3713.2017年7月13日(木) 劉暁波氏多臓器不全で亡くなる。

  今夜になって中国から突然悲しく憂鬱なニュースが入ってきた。テレビでかねてより病状が心配されていた中国民主化活動家の劉暁波氏が今日午後5時半に多臓器不全で亡くなったことを伝えた。享年61歳である。中国政府は、国家政権転覆扇動罪で劉氏を長年に亘って牢獄に押し込めていた。病状が最悪になった先月になって末期癌であることを公表し、最善の治療を施しているパフォーマンスを行い、ノーベル賞受賞者である劉氏を手厚く看護している様子をテレビで映した。この1件を見ても現在の中国には、民主主義、言論の自由というのは絵空事であることが判る。劉氏を中心とする民主化グループに共産党1党体制を批判され、言論の自由を求められた中国政府が結局劉氏を殺したようなものである。

 小中陽太郎さんが昨年末上梓された「上海物語」と、「出版ニュース」(17年2月上旬号)に掲載された評論家・中川隆介氏の同書への書評について、私なりの勝手な憶測や言い分を加えた拙稿を「知研フォーラム」最近号に寄稿した。その要旨は大学の同級生で友人の山崎・ヴケリッチ・洋氏と彼の母親に関する私的なものである。山崎氏の父親は、言わずと知れたゾルゲ事件のブランコ・ド・ヴケリッチで、父が亡くなられてから母上が女手ひとつで大学を出るまで育て上げた。毎年日本に一時的に里帰りされるが、その都度しばしば会って旧交を温めている。今年もすでに先月2度会った。この拙稿については、著者の小中さんから「玉稿は単に拙著書評を超えて、洋君、淑子御母堂をめぐる堂々たる論稿で、今後のヴケリッチ論の最上の資料となるでしょう」と面映いようなコメントをいただいた。著書からの嬉しい言葉である。手元に小冊子が何冊かあるので、関心の強い友人らにこれから送ろうと思っている。

 小中さんからも「上海物語」出版社編集長と出版ニュース社社長へも小冊子を送って欲しいと依頼されたので、午後郵送したところである。

 さて、今日も全国各地で真夏日となっている。だが、大気は不安定で、ところに依っては大雨、雷雨が襲来している。東日本や東北では大雨警報が出されている。西日本では真夏日のところが多く、福知山市では35.8℃を記録した。北海道では軒並み35℃を上回っている。そこへ奄美大島で地震まで発生している。

 ところで、1週間前に豪雨が襲った北九州では、今日までに30人の死亡が確認された。まだ多くの行方不明者がいるので、まだまだ犠牲者が増えそうだ。

 一方明るいニュースとして、オールスター・ゲームが開催されるアメリカ・メジャーリーグに意外なニュースがある。メジャー・リーグ全登録選手の中で高齢選手の3位までに日本人選手が2人もノミネートされていることである。ブレーブスのコローン選手が引退して1位がご存じイチロー選手の44歳、2位がブレーブスのディッキー選手42歳、3位に同じ42歳のカブスの上原浩治投手がランクされている。健康管理が人一倍要求されるスポーツで大勢のアメリカ人選手に交じって日本人選手がいつまでも活躍しているのは、まじめに健康管理に留意しているからだ。日本人として自慢出来ることである。

2017年7月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3712.2017年7月12日(水) 日本国憲法について学ぶ。

 18日(月)に日本ペンクラブ理事会が開かれる。形式的な理事会はすでに2度開かれているが、実質的な理事会開催はこれが初めてである。どんな形で理事会が進行し議事が話し合われるのか、それなりの興味と関心がある。新理事の対応としては、実態を確認してから是々非々の関わり合いをしながら、ペンクラブの発展のために微力を尽くしたいと考えている。

 理事会の後憲法について識者の講義を受けることになっている。今憲法論議が姦しいが、いつの間にか手元にあった2冊ほどの憲法書がどこかへ消えてしまった。整理整頓がだらしないのを反省しつつ、取り急ぎ書店で岩波ジュニア新書の「いかそう日本国憲法」を買ってきた。副題に「第9条を中心に」と書かれているだけに、自民党が自衛隊を憲法第9条の中でどう取り扱おうとしているのか、興味があるところである。

