3110.2015年11月18日(水) まだまだ続くテロの影響

 嫌なことは時に連鎖するものだ。13日金曜日のテロ事件に引き続き、パリ市内に潜伏中の容疑者と捕捉しようとした警官隊が銃撃戦を交わし、2名が死亡した。逃げ惑う市民の様子を見ていると気の毒なくらい怯えて自分が今どうしたら好いのか分からないようだ。

 当初メルケル首相が観戦予定だった、ドイツとオランダのサッカー親善試合が直前になって中止と決まった。一方ロンドンでは、イギリス対フランス戦が行われ、2-0でイギリスが勝った。試合前にはウィリアム王子がグラウンドに花を手向け、キャメロン首相も観戦した。スコアボードにはフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の歌詞が映し出され、スタンドの観客が一体になって合唱した。

 アメリカでもテロの影響があった。ロサンゼルスとワシントンD.C.からフランス行きの旅客機に爆破計画があると通報があり、両機とも飛行を中止した。

 当分テロの影響が尾を引きそうだが、更に新たなテロも噂されている。わが国でも来年の伊勢志摩サミット、2019年ラグビー・ワールドカップ、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を控えて公安当局も治安対策に本腰を入れ出した。我々国民としては現状では防ぎようがない。一日も早くすっきりしたいものである。

 さて、今日の駒澤大学講座で元NHKプロデューサーの須磨章講師が30年前にディレクターを務め制作した、NHK特集番組「不屈のマラソンランナー瀬古利彦」を観賞した。当時の中村清監督と瀬古選手の、指導者と選手の厳しいほどの人間関係を冷静に描写していた。監督の特異な個性も影響しているようだが、一風変わった上下関係と師弟関係にはちょっと古風な一面も感じた。

 終了後桜新町のとんかつ店で須磨講師と受講生を合わせ8名で懇親会を開いた。来週が最終回なので、繰り上げ須磨講師慰労会でもある。

 駒大マスコミ研究所公開講座について講師の悩みも聞かされた。駒大生の受講者がなぜ少ないのか。それは単位が与えられないからだということもあったが、他にも大学側の事情もあるようだ。今年は一応来週で終了するので、アンケートに我々のアイディアや希望をしっかり書こうということになった。

 全体の講座終了は来月1日である。

2015年11月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3109.2015年11月17日(火) 「フランスは今戦争状態にある」。

 今日のニュース・ワイドショーは昨日に引き続きパリのテロを大きく扱っている。オランド大統領はルイ王朝の栄光を伝えるヴェルサイユ宮殿に議会を招集し、全国会議員を前に、「フランスは今戦争状態にある。今回のテロが計画されたのがシリアで、組織されたのがベルギーである」と断言した。バルス首相は近々再びテロが起きる可能性があるとまで言っている。そこへロシア連邦保安庁は先月エジプト・シナイ半島で墜落したロシア民間航空機はテロの爆破によるものだとの声明を出した。ロシア政府はこれまでテロ説を否定していた。だが、ロシアはシリア政府支援のためIS空爆に参加してISから報復されたと受け取られることを恐れ、墜落原因は機体の爆発と主張していたところ、英米からテロ可能説が広がり、ロシアも立場上ISの仕返しであることを認めざるを得なくなったものと思われる。

 偶々今日駒澤大学講座で片山正彦講師が、メディアの誤報と虚報について講師自身の1984年3月号「世界」寄稿文を一例として、その前年に発生した大韓航空機墜落事件について講義された。当時のソ連政府の情報隠蔽と関係各国の洪水情報にソ連政府がしどろもどろになって、隠していた欺瞞が暴露されざるを得なくなった経緯を説明された。

 事件は1983年9月1日にサハリン上空で発生した。大韓航空ボーイング機の行方が飛行中忽然と消え世界を騒然とさせた。大韓航空機がソ連領上空で姿を消したことに疑いを持たれたソ連が、隠しきれなくなって事実を公表したのは、事件からかなり時間が経ってからだった。それまでソ連は偽情報を流していた。侵入したと称する民間機に対して何の警告も、航路変更のアドバイスをすることなくソ連機はズドンと一発やってしまったのである。申し開きが出来なくなったソ連が言い逃れと言い訳に終始したことで、この時ソ連は世界中の非難を浴びたのである。私にとってもこの事件は強く印象に残っていたので、僭越だったが、エピソードを披露させていただいた。

