3760.2017年8月29日(火) 北朝鮮、またもやミサイル発射

 今朝テレビをつけたら北朝鮮が早朝6時前にミサイルを発射したとのニュースを大きく報道していた。どこのテレビ局でもこのニュースで持ち切りだった。NHKは長時間このミサイル発射のニュースを放送し続けたため、レギュラーの朝ドラ「ひょっこ」がどこかへ吹っ飛んでしまった。

 安倍首相、菅官房長官、河野外相、小野田防衛相の他にも自衛隊幹部のコメントを入れ替わり立ち代わり伝えて、昨日まで比較的落ち着いていた北朝鮮のミサイルに関する話題が改めて大きくクローズアップされてきた。特に今日発射されたミサイルは、北海道松前半島から襟裳岬上空を飛行して太平洋上に落下したので、日本の領空を飛行したことになる。日本の領空を通過したのはこれで5度目である。飛行距離は2,700㎞であり、これを先日予告したグアム方面へ打ちあげていれば、アメリカ領内へ届いたことになる。正に臨戦態勢へ一触即発の危険性が高まってきた。

 本件に関しては、一番いらいらさせられるのは、話し合いと圧力をかけ続けることだと日米韓首脳が述べているが、それが一向に効き目がないことである。尤も「盲蛇に怖じず」の金正恩北朝鮮労働党委員長サイドにも今では効果的な打つ手がなくなっている。

 国連安保理事会で中国に対して改めて北朝鮮への石油の輸出規制など圧力強化を求める声が高まるのは必至の情勢である。中国としては金正恩政権が崩壊すれば、大量の難民が中朝国境方面へ押し寄せることは予想され、何としても北朝鮮の崩壊を防ぎたい。

 いずれにせよ現状は、米韓と北朝鮮の脅し合戦が膠着状態陥っている。

 北朝鮮が米韓軍事演習に神経を尖らせ窮地に追い込まれている実情に鑑みて、一歩譲って米韓もここは一時立ち止まって見合わせてみるのもひとつの緊張緩和策になるのではないだろうか。

 さて、昨日亡くなられた羽田孜元首相について、朝日新聞が昨夕刊から今日の朝刊までかなりのスペースを割いてその人柄と政治家像を好意的に報道している。「ミスター政治改革 悼む」として星浩・元特別編集委員のコメントを載せたり、全「天声人語」を羽田色で採り上げているほどである。その「天声人語」で採り上げられた「政界の暴れん坊」故浜田幸一氏のコメントがなるほどと思わせる。

 羽田さんが小田急バスで定期券を売り、観光ツアーを企画した。バス会社社員なら当然のことだが、浜田氏は「羽田君の持つ視点の低さを育んだ」と羽田さんが上から目線にならなかった添乗員としての経験を高く評価している。浜田氏も良いところを見ていると思う。

 添乗員というのは、実際自分でやってみなければ中々分からないものだ。中々難しい仕事であるが、誤解されている面が多い。大体「添乗員」という呼び方が良くない。「お客の傍に添って乗っている人」と言葉にあまり積極的なニュアンスがない。アメリカでは、‘TOUR LEADER’とか、‘TOUR DIRECTOR’と積極的な意味を込めて呼ばれる。リーダーシップを発揮しながらお客の気持ちを満足させツアーを予定通り遂行させるリーダーなのである。従って向いている人、向いていない人、また添乗員という仕事を評価する人、しない人、いろいろいる。添乗員を蔑むような人も旅行会社内外にいたものである。私自身添乗員経験が長かったので、ある程度理解しているつもりだが、観光業に従事しながらいつまで経っても添乗員になり切れない社員がいた。浜田氏も羽田さんも添乗員というものがよく分かっておられたようだ。

2017年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3759.2017年8月28日(月) 羽田孜元総理大臣永眠

 今朝羽田孜元首相が82歳で亡くなられたと聞いて少々驚いている。羽田元首相は私が知る数少ない政治家のうちのおひとりだった。衆議院議員を14期務められ、2012年に政界を引退された。農水相、蔵相、外相の他に、党務として新生党党首、太陽党党首、民主党幹事長などを歴任した。自民党では竹下派の七奉行のひとりとして長らく政界で活躍された。リクルート事件のような政局の大事な場面で華々しく活躍された割には、意外にも人間的にとても温厚で優しい一面を示された。保守政治が激動した荒波の中で、存在感があり遂に総理大臣の座を射止めたが、僅か64日間の戦後2番目の短命内閣に終わった。

