5905.2023年7月14日(金) パリ祭前に健康上厳しい宣告

 フランス革命の導火線となったバスティーユ監獄が襲撃されたのが、1789年の今日、7月14日である。これをきっかけにフランスはルイ王朝が崩壊し、共和制国家となった。フランス革命を機によく言われる「自由」「平等」「友愛」を彩った三色旗がフランスの国旗となったことはあまりにも有名である。今ではフランスではこの日を祝い、革命記念日、或いはパリ祭と称して、全土で1日中花火が打ち上げられている。

 10年ほど前のパリ祭前に森喜朗元首相と国会議員会館内の森事務所でお会いした折に、誕生日が間もなく14日に来ると仰ったので、「その日はパリ祭ですね?」とお話したところ嬉しそうに「そうです」と言われたので、誕生日が革命記念日に当たったことを密かに喜んでおられるようだった。森元首相も今日86歳になられたわけである。

 さて、先週土曜日に糖尿病医院、昨日東京医療センターの膠原病内科、そしてパリ祭の今日は診察方々整形外科へ立て続けに診察に出かけた。糖尿病は大分順調に回復していて、土曜日に測った症状のバロメーターであるHbA1cは6だった。そして昨日東京医療センターで採血したHbA1cの数値は、更に改善され5.8に下がった。今年に入ってから測った11回のHbA1c検査の結果で、1度だけ6.1だったが、残りは5度の5.8を含み、すべて6以下である。糖尿病は順調に回復線上にあるので、少し安心している。厄介なのは2か月ぶりの東京医療センターの検診で、担当医から悲観的な言葉をまたもや聞いたことである。高齢者特有の「変形性(手指)関節症」の症状である。両手指の先端が自由に曲がらなくなり、現状では治らないと厳しい指摘をされた。毎日リハビリをトライしていること自体は良いと思うが、この症状が完全に回復することは難しいとのご託宣である。高齢と言う点と、日常生活にさほど不自由さを感じない範囲内では、それほど悪化することはないと言われた。しかし、どうにも納得がいかないので、担当医に質問した。

 近代医学が進歩して新薬も次々と開発されている今日、このような症状の患者が割合多いにも拘わらず、効果的な新薬の開発がなされず、症状の回復が絶望的というのはなぜでしょうかとお尋ねしてみた。医師の回答はまとめるとこういうことだった。これは高齢者特有で、重症ではなく日常生活に特に支障があるわけではない。そういう人たちのために巨額を注ぎ込み開発するより、若い世代の重症者を救済するための新薬を開発した方が、全般的に見るなら未来志向の観点では、社会的にプラスであるというような主旨だった。

 国立病院の医師からそこまで説明されたことは理不尽で、容認しがたいことである。だが、治らないものはいつまでも拘っていては精神的に良くない。あまりくよくよせず、達観して不自由を忍びながら、これはこれとして胸に収めて前向きに余生を生きていく方が賢明と言うべきだろうか。日常生活には格別不自由を感じているわけではないので、あまり気が向かないが、不承不承そう考え直すことにしようと思う。

2023年7月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5904.2023年7月13日(木) 戦時体験がなく、臨場感で戦争を知らない政治家

 僭越であるが、事あるごとに臨場感の重要さをアピールし、著著でも訴えるし、講演でも本当の臨場感というものの大切さをアピールしている。

 実は、昨日の朝日「天声人語」に臨場感についてこんなことが書かれていた。少々長いが引用する。

 「『私は、海のかなたで、今戦争があるということを信じることが出来ない――』。明治、大正、昭和を生きた作家の小川未明は小説『戦争』にそう書いた。まさに第1次世界大戦の激しきさなかである。多数の戦死者を伝える新聞を見て、『作り話ぢゃないのかしらん』▼なぜかといえば、『みなが大騒ぎしてゐない』からだった。欧州の戦争への関心はどうしてこんなに低いのか。作家は『新聞の報道が事実であるなら、誰でもかうしてぢっとしてはゐられない筈である』とひとりごちた」
 これこそ戦争の臨場感が伝わっていないことを表している。童話作家だった小川未明によれば、第1次世界大戦を国民が、恐ろしいとか、怖い、ぞっとするというような気持ちを当時の新聞報道から感じ取ることが出来なかったと知った。臨場感とは、現場に臨んで現場に溢れている熱っぽい空気を身体全体で感じ取ることである。従って現場で取材した記者が、臨場感を感じてそれを記事にして読者がその記事を読んでも、実感として現場の空気は必ずしも伝わるものではない。

