6115.2024年2月9日(金) 猪に襲われた中学卒業直前の大事件

 最近猪に襲われる人が増えたと昨日の新聞に出ていた。2022年度は過去最多で81人が襲われたそうである。クマに襲われるケースはしばしば報道されるが、猪は確かに少ないようだ。どうして猪に襲われたような記事に目を惹かれたかというと、実は私も中学時代に猪に襲わかかって、危うく難を逃れた体験があったからである。

 京都市右京区の阪急嵐山線の上桂駅近くに住んでいた当時のことだった。仲の良かったやんちゃな友だちと2人で嵐山に近い松尾山中にメジロを捕獲に出かけ、山道を歩いていた時だった。後ろの方から不意に「あっちだ、こっちだ」との大きな声にふっと後ろを振り返った時、目に入ったのは我々へ向かって突進して来る1匹の大きな猪だった。一本道を猟師たちが鉄砲を持って猪を追いかけ、その先を我々2人が歩いていたのだった。友だちが「逃げろ!」と先に走り出した。彼は直ぐ左側の傾斜面を登り出した。途中で「ここを登れ!」と私に大声を張り上げた。斜面を何とか登って下を見た時、猪が一本道を体を揺さぶりながら走り去って行った。その後を猟師らしい2人の男がワイワイ言いながら「どっちへ逃げたかなぁ」と言っていた。友だちと下へ降りると道にはところどころに血痕があった。猟師から撃ち損なった手負いの猪だと聞いてギョッとした。猟師は「猪突猛進」と言う言葉があるように、猪は獲物をめがけて一直線に突進するので、斜面を上に登ったのは良かったと言ってくれた。何のケガもなく逃げ切れたのは、運が良かったこともあるが、知らない間に友だちと斜面を一緒に登ったことが良かったようだった。中学卒業直前の考えられないハプニングだった。一緒に逃げたその仲良しの友だち、「登喜さん」こと、湯浅孝康(旧名:登喜夫)くんも宇治市内の商店会役員として活躍していたが、悲しいことに11年前にこの世を去り、もう「猪突猛進」について語り合うことは出来なくなってしまった。

 さて、昨日財務省が公表した2023年の国際収支が、黒字で何と前年より92.5%増の20兆6千億円だったという。貿易収支は自動車の輸出などが好調だったが、全般に輸入が増えて結果的には赤字だった。では何が故に国際収支が黒字になったかと言えば、コロナ禍が落ち着き外国人旅行者が増えたこともあるが、意外にも海外にある子会社から企業が受け取る配当などが増えたことに加えて、円安の影響もあり全体で黒字になったという。

 そこへ今日財務省は改めて2023年末の国の借金を報告した。毎年増え続けている借金が、また増えたのだ。過去最大の1,286兆円に膨らんだ。一時的に国際収支が黒字になっても毎年赤字予算を組んでいるようでは、将来に禍根を残す国の借金は増えるばかりである。財政再建と言う言葉が毎年のように言われているが、真剣にこれに取り組もうとの気持ちが財務大臣をはじめ政治家にはないのだ。毎年増え続けていた借金が、2013年に1千兆円の大台に乗ってから歴代の財務大臣は、増えることを当然と思って予算を組んでいる。今や全国民が1人当たり1,025万円の借金を抱えていることになる。

 借金膨張の原因については、決まって高齢化社会になって福利厚生費が大きな負担となっていると言うが、むしろ防衛費増額が大きく影響しているのではないか。共産党以外いずこの党も防衛費削減には二の足を踏んでいるが、これをバッサリ切れば、せめて借金の増額分は償えるのではないだろうか。

2024年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6114.2024年2月8日(木) 確定申告書提出済、途上国大統領の政策と手法

 悪戦苦闘の末3週間近くかけて漸く書き上げた各種書類を持って、今朝玉川青色申告会へ立ち寄り、税務署への提出書類を作成してもらった。その後玉川税務署を訪れ2023年分所得税青色申告決算書及び確定申告書を提出した。時間をかけて正確な書類を作り、何とか提出するまでにこぎつけホッとしたところである。

 我々のような庶民がきちんと税金を納め正しく申告しているのに対して、自民党の悪質国会議員らは、裏金と称して黙ってパーティ券のノルマを超えた金額をポケットに入れ、納税することもなくばれるまで惚けていたのだ。はらわたが煮えくり返るほど怒りが込み上げて来る。

