2778.2014年12月21日(日) トップの言動がお互いの親近感に影響

 内閣府が外交に関する世論調査を発表した。その中で中国と韓国への親近感という一項があるが、国がこんなことを調査すること自体、質問や分析が彼らのお気に召さなかった場合の反応が若干気になる。近年両国との外交関係は悪くなる一方で、お互いに自国に有利な主張と立場ばかり繰り返しているので、良くなる期待感が持てない。

 案の定1978年調査を開始して以来中国と韓国への親近感はこれまでで最低となった。特に日本人の中国に対する親近感は僅か14.8%となり、尖閣諸島を巡る摩擦の影響が大きいが、中国の強引な海洋進出による南シナ海におけるベトナムとフィリピンとの領海紛争が大きくなったことも中国人の傍若無人ぶりに警戒感を高めたと見られる。そして最近の小笠原諸島近海におけるサンゴ密漁が日本人の間に中国人への不信感を駆り立てている。他人の家に無断で入り込み財産を奪っていく泥棒沙汰の繰り返しに憤りを感じた。更に国家首脳の不遜な言動が大いに不人気を煽っている。こうしてみると日本人としては、中国に言いたいだけ言われ、そのうえ他人の家に押し込み強盗のように荒らしまわるパフォーマンスに嫌気が差して親近感が遠のいていくのもある程度理解できることだ。それが、逆に言えば中国に親しみを感じない日本人が83.1%にも上った数値に見られる。この感情を親しみに変えていくのは容易なことではない。文化面や、スポーツなどを通して国民一人一人が地道な活動を通して交流を深めて行かなければならない。愚かな政治的な言動が一気に友好を憎しみに変えてしまう。この点で何と言っても政治家の責任は重い。

 今朝の朝日新聞のコラム「日曜に想う」に海外勤務の特別編集委員が久しぶりに帰国したときの印象を綴っている。「横から目線で日本を眺めなおす。経済力、生活水準、民度に比べ、いかんせん政治が見劣りする」。

 日本はもちろん、中国、韓国の3国の国家権力を掌握しているトップは、すべて申し合わせたように世襲政治家である。日本の世襲政治家も愚かであるが、中国の世襲政治家にも世間知らずが多い。習近平国家主席しかりである。両国ともに世襲政治家をなくすようにしないといつまで経ってもお互いの親近感は高まらないだろう。

 一方韓国についても日本人の親近感は低落傾向にある。中国に比べればまだしも、それでも日本人の3分の2が韓国に親しみを感じていない。中国と違って日韓の間には従軍慰安婦などの歴史認識問題が存在することは事実である。更に日本人がそう感じる大きな原因の一つは、世襲政治家・朴槿恵大統領の存在だろう。頑なに日本に顔を向けようとしないあの頑固さに日本人は辟易している。個人的な性癖だろうが、あれだけ突っ張っていたのでは話し合いも始められない。

 因みに歴代の韓国大統領11人の中で最も国民から信頼を受けているのは、誰あろう朴大統領の父・朴正熙だった。私利私欲のない軍人らしい公明正大さが国民から愛されていた。悲劇的な死を遂げたその父の知名度をバックに世襲政治家となった愛娘の朴現大統領には、清濁併せ呑む度量が足りないように思える。日本の安倍総理然りである。今のまま世襲政治家が跋扈するようでは、国の将来はもちろんのこと、外交関係においても好転はあまり期待できない。双方に取ってお互いに極めて不幸なことである。

2014年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2777.2014年12月20日(土) 東京駅開業して100年

 今から100年前の今日、現在のJR東京駅が開業した。風雪100年と言ったらいいだろうか。関東大震災に耐え、東京大空襲を凌いで、漸く辿り着いた1世紀である。東京駅は全国の他の駅に比べて最もアピール度の高い駅である。あの一等地に駅舎は3階建て煉瓦造りでアート的に見ても格調高い。東京一極集中が叫ばれる中で、列車の出発本数は益々増え、東北本線の上野発着が一部東京駅発着に変わりつつある。一昨年その東京駅内のステーションホテルに宿泊したことがあるが、ホテルはともかく駅施設としては使い勝手は必ずしも良いとは思えない。だが、数ある駅の中の横綱格であることは間違いあるまい。