 羽田さんは1958年成城大学を卒業し、小田急バス㈱に入社され、観光課に奉職されていた。この点については今日の朝日夕刊にも紹介されていた。衆議院議員・父武嗣郎(偶然にも私の仲人の旧制新潟高校時代の親友だった)の死後、国会議員を継ぐべく68年同社を退職された。そんなご縁もあり、親会社の小田急電鉄社長が長い間羽田氏の後援会長を務めていた。私は63年小田急電鉄㈱入社以来駅勤務、経理部在職以降はずっと旅行部門に勤務して、羽田さんと接点はあった筈であるが、羽田さんの在職中はお互い仕事を共にすることはなかった。しかし、羽田さんが国会議員になられてから羽田さんの海外渡航のお手伝いをし、幾度かお会いし、お話ししたこともある。また他議員の海外渡航をご紹介していただいたこともある。

 羽田さんが「老衰」で亡くなられたと報じられて驚いたが、私より僅か3歳年長であり、私もいつの間にかそんな「老衰」の危険地帯に入っているのかと思うと心穏やかではいられない。

 羽田孜元総理大臣のご冥福を心よりお祈りしている

 さて、昨日行われた茨城県知事選の結果が公表された。結局7選を目指した橋本昌前知事の「知事を続けたい」願望は、茨城県民によって弾かれてしまった。だからと言って「越すに越されぬ大井川」の大井川氏が勝ったのは、大井川和彦新知事の評価が決して高かったわけではないと思う。水戸っぽの大井川氏は、これまで茨城県政に関わっていたことはなく、通産省役人を経て複数のIT企業に携わっていた。自民党は、元自民党員でありながら党の思い通りにならない橋本前知事の多選と自民党批判に手を焼いた末に、新人大井川氏を担ぎ出し自民党本部から大勢の幹部を選挙応援に送り込んだ。元々茨城県は保守地盤が根強く民進党から対立候補者も擁立されなかったこともあり、何とか新人が同じ保守を支持基盤とする橋本前知事に勝った。だからと言って、このところ都議選以来負け続けの自民党が勝ったと言えるものではない。

 かつて茨城県の教員海外派遣業務を何度か請負って、茨城県教職員に附いて4度も欧米を訪れ、茨城県について関心を抱いていたこともあり、橋本前知事の業務について断片的ながら気にしていた。これまで橋本前知事が間々物議を醸すような事案もあった。例えば、動物殺処分全国でワーストになった問題や県庁知事室職員に自殺者が多い問題、福島原発放射能漏れで児童の検査は必要ないと語ったこと、等々が大きな話題になった。

 今回の選挙では、県内に東海村原発を抱える立地上原発再稼働について、今後どういう対応を示されるか注目していたところ、これまでの主張を変えて保守派としては意外にも原発再稼働に反対する立場を表明した。ところが、この原発再稼働反対が投票日の半月前という遅い発言だったことから、私はこれこそ本心ではなく、選挙対策上苦し紛れに捻り出した苦渋の選択肢ではないかと考えている。こういうご都合主義的な選択が、有権者、特に原発反対者には嫌われたのではないかと考えている。

 それにしてもこれほど多選批判が出るとは、橋本前知事にとって想定外だったのか、或いはそれでも本人は知事の長年の実績によってクリア出来るとでも考えたのだろうか。

2017年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3758.2017年8月27日(日) 新米トランプ大統領と7選目指す橋本昌茨城県知事の評判

 アメリカ国内はもとより世界中で評判を落としているトランプ大統領が、また非常識なことをやった。これだけ悪評を買う行為を犯したトランプ大統領には、大統領としての威厳や品格ばかりでなく、大統領としての資質がまったく感じられない。良識あるアメリカ人にとっては、外聞の悪い大統領に愛想尽かしをしたいのではないだろうか。アメリカ大統領史上最悪の人物と言っても好いと思う。