 岸田首相の支持率はかなり低く、これという誇れる政策実績もなく、自民党内がバラバラの中で何とか首相の座に収まっているが、現状では岸田政権の余命はあまり長くないのではないだろうか。今問題になっている裏金問題や、旧統一教会との付き合いなどは、証拠を突き付けられても「知らぬ」「存ぜぬ」と惚けて逃げ切ろうとしている。流石に表面上の極悪さは目に付かないが、存在感の薄さは何とも仕方がない。

 一方海外では、国家のトップが憲法や法律を強引に破ってしまう「大物」が最近目につく。国家の政策を自分自身がすべてを決める北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記をはじめ、憲法を犯して長期政権を続けているロシアのプーチン大統領、同じように共産党医綱領では2期しか認められない総主席を無視して、3期目の任期に入った習近平・国家総主席が、大した実績を残していないにも拘わらず強大な権力を揮っている。

 半面途上国の中には、こういう野武士たちもいる。一昨年6月、6年間の任期を終えてフィリピン大統領の職を退いたロドリゴ・ドゥテルテ氏と、今月大統領に再選された中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領である。

 ドゥテルテ前大統領は、国内に蔓延る麻薬とそれを取引していたギャングの撲滅を国民に約束し、約6千人ものギャングを粗っぽくも殺害して撲滅した。その手法は一部ではやり過ぎと非難を浴びたが、ギャングを国内から一掃し、街の治安が良くなった。物議を醸すことも多かったが、結果的に国民から高い支持を受け、歴代最高の支持率を維持した。任期を終えて未練もなく後継者にその座を譲った。

 ブケレ大統領にもややドゥテルテ氏と似たような言動が見られる。まだ42歳のブケレ大統領には、エルサルバドルでは憲法上大統領の再選は認められていなかった。それが国会を通じて最高裁判事をブケレ派に入れ替え、大統領の再選を可能にした。この強権的な手法が、実は国の治安を向上させたというから驚く。実は、2年前に非常事態宣言を発令し、国内最大のギャング構成員ら7万5千人を収監した。その結果治安は大きく改善された。国の人口は650万人であるが、その1.15%に当たる7万5千人のギャングを牢獄に入れてしまったのだ。大統領選でも85%以上の得票率を獲得した。些か強引な手法ではあるが、国民の支持は圧倒的である。

 とても民主国家である日本で、ドゥテルテ前大統領や、ブケレ大統領のような強引な手法は許されないが、国民の気持ちを捉えてそれを斟酌することは、岸田首相も彼らに学んだ方が良いのではないかと愚考する。

2024年2月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6113.2024年2月7日(水) 「ガリバー旅行記」作者に笑われる嘘つき国会議員

 今朝の朝日新聞の一面トップ記事が、昨日本ブログにも触れた盛山正仁文科相の旧統一教会から2021年衆議院選前に推薦状を受け取った事実についてである。文科相は旧統一教会の会合には出たが、推薦状は受領していないと否定していたが、それが真っ赤なウソであることが分かった。これを受けた昨日朝の情報番組では、冒頭からこの話である。この期に及んで今日衆議院予算委員会で、「写真を見てこういうことがあったかなとうすうす思い出した」とか、「充分内容を読むことなくサインしたのかも知れない。軽率だった」と止むを得ず認め、引き続き職責を果たし文科相の地位に留まると述べた。流石に自民党内から辞任論が出ている。また、新たに林芳正官房長官にも3年前地元山口で旧統一教会関係者と会った疑惑が浮上している。まあ国会議員というのはこんな程度である。

 今夕の朝日紙「素粒子」欄にガリバー旅行記作者のJ・スウィフトが300年後の日本を見通したような言葉が紹介されている。「英知、能力、徳を基準に側近を選べ。大衆の利益を考えるよう大臣を教育せよ。大臣の記憶力は短く薄弱なので、用件を済ませた後、鼻をねじる、腕を青黒くなるまでつねるなどして忘却を防げ―」。知らなかったが、的を射た言葉である。

 また、各派閥に所属している議員に対して自民党幹部がアンケートに対する回答を求めた件に関しても、今朝の報道番組の出演者は訂正ばかりですべてがウソで固められ、国民の怒りは収まらないだろうとコメントし、国税庁が国会議員に対して甘い対応を指摘している。国税庁は国民にはすべてに厳しく徴税しながら、国会議員のこのような明らかな脱税行為に対して‘甘い’と批判しているのである。せめて、ある程度裏金の受領が確定した段階で、国税庁はそのすべてを不労所得として徴税すべきである。

