5125.2021年5月25日(火) 明治憲法制定前の五日市憲法草案

 こんな山奥の辺鄙な土地、しかも東京都内にある今にも朽ち果てようとしている茅屋に、大日本帝国憲法の制定以前に憲法私案のひとつが作られ、残されているのが今から半世紀前に見つかった。俗に「五日市憲法草案」と呼ばれている。起草されたのは1881年で、発見されたのは大分時を経て1968年、江戸時代の名主の屋敷内の土蔵だった。起草者は仙台藩士の子孫で、戊辰戦争で敗北の末遍歴を重ねて五日市町(現あきる野市)へ辿り着き、小学校で教員をしながら自由民権運動に携わっていた千葉卓三郎という人物である。

 草案は204条から構成されているが、その主題は「日本国民ハ各自ノ権利自由ヲ達ス可シ他ヨリ妨害ス可ラス且国宝之ヲ保護ス可シ」と書かれている。国民の権利に多くを割き、身体・生命・財産の保護や思想・出版の自由、地方分権などを盛り込んだ極めて民主的な内容と評価されている。当時ではとても考えられないような民主的な草案であり、例え明治憲法には採用されずとも、こういう自由で民主的な空気が人里離れた山奥にあったということに興味を惹かれた。いかにその当時このような土地に開明的な人々が多く住んでいたことかが推察出来る。

 百を超えるとも言われる明治時代の民間憲法草案の中でも五日市憲法草案は、自由と人権という点で最高の内容であるとも評価されている。今日では、「五日市憲法草案の会」という組織が結成され、草案を日本の宝として広めようと活動している。世間一般には、あまり知られていないこのような山深い土地にかくも民主的でアカデミックな歴史が芽生えたということに驚いている。いつかこの地を訪れ、保守的な明治憲法とはやや相容れない民間の憲法草案が生れた空気に触れてみたいものである。

 さて、唐突にアメリカ国務省は日本の新型コロナウィルス感染状況を4段階の内最高の「レベル4」に格付けして日本への渡航を中止するよう求めた。国務省の渡航勧告は、渡航中止勧告の「レベル4」には、ドイツ、フランス、ブラジル、ロシアなど151カ国が含まれ、渡航再検討の「レベル3」には、イギリス、オーストラリア、イスラエル、中国など42カ国が、注意の「レべル2」は、韓国、シンガポール、ベトナムなど16カ国が含まれている。

 アメリカのこの種の警戒度については、かねがね疑問を抱いていた。世界で最も感染者と死者が多く、慌てて国民が嫌なマスクを着けるようになりワクチン接種効果が表れ新規感染者数が減少した途端公的にマスクを着ける必要がないと言い、ソーシャル・ディスタンスも取らず、自由にハグをしている図を見ているともう少し慎重であるべきではないかと思っていた。それが日本への渡航にまで制限を加えるようになるとは、アメリカ人のコロナ意識が常識的な感覚とは些かずれているのではないかとも思っている。これは国民性であろうか。

2021年5月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5124.2021年5月24日(月) 東京オリンピックは開催、or 中止?

 7月23日の東京オリンピック開催日まで残り60日を切った。世間一般には開催中止もやむを得ないとする声が過半数を超え、有識者からも開催に否定的な声が強い。外国人の観客を締め出して開催するにしても、五輪とパラリンピック選手と関係者、約9万人が来日して新規感染者が出たら、現在の緊急事態宣言下で医療関係を含めて充分な対応が出来るのか疑問が出されている。すでに始まった国内聖火リレーも本来の形ではなく、聖火リレーと言えるようなものではない。大会前に国内の地方都市で受け入れる予定だった外国人選手と地元民との交流計画も次々と中止に追い込まれ、全般的な気分も今ひとつ盛り上がらない現状である。

