近くなったので、今日は負けたと諦め床に就いた。

 ところが、今朝起きてテレビ・ニュースを観て驚いた。日本が後半に2点連続してゴールを上げ逆転勝ちしていたのだ。朝刊には、「日本、ドイツを破るー逆転2ゴール 歴史的勝利」、夕刊は「日本サッカー 新たな高みードイツ破る 優勝経験国に初勝利」と朝夕刊ともにトップ記事として取り上げている。得点の経緯を見てみると、選手交代が効果を上げ、途中から出場した選手が大分活躍して得点に絡んでいた。森保監督の機を見るに敏の名采配の賜物だろう。

 恐らく同点ゴールを決めるまでは、ほとんどの日本人は負けを覚悟していただろう。日本中が歓喜に沸いたような喜びようで、朝からテレビでゴール・シーンを何度も何度も放映していた。勝てると信じ込んでいたドイツのファンは、流石に日本に負けてショックを隠し切れないようだった。これで昨日午後秩父宮ラグビー場で行われた第100回記念ラグビー早慶戦で母校慶応が、前半10―0でリードしていながら、後半逆転され13―17で敗けたうっぷんを多少晴らすことが出来た。

 カタールの首都ドーハにおけるこの奇跡の勝利は、いみじくも29年前の1993年日本チームが同じこの地で味わった屈辱の「ドーハの悲劇」を思い出させてくれる。それはWCアジア予選最終戦で日本はグループ1位にあり、WC出場に王手をかけていた。それが、リードしていたタイムアップ寸前に相手チームのイラクにゴールを決められ、引き分けとなり一転して予選で敗退となり代わりに韓国が出場した。韓国とは勝ち点が同じだったが、得失点差で本選初出場を逃してしまい、日本にとってのドーハの悲劇は痛恨の極みであり、韓国にとっては天から降って湧いた「ドーハの奇跡」と呼ばれた。

 爾来29年、奇しくも同じこのドーハの地で韓国が体験した歓喜「ドーハの奇跡」を日本人も味わうことが出来た。この出来過ぎのストーリーを誰が予想することが出来ただろうか。勝負は水ものである。最後まで勝敗の行方は分からないものだ。特に実力が伯仲している場合は殊更である。昨日のWCでは日本は世界ランク24位で、ドイツには実力的には大きく差をつけられていただけに、多分勝てることはないだろうと諦めかけていただけに意外感があまりにも大きく、夢物語を見ているようである。日本はこの後、同じグループの31位コスタリカとドイツより上位の7位スペイン戦を控えている。特にスペインは強豪であるが、今後の戦い方次第では、決勝トーナメント進出の希望と可能性が高くなった。しかし、簡単に諦めることを戒めると同時に、油断大敵であることも重々心しなければならないことを思い知らされた昨晩の初戦ドイツ戦の逆転勝利である。

2022年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5672.2022年11月23日(水) 閣僚の辞任ドミノとカタールのWC開催事情

 このところ岸田内閣は荒れ模様と言ったら好いだろうか。この1か月間に3人の閣僚が辞任、実は更迭で、昨日は3人目の寺田稔総務相が辞めたが、その後任として総務相になった松本剛明氏が、早くも政治資金規正法違反の疑いを持たれている。加えて、昨日の衆議院本会議で早速居眠りを始めたのである。隣席の加藤厚労相が熱心にメモを取っている間も、上向いて目をつぶったり、下を向いて俯いたり、壇上でスピーチしている岸田首相や議員の話を聞いている素振りがまったく見えなかった。テレビでもその一部始終が放映され、流石に記者に質問されたが、自分は目が細いのでそう見えたのだろうと全く意に介していないようだった。こういう大臣では、また粗相を冒すのではないかと懸念している。

 そこへ秋葉賢也・復興担当大臣が新たに自分の政治団体が妻と母に地元事務所の賃借料を支払っていた事実がおかしいと、政治とカネの問題で追及され、4人目の辞任が囁かれている。下手をすると4人目、5人目の辞任、更迭のドミノが実現しかねない。

 これは岸田首相が、大臣としての適性を見抜けない人間観察眼の欠如と、彼ら更迭された大臣らの人間性に大きな問題がある。特に気になるのは、これまでに辞任した3人と新総務相は、いずれも東大出身者で、しかも官僚出や政治家系出身であることである。世間知らずで大したことをしなくても暮らしていけるご身分である。一般的に政治家の資質に欠ける連中が大臣になって日本を引っ搔き回しているという印象を受ける。今の政治に国民の関心が薄れるのは、こういう政治家がのさばり出したからだ。

 そして、新たに岸田首相にも政治とカネの問題が浮上した。昨年10月に行われた衆議院選に際し、選挙運動費用収支報告書に添付された領収書が公職選挙法違反の疑いがあるという。辞任した閣僚には、説明責任を強く求めていたが、首相自身の説明責任は果たすことが出来るだろうか。