 さて、今朝の朝日新聞の片隅に朝日新聞北海道版夕刊を4月1日から休刊とすると出ていた。やはりかというのが率直な感想である。資材の高騰や、デジタルサービス利用者が増えたからと書かれているが、本当の理由は購読者と広告の減少だろう。近年新聞購読者数が減り続け、ピークだった1997年は全紙で5376万部が発行された。その後年々減り続けて一昨年には3084万部にまで落ちてしまった。最盛期から43%も減少してしまったのである。特にここ数年の減少率を見ると2018年は対前年比5.3%減、2020年は7.2%減となり、このままのペースで減り続ければ、20年以内に紙の新聞は消滅してしまう。これは、2月1日の本ブログで「『読書時間ゼロ』の若者」に取り上げた本を読む人が少なくなったことと相関関係にあると思っている。

 かつては、日本人の新聞好きは有名で、世界で発行部数の多いランク10社の内日本の新聞が1~3位を占め他に2社がランクインするほどだった。新聞販売が伸びていた1970年には、1位朝日、2位読売、3位毎日だったが、2011年には、1位読売1002万部、2位朝日805万部、3位毎日391万部と大手3社が圧倒したが、勢力図に若干変化が表れてきた。それが、今では1位読売686万部、2位朝日430万部、3位毎日193万部、4位日経175万部、5位産経102万部にまで低落してしまった。新聞は冬の時代から氷河期へと言われるほど厳しい。

 ニュース・ソースを新聞以外から入手する若者たち、特にスマホ世代にはこれからも新聞購読を期待できないが、さりとて別の問題が生じている。新聞を読まなくなったことにより、読書を敬遠することと同様に論理的に考える力が育たないこと、文字を知らなくなったこと、文章力が衰えたこと等々、問題は新聞の分野だけで済まなくなっていることである。これは大きな教育問題として考え、文科省が初等教育段階から国語力養成のためのビジョンを検討する必要があるように感じている。

2024年2月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6112.2024年2月6日(火) 文科相と旧統一教会との関係、トヨタの責任

 今朝起きて雨戸を開けたら、目の前にはやや古い表現かも知れない「銀世界」が拡がっていた。「銀世界」は一昨年2月以来である。昨日夜半になり、時折雷鳴が轟き雪も深々と降ってはいたが、今朝は一転きれいな雪景色を見せてくれた。ただ、道路は泥水で少々歩き難い。早朝の新聞配達人や牛乳屋さんは大変ご苦労だと思う。今日はそれでも午後になって雪が解けて歩道にも雪がなくなったので、いつも通りウォーキングに出かけた。

 相変わらず、国会では自民党の裏金問題に時間を取られている。旧統一教会に対する疑惑がしばらく話題に取り上げられなかったが、今再び自民党幹部との怪しい関係が炙りだされている。昨年10月文部科学省が旧統一教会に対して解散命令を東京地裁に請求し、今月22日に裁判所は双方から意見を聴取することになっている。そんな折も折、その文科省のトップである盛山正仁大臣が、2021年衆議院選の際旧統一教会関連団体から推薦状を受け取り、選挙の支援を受けていたことが明らかになった。しかし、いつもの通り当人は関連団体の会合には出席したが、選挙支援は頼まなかったとの一点張りである。それはそれとしても、当の旧統一教会に解散命令を請求している文科省のトップが、その旧統一教会との関係に疑念を抱かれるなんてことがよくぞあるものだ。盛山大臣は岸田派であるが、首相も多くを語らず、任命責任を問われないよう鎮火に回っている。

 さて、トヨタ自動車が今年も車の生産台数世界一となり、経営状態も今年度は営業利益が何と前年度比80%増の4兆9千億円の見込みで、これとて日本企業の中でも初めての水準だというから超一流企業の証明だと思う。その天下のトヨタ、及び系列企業の不祥事が些か目に余る。問題なのは、事故に繋がりかねないディーゼルエンジンのデータ不正である。国土交通省はエンジンの出力試験データで不正のあったディーゼルエンジンについて、トヨタに出荷禁止を発表した。現在トヨタ工場では稼働が停っている。系列会社の軽乗用車や軽トラック製造のダイハツ工業や、日野自動車、豊田自動織機も認証検査の不正が発覚している。ことの重大さに責任を感じた豊田章男・トヨタ会長が創業の原点を見失っていると反省を込めて謝罪したが、あまりにも組織が巨大化したあまりトヨタ特有の上意下達が徹底して工場内に自由に意見を言えない文化があるという。