 こんな状況下で去る21日、コーツIOC調整委員長が、緊急事態宣言下でも開催して問題がなかった世界大会がいくつかあり、例え東京オリンピックが緊急事態宣言下でも開催出来るとIOCの立場を表明した。ただ、このIOCの要人は、オリンピックが他の競技の世界大会と同じ規模、同じ日数の下に開催されたものではないことは先刻承知の筈である。比較にならない比較を例え話に出しても開催を実現したいのだろう。そして、翌22日、この発言に輪をかけたバッハIOC会長の発言があった。「開催を実現するために我々は犠牲を払わなければならない。そうすれば選手は夢を間違いなく叶えることが出来る」と述べて、ネット上でこの発言に対して誰に犠牲を求めているのかと厳しい意見があった。IOCにとっては開催しなければ、得られる収入がなくなり存在自体が意味を失う。ただ、IOC首脳にとっては開催自体に中止声明を出すことは出来ても開催都市の意向を無視してまでも開催に拘るわけには行かない。現時点では、開催国日本政府と開催都市東京都が開催に前向きな立場でいるだけに心強いのかも知れないが、そうするために「開催」へ向けた支援弾を放っている印象が強い。

 いずれにせよ「開催」、「中止」のどちらに決定しても各関係者に相当な損害がもたらされることははっきりしている。今や進むも地獄、退くも地獄となってしまった感がある。それにしても早晩とちらかに決めなければいけない。菅首相は「安心安全な開催」としきりに語っているが、その「安心安全は開催」が出来るのかどうかを国民は固唾を飲んで見守っているのだ。菅首相、小池東京都知事ともに、オリンピックどころではなく現実に新型コロナウィルに振り回されているのだ。今日から東京と大阪で大規模接種センターが始まった。オリンピック開催日は、1日1日近づいてくる。だが、そのためのあらゆる準備は追いついているのだろうか。極力早い時期に菅首相から、はっきり「オリンピック開催」か、「オリンピック中止」を明言して欲しい。そうしないと日本中が落ち着きそうもない。

 さて、今日夕刻になって遠いアフリカから火山噴火のニュースが入って来た。コンゴの海抜3,400mのニーラ・コンゴという山が噴火して首都ゴマまで溶岩が流れ出て迫っている。170人以上の幼児が行方不明となっている。2万5千戸の住宅が灰燼に帰したという。この山は2002年にも噴火して100人以上が亡くなっている。寡聞にして、アフリカにこれほど大きな火山があるとは知らなかった。貧しいアフリカの国らしくコロナに気を付けるのではなくコレラに気を付けるよう飲料水の配布に気を遣っているのがユニークである。とにかく被害が拡がらないことを祈るばかりである。

2021年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5123.2021年5月23日(日) 八木哲郎「知的生産の技術研究会」会長逝く。

 昨晩訃報が入りショックを受けている。長年お世話になったNPO「知的生産の技術研究会」(略称:知研)の発起人である八木哲郎会長が、一昨日入院先で永遠の眠りに就かれた。昨年夏機関誌「知研フォーラム」に何か私らしい文章を寄稿して欲しいと話があり、11月にメディア批判の拙稿を送った。ところが、受け取ったとの連絡がなかったので、気になり今年に入ってから電話で確認したところ話しぶりにやや元気がなく、会長自身も体調が悪いので、季刊誌「知研フォーラム」はあと2回発行して終止符を打ちたいと仰っていた。それでは最終号の原稿としてミヤンマーについて書き別途送ると約束し、今月3日に送稿した。その晩電話をしたところ奥様から今入院しているとお聞きして心配していたところだった。もうお話しが出来ないかと思うと寂しいし、残念である。

 思い起こすと八木会長とはかれこれ半世紀近いお付き合いになる。会長は、梅棹忠夫先生の名著「知的生産の技術」に心を動かされ、知的生産を広く若い人の間に啓蒙することが大事であり、それに関わりたいとの信念で直接梅棹先生に交渉し了解をいただき勉強会名を名著に因んだ名前「知的生産の技術研究会」にしていただいた。以降会のため会員の先頭に立ち率先して積極的に活動され、その名はインテリ層の間でかなり知られるようになった。私の処女出版「現代海外武者修行のすすめ」の出版記念会では、「永遠の少年」と買いかぶったお祝いのスピーチをしていただいた。2008年には、韓国束草市で開催された「高齢者社会と将来」に関する国際シンポジウムに知研からパネリストとして派遣していただき、日本人参加者がひとりもいない環境の中で随分勉強になる経験をすることが出来た。