 この駅が当初からオランダのアムステルダム駅をモデルに辰野金吾の設計により建設されたということから、昨夜の前夜祭には、そのアムステルダム駅長も招待されたと聞く。確かに外観はかなり似ている。だが、私には数年前に改装された韓国のソウル中央駅の方が部分的には東京駅に似ているように思う。前夜祭には、アムステルダム駅長の他に、ニューヨークのグランド・セントラル駅長も招待されたようだが、それなら日韓関係が行き詰まった今ソウル中央駅長も招待すれば、膠着状態の日韓友好がより一層前進したのではないかと思う。

 今朝の日経紙のトップ記事は大きな見出しで「出光、昭和シェル買収へ交渉」と書かれている。企業の大型合併、吸収記事は現下の厳しい経営状況を考えさせる。石油元売り国内2位の出光興産が5位の昭和シェル石油の買収へ向けた交渉へ入ったというものである。もしこれが実現すれば、両者は国内トップのJX日鉱日石エネルギーに迫る。

 遥か以前には、これだけの大型企業の合併はとても考えられなかった。三菱銀行と東京銀行、新日鉄と富士製鉄の合併辺りから大型企業の合併がある程度受け入れられるようになった。それらの大型合併は今でも最も印象に残っているが、その後続々と企業合併が行われ、今では当たり前のようになり、「みずほ銀行」のオリジナル3行の名前すらおぼろげになって来た。株式市場の動きを見てもかつてのように安定的に値動きするのではなく、急転直下の大変動という言葉がぴったり来るような目も離せないような時代になった。

 もうひとつ大きなニュースは、近日公開予定だった「The Interview」を製作したアメリカのソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)社が大規模なサイバー攻撃を受けたことから、その映画の公開を中止することになった。この映画は、北朝鮮の金正恩第一書記を暗殺するコメディだった。公開中止についてオバマ大統領が北朝鮮への対抗策について適切な時期に相応の対策を取ると語ると同時に、この公開中止の判断は誤りだったと述べた。だが、SPEは反論し、劇場側が申し出たことであり、自分たちは精いっぱい公開するよう努めてきたと言い、どうも話が噛みあわない。だが、製作者側がハッカーとその背後に潜む北朝鮮の脅しに屈した格好になり、言論・表現の自由が侵されたことに民主国家と自由主義のリーダーを自負するアメリカ政府としては、思いがけない不愉快さと理不尽さを感じていることだろう。ややこしい問題である。

2014年12月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2776.2014年12月19日(金) 対照的な理化学研究所とサッカー協会の対応

 今年1月に万能細胞として大々的に発表されたSTAP細胞が、結局のところ作れないことを今日理化学研究所が公表した。当初いずれはノーベル賞ものとして華々しく発表されたが、3月ごろに細胞の作製方について疑念が投げかけられ、4月に記者会見で作成の中心人物、小保方晴子研究員が疑念を振り払う発言の一方で、以来理研は作成の裏付けをすべく検証実験を続けてきた。それが今日の記者会見で小保方氏や検証チームはSTAP細胞が作れず、理研としては検証事件を打ち切るということになった。これだけ世間を騒がせ、結果が出なかったことからこれ以上は細胞の作製は難しいと判断し、一旦発表した論文と実験成果をいとも簡単に撤回することになった。ことの是非はともかく、潔いというべきか随分あっさりしているではないか。結局大山鳴動だったということだ。

 小保方氏は辞表を提出し、受理されたという。その他に小保方氏は研究不正が認定され、懲戒処分の対象にされている。

 あれだけ学会内部からも周囲からも賞賛された研究論文が一夜明けてみるとくそみそである。理研もメンツがあり、これ以上トラブルを内包することを嫌い、処分したということだろう。

 これに引き換え、日本サッカー協会は往生際が悪い。サッカー日本代表チームのアギーレ監督が八百長疑惑でスペイン検察から告発された問題は、サッカー協会としては当分事態の推移を見守るということになった。協会としては本人から聴取した限り、疑いが感じられないという一点である。間もなくアジア杯が始まる。仮に疑念の状態のまま、アジア杯やワールド・カップの直前とか、最中にクロとなったら選手はもちろん、ファンだって溜まったものではない。

 世界のスポーツであるサッカー界で起きた不祥事に近いものと言えよう。ここはサッカー協会も疑いのある監督では選手を掌握することは難しいと考え、更に最悪のケースも想定して、思い切って監督更迭を検討してみてはどうだろうか。