 実は、自民党は裏金問題で政治資金のキックバックを政治資金収支報告書に記載していなかった所属議員のリストを作成し、昨日野党に提示した。今日テレビ朝日の「大下容子 ワイド!スクランブル」に出演した立憲民主党の辻元清美・参議院議員が企業献金の一部リストを無意識にか、意図的にか、偶々漏らしてしまった。日本自動車工業会から7千万円余、トヨタ自動車から5千万円などと、敢えてトヨタの社名を出した。この金額がトヨタにとってはそれほどの高額ではないだろうが、自民党とは強いコネがあることが暴露されてしまった。

 トヨタは日本が誇る大企業である。車の生産高世界一というのは誇りにして良いと思う。だが、コソコソしないできちんとルールを守り、世界一の自動車メーカーとしての矜持を保ってもらいたいものである。

2024年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6111.2024年2月5日(月) 東京都内23区に大雪警報!今冬初めての積雪

 能登半島地震災害の復興に追われている最中に、自民党の裏金問題で自民党内は大分揺れている。自民党に対する国民の批判が高まっている時に、注目すべき地方の市長選投開票が、栃木県県庁所在地の前橋市と古都・京都市で行われた。

 前橋市長選は、3期連続市長だった山本龍前市長を新人で前県議会議員の小川晶氏が大きく差をつけ破った。小川氏は連合群馬と共産党系市民団体の支援を受け、一方の現職山本氏は自民党県連と公明党県本部の推薦を受けた与野党対決の構図だった。山本氏は裏金問題で国民の批判を浴びている折でもあり、自民党本部から応援が駆けつけることはなかったが、それでも裏金の影響が響いて、小川氏の得票が6万票だったのに対して山本氏はかなり差をつけられ、4万6千票にしか届かなかった。保守基盤の選挙区で連続3期当選の保守系現職がこれほどの大敗を喫するのは、明らかに裏金問題の影響があったと思う。

 他方、京都市長選は新顔同士の争いとなり、共産党支援の福山和人氏が自民、公明、立憲、国民が推薦する松井孝治元参院議員に惜しくも敗れた。松井氏は17万7千票、福山氏は僅差の16万1千票だった。普通なら松井氏を推薦する筈の立憲民主党が、松井氏を推薦せず、共産党とともに福山氏を支援していれば、結果は逆になっていた可能性が高い。

 2つの市長選の結果から、やはり裏金問題が保守支持票に大きく影響を与えていると推測できる。こうなると4月に行われる前議員が自民党だった3つの衆議院議員補選(島根1区、長崎3区、東京15区)の結果次第では、今後自民党はよほど党内改革を国民に訴えないと支持層を固められないのではないかと思う。

 さて、今年の冬は比較的暖かいと言われているが、数日前から今日、明日にかけて雪が降るとの予報が出ていた。今朝起きた時には雪は降ってはいなかったが、午後から都内23区でも積雪があると気象庁が発表した。そこでいつものウォーキングを雪が降り出す前にやってしまおうと、午前中にいつも通り自宅周辺の住宅街2㎞を約30分かけて歩いた。帰宅してしばらくすると予報通り雪が降り始めた。今年最初の積雪である。夕刻になると都内23区に大雪警報が発せられた。一般的に東京都内は雪に弱いと言われ、雪が降ると交通機関に支障が出る。都内高速道路では、転ばぬ先の杖であろうか、朝の内にスノータイア装着とチェーンを携行しないと高速道路への進入を認めないと警報を発する有様である。その後の積雪の状態によって、午後には東名は東京~清水間、中央道は高井戸~宮御坂の他にも西湘、小田原厚木道、圏央道などが上下道とも通行止めとなった。鉄道もJRは路線ごとに運休が大分出た。航空機の飛行キャンセルも相次ぎ、今日は日本航空68便、全日空37便が欠航となった。明日も日航、全日空は国際便と国内便を合わせて41便が欠航の予定である。

 自室からガラス戸越しに車や人通りのあまりない外を眺めてみると雪が降り続く様は、やはり詩的で情緒がある。庭の植木にも白く雪が重なり静かで中々の風情である。パレスチナ・ガザ地区でイスラエル軍の銃砲に怯えている人たちにこの静かな雪景色を見せてやりたいものである。ハマスやイスラエル軍兵士らも少しは冷静になるのではないだろうか。

2024年2月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6110.2024年2月4日(日) 日鉄のUSスチール買収に米国人の屈辱感