 実際、私自身の戦時体験からしても、小学生(当時は国民学校)当時に、空襲警報で近くの防空壕に慌てて避難したり、先生に引率されて校外のお花畑に行く途中で米戦闘機編隊に低空飛行で銃撃されそうになった時は、先生が「みんな!伏せなさい!」との叫び声に地面に伏した時の恐怖感は明らかに臨場感に溢れていた。ところが、6年生になった時朝鮮戦争が勃発し、連日新聞、ラジオで報道され、担任教師から地図を使いながら解説されても怖いという気はしなかった。戦場の厳しい臨場感が伴っていなかったからである。

 その後ベトナム戦争の現場に出かけ、いくつか怖い体験をした。それこそ生命を失いかねない危機一髪の場面では、戦争の臨場感があった。第3次中東戦争直後の戒厳令下でもヨルダン軍兵士にライフル銃を突き付けられ身柄を拘束された時は、一瞬この世の終わりかなとも思ったほど怖かった。いずれもそこには、臨場感がたっぷりあった。

 人伝えの話とか、新聞などを通して知る「事件」は、冷静に受け止めることが出来る。ところが、生の現場で実際に目にした「事件」は、興奮と狼狽で落ち着いて実態を受け止めることは中々難しいが、臨場感を感じ取ることは出来る。臨場感が伴わなければ、筋道を通した話に中々説得力が伴わないものだ。それは今の岸田首相をはじめとする保守政治家も同じで、戦時体験がなく、アメリカの言いなりに従っているだけで戦争の臨場感を知らない。それが彼らを戦争へ向かわせるのだ。

 来る22日(土)に吉祥寺市内で、自分自身が体験した臨場感のエキスと、それにより9.11テロを予知したことを話す心積もりで、今パワーポイント画像を作成中である。「臨場感」について、気持ちを籠めて少しでも臨場感という言葉の意味を知って貰いたいと願っている。

2023年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5903.2023年7月12日(水) 戦争の足音が聞こえてくる岸田首相の言動

 九州地方の記録的大雨により大きな被害が発生し、岸田首相は今日から予定の外国訪問を被害の状況次第と見ていたが、災害の発生が懸念される段階から必要な態勢を構築し、被害状況を把握して地方自治体と緊密に連携するよう指示して、予定通り今朝リトアニアとベルギーへ向け羽田空港を発った。水害対策よりリトアニアの会議出席を優先したのである。バルト3国のひとつ、リトアニアでは、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が開かれ、早速岸田首相は出席した。日本はNATO加盟国でもないのに、なぜ国内の水害を気にしながらも敢えてNATO首脳会議出席に拘ったのか。

 今NATOは、ウクライナへの支援を支障なく続けたい。更に喫緊の課題としてスウェーデンの加盟を容認するのか否かが取り沙汰されている。これまでスウェーデンの加盟に反対の立場を取っていた唯一の国がトルコだった。そのトルコのエルドアン大統領が、昨日加盟を支持すると述べた。ロシアとウィンウィンの関係だったトルコの豹変ぶりに驚いているが、その後にウクライナが加盟を正式に申請すれば、これもトルコは支持するだろう。こうなるとヨーロッパ中に張り巡らされた軍事の安全保障条約は、一層大きな力を持つことになる。その軍事組織の首脳会議に岸田首相が出席しようというのである。しかもNATOはその名の通り北大西洋諸国に限られている。どうもすっきりしないと思っていたところ、NATOは日本に事務所を設置することを計画しているようだ。NATOは軍事同盟である。これについてNATOが地域的にアジアの日本に事務所を設置するのはおかしいと、NATO内部でもマクロン・フランス大統領がクレームを付けているくらいである。