 今日午前日頃ともに親しくしている小中陽太郎氏に電話でお話ししたところ随分落胆しておられた。その後、会長夫人にもお悔やみのお電話をしたところ、今月3日に私が電話した時から日に日に身体が弱っていったと仰っておられた。

 八木会長からお世話になったことは計り知れないほどである。お互いに著作を交換したり、セミナーを開いたこともある。自分の為というより、他人への奉仕のような尊いお気持ちで知研を導いてくれた。感謝の言葉しかない。ただ、今はご冥福をお祈りするばかりである。昭和6年のお生まれと伺っていたので、享年89歳だった。心よりご冥福をお祈り致したい。
 さて、明るい話をしよう。今年のラグビー日本選手権決勝戦は今日秩父宮ラグビー場で、サントリーとパナソニックの間で争われ、パナソニックが31対26で5年ぶりの優勝を果たした。来年からはトップ・リーグのスタイルが少し変わり、日本選手権も少し形を変えるようだ。今日の試合で注目を集めたのは、パナソニックの福岡堅樹選手がこの試合で選手生活を引退し最後の試合で見事有終の美を飾ったことである。彼は筑波大学でもパナソニックでも優勝経験がなかったが、一昨年のラグビー・ワールドカップで華々しく活躍し、オリンピック7人制代表選手に選ばれながら昨年のオリンピックが今年に順延となったために、オリンピック出場を諦め、今季に最後の願いをかけた日本選手権で優勝を果たし、ラグビー人生で残された最後の夢を果たしたことである。今後新たな医学の道で第2の夢を実現して欲しいものである。

 大相撲夏場所は今日が千秋楽である。大関同士の優勝争いとなり、本番の結びの一番では貴景勝に敗れた照ノ富士が、優勝決定戦では貴景勝を返り討ちにして、大関昇進後初めてで4度目の優勝を飾った。横綱不在の場所で、新型コロナウィルスの緊急事態宣言下で無観客だったり、入場制限をしたり相撲協会も苦労されたようだが、無事千秋楽を迎えられて「メデタシ、メデタシ」である。

2021年5月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5122.2021年5月22日(土) 好い加減な防衛装備の費用算出

 昨日の本ブログで取り上げた防衛省が購入予定の代替イージス艦の購入価格9千万円について、野党がこの朝日記事を読んで、昨日衆議院安全保障委員会で政府の説明責任を追及したと今朝の朝日で報じられた。野党はこれまで一体どこに目をつけていたのか。これに対して岸防衛相は現時点で詳細な数値を示すことは困難と応えたようだ。いつもながらの政治家間だけに通るやり取りである。いつまでに資料を提出するという小学校でも当たり前の所作がなぜ出来ないのか。政治家の無責任で幼稚なところだろう。

 この記事については、自衛官上がりの「ヒゲの隊長」自民党参議院議員・佐藤正久氏が、更に経費が大幅に増加する可能性があるとツィッターに書き込んでいたともいう。とにかく防衛予算は伏魔殿であることを改めて世間に知らせてしまった。アメリカの言いなりに高価なミサイル武器をたくさん買わされて国民には黙っていようという政治家の阿漕な魂胆である。相も変らぬ政治屋の紙芝居を見ているようだ。

 さて、中東の地でイスラエルとハマスの停戦が実現して、取り敢えず砲撃合戦は回避されほっとしている。しかし、この停戦は両者が納得したわけではなく、悲報が外部へ伝えられることによって国際社会から非難され、強く停戦を求められたことで実現したものである。当事者の両国には止むを得ず停戦合意をしたという裏事情もある。実際近年になってからも2012年、14年に停戦・再戦の事実があるように、今後いかなる些細なトラブルによって再び戦いが火を噴くかも知れない。況してやイスラエルのネタニヤフ首相の立場は極めて不安定である。仮に平穏であれば、いくつかの収賄疑惑によって政治家として訴追され職を辞さなければならない微妙な位置にいる。戦火は彼にとって隠れ蓑にもなっているのである。