 実は、この事件直後のタイミングに旧文部省の教員海外事情視察団のお供で、旧東ドイツのカールマルクス・シュタット(現ケムニッツ)を訪れ、同地に宿泊しながら教育施設を訪問した。ソ連にとってのマイナス情報は東ドイツ国民には知らされていなかった。視察団には終始秘密警察が付きまとっていたので、下手に教育事情以外の質問は出来なかったが、ホテルのスタッフに韓国の航空機が墜落して乗客乗員全員が死亡したというビックニュースについてそっと尋ねてみたところ、誰も知らなかった。東ドイツ国民にはその事実は知らされていなかったのだ。初めてその事実を知って彼らはむしろ驚いていた。

 事実を曲げて伝えることはもちろん、事実を伝えないことは報道の自由が当たり前となっている現代ではあってはならないことである。だが、誤報と虚報、報道されないということが実際にあった時代と国家を考えても、昨今の政府のメディアに対する干渉を考えると、わが国だって五十歩百歩と言えるのではないだろうか。

2015年11月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3108.2015年11月16日(月) 駒澤オリンピック公園にも鎮魂のライトアップ

 過激派組織IS(イスラム国)は、シリア国内のIS拠点空爆を行った仕返しにパリのテロを引き起こしたと言った。これに対してフランスは、対決姿勢を露わにして米軍と協力して今日シリア国内のISの拠点を電光石火攻撃した。ISは「オランド大統領がシリアへの攻撃を止めない限り、フランス国民に安全はない」と脅したが、対するオランド大統領は「再びテロを起こさせないようにすべての力を使う」と強く言い返し、空爆を即座に実施したのである。今のところ両者の舌戦は始まったばかりである。この後どんな事件が起きるのか、不安でならない。

 一方、トルコで開催中の20カ国・地域(G20)首脳会議では、国際的なテロ対策を協議し、国境管理を厳格にし、同時にテロ組織の資金源を遮断するため、活動を支援する個人や団体の金融資産の凍結など金融規制を強化する方向で話は進んでいる。

 日本でも昨日フランス大使館で犠牲者を悼む集会が行われ、門前には多くの人々が訪れ犠牲者に哀悼を表し花束を捧げていた。東京タワー、東京スカイツリーではフランス国旗の三色のライトアップで弔意を表した。一方、エッフェル塔は普段派手にライトアップしているが、昨日は逆に弔意を示して消灯した。近くの駒澤公園でもライトアップしたと聞いたので、夕方になってウォーキングに出かけたところ、広場の塔は暗いままだった。エッフェル塔に右へならえかと思っていたところ、5時きっかり時報の鐘が鳴ると同時に三色の明かりが灯った。暗い夜空に鮮やかに映える。散歩の人たちやボール遊びをしている子どもたちも点灯と同時に、見とれていた。私も思わず青、白、赤の三色の蛍光ランプの幻想的なライトアップの前でしばらく佇んでいた。

 それにしても日本でフランスを象徴する派手な三色旗の明かりが見られるのが、テロによる犠牲者の鎮魂とは悲しく寂しいものである。

 しかし、今日イスラム教と外交問題専門家たちの話を聞いていると、今まで他人事だと思っていたテロが、日本でも起こされる可能性があるということにちょっと心配になって来た。その理由は、今年1月後藤健二氏らが殺戮された際、IS兵士が日本に警告を与えたこと、日本が欧米諸国とともにイスラム教徒を打ち破った十字軍一個師団と見られていること、そして安保関連法案成立で自衛隊の中東派兵が可能になりその行動次第ではイスラム教徒に敵対視されるようになるからである。

 夜になってISがネット上に報復を宣言した。嫌な雰囲気になってきたものである。

2015年11月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3107.2015年11月15日(日) パリ・テロ事件の後遺症