 とにかく最近の岸田首相の戦争のめり込みパフォーマンスは、危なっかしく心配でならない。戦争、或いは戦争関連事象に少しずつ近づいている。昨年末国家安全保障戦略と称する3文書を成立させた。その中には反撃能力と称して敵基地攻撃能力を有することを公約して、また一歩戦争へ踏み出した。先ず、身勝手に防衛予算を大幅に増額した。そして、去る5日には、自民・公明両党の間で防衛装備移転3原則の要件緩和について合意した。殺傷能力のある武器輸出に関し、それを認めようとの考えである。そして今前向きに検討しているのは、前記のNATO東京事務所設置計画である。この様子では、いずれ1967年に公表された「核は保有しない、核は製造もしない、核は持ち込まない」との非核3原則も危ういものである。戦争の怖さを知らない岸田首相以下現自民党首脳陣らは机上で戦争ごっこを楽しんでいるようだが、何せ実戦を臨場感で知らないので、このまま行ったら今にひどい目に遭うことが分かっていない。

 さて、今日は昨日に続き暑かった。このところ九州地方の死傷者を伴った大雨情報が伝えられ、関東でも北部では豪風雨に家屋の屋根が吹き飛ばされたようだ。東京では昨日から蒸し暑い陽気であるが、今日八王子市内では、39.1℃の猛暑日となり、これは全国でも今年最高気温となった。当分の間熱中症が心配である。気を付けよう。

2023年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5902.2023年7月11日(火) ケネディ大統領家を扱ったドキュメンタリー

 昨晩NHKで放映された「世紀の映像~バタフライエフェクト」で「JFKをつくった3人のケネディ」と題するドキュメンタリー番組を観て、いろいろな思いと興味を交錯させて楽しむことが出来た。ケネディ大統領を生み、育てた大統領に最も影響を与えた身近な3人を取り上げた番組だった。毀誉褒貶の激しかった富豪の元駐英大使・父ジョセフ、弟で公民権法案成立に貢献した元司法長官ロバート・ケネディ、そして良き伴侶のジャクリーヌ・ケネディを取り上げた実話である。

 ケネディ大統領については、絶頂期にちょうど大学生だったので、その行動力に強い関心を抱き、その言動に随分興味を惹かれたものである。42歳でアメリカ大統領選へ初めて名乗りを上げた行動力とその存在感は、同じく若かった対立候補のニクソン氏との、丁々発止とした激しいテレビ討論でのやりとりは、迫力があり大統領選への関心はいやが上にも盛り上がったものである。それに引き比べて来年の大統領選では、民主党、共和党ともに4年前と同じ顔触れのバイデン大統領とトランプ前大統領の高齢者同士による一騎打ちになる公算が強いが、所詮二番煎じで新鮮さに欠け、年齢的にはともにJFKのほぼ2倍で、若さと新鮮さ、活気、行動力がまるで違う。

 JFKについては、とりわけ黒人への差別、虐待が激しかった時代に人種差別を認めない公民権法案を成立させたこと、キューバ危機を回避したこと、そして悲劇的な暗殺事件が思い出される。特に、ダラスで狙撃された暗殺事件については、1975年6月ルイジアナ州シュリーブポート市で開かれた「アメリカ自然食品協会全米大会」に日本人として唯ひとり参加した折に、帰途ダラス市に立ち寄り大統領を狙撃した犯人オズワルドが潜んでいた教科書会社倉庫を訪れてみた。事件後そこはケネディ暗殺現場記念館のようになり、暗殺の流れを時系列的にマネキンを使ってショー化していたのを見て許しがたいような印象を抱き、強い違和感を覚えたことが後々まで気になっていた。

 キューバ危機もまさに危機一髪だった。下手をしたら第3次世界大戦開戦となったかも知れない。JFKが暗殺されてから今年でもう60年になる。私が大学を終え、社会人になって半年後のことである。

