3053.2015年9月22日(火) 強まる日本へのいやがらせ

 今日もテレビの報道番組ではラグビー大金星の余韻が消えない。NHKでは一週間前に放送したドキュメンタリー「アスリートの魂」を再放送して、南アフリカ戦で活躍したフルバックの五郎丸歩選手の独特のキック法が完成するまでを紹介していた。他にもラグビー界の元日本代表選手、吉田義人氏、堀越正巳氏らを招いて話を聞いている。

 一般的にタレントの人たちはラグビーのルールをあまり知らないようだが、番組で解説されたおかげで、彼らのみならず多くの人たちにラグビーが知られるようになったのではないだろうか。第2戦スコットランド戦以降はさらに一般の関心を呼ぶようになると思うので、ラグビーをPRするまたとないチャンスではないかと思っている。

 そんなラグビー旋風の陰で大きく伝えられることはなかったが、一昨日経済が行き詰ったギリシャで再び総選挙が行われ、前回7月に続いてチプラス前首相が党首を務める急進左翼進歩連合(シリザ)が勝った。前回の総選挙に勝ち政権交代を成し遂げたチプラス氏が、ギリシャ経済救済策にあまりにもギリシャにとって虫の好い言い分を主張したせいで、EU諸国から反発を買い、経済支援を受け難くしてしまった。今度は本心を引っ込めてEUの言い分を聞き入れ、ギリシャ国民に忍耐を強い、前回よりギリシャ国民にとって厳しい政策を掲げたうえで国民の支持を得ただけに、前回に比べてEUとの交渉はやり易くなるだろう。

 だが、国内にチプラス氏は国民を裏切ったとの批判も根強く、加えて経済問題の他に難民・移民問題を抱え込むことになってしまい、前途は多難である。

 さて、中国艦船5隻がアメリカ領海へ侵入したと報道された。アメリカ領海のベーリング海への領海侵入は意図的な行動なのだろうか。中国は先の安保関連法案成立についても「日本は軍事力を強化し、専守防衛政策を放棄するのではないかと国際社会の疑念を引き起こしている」とのコメントを公表した。いつもながらの中国流の都合の好いコメントである。毎年軍事費を大幅に増やし世界中から軍事力強化し、公海である南シナ海に岩礁を埋め立て自国領土として楔を打ち、国際社会から指摘、非難されているのは中国自身ではないか。自らは指摘され非難されると開き直って勝手な持論を押し付け、その一方で他国の政策については内政干渉しようとする。そんな中国にだけはとやかく言われたくない。敢えて言えば、中国の対応は二律背反ではないだろうか。

 ロシアとの関係も近年では思わしくない。それは、日本というよりプーチン大統領の大国意識によるところが大きい。それは昨日の日ロ外相会談でも垣間見られる。昨日モスクワで行われた岸田外相・ラブロフ外相会談が行われたが、その後の共同記者会見で二人の言うことがまったく矛盾していた。岸田外相が北方領土問題について話し合ったと言及したが、ラブロフ外相はそのような話はなかったと語った。日ロのような両国の高官が記者会見で言うことがまったく正反対というのは理解出来ない。

 どちらかと言えば、ロシア側に何らかの思惑があるように思えて仕方がない。ロシアは北方4島を自国領として日本へ返還する意思がなく、日本との北方領土返還交渉を避けたい気持ちが図らずも表れたようだ。

 益々日本周辺は多事多難である。

2015年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3052.2015年9月21日(月) ラグビー界の盛り上がり

 案の定今日は新聞とテレビのワイドショー番組でも昨日の日本ラグビーの金星について、かなり時間を割いて紹介していた。これでかつての「なでしこジャパン」ブームのようにラグビー・ブームが再来すれば、ラグビー・ファンとしては応えられないところである。