 このイスラエル・ハマスの停戦実現は、一般的には喜ぶべきことである。その一方で相変わらず前進が見られないのが、クーデター後のミヤンマー国内の情勢である。国軍は、一昨年惨敗した総選挙で国民民主連盟(NLD)側に不正があったと主張したが、それはNLDにあやつられていたからだと国軍統治下で新たに発足させた選挙管理委員会が言いがかりをつけている。国軍側は不正について調査報告もせずに、NLDを解党する方針を示した。とてもNLDに太刀打ち出来ないと見た国軍が破れかぶれの手を打った。これでは、今後総選挙が実施されても民主的な政権は期待出来ないばかりか、対立する正式な政党を自らの一方的な都合でつぶしてしまうのは、現実の世界では考えられない。更に、国軍は選挙制度を現在の小選挙区制から総選挙で惨敗した国軍系政党が当選する可能性が高まる比例代表制に変更しようとしている。加えて国軍最高司令官の定年規定の撤廃を決め、来る7月に定年を迎える筈だったミンアウンフライン最高司令官がそのまま国軍トップの座に留まり続ける環境を作った。かつてのスターリン・ソ連首相、プーチン・ロシア首相、毛沢東・中国共産党国家主席、金正恩・朝鮮労働党総書記ら独裁者とやることがまるで同じである。抑え込まれているミヤンマー市民がこのままで黙っているわけにも行かず、抗議運動は益々激しさを加えることが予想される。下手をすると国内が修羅場になる恐れがある。一体いつになったらイスラエルとハマスのような「停戦」に持ち込むことが出来るだろうか。

2021年5月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5121.2021年5月21日(金) イスラエル、パレスチナ・ハマス停戦合意

 今月10日以来イスラエルとパレスチナのハマスとの間で砲撃戦が続けられていたが、両者がエジプトや及び腰だったアメリカの仲介を受け入れ取り敢えず停戦を受け入れ、今朝11日ぶりに攻撃の応酬は収束した。ただ、過去において停戦で合意した後に攻撃が行われたことが再三あり、エジプト政府は双方に停戦監視代表団を送り、長期間停戦が維持されるか監視することになっている。
 砲撃開始以来国連安保理事会は4度も開催されながら、声明を出せずに解決への道を歩むこともなく、結局エジプトの介入により一応の解決となった。ミヤンマー問題にしても国連の影響力は弱くなった。今や国連は紛争の調停で機能しなくなったような印象である。

 さて、今朝の朝日新聞トップ記事を見て、あまりにも高額な防衛省の予算にショックを受けた。代替イージス艦2隻の余りにも高額な購入費用を知り本当かな?と首を傾げた。当初陸上イージスの購入費用は約4千5百億円だった。それが代替イージス艦の購入に代わったのは、秋田及び山口県の陸上自衛隊演習場に配備する予定だったが、説明の杜撰さと地元の反対によって計画自体を変更せざるを得なくなった。防衛システムは陸上から海上艦に代わったが、きちんと購入計画を立てなかったせいもあり、何と当初予算の2倍、9千億円も高額購入となった。

 全体的に杜撰な計画だということは、代替イージス艦には維持整備コストがかかることを計算していなかった点である。更に致命的なのは、日本全体の空の防衛は、「24時間365日、日本全体をカバー出来る」との触れ込みだったにも拘わらず、代替艦2隻で日本全体をカバーすると想定されるが、実際に洋上でミサイル防衛に従事出来るのは、整備などに充てる期間を考えると3分の1の約126日しかないとの試算があるようだ。こんな好い加減な防衛計画で、費用は2倍も余計にかかり、防衛できる日数が1年の3分の1とはあまりにも抜け穴だらけで甘過ぎるのではないか。

 元々防衛省予算については、国民はあまり詳しく知ろうとしない。しかも一般会計でありながら別途の予算のような扱いである。かつての財政投融資のようである。現実に国会の質疑では、代替艦の総コストについて説明を求める声があるが、政府はそれを明らかにしようとはしない。野党が票にならないからと厳しい追及をしないのかも知れない。それならメディアが精査してトコトン追及すべきことだと思う。現状では防衛費は金食い虫で、すべてスルーにされているような気がしてならない。