 憲法については今以って勉強不足であるが、10年前NHKドキュメントで75分スペシャル番組「日本国憲法誕生」を興味深く観た。巷には占領軍GHQの押し付け憲法との声があり、それが今日自民党憲法改正論者の自主憲法を作ろうとの根拠につながっているようだが、この番組で観る限り押し付け憲法との言い分は、必ずしもそうとは思えない。最大の論点は天皇の位置づけと戦争(再軍備)放棄だったが、その他に日本側学者からいくつかの提案を行い、採用されたことは意外だった。

 さて、今日は駒澤大学公開講座の日である。来週を残して前期講座が終了のため、講座終了後いつもながら須磨章講師のお誘いで希望者による会食を行った。NHK「世界遺産」のティレクターである須磨講師と先週も興味深く受講した前共同通信社東京支社長・山田岳講師を囲み思う存分話し合った。

 先週本欄にも書いたが、山田講師によるプロレスラー力道山と闇社会ボスの関わりと彼らが日韓外交に貢献した話は中々面白かった。15年ばかり前に静岡新聞に連載されたストーリーだが、上梓することは出来なかったという。今上梓というにはすでに遅かりしの印象だが、もう少し早く広く世間の目に触れる機会があれば、もう少しインパクトを与えることが出来たのではないかと惜しいような気がする。

2017年7月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3711.2017年7月11日(火) 中国の人権活動家・劉暁波氏危篤状態に

 補聴器をオーダーメードで作ってもらい、昨日試用してみた。やはりオーダーメード製の方がぴったりくる。昨日は何度目かの調整日で、回を重ねるごとに少しずつ馴染んできたような気がするが、現状は絶対補聴器が必要というほどの緊急性はない。少しずつ慣れて不自然を自然と感じられるようになればいいと思っている。

 さて、先日末期の肝臓がんで容体が心配されていた中国のノーベル平和賞受賞者で、獄中の人権活動家・劉暁波氏が危篤状態に陥ったと中国側から発表された。劉氏夫妻は外国での治療を望み、外国からも劉氏の治療を引き受けようとするドイツやアメリカの医師も劉氏を見舞ったが、中国は国内で最善の治療を施せるとして申し出を許可していない。香港の民主派団体は劉暁波氏夫妻の早期出国を求めて座り込みを始めた。ただ、現状は体調がかなり悪そうで中国国内で治療を続けることの是非以前に、劉暁波氏の健康状態が心配される。

 疑問なのは、これまで劉氏を留置して外部との連絡を一切絶って、劉氏がどんな状態か全く分からない状態にしておきながら、劉氏の健康が極度に悪化してから療養状態を公開した意図が理解出来ない。これまで散々国際社会から劉氏の情報を求められながら、ひた隠しに隠してここに来て完全看護のように立派な病室に横たわるロボットのような劉氏を公開して、国として精一杯面倒を診ているようなジェスチャーはどうも納得出来るものではない。とても素晴らしい成果を挙げた人物に対してその功に報いるという待遇ではない。

 実際現在の劉氏の様子は、とても健康そうには見えない。こうなったら精一杯の治療を施して劉氏の希望を聞いてもらいたいものである。

 ベッドに痛々しく横たわる劉氏の写真からは、中国政府がこれまで劉氏を痛めつけていたとの惨いイメージしか伝わって来ない。それにしてもいかに主義主張が合わなくとも、国家の名を高からしめた英雄にしっぺ返しを食らわすような対応をするとは、酷い国家があるものである。

 ところでこれまですったもんだした共謀罪法案が今日から施行される。国会周辺で多くのデモ隊が反対を唱える中を強引に法案は実施されることになった。今日からは仲間内で相談も出来ない。こういう国を民主国家と呼べるのか。

2017年7月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3710.2017年7月10日(月) 「IS」の最大拠点、モスル解放