 さて、今夜はセルビア大使館でセルビアで活動中のヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんがミニコンサートを開くというのでゼミ仲間長谷川君と出かけた。先日彼女からのメールでこの催しを知ったが、

 IT関係者のセミナーの間に行うということから、外部の我々がその場にいることは難しかったのに、豊嶋さんのお招きということで大使館側と打ち合わせして観賞できることになった。

 9曲を演奏されたが、やはり傍で一流のヴァイオリニストの音色を聴くと中々居心地がいいものだ。特に、ショパン‘別れの曲’、シューマン‘トロイメライ’にはうっとりさせられた。忙しい一日だったが、これは楽しいひと時だった。

2014年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2775.2014年12月18日(木) アメリカ、キューバと国交正常化へ

 今朝の新聞を見て驚いたのは、唐突にアメリカとキューバが両国の外交関係正常化へ向けて踏み出すと表明したことである。考えてもみなかったことで時の流れを感じざるを得ない。60年安保闘争が終わり、耐え難い敗北感を味わった後にしばらくして、国際社会は米ソの対立が抜き差しならない事態に追い込まれた。61年アメリカとキューバ両国の外交関係は断たれた。62年にはアメリカがキューバにあるソ連のミサイル撤去を要求して海上封鎖するキューバ危機に発展し、今にも核戦争が勃発するのではないかと世界中に緊張が走った。我々学生も冷戦下にあった米ソの開戦、第3次大戦が始まるのではないかと心を痛めたものである。国連総会ではアメリカの対キューバ経済制裁を止める提案が何度となく可決されたが、アメリカが封鎖を解くことはなかった。キューバ革命を成し遂げたフィデル・カストロ国家評議会議長とアメリカ政府のメンツのぶつかり合いとなった。危うい時代だった。ソ連が自発的にミサイルを撤去して一触即発の最悪の事態は免れた。

 あれから半世紀余が過ぎ、88歳のフィデルは今では表舞台を去り、83歳の弟ラウル・カストロが国家評議会議長として国家の顔となった。そのラウルとアメリカが怨讐を越えて縒りを戻そうというのである。

 まだ社会主義国家健在の頃に何度となく東欧圏を訪れたが、西欧社会と違って植民地を持たない東欧の街中で有色人種の人々を見ることはほとんどなかった。それが、キューバ人だけは特別のように時折その姿を見て、キューバと東欧諸国、とりわけ旧ソ連との強い繋がりを感じたものだった。

 そう言えば今年から日本のプロ野球界にもキューバ選手の姿が見られるようになった。遅れていたのは国家の中枢だけで、末端ではすでに雪解けが始まっていたのである。

 その旧ソ連時代から引き継がれてきたロシアの現代通貨ルーヴルがこのところ下がりっ放しで、何か皮肉的なイメージに見える。今年6月に1㌦=110ルーヴルだったが、それが今週にはついに45ルーヴルにまで下落している。ルーヴルの価値が急落した背景には、ロシアのウクライナ侵攻に対する欧米の対ロ経済封鎖、そしてロシアの外貨の半分を稼いでいる原油の大幅な値下がりがある。その影響はすでにロシアでルーヴルのドルへの両替ストップや、食料品価格の値上げによってロシア市民の生活を脅かしている。

 アメリカは経済制裁の手を緩めないようだが、対応を一歩間違えると世界的な経済危機に発展すると懸念されている。どうなることやら、当分の間ルーヴルと石油価格の行方から目が離せない。

2014年12月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2774.2014年12月17日(水) 日本中に寒波襲来

 北海道海上に爆弾低気圧と言われる950前後のヘクトパスカル(hPa)の低気圧が2つも現われ、北海道を中心に全国各地で急速に冷え込み、根室海岸の高潮を始めとして各地で想定外の被害が出ている。特に積雪量が多いことと吹雪の襲来で、停電が発生して鉄道はもちろん、道路上でも交通事故が多発している。新潟県津南町では平年の5倍、北海道新得町では4倍の積雪量である。12月にこれほど大量の降雪現象は珍しいようで、これ以上被害が出ないことを望むばかりである。