 パリで起きたテロは世界中に大きな不安と影を与えている。フランスでは国家非常事態宣言が発令されたことから、車の通行が制限され、夜間外出禁止やデモ・コンサートなどのイベントが禁止される恐れもある。その洗礼を受けたのが、現在南部のボルドーで開催中のフィギュア・スケートのグランプリ・シリーズ第4戦フランス杯が当局の指示により第2日目は中止となった。前日行われた男子ショートプログラムで日本の宇野昌磨選手が自己ベストで首位に立ち、2日目の成績次第で優勝の可能性があっただけに残念である。この後フランス杯の得点の決着をどう付けるのだろうか。

 今日からトルコのアンタルヤで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議にオランド大統領は欠席し、会議の主要議題がテロ対策となった。また、30日からパリで国連気候変動会議(COP21)が開催される予定である。まだ先のことであるが、果たして予定通り開かれるだろうか。

 他にパリへのツアーを当面中止する旅行会社もいくつかある。実際市内の警備状況をテレビで観ると観光スポットの周辺は厳しい警戒下で移動に不自由を感じているのではないだろうか。これでは、自由に市内を歩き回ることが出来ない。しばらくツアーを中止するのも止むを得ないだろう。

 更に驚いたのは、この時期にかなり多くの高校生の修学旅行団体がフランスを訪れていることだ。近隣の韓国や中国なら保護者は何とか無理すれば費用等を工面出来るかも知れない。実際かつて私も韓国へ修学旅行に出かける三重県立亀山高校生に当時知り合いの校長から依頼されて事前研修で心構えなどを話したことがある。ヨーロッパへの修学旅行ともなると余計な心配かもしれないが、親の負担も大変だと思う。ちょうどパリ周辺には日本の高校や専門学校など9校の生徒合計約900名が滞在しているという。

 図らずもテロ発生によって、現代の高校生修学旅行事情と情操教育の一面を知らされた思いである。

 テロ自体は、ISが彼らの犯行だとネットを通じて犯行声明を出した。その後犠牲者の数は129名になった。まだまだ、フランス社会にテロが与えた後遺症は続くことだろう。

2015年11月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3106.2015年11月14日(土) パリで再びテロ、犠牲者多数を生む。

 今朝のテレビ・ニュースがパリ市内数か所で爆発と銃乱射により多数の死者が出たと伝えたのには驚いた。正に昨日「13日金曜日」のことだった。

 今年1月に続き、再びテロかと注視してみると、やはりイスラム過激派による卑劣なテロだった。レストランとコンサート・ホール、そしてフランスとドイツ代表チームによるサッカー親善試合のスタジアム他で連続的に起きた事件である。偶々ドイツ外相とともにサッカーを観戦していたオランド大統領は、急遽現場を離れ、これは前例のないテロ事件と断定し、国家非常事態宣言を発令した。

 パリでは今年1月に週刊誌「シャルリエブド」本社と郊外のユダヤ系食料品店がイスラム過激派に襲撃され、17人が死亡した残忍なテロが発生した。今回のテロでは、ロック・コンサート中だった満員のコンサート・ホール内で観客約100人が人質となり銃撃戦となったため、127名もの市民が犠牲となった。容疑者は自爆した者を含めて8名が死亡した。彼らはフランスによるシリアへの介入と空爆に対して強く非難したようだ。

 先のロシア民間航空機のシナイ半島墜落事故も米英ではロシア空軍機によるシリア領内への空爆に対するIS側の仕返しと言われているが、今また同じようにフランスに対するイスラム過激派の報復攻撃である。

 安倍首相も出席する15日開催の20カ国・地域首脳会議(G20)に出席予定だったオランド大統領は、急遽予定をキャンセルして欠席することになった。

 このところISやアルカイーダらテロ集団側の力が広い地域に拡大して、ターゲット国を標的に一歩も退かなくなった。この恐るべきテロ行為は明らかにテロ集団がフランスに対して報復を行ったものである。彼らは相手に対して攻撃を跳ね返すような仕返しによってしぶとく抵抗し多くの国を恐怖に陥れている。この状態が続く限りいつまで経っても局地戦は終わらず、いずれ大きな戦争へ発展して行くだろう。