 そのトランプ大統領がやった恥ずべきこととは、差別的な不法移民の取り締まりを続けて法廷侮辱罪で有罪とされた元保安官に恩赦を与えたことである。当の元保安官は先月有罪宣告を受け、10月に量刑が言い渡されることになっていた。この「全米最強の保安官」と言われた元保安官に対して大統領が擁護するような姿勢を示したことについて、差別主義に加担していると強い批判が出ている。

 トランプ大統領にはよくもこれだけ、後から後へと世の非難、顰蹙を買うような行為が連発出来るものだと呆れるが、トランプ大統領が寄せられる数々の批判に対して、悪びれることなくフェーク・ニュースだと突っぱねて反論することに半ば呆れている。普通なら委縮するところが、トランプ氏の場合は反って開き直り、一向に考え方や自ら行ったことを悔い改めることがない。

 しかし、こんな姿勢でいつまでも国民を黙らせておくことが出来るものだろうか。民主主義の基本は言論の自由であり、自由と平等である。多くの移民の力の結集により強い国家アメリカが樹立され、民主主義の本家を自認するそのアメリカが、言論の自由が不十分で、必ずしも自由でなく、平等でもないとするならば、最早アメリカは民主主義国の看板を下ろすべきではないだろうか。同時に、世界の情報を取り込み幅広く集めたニュースを世界中に配信して情報コントロールを行っているアメリカのマスコミ、ジャーナリズムが、ひとりの大統領の我儘に翻弄され、一時しのぎの反論しか出来ず、大統領の思うがまま情報発信を許しているのは、些かだらしがない。それでは、ジャーナリズムの責任を果たしているとは言えないのではないだろうか。トランプ大統領の自滅を待つより手段はないのだろうか。

 さて、今日は現知事の7選なるかと以前から注目されていた茨城県知事選の投票日である。現職の橋本昌知事が当選すれば全国でも唯一の7選目の長期政権となる。元々自民党の推薦により知事になったが、あまりの長期政権に茨城県民からすっかり飽きられ、その手法は必ずしも県民から100%支持されるものではない。

 知事任期について言うなら、最も印象に残っているのは、私の学生時代に兵庫県知事だった阪本勝氏である。阪本知事は、「知事は3期以上務めるべきではない」との持論を述べて、3期目当選の可能性がありながら潔く立候補を止めた。長期政権が知事にとっても、県民にとってもプラスにはならないことを身を持って知ったからであろう。その後阪本知事は、東龍太郎東京都知事に挑戦するかの如く東京都知事選に立候補したが、兵庫県人の阪本氏にとっては都内ではさほど知名度が高くなかっただけに、正論だけでは票を拾いきれず敗れた。だが、今以って爽やかだった阪本氏の出処進退とけじめのつけ方は、強く印象に残っている。

 果たして知事7選を目指す元自治官僚の橋本昌氏と、自民・公明党が推す水戸一高、東大の後輩である元通産官僚の大井川和彦氏、及び共産党が推薦する鶴田眞子美氏との戦いはいかなる決着をつけることになるか。

2017年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3757.2017年8月26日(土) 理解出来ない朝鮮民族の考え方

 いま日韓関係がぎくしゃくしている。その原因のひとつは、従軍慰安婦問題が2015年12月に日韓政府間で決着がついたにも拘わらず、韓国が約束を破るような慰安婦像をソウルの日本大使館前路上に設置し、その後韓国内に同じような慰安婦像が設置される動きが強まり、日韓外交関係に相互不信感のような空気が醸成しているからである。どうして政府間で示談金や補償費まで支払って解決されながら、韓国は一方的に問題を蒸し返して恰も未解決のような不条理な行動を起こすのだろうか。しかもこれは外交に関するウィーン条約が禁ずる相手国大使館前に威厳を侵害する行為に該当し、明らかにウィーン条約に違反している。