 さて、話題を変えてサッカーWCに目を向けてみたい。一昨日の深夜から開会式に続き、各ブロックの1回戦が始まった。開会前からカタールの地で開催されることにとかくの噂があったが、依然として尾を引いているようだ。イラン国内でヒジャブを着用しなかった女性が警察に拘束され死亡した事件以来、イラン国内でデモが絶えないが、女性が死亡したことに抗議するためにイラン代表チームの選手が、イラン国歌を歌わなかったり、カタールの人権侵害に抗議してイングランド選手が試合前に片足を膝まずいたり、グラウンドでも何かと問題が噴き出ている。

 実は、石油産出国の新興国カタールは、世界へ向けてWC開催を自国を売り込む機会と捉えているようだ。そのため人権侵害や液化ガス排出などの悪いイメージを払拭するよう、国家がらみでなりふり構わず開催ありき、前進あるのみの態勢である。あの暑い国で屋内スタジアムでないメイン会場が涼しいほどエアコンを利かせていることも地球温暖化を加速させると批判を浴びている。開催にかかる費用総額は約42兆円と見積もられ、東京オリンピック開催費用の約30倍、日本の年間国家予算の約40%だというから、人口僅か293万人の国にとっては途方もない金額である。

 WC開催によって多くの外国人観光客が訪れ、その一時的賑わいと彼らの落としたドルがカタールを潤したとメディアによって世界中に伝えられ、カタールの知名度を上げることが、果たしてカタール国民にとってどれほどのプラスになるのだろうか。

2022年11月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5671.2022年11月22日(火) 新1万円札肖像に渋沢栄一?の疑問

 今日11月22日は、1122の語呂合わせで「イイフウフ(好い夫婦)」の日と呼ぶそうだ。今日に限らず、いつも円満で「好い夫婦」ならそれに超したことはないだろう。「好い夫婦」の日に際し、ちょっと気になることがある。

 それは2024年に現在使用されている紙幣が20年ぶりに新札に替えられ、現在のお札の人物像が、新しい人物に変えられるが、それら人物のひとりに気がかりなことがある。現在の1万円札の人物が福沢諭吉から渋沢栄一に、5千円札が樋口一葉から津田梅子に、そして千円札は野口英世から北里柴三郎にそれぞれ変更される。彼らの肖像が選ばれたのは、それぞれが果たした業績が高く評価され、偉人として尊敬できる立派な人物であると見なされたからに他ならない。毎日国民が手にするお札に人物像が取り上げられる以上、その人物は個人としての業績はもちろん、人間的にも尊敬に値する人格者でないとモラル上困る。仮に外国人からどういう人物であるかと尋ねられた時、胸を張ってこういう立派な人物であると答えられないようではお札に顔を見せる価値がない。

 ところが、問題なのは、新1万円札に描かれる明治の実業家・渋沢栄一に、性格上及び家庭生活上大きな欠陥が見られたにも拘らず、最高の紙幣に登場する人物に決定したことである。

 確かに渋沢が明治黎明期の日本経済界に広範に貢献したことは間違いない。しかし、私生活面においてはとても模範となるような人物ではなかった。昨年NHK大河ドラマ「青天を衝け」で主人公として取り上げられ、持て囃されたが、テレビでは1人の愛人だけしか紹介されなかった。しかし、私生活面で他にも数々のスキャンダルを演じている。因みに正式に結婚した妻は2人だけだったが、妾、愛人は数知れず、愛人との子どもの数は一説によると50人とも言われていたらしい。中には、幕末新選組隊士の女性に手を出して、新選組に襲われたという話まである。また、1866年幕臣としてヨーロッパに派遣された折には、現地の女性にまで手を出したと言われている。80歳代になってから愛人に子どもを孕ませたという生涯現役というほどの稀代の女たらしだった。ある面では世間に紹介するのも恥ずかしいくらいの人物である。世に憚られる不倫をいくつも重ね、私生活は真っ当な家庭生活を営めなかった男である。その点では、尊敬どころか、軽蔑の対象でもある。

 表の世界では、実業界の父と言われ、日本資本主義の父とも呼ばれて、明治になってから日本国内に日本で最初の銀行を設立したのを皮切りに、500社以上の会社の創設に関わった経済人として華々しく紹介されている。確かに明治期の日本の経済界の発展の先鞭をつけ、牽引車となったことは疑いようがない。それでも倫理的に問題なのは、女性にあまりにもだらしなかったことである。女の経済的な面倒こそみたとは言え、これほど女性との火遊びに投資した男も珍しいと思う。こういう人物が一番高価な日本銀行券の表面にその顔を現すのは、道義上にも問題ではないかと思う。その私生活面は聊か常軌を逸していると言わざるを得ない。渋沢を1万円札の顔としていかなる基準で選出したのか、とても理解出来ない。渋沢を明治の偉人として学んだ小中学生らの幼い子どもたちが、後年になって渋沢の隠れた不倫行動を知った時、散々その功績を教えられていた彼らの気持ちはどんな思いだろうか。

 渋沢を1万円札の絵柄に選んだ有識者?の判断には、大きな間違いがあったのではないかと彼らの常識をさえ疑いたくなる。

2022年11月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com