 父親のジョセフを始めとして、ケネディ家には政治家的資質の血縁が流れていた。ジョセフは資金的に面倒を見て、子どもたちを一流大学で学ばせ、弁舌を訓練した。JFKもロバートも名門ハーバード大で学び、ジャクリーヌ夫人はパリ大学で学び夫のためにスペイン語で応援演説を行うなど、日本の世襲政治家とは大分違う。

 日本の政治家には、このようなストーリー性に富み、実績を上げた経歴を持つ人はほとんどいないと言っても好い。アメリカ社会は、日本社会に比べて広く人材を拾い上げ、それを生かす伝統と環境があると思う。ジャクリーヌ夫人にしても学歴もさることながら、家庭も稀にみるほどの資産家だったというから、知と富を国のために効果的に活用したと言えよう。その点では、残念ながら日本では知と富を兼ね備えた人物や家庭が、国のために貢献した例はほとんどないのではないかと思う。

 さて、九州地方の水害被害は少しずつ犠牲者が出ているし、関東地方は今日も暑かった。そんな中で今日も午後6時過ぎにウォーキングに出かけた。いつも通るバス道路に沿って竹藪があるが、その奥から何とホーホケキョと鶯の鳴き声が2度聞こえてきた。猛暑の中で梅の花から聞こえる筈の鶯の声を聴くことになると一瞬暑さを忘れる。真夏にホーホケキョなんて84年の生涯で初めてである。

2023年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5901.2023年7月10日(月) 円安の影響は国際統計資料にも及ぶ。

 円安によって日本に意外な損得勘定が生じるものである。とかく話題にされ比較されるのは、1㌦が日本円でいくらに該当し、いかほどの価値があるかということであり、それは毎日外国為替相場で取引されるドルと円の物量に依って決まる。今日の相場では、1㌦=142円87銭であるが、これが上下する度に一喜一憂する人たちも多い。今年の年明けは、1㌦=115円で始まった。従って現時点では正月に比べて大分円の価値が下がり、円の価値としては約23%も下がったことになる。外国人旅行者にとっては日本で買い物すれば、23%安く感じるし、逆に日本人が海外へ出かければ、買い物をする都度23%ほど物価高感を抱くことになる。かつての1㌦=360円時代を思えば、それでも海外でのショッピングは安くなったとも言える。

 実は、今まであまり考えてもいなかったことだが、円安により日本の最低賃金が低くなったことも外国為替ルートによって露骨に判明してきた。もちろん基本的には、その国で最低賃金がそれなりの額で、引き上げ率も納得できるものであることが前提であるが、円換算で見ると日本の最低賃金は、主要先進国だけでなく、韓国よりも低くなってしまったり、オーストラリアに比べると2分の1以下になった。

 労働政策研究・研修機構によると韓国の最低賃金は今年5%引き上げられ、約1,060円になった。これに対して日本では昨年の引き上げ額が、3.3%で961円であり、韓国より1割ほど下回っている。これも円安のマイナス効果であり、かつて20年前には日本の最低賃金は韓国のそれの2倍以上だった。今では、アメリカの一部の州や、イギリス、ドイツ、フランスなどの先進国の最低賃金はほとんど日本の2倍である。これはこれらの国を往来しない限りはピンとは来ないだろうが、円安によるマイナス効果であり、いつまでこの状態を続けることになるのか、暗澹たる気持ちである。

 一般に海外の方が、物価上昇率が高いという事情もあり、必ずしも先進国の国民に経済余力があるというわけではない。その点で若干調整された実感は、例えば2020年経済開発協力機構(OECD)による物価水準を考慮した購買力平価ベースのデータが参考になると思う。但し、これでも日本は8㌦だが、オーストラリア12.9㌦、フランス12.7㌦、韓国8.9㌦など主要国より低い。まだまだ日本の最低賃金は低いと言うべきであろう。同時に、現在の1㌦が140円台を上下しているようでは、輸入に影響が表れ、日本経済もSOSを発せざるを得なくなりそうだ。1㌦が果たして円でどの程度が適当かは、何とも言えないが、円安がずっと続いて経済界が苦しむようだと政府及び日本銀行の責任を問わないわけにはいかない。何とか為替相場を安定させて欲しいと思うし、政府もその気にさえなればできると思う。