 世界中を恐怖に陥れていた過激派組織「IS」の最大拠点イラクのモスルが、イラク政府軍によって解放されたとイラクのアバディ首相が公表した。一時は怒涛の勢いでイラク、シリア、トルコのクルド人地域に攻め込み、暴力と破壊を繰り返してきたが、ついに国家組織としての「IS」はここに事実上崩壊した。まだ、シリアのラッカに多くの残党がいるが、盛り返す力は最早ない。

 しかし、これによってテロの脅威が完全に消え去ったわけではない。個々にテロや自爆を実行する「IS」分子が生き残っているだろうし、彼らが自らの存在感の主張として個々にテロや自爆を仕掛ける可能性は充分あり得る。このところイラク軍の「IS」掃討作戦によって人間の盾とされていた住民の悲惨な光景を散々見せられているが、少なくともこのようなシーンが今後焙りだされないよう願うばかりである。

 ただ、「一難去ってまた一難」で、イラク国内にはイスラム系宗教対立が燻っている。シーア派主導の政府によって屈辱を味わされているスンニ派国民の反政府感情に火を点けられるのが心配である。

 さて、珍しいことだが、衆議院で閉会中であるにも拘わらず、今日閉会中審査が開かれ、疑惑だらけの加計学園獣医学部新設の経緯について前川喜平・前文科省事務次官を参考人として呼び、与野党衆院議員が質問を行った。ほんの一部だったが久しぶりにテレビ中継で衆院委員会を観ていた。6月の記者会見で前川氏がこの問題には初めから首相官邸の強い働きかけがあった、つまり初めに加計学園ありきと述べたが、今日も前川氏は同じ趣旨のことを述べた。これに対して疑惑の渦中にいる萩生田官房副長官や自民党質問者は、これを強く否定し、両者は最後まで対立したまま平行線だった。これでは、疑念は解消されない。

 しかし、首相官邸サイドがいくら否定しようとも、首相周辺にはどこか怪し気で疑念が溜まっていることは分かる。文科省がほとんど知らぬ間に獣医学部開設日がすでに2018年4月と決まっていたこと、加計孝太郎・加計学園理事長が首相の長年の親友であること、萩生田氏が加計学園の教職にあったこと、等々疑問だらけである。

 明日には安倍首相がG20から帰国される。世論調査によれば、安倍政権の支持率が大きく下落しているが、国民に数々の疑問と不審を印象づけた現状をこのままにして良いものだろうか。

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3709.2017年7月9日(日) 福岡は豪雨の一方、「沖ノ島」世界遺産登録

 北海道、東日本は猛暑に襲われ、福島36.6℃、館林37℃、熊谷35.8℃、練馬34.3℃など軒並み真夏日を記録している。熱中症に罹った人も相当数に上っている。その一方で北九州地方には今日も大雨が罹災者の目を曇らせる。テレビ画面をよく見ると川の中に家々が何軒も孤立しているように見える。今日時点で20名が死亡したと伝えられているが、その他に有明海で5名の遺体が見つかっている。加えて今晩また激しい雨が降ると予想されているので、現地の人にはまだまだ心配で落ち着いた夜が過ごせないのではないだろうか。

 そんな中で一点の光明は、今日夕方ポーランドのクラクフで開かれたユネスコの世界遺産委員会が、福岡県宗像市沖合の「神宿る」沖ノ島と関連遺産群を世界文化遺産に登録することを決定したことである。沖ノ島からは8万点にのぼる国宝が出土され、「海の正倉院」として知られている。日本の世界遺産としては21番目である。この認定は福岡県民にとっては慶賀すべきことであり、少しは気持ちも慰められるのではないだろうか。今回の決定には、これまで諮問機関イコモスから疑問が呈されていた沖ノ島以外の4つの構成資産も併せて、8つがセットで世界遺産と認定されたことが地元民を一層喜ばせている。

 近年登録された日本の世界遺産は、古い歴史的建造物というより明治以降に日本の産業発展に貢献した機械や工場のような施設が多く認定されている。軍艦島や富岡製糸工場、官営八幡製鉄所、三池炭鉱などが良い例である。その点では、今回認定された沖ノ島は、ユニークで別の意味で一般の人がアプローチしにくい世界遺産である。そもそも「沖ノ島」は確か女性禁制の島で、上陸前に裸になって海水で禊を行わないと島に入ることが出来ない。仮に女性の入島が許された場合、伝統に則って海水で禊をする必要はあると思う。世界遺産は観光効果が高いが、女性が上陸出来ないからと言って伝統を曲げてまでして入島を許可し、女性に限って禊まで止めさせることまでは出来まい。世界遺産の保護に関して今問題となっている環境保護と同時に、固有の伝統や風習を守ることについて「沖ノ島」世界遺産登録はひとつの問題を提起していると思う。