 今後どんな展開になっていくのだろうか。幸い今回のテロ事件で日本人に被害者は出ていないようだが、わが国も他人事として座視しているわけにはいかない。これからISやアルカイーダら他のテロ集団は、彼らが憎むべき敵対国家に対してどういう戦いを挑んで来るのだろうか。不安材料は尽きない。

 さて、今日長らく気になっていた高齢者用肺炎球菌ワクチン接種を受けた。どうも年寄りは若者に比べて体力と抵抗力が弱いうえに、最近は強力な病原体が知らぬ間に侵入するので、予防措置をきちんとしておいた方が安心出来るとテレビなどでも啓発していた。そこで今日定期的な血糖値検査と降圧剤をもらいに行った序に、その接種を受けた。接種すれば、その後5年間は有効だそうで、高齢者入りした65歳時から5年ごとに役所が半額を負担してくれる。生憎75歳時に受診しなかったので、80歳までは補助金制度を使えないため予防接種料金は、お高い8640円を支払うことになった。

 ところでバングラデッシュの首都ダッカ郊外で先月25日に頭が2つある男児が帝王切開で誕生したとのニュースが今日になってネット上に登場しびっくりした。体重は5500gだそうである。ネット写真で見ると首から下部分は1人の乳児の身体で、首の上に頭が2つ載っている。2つの顔はよく似ている。こう言っては失礼かも知れないが、化け物のようであまり気持ちの好いものではない。2つの鼻で呼吸し、2つの口でお乳を吸い、首の下部分に異常は見られなかったそうだが、3日後に死亡したという。

 かつてベトナムで男児2人の頭が繋がった双子が生まれ、長らく生きていて話題になったが、その後2人の頭部を手術により切り離したがその後ひとりは亡くなった。このケースはベトナム戦争下に散布された化学薬品の影響を受けて奇形児が誕生したと言われたが、バングラデッシュのケースは格別特異な原因ははっきり分からないようだ。地球上に生物が生まれて40億年も経つといろいろ分からないことが起こるものだ。

2015年11月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3105.2015年11月13日(金) 佐々木信也氏の講演を聴く

 スポーツキャスターであり、高校と大学の先輩でもある佐々木信也さんに、以前NPO法人「JAPAN NOW観光情報協会」の月例観光セミナーで講師をお願いしたところ、快くお引き受けいただいた。テーマは佐々木さんの提案で「成功する監督のリーダーシップ」というものだった。昨年11月拙著出版記念会でスピーチをお願いした折にも拙著ストーリーのさわりを軽妙に話していただいた。今日の講演でもユーモアを交えながら甲子園高校野球初優勝、慶應時代のチームメート藤田元司投手のエピソード、プロ野球引退の裏話、「プロ野球ニュース」初期の印象、話し方のコツ等々について多岐に亘り飽きさせないトークをしていただいた。

 講演前に雑談していて最近の巨人軍投手の賭博事件を厳しく批判され、巨人軍がその土壌となった合宿所の賭けマージャン等を厳しく監視していれば、今回の賭博事件のようなことは防げたのではないかと残念がっておられた。質問も交え大変楽しく有益な講演会となった。長年キャスターを務められただけに、強調された間の取り方を上手に実演した話術は流石と感じさせられた。機会があれば、またお願いしたいと思っている。

 さて、昨日に続き、また原発の話題である。フィンランドは、原子力発電所から排出される「核のゴミ」の最終処分場を同国オルキルオト島に建設することを認可すると発表した。世界最初の最終処分場建設である。来年中に着工し、2023年に完成する予定だという。すでにトンネルが掘られて「オンカロ」と呼ばれる試験施設が作られ、2~3年前に観た記録映画によると随分都市部から離れた深い場所に安全装置を取り付け多額の資金を注ぎ込んだ施設という印象である。