 昨夜NHKのスポーツ・ニュースでかつての早稲田の名選手で現ヤマハ監督の清宮克幸氏が、昨日の試合を観た心情の変化について語っていた。清宮氏はラグビー界では誰知らぬほど頑固で個性的なラガーマンであるが、今では一部に早実野球部4番打者清宮幸太郎選手の父親として知られるようになった。若いころより一家言持つ清宮氏だが、やはり一言あった。今まで日本代表チームと言っても外国人選手を加えたチームでは、真の日本代表チームとは言えないと主張していたが、認識を改めたという発言だった。ワールドカップ出場の日本チームには、日本国籍を取得した5人を含む10人の外国人選手がいる。昨日最後の決勝トライを決めたヘスケス選手の傍でトライまでサポートしたのも2人の外国人選手だった。国際ラグビー・ボードは条件付きながら外国人選手登録を認めている。それに対して清宮氏はこれまで異を唱えてきた。その意味では清宮氏のラグビーの認識を改めさせた昨日の勝利は、画期的なものだったということが出来る。

 夕食に出かけた帰りにコンビニで今日のスポーツ新聞5紙を購入したが、どれも日本チームをべた褒めである。

 今日「情報ライブミヤネ屋」のキャスター・宮根誠司氏も、経済評論家・森永卓郎氏も言葉を合せて、2019年ワールドカップ日本大会の開会式に新国立競技場の工事完成が間に合わず使用出来ないことを取り上げ、こうなったら多少の金を注ぎ込んでも工事を間に合わせ、ここで開会式をやらせてあげたいと真剣に発言していたくらいである。それほど昨日の歴史的勝利は多くの人々に高く評価され、ラグビー支援の気持ちを広げさせたということでもある。日本が放った久しぶりのクリーンヒットならぬホームランである。

 こうなった以上は残るゲームでも戦い勝って、目標のベスト8目指して戦って欲しい。

 さて、今日は「敬老の日」である。世界アルツハイマー・デイでもある。今や65歳以上の高齢者が全人口のほぼ1/3に達するという。「敬老の日」は何年か前に固定日の9月15日から9月第3月曜日に変わった。秋分の日、普通の土日、休日の間に挟まった国民の日があって、「敬老の日」もただ単に連休の中の1日となって、当初の「敬老」の意味と主旨が薄らいでしまったような気がする。休日をまとめるというのは、ある面で効率的で一部には経済効果が上がるのかも知れないが、反面本来の目的、主旨が無意味になったような気がしている。来年から8月中旬に「山の日」が設定されるようだが、「海の日」に対抗して決められたような印象が強く、休日自体の真の意味を知らない国民が益々増えるのではないか、それでは本末転倒ではないかと思える。休日が増えることを国民は反対することはないかも知れないが、あまり意味のない祭日を増やすのも考えものだと思っている。

2015年9月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3051.2015年9月20日(日) やったぁ!日本ラグビー、ワールドカップで大金星!

 昨日からシルバーウィークとやらで5連休となり、予想通り交通機関はどこも大変混み合っているようだ。実際一昨日長男が出張帰りに泊まって昨日帰って行ったが、新幹線の予約が中々取れなかったとこぼしていたくらいだ。

 昨日安保関連法案成立でもやもやし、先週は「平成27年9月関東・東北豪雨」で多くの被害に消沈し、加えてこの数日埼玉県熊谷市では短期間に6人を殺害した日系ペルー人殺人事件に愕然として、パッとしないニュースをいくつも聞かされすっきりしない中で、今日突如小躍りするような朗報が入ってきた。

 昨日からイギリス各地で始まったラグビー・ワールドカップの緒戦、日本代表チーム対優勝候補で世界3位の南アフリカチーム‘スプリングボックス’戦が、日本時間今朝0時キックオフされ、日本はその南アを破る大金星を挙げたことを今朝起きてテレビで知り、俄かには信じられなかった。試合前はかなりの大差で負けるだろうと悲観的な予想を立てていたほどで、真夜中の生放送を観る気はなかった。だが、いざ勝ってみるとどんな勝ちゲームだったのか、勝負の流れを知りたくなり、早速正午のNHK・BSテレビ再放送を観戦して、やっと安保関連法案成立のやりきれない気持ちを払拭し溜飲を下げたところである。現地ブライトンで実況中継をしたのが、選りに選ってかつて自宅近くの旧NHK家族寮に住んでいた、湘南高ラグビー部の後輩、豊原謙二郎アナだったというのも奇縁である。