2021年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5120.2021年5月20日(木) 酒類自粛に抵抗のある沖縄に緊急事態宣言か。

 東京、大阪などの大都市では新型コロナウィルスの感染拡大の勢いはやや衰えつつあるが、全国的にその勢いは鎮まらない。連休中にも各知事が県境を越えて来ないで欲しいと訴えていたが、沖縄ではGW中に10万人の観光客が押し寄せ、結果的に沖縄で新規感染者を一気に増加させてしまった。昨日は新規感染者が過去最多の203人を記録し、変異株の流入が大きいとされるが、ただならぬ事態になった。

 沖縄にとって観光産業は経済の屋台骨である。2019年に1016万人もが訪れた観光客が、20年には6割減の374万人にまで減少して沖縄経済に多大な打撃を与えてしまった。沖縄にとっては大型連休はかき入れ時で全面的な自粛要請が出来なかった。しかし、それによって感染者が増えたのでは元も子もない。流石に県関係者もこのまま放置しては、沖縄経済にとって致命傷になると考えたのか、緊急事態宣言発出を政府に要請することを決めた。

 但し、これにも政府のさや当てのような沖縄に対する姑息な感情が窺える。自民党の細田博之・元官房長官が沖縄にとって観光が大事ならどうして来県者全員を検査するような沖縄県独自の防止策を講じないのかと述べたうえで、「国の政策に頼るなんて沖縄県民らしくないじゃないか。頼りにならない国の政策なんか頼りにしたって、このコロナは対策が講じられない」と些か子どもじみた嫌味を語った。普段沖縄のアメリカ軍基地問題でとかく日本政府と衝突している沖縄に対して政府の本音をぶちまけたのではないか。それにしてもコロナは今や大厄介者になって、国民が等しく終息させたいと願っている時に、沖縄の人たちの気持ちを斟酌せずに皮肉をのべたのは、政治家として、否自民党実力者としてどうだろうか。この発言は、昨日の自民党の沖縄振興調査会役員会で述べられたそうだが、そこにはいつも政府に対して辛辣な発言をする玉城デニー・沖縄県知事も細田氏の隣に出席していた。しかし、これに対して知事は何を考えていたのか、細田発言は沖縄に対して激励されたものだと考えているとまったくトンチンカンな発言をしている。またもや政治の化かし合いなのだろうか。

 さて、大相撲夏場所12日目の今日、4大関のひとり、朝乃山が休場することになった。場所前の不要不急の外出が禁じられている期間中にキャパクラへ出かけたことが咎められた。当初朝乃山は事実無根と否認していたが、最終的に本人もその事実を認め、出場停止処分となった。禁を破れば罰せられるのは当然としても、昨日まで7勝4敗で勝ち越しておらず、今場所は負け越しと決まり、来場所はカド番となる。厳しい処分である。

 しかし、先日外出を自粛するよう国民に対して旗を振っていた中川俊男・日本医師会会長は、後援会会長を務めている自見英子参議院議員の政治資金パーティに医師仲間とともに出席した事実に比べれば、軽い方かも知れない。中川会長は、コロナ感染防止のためのメッセージを国民に送り続けていた人物である。その当人がその陰では自らの言葉には目をつぶりパーティに出席していたなんて信じられない。こういう表裏のあるご仁が、医学界の最高ポストに就いて国民を騙すようなことを行うとは、あまりにも非常識で国民を愚弄している。日本医師会は自浄力を示すべき時ではないか。さもなければ、今後医師会の言動を誰も信用しなくなる。

2021年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5119.2021年5月19日(水) 大村愛知県知事リコール騒ぎで逮捕者

 梅雨空の下近くの東京医療センターへ妻とともに出かけた。膠原病内科で紹介していただいた岡野裕医師と若い羽磨智史医師に診ていただきながらいろいろ相談に乗っていただいた。最終的には、採血し、採尿し、X線検査をすることになり、その結果によって27日に改めて話しあいさせていただくことになった。採血に当たって、こんなに血液を採るのだろうかと首を傾げたことがあった。血液をスポイト9本分も取ったのは初めてである。今日の結果を近日かかりつけの松本整形外科医師に報告しなければいけない。