 ところで、国内政局に目を転じると、日曜日の総選挙で議席を多少回復したとは言え、野党の足並みが揃わず与党に完敗を喫した民主党では、党代表の海江田万里氏が落選するというおまけまで付き、その海江田氏は代表を辞任することになった。この機に乗じてと言おうか、早くも水面下では次期代表を目論む確執や駆け引きが始まっている。どうもこの身勝手な利己的な雰囲気では、仮に新代表が決まっても党内融和は容易ではないと思われる。結果的に今以上に自民党を利することになってしまうのではないか。上手く行かないのは醜い派閥争いがあるからである。

 さて、昨日ペシャワールで陸軍が運営する学校がパキスタン「タリバーン運動」に襲撃され多くの犠牲者が出たが、その後更に犠牲者が増え、現在判明している限りでは、141名が亡くなったという。犠牲者は一部に教師が含まれているが、そのほとんどは生徒である。ノーベル平和賞受賞者で、2年前にこの周辺で襲われたマララさんがこの残虐な行為を強く非難し、各国首脳もオバマ米大統領を始めとして潘基文・国連事務総長も強い調子でこの蛮行を非難した。タリバーンはマララさんを襲った時と同じ理屈で、女と子どもを教育することを徹底的に排除しようとしている。今度の凶行では犯行グループは生徒たちを人質に取るということは最初から考えず、生徒たちを殺害することだけを目的に学校内へ侵入してきた。この凶行グループとは別のアフガニスタンのタリバーンは、今回の残虐行為を強く非難して同じイスラム系過激組織の中でも複雑に対立している内情を示している。

 事件を受けて軍のトップは組織を壊滅させるまで戦うと強気に語り、直ちに組織が潜伏するカイバル峠周辺で空爆を行った。しかし、これだけでは報復を招くだけで、報復の連鎖となりかねない。

 このあまりにも残虐な行為に対してパキスタン国民は深い悲しみに捉われ、3日間喪に服すという。ペシャワールは一度だけ訪れたことがあり、町のイメージが頭の中にあるだけに、やりきれない思いである。

2014年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2773.2014年12月16日(火) ペシャワールでタリバーンによるテロ

 クリスマス・カードを郵送するため郵便局へ出かけた。毎年海外の知人、友人に送る定番の手紙である。ところが、受付の女性があまり海外に通じていないせいか、いちいち郵送先国を調べている。FSM(FEDERATED STATES OF MICRONESIA)がミクロネシア連邦であることは分からなくても無理もないと思ったが、それがどこにあるのか知らないようで、他の係員にしきりに尋ねている。セルビア、イスラエル、ブラジル、ミャンマーなど8カ国へ送ったので、件の係員にとってはまるで地理のテストをしているようだった。

 ちょっと気になったのは、封筒に貼る切手についてである。何通かまとめて郵送する際に貼り付ける「別納郵便」のような「お印」を添付しようとしていたので、流石に海外へのクリスマス・カードだからせめて日本らしい切手を貼って欲しいとお願いした。係員には顧客が受け取った友人にカードの文面と同じように、日本的な切手を見て日本を感じ取って欲しいという、そんな気持ちが分からないのだろうか。もう少し気配りが欲しいと感じた。

 また残虐なテロ事件の発生である。昨日オーストラリアのシドニーでカフェに押し入った「イスラム国」を唱えるイラン人の男性が居合わせた客を人質に取ったが、今日警察隊の突撃によって射殺され、巻き添えで2人の人質が亡くなった。そして今日パキスタンのペシャワールで軍経営の学校がイスラム系「タリバーン」に襲われ、教師や生徒126人が殺害された。このタリバーンは今年ノーベル平和賞を授与されたマララさんを2年前に襲って重傷を負わせたテロ集団である。アフガニスタンとの国境カイバル峠に近いパシュトウン人の居住地帯である。マララさんも同じパシュトウン人である。13年ばかり前にペシャワールからカイバル峠を往復したが、峠に近づくに連れ異様な光景を現わした雰囲気はともかく、ぺシャワールはごく普通のパキスタンの町だったという印象である。いつになったらテロはなくなるのだろうか。