 さて今日も東日本は暑い。東京都心では今年初めて36.5℃を記録して猛暑日となり、今年の最高気温を記録した。九州地方は引き続き激しい降雨にやられて、福岡と大分県では大雨特別警報が出され、各地で土砂災害や、河川の氾濫が頻発している。犠牲者も増えているようで、高齢者には早めに避難を呼びかけているようだが、中々大変なようだ。

2023年7月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5900.2023年7月9日(日) 浅草に外国人観光客が溢れていた。  

 1年に2度浅草へ行く機会がある。今日はその1日である。もう大分前から大学ゼミの仲間が、アマチュアのオーケストラで趣味だったチェロの技を活かしてチェリストとして活動している。そのオーケストラ「上野浅草フィルハーモニー管弦楽団」の定期公演会を鑑賞に浅草公会堂へ出かかたのである。ゼミの仲間とはいろいろな機会に会合を重ねているが、クラシックを直に聴けるということから、これまでも大勢の仲間が集まった。今回の公演会がオーケストラにとって74回目というから随分地道に堅実に続けてきたようだ。曲目は、ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲、シューベルトの「交響曲第3番」、それにドヴォルザークの「交響曲第7番」だった。「魔弾の射手」以外は、初めて耳にする曲目だった。それでもじっくり聴くことが出来て心が豊かになったような気持ちである。

  コロナ渦によりしばらく集会が途絶えたことと、先輩諸兄は、体調が優れなくなった人もおり、かつては我が家を含めて夫婦揃って集まっていたのが、今日は8人でやや寂しくなった。浅草は今日と明日の2日間、浅草寺で年中行事のほおずき市が開かれたようだが、暑くてそこまで行かなかった。最近コロナがぶり返しているが、一般的にはコロナは消えつつあるとの誤解もあり、浅草雷門周辺は観光客で溢れており、特に外国人の姿が目立った。外国人を乗せている人力車夫を見たが、かなり上手な英語でガイドをしていたのは、少々意外だった。外国人を標的にすれば、マーケットも大きく伸ばすことが出来るということだろう。特に目についたのは、貸衣装の浴衣姿の外国人である。歩いていても前がつかえるような状態で、表面的には観光業は不況から回復したような印象を受ける。かつてはそれほど感じなかったが、今では浅草には観光の繁栄衰退を映し出している感じがしている。11月にもう一度公演会があるので、またその時を楽しみにしたいと思う。

 東京は今日も暑く、九州方面のようにひどい風雨に晒されてはいないが、九州から西日本方面、特に島根県ではこのところ線状降水帯が襲い、土砂崩れなどで道路や鉄道にかなりの障害が出ているようだ。特に近年は、7月に自然災害に襲われることが多くなった。2年前に熱海市伊豆山地区で大規模な土砂崩れが発生し、28名が亡くなった。3年前には熊本県の豪雨で67名が命を落とした。5年前には西日本一帯を襲った広島県の115名を含む237名の犠牲者を生んだ。過去においては、台風、豪雨は9月がシーズンと見られていたが、今では炎暑の時期に激しい災害がもたらされるようになった。今年は警報が早めに発せられているせいか、現在までの犠牲者は以前に比べ、少なくなっているようだが、油断はできない。

2023年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5899.2023年7月8日(土) 銃乱射事件、後ろ向きのお国事情

 先月27日、パリ郊外で17歳の少年が警察官に至近距離から銃で撃たれ、死亡する事件が起きた。その直後からこの警察官に対して群衆から強い非難が浴びせられ、警察はこの警察官を意図的な殺人の容疑で取り調べた。だが、この事件は人種差別だとして若者を中心に抗議が上がったのだ。フランス全土にデモの余波は広がり、3,500人の逮捕者を出した。射殺された少年は、北アフリカ系の移民で警察官から身分証明書の提示を求められ、咄嗟に逃走を図ったとして直後に銃により撃たれた。この背景には、フランス国内における人種差別、特にフランスが植民地化していた北アフリカの国々から多くの移民を受け入れていることにある。以前にも同じような人種差別が原因で大きなデモになったことがある。