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3708.2017年7月8日(土) 世界はみんなバラバラ

 この暑い盛りに庭師に入ってもらっている。1年に2度ほど自宅の庭の手入れを長年の付き合いである植木屋にお願いしている。昨日剪定を終えた部分はやはりすっきりして、人間同様自然にも丁寧に付き合わないといけないと感じさせられた次第である。気のせいか、小鳥のさえずりも心地よく聞こえる。この厳暑の下で職人さんにとって大変なことだが、まだ明日までかかるようだ。自然の風が吹き込んでくると気分的にも癒される。

 その一方で書斎のエアコンの調子がどうもはかばかしくない。冬の間は暖房用に使用していたが、しばらく休んでそろそろ冷房を使用しようと思ったところ、あにはからんやスイッチは入り、音だけは鳴るが、肝心な冷房機能が稼働しない。冷房と暖房を兼ねたエアコンだが、今必要な冷房がまったく機能しないのにはがっくりである。雨戸を開けっ放しにして自然の風を取り込んではいるが、30℃を超えるような真夏日の気候にはとても身体が対応出来るものではない。購入して8年であるが、すでに2回修理してもらった。新規に買い替えるのは勿体ないので、10年補償であるのを利用してメーカーに電話して何とか修理してもらえることになった。それにしても日本の弱電気は世界に冠たるものだと散々言い聞かされてきたが、わが家のエアコンもどうなっているのだろうか。昨今の東芝やシャープのパッとしない様子を見ていると、戦後経済成長の一翼を担ったと誇りに思われてきたわが国の電機業界も、行き詰っているような印象を受ける。

 実際わが家のエアコンは、大手の富士通製品であるが、購入して8年で3度目の修理である。完全に外れ商品だったことが判る。

 ところで、先日NHKで「日本人のおなまえっ!」という番組で、「藤」が付く苗字を採り上げていた。加藤、後藤、内藤、伊藤などに交じってわが近藤も入っていた。この種の苗字は平安時代に遡り藤原家に血筋が因んだ名前だということはかねがね聞いてはいた。日本人の名前の中でも36番目に多い姓だという。解説によって近藤家の姓の謂われは、先祖が近江の藤原家にあるということは初めて知った。同じように遠藤は遠江の藤原家、加藤は加賀の藤原家、須藤は那須の藤原家の血統だという。悪い意味の姓でなくて良かったと思っている。

 さて、日本の外では、安倍首相が出席している主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)では保護主義政策を取り出したヨーロッパ諸国と気持ちが離れつつある。アメリカとロシア、アメリカと中国の関係もどうもしっくりいっていない。日本にもその仲を取り持つ役割を求められるケースが増えて来そうだ。安倍首相がその役割を果たせるだろうか。それがここにも影響を与えたとは思いたくないが、昨日核兵器の使用や保有などを法的に禁ずる核兵器禁止条約が、国連本部で開かれた条約交渉会議で採択された。以前から予想されてはいたが、これをわが日本はボイコットしたのだ。原爆被爆者が核兵器使用反対を唱える声を承知していながら、核兵器禁止条約に賛成しなかったのである。国連加盟193カ国中、122カ国が投票し、122カ国が賛成した圧倒的賛成の状況の中にあって、下された結論である。

 世界で唯一の核被爆国で条約に賛成を期待されていた日本が、期待に応えなかったのである。そこには、核最大保有国であり、同時に日本が核の傘の下にあるアメリカの行き方に同調したからである。これではとても対立する国々の間で仲を取り持つことなんて出来る筈がない。アメリカ以下の非批准国には条約を守る義務はない。これでは反核運動のゴールへは、条約は条約としても、辿り着くことは出来ない。それに日本が手を貸しているというのはどうにも理解出来ない。