 試合は逆転に次ぐ逆転の末、3点ビハインドのノーサイド2分前に得たペナルティ・キックのチャンスに、日本は引き分けに持ち込めるペナルティ・キックの3点を狙わず、逆転勝利に向けトライの5点を狙いに行った。相手ゴール前で南アが度々ミスを犯して何度もペナルティのチャンスを得たが、僅かにトライに結びつかず、それでもひたすら押しまくって前進した。そしてノーサイド寸前に左へオープン展開しウィングのヘスケス選手が左コーナーへ飛び込み作戦通り逆転トライとなってノーサイド。前半の劣勢を覆し34-32で難敵を破った。日本にとってはワールドカップで24年ぶりの勝利である。南アフリカのみならず、世界中のラグビーファンの度肝を抜くような予想外の日本の見事な逆転勝ちである。歴史的な勝利と言ってもいい。スタンドも日本チームの勝利に沸きに沸いていた。ロイター通信は日本の勝利はワールドカップ史上最大の番狂わせと報道し、他にもラグビー界のみならずスポーツ界最大の衝撃とか、ダークホース日本が優勝候補を破ったとか、ラグビーの本家イギリスの新聞各紙も揃って日本の大金星をトップ記事に取り上げ絶賛している。「ハリーポッター」の著者、J.K.ローリング氏も「こんな小説は書けない」とツィッターに投稿したほどである。

 日本チーム勝利の陰には、選手個々の活躍、特に外国人選手の活躍は言うまでもないが、その裏には名将エディ・ジョーンズ・ヘッドコーチの力が与かって大きかったと思う。それにしても完敗すると半ば諦めていただけに、何とスカッとする勝ちっぷりだろうか。すぐ新聞各紙から号外が出たようだが。ウォーキング帰りにスポニチ紙を買ってみると、一面トップに「W杯奇跡 大金星 日本ラグビー」と取り扱い、ラグビー史上最大の奇跡が起きたと書いてある。ニュース番組でもラグビー様々である。

 2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に際して、このところ新国立競技場建設問題や、オリンピック・エンブレム問題など何かとすっきりしないケチが付き始めて、その前年2019年開催予定のラグビー・ワールドカップ日本大会も、当初予定していた新国立競技場を会場として使用することが出来なくなってしまった。その沈滞ムードを吹き飛ばす意味でも、今日の勝利は心強い。

 他にももうひとつスポーツ面で嬉しいことがあった。昨日東京六大学野球秋季リーグ戦で最下位常連の東大が強豪法政大に逆転勝ちしたことである。東大は94連敗をしていた春季リーグ戦で漸く10年ぶりに法政を破って連敗を抜け出したばかりだったが、今季またしても法政に勝った。嬉しかったのは、東大勝利の立役者宮台くんが豊原アナと同じく高校後輩の2年生投手で、先発投手として法政打線を抑え、打者としても2点適時打を放って勝利に貢献したことである。

 それほど騒ぎ立てることではないが、それでも有史以来の歴史的な日本ラグビー勝利の実況中継放送に関わったことや、滅多にない東大野球部の勝利に、いずれも高校の後輩らが彼らの存在感を示してくれたことは、先輩のひとりとしてはやはり嬉しいことである。

2015年9月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3050.2015年9月19日(土) 違憲の安保関連法案、ついに可決成立

 今朝2時過ぎ懸案の安保関連法案が、参議院本会議で採決の結果可決成立した。夜中にも拘わらず国会議事堂周辺には、法案反対デモに参加した多くの人々が取り巻いていた。学生時代の60年安保改定法案の強行可決に次ぐ、近代日本にとって画期的で忌わしい法案強行採決である。あの当時の虚しかった気持ちを思うと何とも言いようがない。安保関連法案がこれほど多くの国民に反対され、多くの憲法学者から法案の違憲性を指摘されているにも拘わらず、敢えて政府与党は強引に法案を成立させた。戦後70年にわたって堅持されてきた自由主義、民主主義、立憲主義の崩壊である。何とも無力感を憶える。