 総選挙が終わり、いよいよ来月には特別国会が開催される。議席の過半数を制し、同じ与党の公明党を併せて全議席の3分の2を抑えたことで、自民党はいよいよ憲法改正へ目を向けようとしている。当選した議員の84%が憲法改正に賛成だというから、大きな課題は憲法改正論議であることは間違いなかろう。怖いのは、議員が自分たちは国民からすべての判断を任されたと身勝手に思うことである。例えば、原発再稼働、沖縄普天間基地移設問題などは自民党の意向とは逆で国民の半数は反対である。況してや今度の選挙で沖縄県だけを考えてみると、小選挙区では4戦4敗である。先の沖縄県知事選に次いで衆議院選でも自民党は敗れた。この結果は重いと思う。だが、これだけ沖縄で基地反対を抱えていながら県民の声に一切耳を傾けず、安倍政権は自分たちのやり方を押し通すのだろう。

2014年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2772.2014年12月15日(月) 自公大勝、3分の2維持

 首題は、今朝の朝日新聞のトップ見出しである。やはり戦前の予想通り自民党が強かった。2年前に惨敗を喫した民主党は大分議席を回復させたが、野党の協調はバラバラでとても自民党と横綱相撲を取る力はない。特徴的だったのは、「維新の党」と袂を分った「次世代の党」が壊滅的な敗北を喫して公示前の19議席から、たったの2議席にまで落ち込んだことである。党勢拡大で目立ったのは、共産党が8議席から21議席にまで伸ばしたことである。

 予想では300議席を上回るのではないかと言われた自民党が公示前より3議席落としただけで、4議席増やした公明党との与党勢力としては、全議席数の3分の2である317議席を上回る325議席を獲得した。早速安倍首相は憲法改正に向けた議論を推進する考えを表明した。朝日は以前選挙前に宰相像として選ばれて政権を委ねられた者は、多数派だけではなく、すべての国民の代表として振る舞うことを求めた。更に、日本をどのような社会にしようとしているのか、安倍首相は実績ばかり強調して未来を語らなかったが、自分の言葉で国民の了解を得る努力をすべきだとも要望している。

 益々右傾化する自民党・公明党政権を監視していくことが必要である。

 今回の選挙で心配されていたことが現実となった。投票率の低下である。戦後最低の52.66%である。前回59.32%も戦後最低だったが、今回はこれを更に下回っている。詳しくはこれから分析されるだろうが、香港の若者が自由選挙を求めて2カ月余りも座り込んだ姿を直近に見ているだけに、若者の投票離れには危機感を覚える。繁華街で若いカップルに尋ねたところ、投票日だとは知らなかったという惚けた応えが還って来た。中には今の政治は若者のことを考えていないので、投票には行かないなどと無責任極まる発言をしていた女子大生がいたが、どうしてそういう考え方をするのかとんと分からない。若者が権利を放棄して投票しないから若者のための施策が不十分なのではないか。政治は右傾化し、若者は政治無関心化して、日本は一部の世襲政治家が思うようにいじくりまわし、かかった費用は国民に押し付ける嫌な国に着々近づきつつあるような気がする。恐ろしいことである。

 夜は吉祥寺の武蔵野商工会議所で拙著の主人公・相澤進の生涯について講演した。市民一般に公開したようだが、ほとんど市内で事業経営している人が聴講された。割合年配の人が多かったので、戦前の南洋群島とか、昭和25年前後のプロ野球については大分興味があるようだった。その後の会食会にもお誘いいただき、懇親を深めることができた。それぞれ事業家として成功されている方々ばかりなので、ユニークなお話も聞けて大分参考になった。中でもベトナムへ度々出かけてダナンに学校を建設し、校名に交通事故により20歳で亡くなられた娘さんの名「ジュンコ」と名づけたという話には泣かされた。良い話をしたつもりが、逆に良い話を伺えたことは、講師冥利に尽きる。

2014年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2771.2014年12月14日(日) 中島敦を日経紙が採り上げてくれた。

 旧暦元禄の今日は赤穂浪士の吉良邸討ち入りの一日だったが、駘蕩の国内政局では衆議院選投票日である。昼前夫婦で息子たちの母校・東深沢小へ投票に出かけたが、心配されていたように投票率が低いせいだろうか、スムーズに投票を済ませることができた。これが一昨年の投票の時と大分違う。投票にやって来る人のお顔を見ると年配者が多く、選挙に関心の低いとされる若者層があまり見られない。この情景から最終的に投票の結果が分かるのは今晩遅くになるが、各紙が予想しているように自民党の300議席獲得が現実になりそうな予感がする。これからどんな結果になるか、専門家の講評も合せて明日を待ちたいと思う。