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3707.2017年7月7日(金) 災害と災難の苦しみが分からない輩

 七夕の今日も北九州地方には豪雨の影響が強く残っている。雨は概ね止んでいるようだが、テレビでは避難所の様子や、取り残された人を救助するシーンを度々観ることが出来る。局地的に災害を与える日本の自然界の現象は、災害地の人々を厳しく苦しみ痛みつける。この辺りの地形をよく見てみると小さな山が多く、その周辺に川が流れ、盆地のような台地がある。加えて日田は木材を産出する天領として森林地帯が多く、それらが雨で根こそぎ流され、道路は寸断され人々が孤立してしまったようだ。低い山々に影響されてヘリも思うように活動出来ず、それが益々孤立する人を増やしてしまっている。孤立して取り残された人が約500人もいるようだから、この人たちをどうやって無事救出することが出来るだろうか。死者は今日現在で15人であるが、行方不明者が多いので、これからまだまだ増えそうだ。

 例え被害に遭わなくとも、同じ日本人としてつい同情の気持ちが湧いてくるのは自然な気持ちだと思う。

 ところが、こういう悲惨な状況を前にして被災者や彼らの支援者に寄り添う気持ちが見られない、責任ある立場の関係者がいることは実に悲しいことである。

 自衛隊が豪雨の行方不明者らの捜索救助に当たっていた昨日昼間、昨今すっかり評判を落とした稲田朋美・防衛相が約1時間防衛省に不在だったことが判った。大臣のみならず、副大臣と政務官も留守だったというから現場の自衛隊員の士気を削ぐこと夥しい。今日稲田大臣は、言い訳記者会見を行って15分くらいの距離の場にいたので、問題はないと考えていると突っぱねていたが、野党はもちろん自民党内や防衛省内にも疑問を呈する声が伝わってくる。石破元防衛相や中谷元防衛相辺りは、とてもあり得ない事態で稲田大臣の言動は理解出来ないと述べている。防衛大臣としての職責が判っていない稲田氏には、大臣失格として自ら辞表を提出してもらいたいものである。

 政治家が狂っていると思っていたところ同じ6日に、学者の中にも変な人がいることを図らずも露呈してしまった。関西電力高浜原発のある高浜町で町民との意見交換会に出席した、原子力規制委員会の田中俊一委員長が、北朝鮮のミサイルに対する原発対策の質問を受け不見識な回答をした。「小さな原子炉にミサイルを落とす精度があるかどうかよく分からない。私なら東京都のど真ん中に落としたほうがよっぽどいいと思う」と実に軽薄なことを述べたのである。田中委員長は東京都内に住んでいないのかも知れないが、原子力研究の第一人者として無責任によくも国民を愚弄するような発言が出来るものだ。今や政治家はもちろん、官僚、学者みんなが自分のことだけしか考えないほど不遜になっているのだ。こんな状態を考えると国民一人ひとりの気持ちを「忖度」している人は、どこにもいないのではないだろうか。日本人の本来の「思いやり」とか、「やさしさ」は、「安倍1強」と「原発」により残念ながら消えてしまったようだ。

2017年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3706.2017年7月6日(木) 九州北部に記録的豪雨

 北九州地方で昨日まで激しく降っていた雨が、今日も降りやまず、同地方は福岡県朝倉市、大分県日田市を中心に記録的な大雨をもたらした。昨晩NHKニュースは豪雨の生々しい現地中継を主に放映したため時間が延長され、7時のニュースが9時のニュース時間帯にまで食い込んでしまうほどだった。

 今日も福岡、大分地方では豪雨となり記録的な降雨量を計測した。長時間に亘る雨を線状降水帯と呼ぶそうだが、朝倉市、日田市のいずれも観測史上24時間の降水量は最大だった。因みに朝倉市は544㎜、日田市は370㎜だった。今日NHKではひっきりなしに土砂崩壊、河川決壊の状況を映し出していた。道路も寸断し、一部の鉄道でも運休が続いている。JR久大線一部区間でも鉄橋の橋脚がすべて倒れて線路自体がずたずたに寸断されている。避難者の数はかなりの数に達するようだ。