 そんな折も折韓国はまた新たに日本に対して難題を持ち出してきた。日本統治時代に日本企業で働いた、朝鮮半島出身の元徴用工に対する個人の損害賠償請求権という補償問題を言い出してきたのである。ところがこれも1965年朴正煕政権下の日韓請求権協定で、日本が韓国に有償2億㌦と無償3億㌦の経済協力金を供与して決着したものである。しかも韓国側も廬武鉉政権時代の2005年、この経済協力金の中に徴用工の補償問題解決金も含まれていたとの見解まで示していた。この問題についても韓国国内では、慰安婦像と同じように徴用工像というものを設置した。今後これも韓国国内に引き続き設置していく考えのようだ。

 どうして韓国という国は政府間同士で協定書まで交わした国同士の約束事をいとも簡単に葬り去って、新たに相手国が嫌がる理不尽な要求を行うのだろうか。これでは国家間の協定を締結する意味がまったくないではないか。秩序だって成り立たない。今後両国間の協定は締結出来ないのではないかと心配である。明らかに国際的儀礼を欠いていると思う。慰安婦、徴用工、いずれの事象においても国際的な観点から考えれば、韓国政府の言い分はとても受け入れられないものだ。「お国替われば人変わる」のように、外国人の心情というものは分かり難く、我々が思うほど単純なものではない。しかし、それにしてもお隣韓国人の頭の中には、日本人には考え及ばぬ‘NON RULE’思考が充満しているのだろう。

  さて、今朝北朝鮮がまたもや短距離ミサイルを発射した。このところ臨戦態勢に追い込まれた北朝鮮も流石に慎重に対応していたようだが、我慢しきれなくなったのか、昨日の「先軍節」に合せたかのように、3発のミサイルを打ち上げた。北朝鮮の身勝手な行為が周辺国に多大な迷惑をかけ、やりたい放題で行動するのは国際社会にとっても危険で、はた迷惑以外の何物でもない。敢えてルールを無視してもなりふり構わずに北朝鮮・韓国の朝鮮民族がマイウェイ方式を貫くのは、ひょっとすると南北を問わず朝鮮民族生来の性癖なのではないだろうかと考えてしまう。

2017年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3756.2017年8月25日(金) 不破哲三・前日本共産党議長インタビュー記事

 昨日の日経新聞朝刊に日本共産党の不破哲三・前議長へのインタビュー記事が、9段扱いで大きく掲載されていた。私利私欲ばかりむき出して、実績を何ら残せない多くの未熟な国会議員が数多くいる中で不破氏は職務を全うし、国会議員の中でも格段の影響力を与え、その存在感は大きかった。34年間衆議院議員として活動し、共産党を牽引しつつ2003年に政界から引退した。その間党委員長も歴任した。87歳の今なお党の理論的支柱としてその影響力は強い。

 かつての共産党は孤高の存在と言ってもよく、四角四面の正論と社会主義テーゼを主張するばかりで現実的な対応に疎くて、大衆とはややかけ離れた路線を歩んでいた感があった。近年民進党が野党連合の選挙協力を取りまとめ、これに図らずも共産党が合意したことは、昔の共産党を考えると昔日の感を憶える。自らの主義主張を貫くことに些かの揺らぎもなかった共産党が現実路線へ一歩踏み出したことは、共産党のそれまでの行動が頑なだっただけに、やや意外な感がしたものである。だが、共産党は変質したり、堕落したわけではなく、現在の安倍体制を倒すためのひとつの現実的な手段として、ひとまず妥協的な方策を取ったものと考えている。

 実際党の綱領では、過去においては民主的な国造りのため民主主義革命を実現し、次いで段階的に社会主義革命に進むとしていたが、2004年に天皇制と自衛隊を容認する綱領改定によって柔軟性を示した。共産党は自らは今もその社会主義革命を目指す途上にいながらも、社会主義国に到達した国はひとつもないと見ているようだ。不破氏は旧ソ連も、中国もベトナムも社会主義国を達成し得ていないと見ている。

 しかしながらそれではキューバについてはどうお考えになるのかと不破氏に尋ねてみたい。失礼ながら、不破氏はキューバの実態をあまりよくご存じないのではないかと考えている。私の見るところ、今日のキューバは完全ではないにせよ、かなり理想的な社会主義国に近づいていると思う。大変僭越ではあるが、本HP論稿・エッセイ欄に記載した拙稿「いまキューバが熱い!」をご高覧いただければ、少しは理解のお役に立てるのではないかと愚考している。何より不破氏には一度キューバを訪れて、カストロやゲバラが成し遂げた革命の実態と、社会主義的な社会体制を現地でよくよくご覧になってキューバの現実を少しでも知っていただきたいと思う。