 さて、今朝の日経紙で2つの記事に興味と関心を掻き立てられた。一つは、「詩歌・教養」‘SUNDAY NIKKEI’にノンフィクション作家・梯久美子氏が連載している「愛の顛末」に夭折の作家・中島敦を採り上げてくれたのである。もうひとつは、「日曜に考える」のコラムで「若者50年の足跡」と題して、近年日本の若者、特に男子が海外へ出かけない現象を嘆いている記事である。

 前者は、次回以降も続けて天才作家・中島敦の不遇な生涯と秀作を紹介してくれる。中島は33歳という若さで亡くなったために寡作で、あまり一般的にはその名は知られていないかも知れない。実際私自身も近刊「南太平洋の剛腕投手」を書くまでは中島敦の名を知らなかった。だが、日本の南洋群島占領時代の歴史を追い求めて行くと、必ず中島の名前が出てくる。彼の作品は実に分かりやすい文章で事象を深層まで的確に表現していて、すっかりとりつかれてしまった。そして、文章とその表現が実に巧みである。東大国文科を卒業してから横浜の私立高女の国語教師を務めた後、南洋庁パラオ政庁で南洋群島全域の教育制度、教育自体を整備する任務に携わり、その体験から南洋関係の著作が多く、私も南洋の資料を調査していて中島に巡り合った。

 執筆の参考になる情景は拙著にも採り上げたが、日本の高校国語教科書にも多く採用されているひとりである。絶賛された作品のうち、特に「李陵」、「山月記」の2作品は特別評価が高いが、いずれも古代中国を舞台にしている。手元に中島関係の書と参考書を集めたのも、中島のテーマと文体に魅せられたからである。今日は家族の愛情に恵まれなかった不幸な少年時代が紹介されていたが、来週以降も連載されるので大いに楽しみにしている。

 後者については、男子若者にバックパッカ-のように自分探しの旅とか、新しい物に触れようと海外へ出かける気風が薄くなったことを批判的に論じている。2013年に出国した20~24歳の日本人男子の割合は全体の僅か14%で、同世代女性の28%の半分である。なぜだろうか。私なんか若いころは海外へ行きたくて、行きたくて不自由な環境の中でひとり海外へ出かけるよう努めた。少ないチャンスではあったが、何度か留学にもトライした。不運にも留学することはできなかったが、今の若者は海外留学の気持ちもあまりないという。成長する機会を自ら捨てているように思える。惜しい気がしてならない。

 欧米では17世紀以降自分探しの旅を象徴する「グランツーリズム」が若者の間に根づいているという。欧米の若者にチャレンジ精神や行動力で置いて行かれてしまうのではないかと心配である。これでは、日本の若者に国際感覚が身に付く筈がないではないか。あ~残念だなぁ。

2014年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2770.2014年12月13日(土) 仲井真沖縄県知事の最後っ屁

 ご近所のゴミ出しの問題で自治会幹事さんから相談したいとのことで、道路上で立ちん棒のまま話し合うことになった。原因は最近わが家の前の駐車場として使われていた空き地が売却され、新たに7軒の一戸建て住宅が建てられ、各家庭から出されるゴミの置き場所を新築の住人から別の場所へ移転させて欲しいとの要望があったからである。

 公道傍の空いたスペースとは言え、自分の家の近くにゴミを置かれては困るというのは誰しも考えることだ。結局各自宅の前に自分専用のゴミ箱を置いて区役所にそれぞれ処理してもらうということになった。最近難しくなった地域の共同利用の問題である。段々住みにくくなるなぁと思わず溜息が出てくる。

 さて、明日投開票が行われる衆議院総選挙で巧みに争点から外された、沖縄の普天間基地移設問題が知らない間に沖縄知事の判断で移設案に承認印が押されていたことが分かった。そしてその直後に知事は退職した。

 先月行われた沖縄県知事選で現職だった仲井真弘多知事は大差で敗れた。敗因は県民の意思に反して米軍普天間基地を辺野古へ移設することにゴーサインを出したことが致命的だった。全沖縄県民の反感を買うことになり、過去2期8年間も務めた知事職をいとも容易く棒に振ることになった。