 さて、呆れるような馬鹿げた騒動があった。昨年秋ごろに愛知県全域に亘って行われた、大村秀章・愛知県知事のリコール署名行為で、多くの署名偽造があったことが判った。今日リコール団体事務局長、及び妻、次男と事務局員が地方自治法違反で逮捕された。最初からこのリコールにはいかがわしさがあった。大村知事と河村たかし名古屋市長が、犬猿の中で、いつも対立していた。リコール問題のもめごとの発端は、2019年に県主催で開催された「あいちトリエンナーレ2019」の表現の不自由展に「平和な少女像」、いわゆる韓国の従軍慰安婦像が展示されたことから、河村市長が撤去を要請したことが発端となった。普段から大村知事に不満を持っていたのか分からないが、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、リコール運動の中心人物となり河村市長が応援団長になった。

 問題はリコールのやり方である。アルバイトを使って署名を転記させた。事務局長らが百万人の署名を集めるために行ったが、署名集めは43万余人しか集められず、必要数の86万7千に遥かにおよばず、リコール自体が成立しなかった。無様なことに署名は今年2月になって県選挙管理委員会がその内の約83%に当たる36万2千が無効の疑いがあると発表したことである。

 これには尾ひれが付く。4月25日に行われた名古屋市長選挙で、4選を目指した現職の河村市長だが、年貢の納め時かと思いきや、何と自民党や立憲民主党など4党が共同推薦した無所属候補者に、接戦の末勝利を収めたのである。河村市長は、地元では中々根強い人気があるのだ。

 愛知県、及び名古屋市という日本の大型都市で、このような不条理な行為が行われ、リコール成立の期待は完全に裏切られる結果となってしまった。大村知事は、リコールの不正に関して支援者だった河村市長の責任を問うている。普段からおふざけ気質の河村市長は、4名が逮捕されたことについて与り知らないと惚けている。民主主義を壊す暴挙と批判し、主導した2人は責任をとるべきでトカゲのしっぽ切りは許されないと強い口調で語った大村知事も、この際河村市長の責任を追及するだけでなく、立場を変えて河村市長のリコールをやるくらいの姿勢を見せて欲しいものだ。

2021年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5118.2021年5月18日(火) 2020年度GDP、対前年度▲5.1%

 今朝内閣府が2020年度の名目国内総生産(GDP)を発表した。対前年度5.1%のマイナスだった。新型コロナウィルス対策で出された緊急事態宣言で国内経済活動が制約されたことが何といっても大きい。最大の低減原因は、GDPの半分以上を占める個人消費が落ち込んだことである。設備投資も減少した。幸い自動車や電子部品などの輸出が堅調だったが、他の投資はほぼマイナスだった。実質国内総生産も前年度比4.6%の減少だった。年間を通してコロナの影響を受けて下落幅は1995年度以降最大で、リーマン・ショックが起きた2008年度の対前年度比3.6%を上回る、事実上戦後最大の落ち込みとなった。

 経済回復のためには、先ず以てコロナ終息が望まれるが、現在の感染拡大状況を考えると、今後ワクチン接種が全国的に行われている情勢にならないと難しいのではないかと悲観的にならざるを得ない。そのためにもやや手抜かりがあったワクチン接種を全国で確実に実施してもらいたいと願う。

 それにしても夕刻テレビでこれについて述べたのが、担当の麻生太郎財務大臣ではなく、西村康稔経済再生担当大臣だった。こんな重要な数字を説明するのに担当大臣ではなく、系列の大臣だったというのは、麻生氏では説明が出来ないからで、質問を受けても答えられないからだと考えざるを得ない。しかし、こういう自らの担当部署の業務を他人に委ねるようでは、大臣を辞めるべきではないか。実際、麻生氏では能力的に無理な職務だと思う。