 不破氏は、かつて関係が断絶した中国共産党についても厳しい見方をしている。かつて中国共産党は日本をソ連修正主義と同列と決めつけたことがある。それに対して不破氏はその後社会主義を標榜する中国は、中国覇権主義と大国意識に憑りつかれているとして、再三中国に忠告したという。それはその通りだと思う。残念ながら中国は理想とする社会主義国家への道から大きく外れて、今や資本主義的疑似社会主義帝国、そして帝国主義国家への道を一歩一歩歩んでいるように思う。キューバとは乖離する一方である。

 不破氏、及び日本共産党は大国であろうと毅然として言うべきは言うというあるべき姿勢を貫いている。日本共産党と党員は理想に沿った言動を忠実に行っており、更に不破氏の主張を伺っていると、やはり現時点では最も信頼できる政党は日本共産党ということに落ち着きそうである。

2017年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3755.2017年8月24日(木) 椎名誠著「家族のあしあと」を読んで

 椎名誠の「家族のあしあと」(集英社刊)を読んだ。椎名は幕張小時代のクラスメートの実弟である。6歳年長の兄研二くんは数年前に亡くなったが、彼とは5年生時に同クラスに相前後して転入した。彼は千葉市郊外の酒々井小から、私は同じ千葉県房州の勝山小から転校生同士として直ぐ親しい友だちになった。一緒に後楽園に巨人戦を観に行ったこともあるほど、お互いに野球好きだった。彼の家に何度も遊びに行ったので、弟である誠にも会っている筈だ。彼に弟がいたことは何となく覚えている。漠然とではあるが、家庭の雰囲気や周辺の環境も覚えている。

 椎名誠は最近ペンクラブの会合に姿を見せないので、話すことはなくなったが、私の処女作品「現代海外武者修行のすすめ」について、

 「さっそく読みました。いやはや面白い!!ものすごい冒険家ですね。映画を見ているようですっかり没入しました。いまの日本の若者すべてに読ませたいと思いました。私もハップンしています」と随分好意的な感想を送ってくれたこともある。

 事務所を移転してから連絡を取り合うことはなくなったが、お互いの故郷である幕張が懐かしく思えて、私は毎年開かれる幕張小のクラス会には必ず参加するようにしている。

 椎名誠は幕張に随分拘りと関心を持って多くの書物に幕張について書いている。最初に「犬の系譜」に書かれた情景描写に興味を惹かれ、その後「岳物語」を通読し、先月上記「家族のあしあと」が発刊され、懐かしい幕張描写が今度はどのように描かれているか興味を抱いて手に取ってみた。

 あちらこちらに「幕張」のシーンが現れる。ただ、どうしても分からないのは、彼の自宅の所在地が、私の理解とは方角違いであることだ。当時の椎名家は、千葉郡幕張町(その後千葉市に編入された)の北西部で国電の北側にあったと記憶しているが、椎名誠の著作では東部の花見川に近い場所のようなイメージなので、本書に従って外出した気分になると方向を見失ってしまう。

 椎名誠の作品で最も面白かったのは「さらば国分寺書店のオババ」と「哀愁の町に霧が降るのだ」(上)(下)だったが、ここにも兄研二が電車内で酔っ払って喧嘩するシーンが書かれている。その兄は酒の飲み過ぎで亡くなったので悔いはないと思うと諦めたようなことを言っていた。

 幕張小卒業後、兄研二くんとは進学した中学が分かれたので、その後はクラス会以外で彼と会うことはなくなってしまった。残念ながら椎名研二くんが彼岸へ旅立ったので、彼と幕張について話すことはなくなった。小学校時代は、子どもがあまり勉強をしない時代だったので、彼とも放課後暗くなるまで遊びまわっていたことをノスタルジックに思い出す。その点では、「家族のあしあと」は、野球をやったり、アサリを取ったり、遊び回った砂浜の埋立地のことなどもよく描かれている。懐古的にあのころはのびのびした佳き時代だったのだと思う。