  今日の大雨の後「台風去って一安心」かと思いきや、今晩も明日にかけて局地的に激しい雨が予想されている。昨年の熊本地震以来九州地方は自然界の神に呪われ、今年も福岡と大分の豪雨のように集中的に自然災害に襲われている。避難勧告により避難所へ向かう家族連れの姿が弱々しく、気の毒に思える。

 さて、日本とEUとの間で経済連携協定(EPA)交渉の大枠が合意された。トランプ大統領の保護主義的な動きに反発を強めているEUが、積極的に日本との交渉に乗り出していた。この合意は世界の経済・貿易の3割を占める大経済圏となるばかりでなく、アメリカ・トランプ政権の保護主義「アメリカ・ファースト」に対する牽制ともなる。ゆくゆくは日欧間に関税をなくそうとの期待であるが、現時点でも関税がなくなる品目は全体の95%に達するという。

 ただ、合意すべて良しというわけには行かない。例えば、車の輸出は現状で10%の関税を課せられているが、発効7年後には関税撤廃となり、自動車業界にとってはほくそ笑むことになるが、酪農、農業従事者にとってはむしろマイナスとなる。現在チーズの輸入には29.8%の関税がかけられているが、15年以内にゼロとなる。チーズ製造にかかわる人たちにとっては、大いなるマイナスである。一部にメリットがある反面、他部門にデメリットが出るようでは、手放しでは喜べない。自由貿易制の下で物価を下げるという目標は大いに結構であるが、負担を負わなければならない部門には、国が温かい支援策を考えてあげることが大切であると思う。

2017年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3705.2017年7月5日(水) プロレスラー力道山の波乱万丈なる生涯

 昨日から都内では雨が降ったり止んだりだったが、台風3号の影響を受けた地域ではかなり洪水や土砂災害の被害が出ているようだ。今朝は雨模様ではなくなったが、青空にどんよりとした雲が居座っている。台風は通り過ぎたようだが、島根県浜田市では過去最高の降水量だったそうだから、小さな河川は決壊している。

 夕方になって福岡県を中心に九州北部では隣の大分県ともども大雨特別警報が出された。

 そんなぱっとしない天気であるが、北関東地域ではダムの放水を制限するというからよく分からない。例年のダム貯水量の2/3しか貯水されていないそうだから、それもやむを得ないとは思うが、どうもピンと来ない。

 さて、駒澤大学公開講座で先週からの山田克・前共同通信東京支社長の講義が何とも珍しい話題である。戦後日本で良きにつけ悪しきにつけ、日本人の人気と関心を呼んだ人物・プロレスラー力道山を主人公にした「伝説たちの時代」を次回分と合せて3回シリーズで話される。ストーリーは、講師が折角書き上げていながら上梓されなかった作品である。

 力道山はプロレスラーとして成功しながら、事業家としても成功へ歩み出していた1963年ヤクザ同士のトラブルから凶器で刺されて殺害された。ちょうどその当時小田急玉川学園前駅で改札掛を務めていたが、「力道山が刺された!」と興奮して常連客が話してくれたのでその時のことはよく覚えている。

 力道山が複雑な生まれの下に不幸な前半生を送ったことは、噂では聞いていた。現在の北朝鮮で生まれ、そこにはすでに娘もいた。慕っていた兄が相撲を得意にしていたこともあり、日本へやって来て相撲部屋に入門する。折角関脇まで昇進しながら、自ら髷を切ってプロレス界を起ち上げる。1954年高校入学間もない頃シャープ兄弟と戦っていた様子を学校帰りに街頭テレビで興奮しながら観戦したものだ。

 興行界はヤクザとの縁が深く、力道山もヤクザ衆との付き合いから最終的に生命を落とすことになった。だが、政界や裏社会にも入り込み、政治家では大野伴睦、河野一郎、ヤクザの世界では町井久之、田岡一雄、田中清玄、児玉誉士夫らいずれも大物と言われた人物と交流を深めて付き合った。その辺りに太っ腹な男の気概を感じる。まだ日本がヤクザや暴力団の取り締まりに甘かった時代である。