 フランス政府はともかくデモを抑え込んだが、今後再び発生しないとは言い切れない。マクロン大統領は、ドイツを公式訪問の予定だったが、緊急事態と考えその予定を先送りした。フランスとしてはかつての植民地政策の下で抱え込んだ移民問題であるが、国としてそれなりに移民らに対して責任を持って問題解決に当たらなければいけない。

 フランスで人種差別問題が注目されるようになったが、多民族国家のアメリカでは差別による殺人事件は今では日常茶飯事となっている。アメリカでは、西部開拓史上自らの身を自らの力で守るという考え方が主流となり、銃砲類の所有も許されて来た。文化面ではかなり先端を歩む近代国家となったが、民主主義国家と自称しながらも個人が自らの身を護るためと称して、平素から自宅に銃砲類の所有を認め、侵入してきた外部の人間を射殺しても厳しく問わないようなことは真の民主主義国家と言えるだろうか。恐らくこんな野蛮な国は今日アメリカだけであろう。銃砲類は市内のどこにもあるということになった。これにより、身近に殺人事件を誘発する環境が出来上っている。毎年のように大小の殺人事件が発生するようになった。特に、小中学校のような教育施設内で残虐な殺人事件が勃発するようになった。

 今年も例外ではない。今年に入ってから銃が絡む殺人事件や自殺などで死亡した人は、今月5日現在で実に2万2千人に上がり、4人以上が死傷した銃乱射事件は350件以上も起きているという。普段から銃が身近になく、銃を握ったこともない日本人にしてみれば、想像もつかないことである。アメリカ人も現状をすべて肯定しているわけではないと思うが、武器保有の権利を憲法第2条で認めていることこそが銃乱射事件や、銃による殺人事件が多発する原因である。こんなことが分かっていながら、止められないのがアメリカ人の銃砲執着現象であり、アメリカ人の弱さであろう。銃所有の法規制が出来ない現状では、このまま毎年貴重な生命が無駄に失われていくことだろう。銃砲製造者の団体である全米ライフル協会が政治家に巨額の資金を寄付している現状では、政治家も簡単に銃規制を打ち出す訳にはいかないようだ。政治家たちが反省することもなく、メーカーが市場へ銃砲類を供出して、貴重な命が毎年失われていく。こんな国家が民主主義国の模範と言えるだろうか。

2023年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5898.2023年7月7日(金) 有毒ガス漏出を隠している防衛省の無責任さ

 先月29日北海道蘭越町の山中で、三井石油開発㈱が地熱発電の掘削調査中に突然地下から水蒸気を伴ったガスが噴出した。昨日になって噴出ガスの中に有毒のヒ素が、通常の約1,590倍も含まれていると公表された。近辺の住民に迷惑をかけたことは間違いない。日本は火山国であるため、地下にガスや鉱物が埋蔵されている場合が多く、それが温泉の源泉ともなっている。しかし、前以てそれなりの情報が知らされるなら身を護ることは出来るが、前触れもなく突然地下からガスや熱湯が噴き上げられたのでは防ぎようがない。幸い今回は街中でなかったので被災は免れたが、ガスが噴き出し続けているので、蘭越町は住民に安全対策を周知させるようだ。こんなことが始終発生していたのでは安心して眠ることも出来ない。

 一方で、人工的に有毒ガスらしき化学物質を排出して、周辺に大きな不安と迷惑をかけ意図的に公式に発表しなかった悪質な事件があった。

 今から10年ほど前にアメリカ軍横田基地から発がん性の疑いのあるPFASという泡消火剤の漏出があった。このPFASは、高濃度の場合、人体に有害な可能性があるとされている。それが市街に流れ出ていたのである。実際基地周辺の多摩地域では水道水に使われていた一部の井戸でPFASが検出された。10年前に在日米軍側はその旨を日本側に伝えたようだが、防衛省それを自治体に伝えず、その間の事情についても説明を拒んでいる。