 日本ペンクラブも本日早速浅田次郎会長名で「安保関連法案の審議やり直しを求める」との声明を発表した。外国からも多くの反応のコメントが出されている。アメリカが歓迎のコメントを出すのは当然である。イギリスは今後日本は海外で戦闘行為が出来るとコメントした。フランスAFPが法案は日本の憲法に違反していることと、最高裁で違憲の判決が出される可能性があると報道しているのが目を引いた。その通り法律家らが本法案の違憲性について訴訟を起こすことを検討しているようだが、判例として具体的な事象がないと受理されることは難しいのではないかと懸念されている。

 60年安保改定に関わった岸信介首相と、今朝安保関連法案成立を強行したその孫の安倍晋三首相が、日本の政治史上、憲政史上に拭い難い汚点を残したことは間違いない。それは明治維新の陰の立役者、吉田松陰や高杉晋作らを生んだ長州の地が、90~150年の時を経て、今度は稀代の好戦的ならず者を生みだし、図らずも日本を迷わせることになる。

 昨日菱山郁朗・元日本テレビ政治部長から、「安倍政治の『独走政治』を許すもの」と題した論文を送っていただいた。現場で長年取材しておられただけに岸、佐藤、安倍家系のヒストリーと業績に切れ味鋭く迫って説得力がある。菱山氏も強行採決に憤慨しておられる。

 ついては、夕刻わが家の郵便受けに一枚の手書きコピーのチラシが入っていた。よく見ると面白いことが書かれている。「新党結成」「自由公明党」と書かれ、幟の絵が描いてある。新党結成の主旨と党規約が書かれている。そこには、「我等この党旗の元に結集し、ひたすら弱者をいたぶり、強者におもね、日々たゆまず独断・専横政治に邁進するものとする・・・党規約:1.権力欲、2.権力指向、3.権力ぼけ、4.権力おぼれ、5.権力いちず」と書かれている。今日付きである。多分公明党の安保関連法案賛成に反対の創価学会員が、公明党を批判するドブ板作戦を皮肉たっぷりに展開したのではないだろうか。つい笑ってしまう。

 企画者も住所も書かれていない。冷やかしに過ぎないと思うが、昨日の今日早くも巷に与党を揶揄する空砲が飛んでくるとは、よほど頭に来ている人がいるということではないだろうか。

 これから安保関連法案成立によって、いろいろ問題が表面化するだろう。公明党も支持母体の創価学会会員の支持を得られなくなっては、今後党としての活動が難しくなるのではないか。

2015年9月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3049.2015年9月18日(金) 安保関連法案、参議院のゴチャゴチャ

 一昨日から続いている安保関連法案採決のための参議院の騒ぎは一体何なのか? 不信任案、問責決議案の提出で特別委員会と参議院本会議は主旨説明と採決に時間を費やし、これだけで多くの費用が無駄に使われている。昨日参議院特別委員会で安保関連法案は、不信任を否決され席へ戻ったばかりの鴻池委員長が、間隙を突くように採決を行い、あっという間に法案成立となった。生憎テレビ中継でその場を観ていたわけではなかったが、今日その様子を観てみると何とも巧妙に、野球で言えば盗塁のような素早さで一気に採決してしまった。しかも関連法案とセットでやってしまったというから、出し抜かれた野党が騒ぐのも無理はない。

 まだ、法案が成立したわけではなく、これから参議院本会議が開かれて決まる。今度の国会運営を観ていて賛成と反対の主旨説明を、それぞれの代表スピーカーが知恵を絞って長引かせた挙句に、採決を遅らせる駆け引きを行っているのを知った。これに牛歩戦術などで投票に余分な時間が必要になったから、時間がいくらあっても足りない。これもそれまで法案の説明と討論に時間を取らなかったからだとの言い分がある。中でも「生活と山本太郎となかまたち」の山本太郎議員の行動が注目を浴びている。議場で喪服を着て数珠を手に時折ご焼香のふりをしてゆっくり進む行動に対して、議長から早く歩む注意を促された。この牛歩戦術は、かつては国会でしばしば話題になった。牛歩とは随分優しい表現であるが、アメリカ議会では、革命扇動家、略奪者、海賊を表すオランダ語を語源とする「フィリバスター」という言葉が使われている。

 それにしても安保法案の是非を別にしても、国会議員とは何と無駄な時間を浪費しているのか、バカバカしく些かうんざりしている。今日も遅くなったが、まだ参議院本会議の法案採決の見通しが立たない。

 ところで、昨日チリ沖で発生したM8.3の地震は、一日遅れで日本にやって来た。北海道から沖縄まで太平洋岸に津波の影響が表れたが、ほぼ一日経って警報が解除された。こちらはやれやれである。

2015年9月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3048.2015年9月17日(木) ついに安保関連法案成立か?