 さて、またかと思うほど名代の嘘つき代議士が恥ずかしげもなく自らの主張を翻した。来月1日に行われる民進党代表選に立候補している前原誠司元外相が、ここへ来て従来の主張とは反対の主張をしたのである。これまでにも鉄面皮前原氏の裏切り行為については厳しい見方を取ってきたが、この期に及んでまたかという不信感が拭えない。

 彼は、これまで集団的自衛権行使を認めた安全保障関連法を容認していたが、今後は廃止を求めていくとこれまでの発言を翻したのだ。これに対して前原氏を支援するグループはどう思うのか。これで安保法については当初から反対していた枝野元官房長官と同じ立場を取ることになった。こんなのありかというのが、普通の人の感じではないだろうか。ひどい代表選になりそうだ。

2017年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3754.2017年8月23日(水) 日系ボリビア人・フレディ前村の革命映画

 元日本テレビ政治部長の菱山郁朗氏から、キューバ革命で活躍された日系人「エルネスト前村」を主人公に映画化された日本とキューバ合作「エルネスト」の試写会にお誘いを受け、期待しながら日比谷の日本プレスセンターへ出かけた。試写会が始まる前に監督を務めた阪本順治氏が挨拶され、制作に取り掛かった2014年から3年かけて完成したが、その間登場人物のひとりであるカストロが亡くなったことに驚かれたという。日本国内におけるロケを除いてキューバにおける撮影では出演者は主役のオダギリ・ジョー以外は全員キューバ人だったという。監督はキューバ人にはキューバならではのイメージがあるので、躊躇する面もあったようだが、監督の考えるように演出したら好いとキューバの人たちに励まされたと語っていた。

 タイトルの「エルネスト」とは、残念ながら日本ではあまり知られていないが、フレディ前村という日系ボリビア人のことである。フレディは、ハバナ大学医学部にボリビア人留学生のリーダー役としてハバナに滞在中チェ・ゲバラに出会い、ゲバラに共鳴しボリビアの革命戦争でゲリラ活動をして「エルネスト・チェ・ゲバラ」のファースト・ネームをいただいた経歴がある。ゲバラと同じように山中で政府軍に捕えられ殺害された。私もそういう人物がいたことは薄々承知していたが、改めてフレディの人間性と存在を知り日本人として心強く誇りに思った。そのフレディは生存していれば、今年75歳になる筈であるが、日系人の中に親が移民した国で誇り高い人生を全うした潔い男がいたことに爽快感を憶える。

 ほとんどロケはキューバでされ、ハバナ市内やその他の土地の風景が昨年訪れた時に感じたまま映されていて懐かしく思った。やはり道路にゴミ、チリは一切落ちていないくらい掃除が行き届いていて清潔であること、そして雨に恵まれているため殊の外グリーンが目に入って来る。ストーリーも中々面白く力作であると思った。

 映画は10月に一般公開される予定である。今年2017年は、ゲバラが亡くなってから丁度半世紀に当たり、先日鑑賞した「写真家チェ・ゲバラが見た世界」写真展のように、何かとゲバラに因んだプロジェクトが企画されるようだ。キューバでは革命を成功させたゲバラだったが、ボリビアでは捕らえられ無念にも殺害されたため、ボリビア革命は成功しなかった。それだけがゲバラにとっても、またフレディにとっても無念だったであろう。

 鑑賞してみて久しぶりに爽快感を味わう映画だったと感じた。

2017年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3753.2017年8月22日(火) ピューリッツァー賞受賞の沢田教一写真展に思う。

 16日からベトナム戦時下の「安全への逃避」でピューリッツァー賞を受賞した、戦場カメラマン・沢田教一写真展が日本橋高島屋で開かれている。

 6月に小田急トラベル新社長に就任された佐々木文信新社長にお祝いの挨拶がてら出かけたが、その後日本橋へ出て何とか写真展を鑑賞することが出来た。佐々木新社長は大学の後輩でもあり、以前からよく存じ上げている。大変明るく気さくで話しやすい人なので、今後も出来るだけOBとして外から協力することをお約束したところである。