 漸くゴミ処分への道が僅かながら進んだというところである。正式に処分場として建設され、核のゴミの処分が始まるのである。このゴミは金属容器に密閉されて400~450mの地中深く埋葬され、生物にとって安全なレベルに下がるまで実に10万年の年月を要するという。今や毎年世界中で原発から排出される核のゴミの処分に手を焼いているのだ。わが国では各処分場の場所すら決めかねている。最終処分場はおろか、中間処理施設の建設場所を巡っても国と自治体の間で解決のメドが立っていない有様である。

 フィンランドの施設が他の原発稼働国に理想的な道道しるべとなってくれるだろうか。フィンランドではゴミ処分の現実問題を深刻に捉えて早々と仮処分場を建設し、現在も世界中の多くの原発関係者が「オンコロ」を見学に訪れている。原発再稼働に反対を唱えている小泉純一郎元首相もこの施設を見学している。

 昨日の本ブログにも書いたが、日本では中間処理施設の建設も思うに任せないまま、排出されるゴミを一時的に仮に埋めている状態だ。最終処分場までのゴールは極めて遠い。それにも拘わらず今年になって鹿児島川内原発で再稼働を始めた。ここから出る危険な核のゴミを処分するアイディアもない中で、見切り発車したのである。今後国内の再稼働へ舵を切る原発から新たなゴミが毎年続々と排出されることになる。そして、今後10万年間我々人類は危険に身を晒しながら生きて行くことになる。

 どうしてこんな危険なゴミを排出することが分かっている原発を稼働させるのだろうか。「安全で安いエネルギー源」と言われた原発だが、今では「危険で高いエネルギー源」になってしまった。それでも問題の多い原発を続ける意図がどうしても理解出来ない。

2015年11月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3104.2015年11月12日(木) 地位欲しさに安易に変節出来るものか。

 安倍第3次改造内閣に河野太郎氏が入閣し、行政改革担当大臣になったことは、私ならずもかなりの人が首を傾げたに違いない。河野氏は大衆向けの発信力が強かったお陰もあるが、何よりも自民党内にあって近年原発再稼働に反対してきたことが存在感を高めていたので意外と受け止められている。それが、再稼働を推進する安倍内閣で入閣したから心ある人は眉を顰め、大臣になりたいがための河野氏の変節に疑問を抱いた。そこへ今日あるTV番組でコメンテーターが河野氏にインタビューして、昨日行政事業のレビューが行われたことと併せ、原発再稼働に関する疑問について本音を探ろうとした。

 河野氏のパフォーマンスについて疑問を感じつつも質問に遠慮が過ぎたせいもあり、河野氏の本音がどこにあるのか追及しきれなかったが、内閣の一員としては職責を全うすることだと述べた。では、内閣にいて原発反対を主唱しないのかとの質問には言い訳がましい答弁しか聞かれなかった。そのうえで停滞している原子力政策について機能していない施設について無駄がないかどうかの検証をする必要があると述べたに留まった。結局誰もが大臣になりたのだ。大臣にさえなれれば、例え長年貫いてきた主義主張が異なろうとも、それは一時的に棚上げすれば良いとでも考えているのだろうか。これだから政治家というのは信用出来ない。

 さて、原発政策では使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルが行き詰まり深刻な状態になっている。核燃料は今まで3つの方法で進めて来た。だが、その1つでは、高レベル放射能廃棄物最終処分場は見通しが立たず中止となった。残る1つも躓いている。先日原子力規制委員会から原子力機関のオペレーションに信頼が持てないと言われた高速増殖炉「もんじゅ」が宙に浮いたままである。「もんじゅ」には、これまで巨額の投資をして、まったく成果が出ない。今でも年間200億円を消費して、起動しない施設はまったく無用の長物化している。併せて核燃料運搬用に導入した内航船がこれまで4度しか運航されただけで、船員13人に高給(月給123万円)を支払ってプルサーマル発電方式が継続されようとしている。

 こんなはっきりした無駄の産物なら、原発反対の河野大臣にとっては簡単にカットし易いターゲットだと思うが、一旦政権に取り込まれた河野大臣には、思い切って大ナタを振るえない。口先だけ達者な奴は本当に信用ならない。