 11月に行われるアメリカ大統領選で、共和党ではいくつかの州で予備選が始まり、トランプ前大統領が圧勝して選挙選をリードしている。トランプ氏が多くの訴訟事件を抱えながらも圧勝するというのは信じがたいことだが、それがトランプ氏の得体の知れない人物像なのだろうか。ただ、その内の1件でも有罪が確定すれば、そうは問屋が卸さずトランプ氏の思惑通りにはいかないようだ。

 一方の民主党は、遅ればせながら昨日初戦の予備選が南部サウスカロライナ州で行われ、これというライバル候補者がいない中でバイデン大統領が圧勝した。民主党としてはバイデン氏に勝ってもらいたく、戦術でもかなりのおぜん立てをしているようだ。サウスカロライナは人口の1/4が黒人の州で、バイデン氏はここで圧勝した。これにより黒人票の獲得に期待が持てると踏んでいるようだ。これから白人の多い地域へ選挙戦を移すにつれて、圧勝の流れを続けていきたいとの考えである。

 バイデン大統領は、最終的に民主党候補者に指名された後に、対トランプ作戦を練ることになるが、トランプ氏のなりふり構わず強引な言動を表に出す作戦に、バイデン氏がどう対応するかである。しかし、いずれも指名権を獲得して再びこの高齢ライバル同士の対決になった時、どうしても2人の年齢が気にかかる。アメリカ大統領は世界でも最激職であり、80歳を超えた彼らが全身全霊で4年間全力投球できるだろうか。特にバイデン大統領は、来年1月の大統領就任時には82歳となる。4年間無事務め上げれば、退任時には86歳となる。テレビの画像を観ていても、歩き方がどことなくたどたどしく健康問題が気になる。老体を引きずって世界の各地を巡ることが出来るだろうか。現状では、すでに選挙戦の火ぶたは切られた。11月にはまず2人の高齢者による決戦が行われるだろうが、黙って彼らの言動を注目しているより他に手段はない。

 そのアメリカで現在対日経済問題に発展しかねない事象が起きている。それは日本製鉄が世界最大の鉄鋼メーカーであるアメリカの「USスチール」を買収することに、アメリカの鉄鋼業界の労働組合が猛烈に反対しているのだ。日本製鉄は、すでにUSスチールと買収で合意したと発表した。その買収額が実に2兆円だという。この買収について、トランプ前大統領は「私なら即座に阻止する」と買収を認めない考えを明かした。バイデン大統領も、買収に反対と労働組合の後押しをすることを言明した。連邦政府議員の間でも反対の声が強い。買収が大統領選の主題のひとつになっているのだ。

 これには、アメリカ国民が抱いている世界最大のアメリカ企業が乗っ取られたとの屈辱の印象がある。損得勘定よりもプライドの問題だと思う。況してや世界最大の経済国家が成長著しいが敗戦国である日本経済に屈するとのイメージが受け入れられないのだろう。日本製鉄側は、アメリカに対して巨額の投資をし、資金を持っていき技術も送るし、労働組合との協約は100%守ると主張し、この買収によってアメリカがマイナスになる心配はまったくないと言っている。名を取るか、実を取るかの受け取り方だと考えれば良い。それでもアメリカ人にとっては、自国の最大企業が日本に屈した現実は、素直に納得出来ないのだろう。やはり国際商取引は、中々思うようにはいかない一面がある。

2024年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6109.2024年2月3日(土) 戦争好きな政治家が多くの人を殺害している。

 地味な話題かも知れないが、今上海でフィギュア・スケートの4大陸選手権大会が行われていて、昨日2日目に女子シングルスのフリーがあり、千葉百音選手が優勝を飾り、3位の渡辺倫果選手が3位だった。他の女子選手を含めて活躍した選手の名前を見てとてもユニークだと思った。読み難いこともあるが、昔に比べて随分変わったと思っている。これも時代の反映なのだろう。活躍した女子選手の姓名の内、名前だけは確かにきれいな漢字が並んでいる。ざっと挙げてみると、百音、倫果、舞衣、美里、唄菜、梓沙などで、このように想像外に洒落た名前を我が子に付けるのは、我々後期高齢者世代には考えられない。小学校の女子同級生たちの名は「子」、「江」の付く名前が多かった。因みに昭和26年3月に卒業したわがクラスでは、男子29人中「男」「夫」が付いた「〇〇オ」で締める名の同級生は7人もいて、名前に勝利の「勝」の文字がある子が結構いたものである。一方、女子の場合は、26人中「子」で終わる生徒が21人、「江」がひとりだった。その分今では女性の名前は、詩的で中々ロマンチックな名が増えたと言えよう。世の中の移り変わりに連れて女性の名前の中に美とロマンを感じるようになったと言える。これからも変貌を遂げて行くのだろうか。いずれは「エリザベス」とか、「マーガレット」なんてことにならないだろうか。