 そもそもこの件については、2018年にイギリス人ジャーナリストがアメリカ政府への情報開示請求で得た文書を基に初めて報道された。東京都はそれ以後先月までの間に4回防衛省に事実関係を問い合わせたが、いつも米軍に確認中との回答だった。当然ながら周辺自治体の立川市長や、武蔵村山市長らは憤慨し、詳細な情報を迅速に提供すべきだと主張している。小池東京都知事も同じ考えのようだが、都知事はいつもながらの煮え切らない言い方である。対応が練られることになるので、詳細を伺いたいと言いながら、記者団から「東京都として基地への立ち入り調査を求めるのか」と質問されると「状況を確認してからになる」と相手次第だと応えるぬるぬるした応え方だ。横田基地周辺の住民は、こんなことが度々あったのでは落ち着いて生活出来ないのではないだろうか。しかも防衛省は、ほぼ10年間も事実を把握していたのに、それを関係自治体の住民に実情を話さなかった。こういう対応で、国の防衛が出来るのだろうか。

 このPFAS漏出は、明らかに人体に害を与えるので、無責任な人為的なミスである。これをそのまま放置する国民を守らない防衛省の無責任さは、許されるものではない。

 さて、今日は七夕であるが、全国的に今年一番の暑さになったところが多い。全国で最高は、新潟県新津市の37℃、東京都内は34.2℃だった。いずれも今年最高だった。気がかりなのは、このところ九州から西日本方面にかけて激しい雨が降り続いていることである。九州では来週後半にも連日降雨があるというから住民の気持ちを考えるとつい同情してしまう。

2023年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5897.2023年7月6日(木) 世界水泳福岡大会は、電通主導で収支は真っ赤っか?

 暑い! 妻は午前中外出していたが、目が眩むような暑さで身体がふらついたというようなことを言っていた。高知県四万十市では36.7℃を記録して全国でも最高気温だった。これから炎暑の季節が続くので、よほど注意しないといけない。毎日日課となっているウォーキングもこの暑さでは危険なので、今日も6時過ぎに陽が落ちてから出かけた。

 さて、東京オリンピック閉会後に組織委員会委員と業者の間で談合事件があったことが、明らかになり、独占禁止法違反の疑いで罪に問われた容疑者の初公判が昨日東京地裁で開かれた。すでに電通グループなど6法人と各社の担当幹部ら6人が起訴されている。この談合事件により中心となった電通と博報堂は、国或いは東京都、大阪府などから指名停止の処分を受けた。それについて去る2日の本ブログで「2025年大阪・関西万博は大丈夫か?」と懸念のコメントを書くことになった。万博では、東京オリンピック談合事件により手慣れた大手広告代理店の電通、博報堂らが入札禁止となったため、万博の準備万端整うに至らず、大分遅れが目立っている。

 そんな時に今月14日から17日間に亘って水泳の世界選手権が福岡市内で開催される。福岡市ではコンパクトの大会と銘打ちながら開催へ向けて突き進んでいる。電通は福岡市からは排除されていない。電通は、オリンピックの談合事件の反省もなく運営の中核を担っている。そうなると会場の看板には「コンパクト」どころか、「福岡がウルトラになる」と掲示され、派手な大会になりそうな予感がする。驚くのは、大会の組織委員会に電通、及び子会社電通九州の現職社長が委員として加わっているそうだから、両社長が水泳に関するそれなりの知識を有するにしても、これが談合とは無関係な純粋な世界の水泳大会だろうかと首を傾げざるを得ない。実際これで137件の契約の内懲りない電通が32件を随意契約で扱っているという。

 なお、開催が近づくにつれて大会の全体の収支目算もやや狂ってきたようだ。収入源である前売り入場券の販売もあまり芳しくないうえに、とりわけ支出額が当初予定の3倍と言われている。いくらコロナ渦や物価の高騰が影響を与えているにせよ、3倍とは常識を逸脱していないだろうか。あまりにも原価計算が甘かったのではないか。いずれにせよ大会の赤字額は、福岡市民が将来に亘って背負っていかなければならない。