 今日午後参議院特別第一委員会の中継放送を観ていて、昔と変わらない与野党の通せんぼ作戦やら、ヤジの応酬などがあり相変わらずだなぁと感じた。昨晩から委員会の開催、休憩の繰り返しで慌ただしい中を、鴻池祥肇・委員長が開会を宣言した途端、福山哲郎・民主党幹事長代理から委員長不信任動議が提出され、動議の賛成・反対説明演説が行われ、これに相当な時間を費やした。賛否採決の結果、不信任案は否決された。鴻池委員長は委員長席へ戻るや、突如議事を打ち切り安保関連法案採決に入り、参議院特別委員会では賛成多数で安保関連法案が可決された。あっという間の出来事である。怒号飛び交う中で女性議員も中々勇ましい。委員会室はちょっとした騒ぎとなった。これが良識の府とは呆れるばかりである。このドンチャン騒ぎが世界へ発信される。恥ずかしい限りである。

 今午後10時半を過ぎたが、この後参議院本会議が開かれるのか、そして先刻特別委員会で採決された安保関連法案が本会議で採決され成立するのかどうか、今のところ分からない。

 さて、今朝の新聞報道に依れば、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は日本の経済力が落ちたと日本国債を1段格下げし、中国や韓国と同じ「AA-」からアイルランドと同じ「A+」へランク・ダウンを決めた。安倍政権のアベノミクスの効果が認められないと判断されたのである。安倍首相が憲法違反も何のその安保関連法案をゴリ押しし強行採決に踏み切ったが、首相が得意気に自画自賛していたアベノミクスも散々である。

 今回格下げ最大の原因は、日本の財政状態、つまり多額の借金である。以前から指摘されている国内総生産(GDP)に対する政府債務残高の伸びが年5%以上に達すると予測され、S&Pから「日本の財政状況が極めて脆弱であることは重大な弱み」と指摘された。海外から資金調達をしている金融機関や商社がこれに連動して格下げされるとより高い金利を支払わなければならなくなる。日本経済にとっては由々しき事態である。

 いつも時の政府は、抱える国の借金を削減することを口には出すが、バラマキ予算を組み結果的には毎年赤字予算となり、財政状況は悪くなる一方だった。この悪循環をどうやって食い止め、健全財政を構築し、維持して行くことが出来るだろうか。アベノミクスは正念場である。

 日銀総裁がいくら力んでも、安倍首相と麻生太郎財務大臣ではアベノミクスもダメだろう。

 漸くこのところ秋らしい季節となった。一日中涼しい。昨日から上下とも長い衣類を身に着けている。そして今日は朝から雨が降っているが、台風20号が小笠原近海にいて、また各地に大雨をもたらしそうな様相である。生憎水害に襲われた茨城県常総市にも降雨があり、水浸しになった土地から排水作業を続けているところへ雨が降るという、思い通りに行かない天候である。

 そこへ地球の裏側チリで昨日午後8時前(日本時間今日午前7時54分)にM8.3の地震が発生し、日本へも明朝5時半ごろ津波が押し寄せる可能性があるという。またまた自然の猛威である。内外ともに多事多難である。

2015年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3047.2016年9月16日(水) いよいよ安保関連法案は動くか?