 ところで、日曜日行われたビルマ総選挙で、アウン・サン・スー・チー党首率いる国民民主連盟(NLD)が国会議員全議席の過半数を獲得することが確実となった。これに対してティン・セイン大統領は、平和的に政権を委譲するとの声明を発表した。1990年総選挙直後の軍部による権力掌握で、民主化弾圧を行ったような無法行為にはならないようだ。まずはほっとしている。

2015年11月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3103.2015年11月11日(水) 恥ずべきロシアのドーピングと巨人軍投手の賭博

 昨日国内外で不法なスキャンダルが明らかになった。

 ひとつは、ロシア陸上界における国ぐるみのドーピング違反事件である。選手のみならず、コーチ、医師、ロシア政府情報機関職員まで不正に関与していたとされ、これを糾弾した世界反ドーピング機関(WADA)は、ロシアには勝利のためには手段を選ばないだまし文化があるとして厳しく非難した。2001~12年の陸上世界選手権とオリンピック長距離種目の全金メダルの1/3に当る146選手にドーピングの疑いがあるとも報じられている。WADAは国際陸連に疑惑が解明されないうちは、ロシア選手の国際大会参加は認めるべきではないと勧告した。このままだと来年のリオ・オリンピックにロシア選手が参加出来ないことになりかねない。スポーツ選手までが、社会主義体制下で国家管理下にあり、当時当たり前だった命令服従の悪行が今も闇の中で生き続けていたということだろうか。

 一日も早い疑惑の解明が望まれる。

 一方、もうひとつ眉を潜めるような事件が日本でも起きていた。何とプロ野球・読売巨人軍の3人の投手が野球賭博をやっていた事件で、巨人軍は3人の契約を解除し、コミッショナーは彼らを無期失格処分とする採決を下した。1969年当時西鉄ライオンズの池永投手が自ら八百長野球をやって球界から永久追放処分を下された「黒い霧」事件以来の不祥事である。勿論本人に最大の責任があるが、巨人軍内では賭け麻雀や、賭けトランプが常態化されていたことを考えると、若い選手を多数預かっている立場から巨人軍にもその指導、管理に大きな責任がありそうだ。

 賭博が明らかになったのが、スポーツの中でも人気のあるプロ野球であることから、各スポーツ界に与える影響も無視出来ない。巨人軍の3選手をトカゲのしっぽ切りにするのではなく、将来のプロ野球界の健全な発展のためにも選手たちに対して基本的な人間教育を徹底させないと、2度あることは3度あるということになりかねない。

 それら内外の不祥事の中で、今日すっきりしたニュースは、国産初のジェット旅客機MRJが初飛行を果たしたことである。「YS11」以来実に半世紀ぶりのことである。「YS11」は海外での販売で壁に突き当たって撤退した。今この小型ジェット機は、カナダのボンバルディア社とブラジルのエンブラエル社の寡占状態にあり、日本の技術力により燃費が2割方経済的というメリットを以ってすれば、戦略次第で世界の航空機市場へ充分打って出られるのではないだろうか。航空機産業はこれまで日本にはなかっただけに、産業界としても大きな期待を持てる。頑張って欲しいものである。

2015年11月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3102.2015年11月10日(火) 知らなかったテレビ番組知的所有権

 昨年の今日拙著「南太平洋の剛腕投手」の出版記念会を開いてから早いもので1年が経った。その後拙著もまずまず売れているようだが、格別なビッグニュースはない。11月10日の今日開催した事情は、平日で憶えやすい日時ということがあった。しかし、今日改めて11月10日は別名「イイトイレの日」であると知らされた。トイレット容器メーカー「TOTO」が仕掛けたようだが、むしろ昨年はそんなことを知らなくて良かったと思っている。