 2030年の冬季オリンピック開催に札幌市が名乗りを上げたが、物価の高騰、東京オリンピックの不祥事などから、今市民の間にも開催に否定的な声が上がり、当初の札幌開催への熱気は薄れた。この種のビッグ・イベントの大会主催者は、熱気などに浮かされず、収支計算はもとより、大会準備のスケジュール、利用施設の建設などに長期的な視点からきちんとチェックする姿勢を堅持しなければならないと思う。

2023年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5896.2023年7月5日(水) 盛り上がらない来年の米大統領選

 来年秋アメリカ大統領選挙が行われる。現在の状況から推察すると、再び民主党のバイデン現大統領と共和党のトランプ前大統領の決戦となる見通しである。アメリカでも、否世界でもリーダーとなるアメリカの大統領には、それなりの力量を備えリーダーシップのある大統領の選出を願っていると思う。しかし、現状では2020年の選挙と同じ対決でやれやれという気分になる。それに対してアメリカ人の本音などが雑誌などに書かれているが、我々日本人が見ても候補者と見られている2人は、急に老いた感じがしてならない。実際にバイデン氏80歳、トランプ氏77歳でともに後期高齢者である。特にバイデン氏は、最近体力と知力が衰えた兆候が目立ってきたらしい。就任後の記者会見の回数もオバマ元大統領の5分の1以下だそうだ。かつてオバマ大統領の下で副大統領を務めていた当時は、しゃべり過ぎと失言が多いと言われたが、今ではメディア露出が極端に減った。だが、4月にバイデン氏が再選出馬を正式に表明すると民主党内での雑音はピタリと止まったそうである。それには、共和党内でトランプ前大統領が再選候補者になる可能性が高まったことがある。民主党内では、現在のトランプ氏なら民主党内の嫌トランプ氏の空気から推してバイデン氏は勝てるとの読みがあり、バイデン氏を推す動きが強まった。

 一方、6月に行われた世論調査でも、バイデン対トランプ戦になる可能性が高いとの結果が出た。そのマイナス・イメージたるや、バイデン氏の再出馬を望まない人は59%、トランプ氏を望まない人は56%だったというから、アメリカ国民の半分以上が望んでいないのに2人の再戦となる。バイデン対トランプ戦は、面白くもなく、望まれてもいないのに行われる可能性が高い。民主主義国家を吹聴するアメリカとしては、最終的にはルールに則ってどちらかを次の大統領に選ぶことになるだろうが、我々が普段テレビで観る印象から推して、バイデン氏には世界のリーダーと呼ぶには、あまりにも言動に元気と迫力がなく、当選後4年間の任期を全う出来るのか懸念材料である。一方のトランプ氏が再選されてもバイデン氏同様に健康不安があるようだ。どうも盛り上がった選挙戦と言うわけにはいかない。

 1960年代初頭に民主、共和両党が若手の論客と推したケネディ氏とニクソン氏の丁々発止と論戦した63年前の迫力のあった選挙戦が懐かしく思い出される。

 さて、この1週間ばかり天候が変わりやすいが、特に九州、西日本方面では激しい雨が局地的に降っている。熊本県では昨日2度も線状降水帯警報が発令された。また、各地で竜巻警報まで出された。そういう時に奈良県生駒市龍田川の流水が緑色に変色し、川面が緑一色に変わる珍現象が見られ、各テレビ局がその画像を放映していた。普段は清流が流れ、魚も泳いでいるという。生駒市が調査したところ、変色した箇所の鉄製の手すりに赤色の粉のようなものが付着して、この赤い粉が水に反応すると蛍光色に変色したということで、衛生的には問題ないことが分かった。実は、長男家族がこの生駒市に在住しているので、テレビ・ニュースを観て何事が起きたのかと驚いたが、格別問題はなさそうなので、ひとまずホッとしている。

2023年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com