 いよいよ安保関連法案も大詰めを迎えて、参議院特別委員会で与野党間の舌戦が交わされている。昨日の中央公聴会に引き続き、今日は横浜で地方公聴会が開かれ、賛否両論の意見が開陳された。今日も抗議のデモが夜遅くまで国会周辺を取り巻いている。大原ペンクラブ常務理事から5時過ぎに国会に行かないかと誘われたが、急に医者へ行かなければならなくなったので行けない。その代わり昨日大原さんからもらったレッドカード(西東京8.15ピースナウ実行委員会発行)の安倍首相宛ハガキに必要事項を書き込み切手を貼って投函した。そこには、 [退場・失格者]安倍晋三内閣総理大臣、 [理由]戦争法案は憲法9条違反!だから提案代表者のあなたは憲法99条(憲法尊重擁護の義務)違反!と書かれていて、「+ひとこと」として「安全保障関連法案の撤回を求めます」と書いたスペースの下に記入欄があったので、「一国の総理大臣が先頭に立って憲法をぶち壊すとはどういうことだ!」と書き加えてやった。

 国会周辺の様子を見ていると、55年前のあの60年安保反対闘争を思い出す。国会周辺の雰囲気が60年安保改定闘争当時と大分似てきた。国会では参議院特別委員会が休憩を交えて断続的に開かれている。どういう結論が出るか。今日明日のうちに一気呵成に強行成立させようというのが、安倍首相の腹の内だろう。だんだん不安になってきた。

 ところで、先日来ヨーロッパに逃れてきたシリア難民の受け入れを巡って、あまりの難民の多さに流石にドイツでも一国では受け入れきれないとお手上げ状態となり、難民に対して一定の制限を設けることにした。それに合わせて隣国オーストリアも国境の管理を固め、ハンガリーも受け入れ拒否の考えを断固変えようとしない。EUでは加盟各国の分担受け入れを話合っているが思うようにまとまらない。特に経済力の劣る旧東欧諸国が受け入れを拒絶している。アメリカやオーストラリア、カナダなどがある程度の難民受け入れを承認した。いずれにせよ欧米諸国にとって頭を抱える切実な問題となった。

 そこでこの難民受け入れに関して日本も他人事ではいられないことが現実味を帯びてきた。仮に北朝鮮や他のアジアの国々から難民がやって来た際どう対応するのか、また、シリア難民の受け入れについて欧米諸国や国連から受け入れ分担の圧力がかけられた場合、難民をどの程度受け入れるのか、他人事としてではなく日本人として考えておかなければならない。

 偶々一昨日法務省は今後5年間にわたる難民認定制度の運用方針などを定めた「出入国管理基本計画」なるものを公表した。中々理解の難しい基本計画であるが、これを一口で言えば、日本では難民を受け入れるに当たって難民という言葉の解釈、難民認定の解釈を巡って厳しい見解が出され、他国に比べて難民として認められるケースは可能性としては極めて少ないことを示唆している。実際昨年は約5千人からの認定申請に対して、認められた難民は僅か11人だったという。昨今では難民の受け入れに理解を示していたドイツですら、あまりにも数多く押し寄せる難民に正直言って音を挙げているのが実情である。それでも難民問題でドイツが国際的に高く評価されているのは、他国に比べて遥かに難民に対して鷹揚で寛大であるというイメージが定着しているからである。

 一方で国際的な防衛分担のような「国際的分担」などという言葉を安易に言い出して安保法案をゴリ押ししている政府自民党にとって、この難民問題についてドイツ人のようなグローバルな考え方を取れるのだろうか。人道的観点から考えれば、日本ももう少しドイツを見習い難民解釈を緩和することを「国際的分担」の観点から考え検討するべきではないだろうか。

2015年9月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3046.2015年9月15日(火) 政府と沖縄県のバトル発生

 安保関連法案の強行成立を図ろうとする政府与党は、今週中にも参議院で採決へ持ち込もうとしている。そういう穏やかならぬ状況の中で、翁長雄志・沖縄県知事は、防衛省が進めている普天間米軍基地の移設計画に伴う辺野古の埋め立て承認を取り消す手続きに踏み切った。元々沖縄の根強い基地反対の動きから、単なる基地移設計画には反対の声が強かった。それを前知事・仲井真弘多氏が、前回選挙で負ける直前に政府への土産として辺野古移設を急いで承認していたものだ。これに対して翁長知事は移設反対を公約に掲げて知事選に立候補し、当初から撤回を叫んでいた。一方一時埋め立て工事を休止していた防衛省沖縄防衛局は、当然その効力を失わせるべく不服審査請求を行うと見られている。と同時に埋め立て作業を再開する方針である。それに対して沖縄県は政府の行動に対してさらなる対抗措置を取る方針で、国と県の間で法廷闘争になる見通しが強くなった。