 その仲井真知事が、知事退職の5日前の今月4日に最後の公務として、最も重要で県民から反対された内容文書を承認することをこっそりやってのけたのである。そして知事公舎を去って行った。どうして県民の反対の意思が明確に示されて間もないのに、敢えて知事は民意に楯突くようなことをやったのか。知事の理念と人格を疑わざるを得ない。知事の判断は、一応法的には認められる。だが、その判断は選挙によって「やってはならないこと」として県民からはっきり否定されたばかりである。それにも拘わらず、法律上問題がないからと言って強引に民意を無視してことを成すというのは、あまりにも県民を愚弄したことにならないだろうか。

 他の知事たちと違って、これまで沖縄県知事は県民とともに政府と闘ってきたとの印象が強い。それがこと仲井真知事に至っては、最初は確かにそうではあったが、晩年になって何が原因だか政府に取りこまれて県民を敵に回すことになってしまった。そこにはいわく言い難い政府側へ擦り寄る何らかの理由があったのではないだろうか。沖縄県政史上に残る疑問であり、汚点でもある。

2014年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2769.2014年12月12日(金) 日本の若者は何を考えているのか?

 衆議院総選挙投票日が明後日に迫って来た。残りあと2日であるが、とにかく意外に思っていることは自民党が前回獲得議席数295から300議席以上を得る勢いで、公明党と併せて衆議院の三分の二を確保できそうだということである。これでその気にさえなれば、憲法改正も視野に入って来たということである。この楽勝ムードを反映したのか投票率も下がりそうだという。特に若者の投票率が悪い。今取り沙汰されているように予算の執行が、少子高齢化時代に合わせて高齢者に目配りされている一方で、若者にとっては国の財政借金は増え財政再建は益々先延ばしにされ、次世代にしわ寄せされることにより、彼らやこれから生まれてくる子どもたちに負担がかかることである。にも拘わらず、若者は投票所へ足を向けず、権利を行使せず、自分の意見を発揮することなく、自民党政治に呑みこまれるまま見ているという人が圧倒的に多い。

 香港で全面的に排除されたデモに参加した若者が言っていたが、日本の若者は平和に慣れ過ぎていて現状改革の行動を起こそうとしない。自分たちは今願いが叶わなくても少しでも将来のためにプラスになることはやってみる。確かに今の日本の若者には、社会運動や学生運動に熱を入れているような様子はまったく見られない。今のままでは時を経て自分たちにツケが回って来ることは分かりきっているのに行動しようとしない。

 これでは活路は開けない。どうしようもないではないか。

 絶対多数を確保できそうな自民党は、国民の間に賛否両論の沖縄基地移設問題や、原発再稼働については彼らにとって不都合であるため意図的に選挙の争点から避けようとしている。選挙後に議論を交わすようなこともなく、数の力で一気呵成に自分たちの思うように事を進めるつもりである。

 今日も、昨日も政党関係者から投票依頼の電話があったが、楽勝を確信している自民党関係者からは現時点ではない。自民党が圧勝したら、政局はどうなっていくのだろうか。とても他人ごとではいられない。

 さて、過日韓国で水泳の世界選手権開催の折に、日本の平泳ぎ選手が窃盗罪で韓国警察に一時身柄を拘束された。帰国後当の本人が容疑を否認して、事態解決は長引きそうである。日本の代表選手が窃盗などという罪状で国外追放処分に付されるなんてことは、耳にしたくもない話題である。ところが、今日はその他に立て続けにスポーツ関係のスキャンダルが2件も浮上した。

 ひとつは、パレーボールの中国出身の日本代表選手が現金を盗んだとして逮捕され、所属チームの東レは現在開催中のバレーボール大会を棄権することになってしまった。

 もう一件は、ヤンキースの田中将大投手と甲子園の決勝戦で争った相手校の1年生エースだった男が自転車走行の女性から品物を奪ったというものである。

 いずれも次元の低い犯罪で、スポーツで一流選手だった男が簡単に手を出すような事案ではない。実にがっかりである。これは育った環境とか、性格的な弱さが根本にあるのだろうが、指導者の育て方にも若干問題があったからではないだろうか。

 それにしてもスポーツマンシップが求められるスポーツ選手に、こう連続的にお粗末な窃盗犯になられたのでは、何のためにスポーツをやっているのかと問いたい。

2014年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com