 写真展にはどのくらい見学者が来られるのかと些か気になっていたところ、かなり大勢の男女客が鑑賞していた。ウィークデーということもあり、若い人の姿はあまり見られなかったが、年配の男女が多かったのは想定外だった。沢田は主にベトナムとカンボジアで活動されたが、結局1970年10月プノンペン郊外でクメール・ルージュに銃撃されて享年34歳で亡くなった。その時代にある種のノスタルジアを感じる世代の人々が見学者の主たる人たちではないかと思う。

 冒頭の「安全への逃避」が撮られた時は、私自身ちょうどサイゴンを訪れたころだった。その3カ月後沢田がケサンへ向かう米軍輸送機内で兵士たちを撮った写真がある。そこにはこんなことが書いてある。「鋭い目つきがカメラをにらむ若い米兵。顔つきに余裕はない」とあるが、私が同じような気持ちになったことがある。サイゴンのタンソンニュット空港に着いた直後に、傍にいたアメリカ兵のひとりに、軽い気持ちでトイレの場所を訪ねたところ、すごく怖い目つきで睨まれ、ドキッとしたことがある。米軍兵士は興奮し殺気立っていて精神的に落ち込んで、沢田が写真でコメントしているように普通の顔ではなかった。熾烈な戦火がベトナム全土に広がり、アメリカは破れかぶれになっていたように思う。彼は親しい友人に「ベトナム戦争は米国の負けだ。写真を撮り歩いているからわかる」と言っていた。臨場感を身体に感じていたのだ。私自身初めての武者修行で感じた臨場感は、その後行動面でひとつの規範となった。

 その翌年ベトナム戦争で最も激しかった戦い「テト攻勢」によって、米軍と南ベトナム軍は守勢に回るようになった。

 私が戦火のベトナムを訪れてから早くも半世紀が経過した。今日は臨場感こそ伴わないが、懐かしいベトナムの想い出にしばし浸れることが出来た。いずれも臨場感のある写真を集成したアルバム「戦場カメラマン沢田教一の眼」を買い求めた。これも時々目を通すのが楽しみである。

 番外であるが、沢田は三沢基地で働いていた当時11歳年長の写真屋の娘・サタさんと結婚した。沢田20歳、サタ夫人31歳だった。サタ夫人は92歳の今もご健在のようだが、サワダサタさんの旧姓は、沢田を逆にした田沢だったとは!

2017年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3752.2017年8月21日(月) 高浜虚子、母校湘南高の甲子園初優勝を祝福

 今や昔日の面影がなくなった民進党の党代表選挙が9月1日に行われる。その日は選りによって台風が襲来する「二百十日」に当たる。代表選も台風並みの波乱含みだろう。蓮舫代表がすっきりしない能書きを述べて無責任にも辞任を表明した後を引き継ぐ跡目争いである。

 告示に際して立候補したのは、予想通り前原誠司・元外相と枝野幸男・元官房長官である。前原氏の人間性、行動など無責任な政治責任については、言いたいことが山ほどある。人間的にまったく信用出来ない。まず朝鮮国籍の女性から資金提供を受けたという選挙違反の前科があることと、2009年民主党政権成立に伴って国土交通相に就任した時、選挙公約で約束したとして自民党が建設を決めた八ッ場ダムに反対を唱えたが、大臣を辞めるやダム建設の動きが再燃しても一向に取り合おうとしなかった不誠実な態度、そして観光庁長官に同級生を任命したことなど公私混同も甚だしかった。いくら表面的に納得させるようなことを言っても人間的にとても信用出来ない。こういう人物が野党第1党の代表選に立候補しようとしているのだから、今以って民進党の浄化作用は信用出来るものではない。

 前原、枝野両氏の主張は大分隔たりがある。野党共闘、原発、憲法改正などでは意見が対立しているようだ。どちらが代表になるにせよ、その後の民進党の歩む道は党内分裂の危機を孕んでいて険しい。自民党が地盤沈下している時でもあり、民進党にとっては盛り返す絶好の機会であるが、以前のようなフレッシュさと実行力が感じられない。これではまだ当分の間自民党をのさばらせることになるようだ。偶々世論調査を見ていて自民党が支持率を回復したことが書かれていた。現状は確かに自民党に大きなミステークがなければ、自民党には順風が吹いているようだ。いつになったら真剣に国民のことを考えてくれる政治家、政党が現れるのだろうか。前途は明るくない。