 これまで両者の間で幾度となく中身のない話し合いは持たれたが、基地移設を巡る両者の対立は一向に氷解する気配はなく、安倍首相と知事との話し合いも素っ気ない挨拶程度のものだった。政府には、支持した仲井真前知事を破った翁長知事に対して当初から敵対的知事との思い込みが強く、それがお互いの対立となったまま今日まで引き摺っている。防衛省の埋め立て工事は、沖縄県の意向に関わらず再開強行されそうである。だが、県民のほとんどは翁長知事の行動を理解し賛同している。こうなると国とひとつの県が対立するという、最も避けなければならない事態に発展しかねない。ここでも安倍首相の腰巾着・菅官房長官の強引で陰険な言動が妙に気になる。

 さて、今日はペンクラブ9月例会である。昨年から会場が東京会館から神保町の如水会館に移ってから、出席者も減り、食事内容も寂しくなって気持ちもやや寂しい。いつも誰か著名人がショートスピーチをやるのだが、今日はそれもなし。その代役を浅田次郎会長が務めることになった。急に司会役を命じられた人が菊池さんと仰る方だったが、尋ねてみるとあの菊池寛のお孫さんという話だった。国会で安保法制議論が喧しい中で、浅田会長の話はいつもとやや変わっていた。日本人の特性として3つを挙げた。ひとつは原爆被爆国である日本人が世界へ向かって核廃絶を叫ぶことが一番説得力がある。二つ目は日本人が雑多の宗教がある中でどの宗教に対しても同じく公平に対応出来るのでその役割を果たすことが出来るということであり、三番目には話題の安保関連法案だが忘れてしまった。会長は元自衛隊員であり、こういう問題について語る時は、本音を確かめないと何を言いたいのかが分からないからだ。

 会場では珍しく拙著「南太平洋の剛腕投手」に推薦文を書いてくれた元文化庁長官・近藤誠一氏に会って、しばらくぶりに立ち話をした。拙著の好評を喜んでくれた。他には副会長西木正明さんや、今度理事になった西村秀樹さんと話しこんだ。こういう会話は結構楽しい。

 いつもなら輪の中心にいる小中陽太郎さんが、恩師のお通夜ということで急遽欠席されたが、いつもの小中組メンバーとともに神保町の「なにわ」で二次会を持ち、思い思いに今後のペンクラブの発展のためのアイディアを出しあって散会。久しぶりに楽しい「いっぱい会」だった。

2015年9月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3045.2015年9月14日(月) 小泉純一郎元総理の卓見「原発ゼロ」 

 北関東と東北地方を襲った水害は、被災した各地に大きな後遺症を留めているが、死者はこの種の災害では4人と数字的には少なかったかも知れない。だが、避難者数は6千人近くに上り、家屋や田畑が蒙った被害は想像も出来ない。

 市内が一面に水に浸かってしまい、茫然とする被災者の前にはこれから長い苦難の道が待っていると思うと気の毒で堪らない。水没した稲穂を見て収穫を断念した農家の人が、納屋にある農機具もすべてダメになったと寂しくつぶやいていた姿も忘れられない。

 今日都内で外国人観光客が取材されて、日本は自然災害の多い国なので、河川の堤防はきちんと備えるべきだと発言していたことと、もしこのような堤防決壊の可能性を旅行前に知っていたら日本へは来なかったと発言していた観光客がいたことが印象に残った。

 間もなく御嶽山の噴火から1年を迎えようとしている。そして今日熊本県の阿蘇山が噴火して噴火レベルを3へ引き上げた。阿蘇山噴火は36年ぶりのことだという。巷では首都圏直下型地震の発生もいつ起こっても不思議ではないと懸念されている。このように日本国中自然災害の恐れのないところはない。

 その中で桜島火山に近い九州電力川内原発が、つい先日2年間の原発ゼロ状態から再稼働をスタートさせた。国民の間にも原発反対の声が過半数を超えている中で、敢えて原発ゴーサインを出した安倍政権の原発政策が鼎の軽重を問われている。