 さて、一向に戦火が衰えないパレスチナで漸く一時的休戦の話し合いの兆候が見えて、ホッとしていた時に、昨日アメリカ軍がイラクとシリアでイラン革命防衛隊と親イラン武装組織を襲撃した。先月末ヨルダンでドローン攻撃によりアメリカ軍兵士3人が死亡し、40人以上が負傷したことに対する報復だとアメリカ軍は公表した。中東地域における戦争拡大の懸念が広がっている。

 また、ヨルダン川西岸やガザ地区などパレスチナ人居留区にユダヤ人入植者を送り込んでいるイスラエルの極右政党が、「国民を守るため、我々は入植者としてガザに戻る」などと国際法に反する発言をし、イスラエルの後ろ盾であるアメリカをたじろかせ、フランスなどが強く非難している。これにより、益々戦闘が収まる期待が失せてしまう。

 また、並行して戦火が絶えないウクライナでは、ロシアのプーチン大統領はロシア側に主導権があると言い、一方のゼレンスキー・ウクライナ大統領は徹底抗戦の姿勢を強調して、戦闘の長期化は避けられない。ロシア軍侵攻から2年近くが経ち、ウクライナ市民の死者は1万人を超え、中でも悲劇的なのはウクライナから世界各地へ避難した人が645万人もいるということである。ウクライナの人口は約4千3百万人だから、国民のほぼ15%が国外へ避難していることになる。その中でゼレンスキー大統領は、戦闘開始から2年目の節目に当たり、50万人規模の追加動員を望んでいる。軍人集めに難儀しているようで、国外に住むウクライナ人に対して兵役に就くよう求めている。今些か苦境に追い込まれていると見られるゼレンスキー大統領にとって、同盟国からの支援が欠かせない。しかし、アメリカ民主党は昨年12月8兆円規模の軍事支援法案を提出したが、共和党が議会で否決に持ち込んだ。そろそろ支援疲れが出てきたようで、EUもウクライナ支援にあまり積極的ではない。

 現状は、膠着状態に見えるが、ウクライナとしては人的にも物質的にも厳しい状況にある。ロシア軍は、いくら反撃されようとも最終的に追い込まれれば、核の使用も選択肢の中にあるとして戦線を引き上げる様子は見えない。我慢比べであるが、直ちに休戦の見込みはない。いつになったら「戦争と平和」ではなく、「戦争から平和」に向かうことだろうか。

2024年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6108.2024年2月2日(金) 「おバカさん」国会議員の我欲と無責任

 昨日自民党の最大派閥安倍派が解散総会を開いた。安倍派の源流は1979年に結成された「清和会」で福田赳夫元首相が初代会長に就任した。その後、勢力を拡大し、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、安倍晋三らが首相となり、最大派閥になって行った。解散について新聞にも皮肉っぽく書かれた。清話会を創設した際は、田中角栄元首相の金権政治を批判し、「清廉」な政治を目指したが、その行く末が裏金事件を受けた解散になったとは政治史の皮肉と揶揄されている。まったくその通りである。

 一応解散という形になったが、残された問題は山積している。所属議員99人の内、77人のパーティ収入が収支報告書に不記載となって、その後訂正された支出はほとんど寄付と書かれていた。その総額は3年間で何と4億4千万円だった。一番スッキリしないのは、ほとんどの議員が説明責任を果たしていないことで、皆同じように「知らなかった」「秘書に任せていた」という無責任なものだった。だが、派閥が解散したからとて幕引きとはなるまい。それは、形式的には「解散」となったが、誰一人として記者会見に応じようとの誠実さが見られない。記者も流石にふざけていると我慢しきれなくなったのは、記者会見の要請に応じず、手渡された1枚の用紙に「詳細は総務省のホームページで訂正された終始報告書をご覧ください」と書かれていたことだったという。常識を疑う。誠実さの欠片も見られない。