 さて、今年大筋合意に至った環太平洋経済連携協定(TPP)で、工業製品、農産物、サービス、投資などの他に知的財産なども俎上に上がった。今日駒澤大学公開講座で2つの講座を受講した。実は、テレビ番組の知的財産権についてはこれまでほとんど関心がなかったが、1時限の講座で元日本テレビ部長の大泉克郎講師が、在職中の体験から「知的所有権」について例題を挙げて詳しく解説された。その中で意外だったのは、映画における映画製作会社と同じようにテレビでもテレビ制作会社に知的所有権が属すると思い込んでいたところ、もっと複雑で原作者、脚本家、監督、出演俳優ら関係者それぞれに個別の知的所有権があると知ったことである。それでいてダヴィングされて海外へ持ち出された番組が海賊版としてコピーされ、肝心な知的所有権使用料が手に入らないという話だった。その辺りはパイオニアであるアメリカのテレビ会社は制作時に一括して知的所有権を取得したので取りはぐれがなく、日本のテレビ局とは大きな差があると伺った。

 ところで、現在国会は野党の要求にも拘わらず臨時国会が開かれていない。だが、閉会中だが、「閉会中審査」と称して衆議院予算委員会が開かれた。今日の委員会のやり取りを見ていて、初めて安倍首相が憲法第9条改正について賛成と言及したことに驚いた。これまで憲法改正の気持ちありやとの質問を受ける度にはぐらかしていたが、今日の答弁では国民が平和な暮らしを送るためには、憲法9条の改正が必要であり党内で意見をまとめているところだと一歩踏み込んだ発言をした。

 9月に集団的自衛権行使を含む安保関連法案が成立した時点で、次のステップを考え、同時に日本の再軍備を行うため憲法改正の強い気持ちを持っていた安倍首相は、最早国民が反対する憲法改正に恐れることなく猪突猛進を始めたのである。憲法論議は今後どういう方向へ進むのだろうか。

 昨日部分的に明らかになったビルマの総選挙の結果の続報であるが、アウン・サン・スー・チーさんが党首を務める国民民主連盟(NLD)が圧倒的な勝利を収めつつある。まだ、確定するまでにかなり時間がかかりそうだが、一部には選出議員の9割近い座席を獲得し、ひとつの壁だった全体の2/3議席獲得にも光が見えてきたようだ。

2015年11月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3101.2015年11月9日(月) ビルマの分かり難い総選挙結果

 昨日行われたビルマ(現ミヤンマー)の総選挙の結果がビルマらしくすっきり公表されない。大凡の結果はメディアで分かっているようだが、正式には2~3週間ぐらいかかるというから実にビルマらしい。

 2010年の総選挙では、民主化運動の旗振りを務めていたアウン・サン・スー・チーさんが党首を務めていた国民民主連盟(NLD)がボイコットしたせいで、軍部の流れをくむ与党の連邦団結発展党(USDP)が8割の議席を握った。今回の選挙は、各国がその結果を注目している。今夕時点では、与野党ともにNLDが多数の議席を獲得したと発表している。だが、正式な発表はまだである。戦前予想されたNLDの優勢にも拘わらず、民主化を目指すスー・チーさんが目指す勝利とアメリカを始めとする各国の希望は予断を許さない。その最大の原因は、上下両院の664議席のうち、1/4議席が軍人議席だからで、議会全体で野党が2/3議席以上を獲得しない以上全議会の過半数を獲得したことにならないという理不尽な制度のためである。そして一番恐れることは、例えNLDが勝っても、軍部がルール破りをやって1990年時と同じように敗者が勝者に成り替わることである。

 かつて軍政時代の1990年に行われた総選挙では、NLDが議席の8割を押さえて圧勝したが、軍は選挙結果を黙殺し、政権委譲を拒否した。しかも、NLDの指導者スー・チーさんを以後15年間に亘って自宅軟禁するほどの狼藉を行ったのである。それでもビルマ国民は独立の父アウン・サン将軍の娘であるスー・チーさんを支持し、彼女も挫けることなく今日の総選挙へ辿りついた。

 果たしてビルマの選挙の結果とその後の政治はどうなるのか。明日になればもう少しはっきりするのではないだろうか。

 だが、今は総選挙で政権を取る話が先行しているが、実際そうなった時にしっかりした政権構想がスー・チーさんらのNLD側にあるのだろうか、その点がちょっと気になる。

2015年11月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com