 さて、今日黒柳徹子の長寿番組「徹子の部屋」に社会学者で東大名誉教授の上野千鶴子氏が出演された。最近上野氏が出版された「在宅ひとり死のススメ」(文春新書)が、巷では大分話題になっているらしい。独り者が老人ホームのような施設で余生を過ごし、そのまま亡くなるのが今では当たり前になっていてそこへ入れないのは、気の毒なような話がある。しかし、決してそんなことはなく、十数年前から介護保険が充実したので、それに入っていれば、在宅独居であろうとも介護の人や、医師らが定期的に見舞ってくれるので安心でき、反って周囲に誰もいないことがすべてをスムーズにさせてくれると話しておられた。これからの下り坂の人生をゆっくり堪能出来るとも言っておられた。上野、黒柳両氏ともども独身で通してきたので、既婚者が感じる独り身の将来への不安はあまりないようだが、これからの人生を楽しみにしていると口を合わせて言っておられたのが印象的だった。随分知らなかったこともあるが、特に介護保険制度が充実したので、老いてもひとりで生活することに生きがいがあるという話には目を見開かされた。ただ、高齢になってひとりで生活することは、食生活や買い物など日常を考えるとそう簡単ではないのではないかと思うが、それについては話が及ばなかった。でも、新知識を与えてもらい、大分参考になった。

 一昨日近畿と東海地方に梅雨入りが発表された。近畿地方の梅雨入りは1951年以降で最も早く、3日前には九州北部、四国、中国地方に梅雨入りが発表された。いずれも例年より20日前後早い梅雨入りである。東京は梅雨空であるが、終日小雨が降ったり止んだりしていた。間もなく梅雨入りとなり、恐らく例年に比べて長い梅雨シーズンとなるだろう。これから当分の間すっきりしない空模様になりそうである。

2021年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5117.2021年5月17日(月) 最近どうも体調が勝れない。

 明後日東京医療センター膠原病内科で手足の浮腫みを診てもらうことになっているが、この数日少々症状が進んでいるような気がしている。今朝起きた時には、握りこぶしを作ろうとしても両手とも握れないほどである。指先に力が入らないので、指で引き戸を引っ張るようなことがやりにくい。また、両膝の痛みもずっと湿布を当てているが、痛くなったり、痛みが退いたりして階段の上り下りには往生している。朝ベッドから起き上がる時の倦怠感も辛い。何といっても膝を思うように曲げられないので、床に落ちている物を拾おうとする時に腰をかがめるのが面倒である。両足の表の浮腫みも一向に直らない。浮腫んでいる部分を押すとしばらく元へ戻らない。これは脚気の現象ではないかと気にもなる。痔は少し良くなってはいるが鬱陶しい。気分的に優れず、いつになったらこの心身ともに不健康な状態から解放されるのだろうかと考えてしまう。

 こんな健康状態になったのは、2月下旬ごろからである。これまでは、部分的な病状や症状が出てもそれに薬や処方で対処して、遠からず回復していた。それが3か月前くらいから他と合併した症状を示すようになって、中々直り難くなった。82歳6か月という年齢からこんな面倒なことになっているのではないだろうか。尤もそう考えるとお先真っ暗になってしまうので、そんなことは考えずに目の前の蠅を追い払う気持ちにならなければいけない。明後日医師はどんな処方をして下さるのか。

 こんな健康上の理由で21日に開かれる予定のNPO団体「JAPAN NOW観光情報協会」の定期総会と理事会に出席出来ないと事務局に欠席のメールを送ったところである。少々内部がガタガタしており、理事のひとりとして自分の目で総会の様子を見て、やり取りを確かめるためにも出席したいところだが、やむを得ない。定期的に毎号寄稿しているコラム欄の原稿は取り敢えず書き上げた。

 さて、国連安保理事会では、今日もパレスチナ紛争に関して何のメッセージも出すことが出来なかった。これで3度である。イスラエルのネタニヤフ首相は、自分たちにはアメリカが付いていると語っている。やはり、アメリカのイスラエル支援の言動のせいである。

 もうひとつ、国連が機能しないミヤンマー情勢であるが、軍の治安部隊の監視と弾圧により表立って民主派の人びとが動けない。すでにクーデター以来3か月余が経過して経済が混乱し、仕事や収入を失う人が増えている。これに対して食料を支援する支援団体も軍を警戒しながら活動しているようだ。食料支援の80%は海外に住むミヤンマー人の寄付金で賄っているという。一般市民は綱渡りのような生活を営んでいるようだが、国連開発計画(UNDP)によると今の状況が続けば、ミヤンマーの貧困率は人口の半分近くにまで上昇する恐れがあると指摘している。