 そして昨日の朝日新聞に小泉純一郎元首相が、首相退陣後初めて報道機関のインタビューに応じて原発ゼロについて持論を訴えた。

 小泉元首相の原発再稼働反対の持論と強い信念は、これからの日本のエネルギー政策の在り方を信念に基づいて主張したものだ。かつて首相在任時に原発を推進してきた立場上責任を感じていると述べ、当時は安全、安い、クリーンと信じてきた原発が福島原発事故でその偽りを知るに至り、「過ちを改むるに憚ることなかれ」と孔子の言葉に倣い、断固原発反対であると立場を変え、2013年8月にフィンランドの放射能廃棄物最終処分施設を視察して一層考えを固め、原発反対の強い姿勢に転じた。

 小泉氏は首相の決断さえあれば原発反対へ転じることが出来ると安倍首相に強く働き掛けたが、安倍首相が考えを変えることはなかった。有言実行で郵政改革を実行したご本人だけに強い説得力がある。

 最近10年間を見ても新潟中越地震や東日本大震災のようなM7前後の地震が頻繁に起きている。世界一安全だなんて言葉を安易に使うが、厳しい安全基準を出した原子力規制委員会田中俊一委員長ですら、「絶対安全とは申し上げない」と言っている。過去2年間日本は原発ゼロでも停電もなしにやってこられたことを考えれば、危険で費用が高く使用済み核燃料の処分場所さえ決まらない原発より、原発ゼロ社会の方が遥かに国家の政策として優れていると主張する小泉氏の言い分の方が説得力を持つと思う。

2015年9月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3044.2015年9月13日(日) 心配なビルマ国内の政情

 今日は横浜に住む二男家族4人が揃ってやって来て、駒澤公園近くの叙々園で焼き肉昼食を食べてから、公園広場で開催中の「わんわんフェス」とかいう、毛色の変わったマーケットをぶらぶら見て回った。今やペット・ブームとあってワンちゃんを連れて散歩している人を多く見かけるが、そのペットたちのために衣類、鎖、エアバギー等々を販売しているテントがあるかと思うと、ペットのための身づくろいのためのお店があったり、トレーニングの様子を見せている場所もあって、余裕というか、裕福な人たちもいるものだと半ば感心し、半ば呆れて見ていた。4歳と2歳の孫も相手がペットだけに、結構楽しんでいたようだ。

 ところで、昨日の本ブログの朝日新聞との争いの個所をそのままFacebookに載せた。すぐに「いいね」と反応があった。Facebookには初めて書き込んだので、現段階ではまだどうして私が朝日と一戦交えているのかは、はっきりとは分からないと思う。これからもFacebookに積極的に説明を加えて、どうしてこういう理不尽な事態に立ち至ったのかを分かり易いように解説して友人らの理解を得たいと考えている。

 さて、しばらく大好きなビルマについて大袈裟に騒がれるような事件もなく、ほっとしていたが、それでも8月中旬に与党・連邦団結発展党(USDP)の党首シュエ・マン党首が突如解任されたニュースには、実のところ驚いた。表向きは民主化路線へ歩み出した姿勢をアピールしているが、ビルマは近年一筋縄では行かない、したたかさを身に着けてきた。外国向けには、軍部独裁の印象を和らげようと、国民選挙を行い大統領は国民によって選出される制度だけは維持している。だが、これが一皮剥けば、軍部の意向がしっかり採りいれられている点で考えさせられる。最大の非民主化政策は、憲法で国会議員の1/4が軍人から選ばれることである。それが、今回のUSDP党首の解任の裏事情だったとは相変わらずビルマの政界は複雑である。

 シュエ・マン党首は実は2011年の民主化以降下院議長でもある。実力者だったタン・シュエ氏の後継職を狙っていたが、現大統領ティン・セイン氏の後塵を拝した。それが国民民主連盟(NLD)党首アウン・サン・スー・チー氏に近寄り、それが結果的に軍部内で不評を買い、今回の党首解任につながったと見られている。

 一方で一時友好的と噂されたアウン・サン・スー・チー氏との仲が、その解任があってからも距離が置かれていたというから、どうもよく分からない。いつまでも人事抗争なんかでバタバタしているようでは、他のアジア周辺諸国々からも置いて行かれてしまうのではないかと一寸気にかかる。

2015年9月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com