 さて、今日の朝日夕刊に5段に亘って母校湘南高校の昭和24年甲子園初優勝に因んだ記事が掲載されていた。

 「虚子から球児へ短冊がつなぐ縁」、「31回大会Vの湘南 プラカード係の女性と交流」との見出しの下に当時鎌倉市内に住んでいた俳人高浜虚子が、湘南の優勝を殊の外喜ばれお祝いに野球部の田中孝一主将に句を詠んで贈ったことに纏わるエピソードを採り上げている。その後湘南のプラカードを掲げて行進された女性と湘南との交流が続けられ、今甲子園で開催中の高校野球大会の間開かれている「高校野球特別展」でエピソードが復活したことを紹介している。

 実は偶然にもこの記事と同じストーリーを私も3年前に上梓した拙著「南太平洋の剛腕投手」に採り上げ書いている。執筆していた時、これほどまでに母校の優勝を地元の多くの人々が喜んでくれたことを感慨深く思ったものである。こういう形でパンチの効いたエピソードをさりげなく紹介していただいたことを改めて嬉しく、また有難く思っている。

 その高浜虚子が贈ってくれた名句とは、「秋風や 最美の力 唯盡す」というものである。

2017年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3751.2017年8月20日(日) トランプ政権内のゴタコタ

 東京に太陽が顔を出すことが少なく、8月に入って今日まで20日間長雨続きである。昨日も午後には雷雨が激しいとの予報があったが、傘を持参して補聴器の調整に行って帰っても雨が降る様子が見られなかったので、漸く晴れ間が現れると思っていた。ところが、夕刻5時ごろになって一転掻き曇った空から突然雨粒が落ちて来たと思う間もなく、ガラス戸を激しく叩く物音に外を見ると雹が落ちて来た。雨戸を閉めても雹は激しく雨戸を叩きつけて来る。テレビ・ニュースでは、世田谷区に激しい雷雨が襲来したと伝えていた。多摩川の花火大会が開催される日だったが、結局中止になった。東京と同じように雷雨が襲来した横浜の花火大会も途中で取り止められたという。

 あまり長い時間ではなかったが、これほど激しく雷鳴が轟いたのは実に久しぶりである。

 さて、相変わらずアメリカ・トランプ政権がガタガタしている。白人至上主義を晒して批判を浴びているトランプ大統領が、18日昨年の選挙戦以来トランプ政権誕生のため選挙参謀となってトランプ氏を支えてきたバノン首席戦略官の更迭を発表した。保護主義のバノン氏の戦略に乗って、大統領選以前から「アメリカ・ファースト」を打ち出し、保護貿易や移民排斥を始めとしてイスラム民族の入国禁止や、メキシコとの国境に壁を建設するなどの差別政策を打ち出し、そのうえ地球環境保護のパリ協定からの離脱、TPPからの脱退など、国際世論から厳しく非難されている。その戦略を打ち出したバノン氏を解任したのは、政権内に意見の対立があったからに他ならない。だからと言って保護主義者のバノン氏を追放してもトランプ大統領自身が同じ保護主義者であり、多少リベラル派の評価が上がるにせよ、政権外から依然厳しい見方は変わらないだろう。

 政権内の幹部を2月にフリン大統領補佐官、7月にプリーパス大統領首席補佐官とスパイサー大統領報道官、そして今月バノン首席戦略官と立て続けに更迭することによってトランプ政権存立の基盤はかなり弱体化したと見るべきだろう。節操のないホワイト・ハウス内人事の迷走が国民の間に不安を感じさせ、一部にはトランプ大統領が弾劾によって罷免される可能性まで示唆されている有様である。

 北朝鮮のミサイル発射問題などで緊張感を強いられる時期に、アメリカはいつまでも政権内で揉めている場合ではないと思う。差別問題は別にしても、大統領は毅然として自分なりの信念を貫けば「アメリカ・ファースト」の下にそれはそれで国が割れるような対立が生じる問題ではないと思う。いずれにせよアメリカ政府の言動から当分の間目が離せない。

2017年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com