 それにしてもパレスチナとミヤンマーの国家の災難に関して、大国のアメリカと中国の利己的な対応と、国連の無力により貧しい国民が生死の瀬戸際に追い込まれている。これでは国連存在の意味がなくなるし、5大理事国制度自体も機能しない。何とかならないものだろうか。

2021年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5116.2021年5月16日(日) パレスチナの戦闘は停められるか。

 10日夜唐突に始まった中東イスラエルにおけるイスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への空爆が、いよいよ激しくなった。テレビ画像でも夜間に空を飛び交うロケット弾の火花が闇夜を照らしている。昨日15日は、パレスチナ人にとって屈辱的な「ナクバの日」に当たり、ヨルダン川以西では各地で抗議活動が続いた。「ナクバの日」とは、1948年イスラエルの建国に際し、パレスチナ人が故郷を追われた屈辱的破局の日のことである。

 イスラエル軍は、イスラム原理主義組織ハマスの軍事拠点をはじめ、外国通信社が入居しているビルなど多くの拠点を空爆した。14日からは徐々にイスラエル軍地上部隊による砲撃を開始して、戦線は拡大しつつある。死傷者の数も増えるばかりである。

 2012年ヨルダンから鬼門のイスラエルへ入国して、世界でも最も古く、歴史のある都市のひとつ、エルサレム市内を見て回った。エルサレムはイスラム教、ユダヤ教、キリスト教の世界3大宗教の起源都市だけに、関連の貴重な史跡や建物を訪ねることが出来て幾分興奮した。それらの史跡がハマスの反撃によって破壊されたら、世界の宗教界というより、世界全体にとってどれほど大きな損失になるかと考えると空恐ろしい。しばしばテレビでも伝えられる東エルサレムの「嘆きの壁」や、キリストが磔にされたゴルゴダの丘にある聖墳墓教会、黄金のドーム、そしてパレスチナ・ベツレヘムにあるキリストが誕生した馬小屋跡に建てられた聖誕教会などがお互いの砲撃によって破壊されることを考えると恐ろしいくらいである。

 パレスチナ難民が多く暮らす周辺国では、イスラエルの過激な行動に対する抗議の声が強い。特にパレスチナ系住民が多く暮らすヨルダンとレバノンでは、反イスラエル感情が高まっている。22か国が加盟するアラブ連盟も「国際法や人権法に違反する犯罪行為の結果責任はすべてイスラエルにある」とする声明を採択したが、具体的な行動はしていない。エジプトやカタールが仲介に乗り出しているが、とてもそんな力はない。ここはやはり大国が介入しなければ元の鞘には収まらないだろう。そこで当然のように期待されるのがアメリカの介入である。

 ところが、そのアメリカは、中立的立場にはとても居られない。イスラエルと一心同体の同盟国だからだ。国連をはじめ、国際社会が認めない首都エルサレムを2017年にトランプ元大統領が承認し、翌年アメリカは自国大使館を首都テルアビブからイスラエルが首都と認めるエルサレムに移転したほどイスラエルとは親密な仲である。トランプ氏に代わったバイデン大統領に期待したが、本件に関してアメリカはイスラエルに同情的で仲介国としては期待出来ない。国連安保理事会で声明を公表しようにもアメリカだけが反対して、事態の好転は期待出来ない。これでは、同じく国連安保理事会でクーデターを起こしたミヤンマー国軍へ制裁を課す提案が中国とロシアの反対で行動を起こせないのと同じ理屈である。

 どうして大国は、こうも国家の非常事態を鎮火しようとする多くの意見を抑え込んで、自己主張と自己都合ばかりを押し通そうというのだろうか。これでは世界から争いごとは永遠になくならないだろう。パレスチナには第3次中東戦争以来の思い込みがあるだけに、戦火が起きた現実は悲しい。

2021年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com