今夜になって中国から突然悲しく憂鬱なニュースが入ってきた。テレビでかねてより病状が心配されていた中国民主化活動家の劉暁波氏が今日午後5時半に多臓器不全で亡くなったことを伝えた。享年61歳である。中国政府は、国家政権転覆扇動罪で劉氏を長年に亘って牢獄に押し込めていた。病状が最悪になった先月になって末期癌であることを公表し、最善の治療を施しているパフォーマンスを行い、ノーベル賞受賞者である劉氏を手厚く看護している様子をテレビで映した。この1件を見ても現在の中国には、民主主義、言論の自由というのは絵空事であることが判る。劉氏を中心とする民主化グループに共産党1党体制を批判され、言論の自由を求められた中国政府が結局劉氏を殺したようなものである。
小中陽太郎さんが昨年末上梓された「上海物語」と、「出版ニュース」(17年2月上旬号)に掲載された評論家・中川隆介氏の同書への書評について、私なりの勝手な憶測や言い分を加えた拙稿を「知研フォーラム」最近号に寄稿した。その要旨は大学の同級生で友人の山崎・ヴケリッチ・洋氏と彼の母親に関する私的なものである。山崎氏の父親は、言わずと知れたゾルゲ事件のブランコ・ド・ヴケリッチで、父が亡くなられてから母上が女手ひとつで大学を出るまで育て上げた。毎年日本に一時的に里帰りされるが、その都度しばしば会って旧交を温めている。今年もすでに先月2度会った。この拙稿については、著者の小中さんから「玉稿は単に拙著書評を超えて、洋君、淑子御母堂をめぐる堂々たる論稿で、今後のヴケリッチ論の最上の資料となるでしょう」と面映いようなコメントをいただいた。著書からの嬉しい言葉である。手元に小冊子が何冊かあるので、関心の強い友人らにこれから送ろうと思っている。
小中さんからも「上海物語」出版社編集長と出版ニュース社社長へも小冊子を送って欲しいと依頼されたので、午後郵送したところである。
さて、今日も全国各地で真夏日となっている。だが、大気は不安定で、ところに依っては大雨、雷雨が襲来している。東日本や東北では大雨警報が出されている。西日本では真夏日のところが多く、福知山市では35.8℃を記録した。北海道では軒並み35℃を上回っている。そこへ奄美大島で地震まで発生している。
ところで、1週間前に豪雨が襲った北九州では、今日までに30人の死亡が確認された。まだ多くの行方不明者がいるので、まだまだ犠牲者が増えそうだ。
一方明るいニュースとして、オールスター・ゲームが開催されるアメリカ・メジャーリーグに意外なニュースがある。メジャー・リーグ全登録選手の中で高齢選手の3位までに日本人選手が2人もノミネートされていることである。ブレーブスのコローン選手が引退して1位がご存じイチロー選手の44歳、2位がブレーブスのディッキー選手42歳、3位に同じ42歳のカブスの上原浩治投手がランクされている。健康管理が人一倍要求されるスポーツで大勢のアメリカ人選手に交じって日本人選手がいつまでも活躍しているのは、まじめに健康管理に留意しているからだ。日本人として自慢出来ることである。