 他の派閥ももちろん批判されているが、とりわけ最大派閥であるか安倍派が批判されるのは、派閥で集めた資金を元手に裏金を使って政治力を生かし、政界を自らの思う通りに動かしてきたことだろう。今では安倍元会長亡き後に、派閥を維持、運営してきた現座長の塩谷立元文科相をはじめ、中核であった五人衆と呼ばれる松野前官房長官、高木毅前国会対策委員長、世耕前参院快事長、萩生田前政調会長、西村前経産相らの責任は極めて重い。彼ら自身が多額の裏金を受け取っていながら責任逃れの言葉を繰り返すばかりだからである。それでいながら、自身の行為について今以て何らの説明がまったくないことである。

 今朝の朝日紙に読者の投稿でも厳しい視点で彼らの悪行を非難している。投書した元市議は、会社はもちろん、市議会でも政務活動費には、すべて領収証を求められ、それが経費に当たらない場合は返還を求められたが、公費支出なので当然である。国会議員は領収証なしでも通ることが疑問だと不信感を呈している。

 自民党は、今日2日から1週間ほどかけて裏金問題をめぐって派閥派の議員に対する事情聴取を始めるそうだが、所詮自民党内の同僚議員が聞き取ることでもあり、どこまで真相に迫る事実が明かされるのか疑わしい。

 普通に考えれば、これほどの悪だくみを集団で行っていた事実からも、自民党は次回の総選挙で多くの議席を失い、現在の1党独裁体制から野党に落ちても不思議ではない。これは国民の責任でもある。にも拘わらず、遅くも来年10月には行われる総選挙で、自民党が第2党に沈むという可能性は大分薄い。国民の間に民主主義が充分身に付いていないからでもある。因みに、4月に3つの選挙区で行われる衆議院補選の結果で分かる。前職はすべて自民党員だった。ひとつでも野党候補者が自民推薦候補者を破ることが出来るだろうか。民主主義のテストでもある。

2024年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6107.2024年2月1日(木) 増える「読書時間ゼロ」の若者たち

 元旦に能登半島地震が発生して今日でちょうど1か月となった。地震に津波、火災に遭い石川県全県が大きな被害を被った。地元民は少しずつ震災の後片付けをしているが、災害の復興にどれほど時間がかかるか絶望的な気持ちの人たちも多い。今日も相変わらず余震が続き、気象庁では今後2~3週間は最大震度5弱以上の地震の恐れもあると警報を鳴らしている。

 そして、海外でも今日ミャンマーで軍部がクーデターを起こして民主派政権を倒してちょうど3年となった。昨年秋以降国内各地へ国軍と少数民族武装勢力の衝突が拡散し、治安が悪化している。政情不安により経済は低迷し、人権状況も悪化している。昨日で非常事態宣言は期限を迎えたが、国軍は更に半年間延長する。従って宣言解除から6か月以内に総選挙を実施することが憲法で決められているが、その期待も空しいものになる。半世紀以上も前に現地で知り合い健康だったミヤンマーの友人たちは今どうしているだろう。

 3年前ミヤンマーの軍事クーデターに対して国際社会より軍指導部は厳しく非難されたが、間もなくロシア軍のウクライナ侵攻が始まり、国際社会の目はウクライナへ向き、そして世界の目は今パレスチナへ向けられている。

 国際社会の大きな衝突の流れに対して、日本国内では自民党の裏金問題が党内に幅広く広がり、連日国会を含めて政界は非生産的な存在となっている。日本の政治のシステムと議員の質とレベルが大分劣化している。困ったものである。

 そんな時にかねがね気になっていた若者の読書ばなれについて「選択」2月号の「増え続ける『読書時間ゼロ』の若者」なる記事が興味を惹いた。近年若者が本を読まない傾向にあるということは承知していたが、東大社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した調査によると、「1日の読書時間がゼロ」の小中高生が49%もいる。少年らのほぼ半数が、1日中1頁たりとも本を読まないなんてとても考えられない。受験勉強に時間を取られる高校3年生になると69.8%になるというから、高3生10人の内7人が本を読まないという。総務省の調査では、インターネットには195分、テレビは46分も噛り付いているそうだから、1日4時間もインターネットとテレビに夢中になりながらも本は読まないのである。この読書敬遠傾向により若者が論理的思考力を身に着ける機会を失い、ビジネスの現場でも文章による指示や状況説明の理解力が低い若年層が増えていると考えられている。