 更に驚くのは、まだ日韓条約が結ばれる前で、力道山は政治的にも韓国側に利用され、2度に亘る国賓扱いの訪韓では、南北対立の朝鮮で双方の狭間で悩んでいたようだが、朴正熙大統領ら韓国の要人からも歓迎された。

 今では忘れ去られかけているが、戦後日本をある意味で代表する人物のひとりではないだろうか。来週も第3回目があるので、楽しみにしている。

2017年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3704.2017年7月4日(火) 似た者同士、「THIS」とトランプ大統領

 安倍首相以下自民党首脳は、都議選の惨敗を受けてしきりに「反省」という言葉を口に出しているが、どうも本心から反省しているようには思えない。都議選投票日の前日になって首相が秋葉原駅周辺で選挙応援演説を行ったところ、かつてないほどの「帰れ!」コールに些か興奮気味に、向きになって言い返していたくらいだからとても反省など期待出来そうもない。都議選惨敗の責任を誰も取らず、メディアで皮肉たっぷりに「THIS IS 敗因」と書かれている。「THIS」とは、T=豊田(真由子議員)、H=萩生田(官房副長官)、I=稲田(防衛大臣)、S=下村(元文科相、自民党東京都会長)を表し、この4人こそが敗因の大きな原因があると厳しく取り上げられているのだ。中々言い得て妙である。確かにこれら4人の顰蹙を買う言動さえなければ、自民党もこれほどの惨敗を喫することはなかったであろう。にも拘わらず、4人の国会議員は自ら責任を取るような言動をまったく示そうとしない。彼ら4人を含めて自民党員の大半が、無責任で傲慢にして恥知らずなのである。

 さて、今朝また北朝鮮がミサイルを打ちあげた。日本の排他的経済水域内に落下した。大陸間弾道弾ミサイル(ICBM)としてまたひとつ進歩したようである。ハワイが照準に入ったらしい。アメリカとしてはうかうかしていられない。

 トランプ・アメリカ大統領の反応はどうだろうか。この人も最近は、破れかぶれのハチャメチャ行動で世界中の顰蹙を買っている。とりわけメディア攻撃が激しい。自分に厳しいコメントを述べたと逆恨みして女性TVキャスターに対して聞くに堪えない暴言を吐いたかと思うと、昨日は大統領就任直後から悪感情を抱いているCNNを狙い撃ちにして、リングサイドでトランプ氏が、頭にCNNではなく、FNN(Fraud News Network)の仮面を着けた男を倒して徹底的に殴りつけるという乱暴な画像をツイッターで流した。こんな子供じみた画像を作成して何の意味があるのだろうか。Fraudとは何と「詐欺」という意味である。あまりにも下品な話ではないか。世界の一等国の最高権力者にしてこのていたらくである。周囲にこの馬鹿げた行為を止めるスタッフがいないのも問題だと思う。ついに、アメリカ国内では大統領を弾劾するデモが全国的に少しずつ広がっている。アメリカ人も弾劾をするくらいなら、大統領選出に当たってもう少し理性的に判断し行動するべきではなかったのか。アメリカ人の常識や民度もこの程度かと思うと情けない気がする。

 2年前にオバマ前大統領の思い切った決断により、アメリカはキューバとの国交を回復し、アメリカ人旅行者が急速にキューバを訪れている。だが、どこが気に入らないのか、トランプ大統領はカストロを独裁者と決めつけ、キューバとの国交回復を止めると言い出した。カストロは決して独裁者ではない。そんなことは少しでも調べてみれば分かりそうなものだ。トランプ氏のカストロ憎しの影響はすぐ表れ、折角キューバを訪れていたアメリカ人旅行客を失望させるように、アメリカ・キューバ間の民間航空機の運航が休止され、今では撤退に続く撤退を重ねている。折角上り調子だったキューバ観光業界も打撃を受けそうである。やはりトランプ大統領には弾劾によってでも辞めてもらわなければならない。今日7月4日はアメリカ独立記念日に当たるが、ワシントン初代大統領以下アメリカ大統領史上最低の大統領は、このトランプ氏ではないだろうか。

2017年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com