 私自身の経験上からももし少年時代から本を読まなかったら、その後世界へ出かけてもあまり事象を深く突っ込んで見るようなこともなく、おざなりに表面的な情景しか見ようとしなかったのではないかと思う。例えば、「モンテ・クリスト伯」を読んだ後に、マルセイユの街を歩くと街の姿や、作家デュマが描こうとした時代背景がよく分かるし、トルストイの「復活」を読んでからシベリア鉄道に乗って車窓から外を見ているとカチューシャを追っていくネフリュードフ公爵の姿がイメージとして浮かんでくる。若いころに出来るだけ本を読みこんだか否かにょって、かなり知性に差が出ると思う。やはり読書から遠のくのは、社会現象もあるが、家庭の教育が大きいという。実際本をまったく読まないようでは、人生が面白くないし、極端に言って生きていてもしようがないと思う。

2024年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6106.2024年1月31日(水) 身から出た錆、ワリエナ選手と麻生副総裁

 昨日のブログに名張毒ぶどう酒殺人事件と静岡市の一家4人殺害の袴田事件について、すでにいずれも半世紀を経過しているが、今以て最終的な決着は付いておらず、裁判が長過ぎるので、何とかもう少し早く決着出来ないものかと書いた。

 ところで、それらの残酷な殺人事件とは別に、スポーツの世界でも選手の活躍可能期間を考えれば、かなり長期間だったが、漸く決着が付いたケースがあった。

 それは2年前の北京冬季オリンピックで順位と表彰式が、未だ実施されていない女子フィギュア・スケートである。ロシアが女子フィギュア・スケート団体で、1位になったワリエナ選手のドーピング問題が大会中に発覚して処分はそのままになっていた。そこへ一昨日になって漸くスポーツ裁判所が、ワリエナ選手の失格と判断し、ロシア(ROC、ロシアではなくロシアオリンピック委員会)を1位から3位へ、2位のアメリカを1位、3位の日本を2位へ繰り上げることを決めた。すでに発覚してから2年が経過したが、その表彰式はいつ、どこで行われるのか現時点では不明である。ドーピングが発覚したワリエナ選手は、その日ショックのあまり、シングル女子で前日ショート・プログラムまで1位だったが、その後行われたフリーでは再三転倒してメダル圏外の4位に落ちてしまった。

 スポーツ仲裁裁判所は、同時にワリエナ選手に4年間の資格停止他の処分を科すと発表した。問題が発覚してからすでに2年が経過した。当時15歳だった少女は、今17歳になったが、まだ2年間の資格停止期間が残っている。普通の市民ならともかくスポーツ選手にとっては、目の前に他の選手と競い会える場を奪い取られてしまったのだ。何を目標に鍛錬するのか、目標を奪われた選手にとっては茫然としてしまうのではないだろうか。況してやフィギュア・スケートは20歳代前半で選手生命は終わってしまうケースが多い。ワリエナ選手は果たして残り2年間を耐え抜いて行けるだろうか。ドーピングとは彼女も随分安直な近道を通ったものであるが、傍で指導しているコーチらがその辺りは気が付かなかったのだろうか。

 さて、一昨日やはりこのブログで触れた麻生太郎自民党副総裁の軽はずみな上川外相を揶揄する発言が、メディアで大きく取り上げられた。それは、裏金問題により自民党内の派閥がほとんど解散となりつつある中で、断固派閥を政策集団として維持していくと語った派閥会長の発言だけに、余計注目を浴びた。各テレビ局のコメンテーターが批判的な発言が多い中で、当の上川外相は「どのような声も有難く受け止めています」と表面的には気にしない大人の対応を見せた。しかし、外相の発言に対して、どうして真向から抗議しないのか、とかそういう対応が相手をつけ上がらせるのだと、いろいろ厳しい指摘もある。

 麻生副総裁はこれまでにも傍若無人で相手の人間性を傷つけるような言動が多かった。その都度批判は受けるが、いつもそれは一過性のものとなった。テレビ朝日のコメンテーター玉川徹氏は、会社内ではこういうことを言われても上司に仕返しすることは難しいが、政治家の場合は選挙で落選させることが出来る。選挙民がどう対応するかだというようなことを述べていたが、確かにその通りである。ただ、大都市圏ではともかく、地方では伝統的に選挙の現場では昔から土地の顔役が当選すれば、よほどのことがない限り再選される構図になっている。国民が成長しないとまだまだ第2の麻生、第3の麻生がしゃしゃり出て来る可能性は充分あり得る。

 厳しいようだが、15歳でドーピングを犯したワリエナ選手、そして軽薄な麻生副総裁には、身から出た錆だと言ってやりたい。

2024年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com