4627.2020年1月13日(月) 不平等な日米安保条約は、このままで良いのか。

 昨秋日本中を熱狂させたラグビーのワールドカップは大成功を収めたが、それをにわかブームに終わらせないための試練と発展のシーズン、社会人ラグビー・トップリーグが昨日開幕し、5月まで全国各地で行われる。オープニング・ゲームは全国6つのグランドで8試合が行われ、そのうち2試合がテレビ中継され、つい夢中になって観てしまった。全会場に9万2千人のファンが訪れ、昨年の開幕戦より3万2千人も多かった。一昨日新国立競技場の大学選手権決勝戦も5万7千人の観衆を集めて行われ、早稲田が45-35で明治を破り11シーズンぶり16度目の優勝を飾った。ブームはまだ続きそうで、1ラグビー・ファンとして大変嬉しく思っている。

 さて、今から60年前の1960年1月訪米した岸信介首相が、アイゼンハウアー大統領と会談し、日米安保条約改定案に調印した。安保条約改定案は、6月に自民党が衆議院で強行採決して通過し、「日米安保条約」は正式に発足した。全学連と一体となって我々は、それ以前から総評、及び国労などの労働者団体とともに猛烈に反対闘争をしていた。それが「60年安保闘争」である。我々学生は日米地位協定を主に日米不平等条約と強く反対したが、条約は強引に実施された。

 この不平等条約について最近トランプ大統領は、しきりにアメリカにとって不利な条約であると異なことを叫びだした。最近のアラビア海の有志連合同盟についても、アメリカは自国の船舶の安全のためではなく、石油輸送の他の国の船舶の安全のために米軍を派遣するのは不公平であると身勝手に騒いでいる。それならさっさと引き上げれば好いではないか。

 日米安保条約がどれほどアメリカに有利で、日本は彼らの思いのままに運用されているかは協定書を見てみれば一目瞭然である。特に駐留米軍に関する日米地位協定は、他に米軍が駐留しているドイツ、イタリアに比べても遥かに不利である。

 それにも拘わらず、日本はトランプ大統領の言いなりになって毎年アメリカから高額な軍事兵器を買わされ続けている。年々膨らむ日本の防衛予算も2020年度は5兆3千億円となっているが、購入兵器の内2基だけで6千億円以上と想定されているイージス・アショア、そして他にも1機116億円もするF35ステルス戦闘機を105機も追加購入する浪費的爆買いである。F35は1機だけで特別養護老人ホーム900人分、或いは学校へのエアコン4千教室分に当たる。

 他にも安保条約には目に見えない不利益を被っている例がある。日米地位協定を始め、羽田空港の新ルートにより民間航空機が異常な急降下着陸を強いられるのは、米軍が管理する横田空域のせいである。日米安保条約による日本側の不利益は、数え上げればきりがない。こういう実態を日本政府は、放置したままアメリカに伝えようとせず、このまま国民には不問に付そうというのだろうか。これでは日本はアメリカ帝国主義国の属国どころか、植民地と呼ばれても文句は言えない。

2020年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4626.2020年1月12日(日) 台湾総統選で中国に距離を置く蔡英文氏圧勝

 昨日台湾総統選挙が行われ即日開票の結果、与党民進党現職の蔡英文・総統が再選された。昨年前半は対中融和路線の国民党の韓国瑜氏が優位にあった。しかし、6月以降の香港の抗議デモが本格化してから、むしろ攻守所を代え蔡氏の支持は回復した。特に「1国2制度」をないがしろにする、非民主的な中国のやり方に警戒心を強めた若者層が、徐々に反中姿勢を強めたことにより空気が変わった。国民の関心も高まり、昨日は4年前の66.27%を上回る74.90%の高い投票率だった。有権者4人に3人が投票所へ足を運んだことになる。

 最終結果は蔡英文総統が、過半数を獲得してライバルの韓国瑜氏に圧倒的な差(蔡氏817万票・57.1%、韓氏552万票・38.6%)をつけ、総統選史上最多の得票で圧勝した。

 今回復活した民進党は前回選挙の際70%の世論の賛成を得ながら、その後蔡政権は支持を保てず、18年の統一地方選では惨敗して祭氏は党主席を辞任した。その当時民進党は、対中国関係では台湾独立色を抑えて中国を刺激しない安定を望む世論に配慮する狙いだった。しかしながら、対話を呼びかけた蔡氏に中国側は応えず、台湾独立派からは弱腰と突き上げられ、国民党からは混乱をもたらしたと批判され散々だった。学界の出で世間との間合いがうまく取れなかった蔡氏だったが、統一地方選敗戦後から姿勢を改め積極的に現場へ出かけ、住民と対話し、メディアの取材も積極的に応じるようになった。自ら積極的に行動し発信するようになった。そこへ香港の民主化デモが起きた。今回の選挙ではこの香港風にタイムリーにうまく乗ったように見える。とにかく完勝だった。一昨年統一地方選時の世論支持率は僅か25%だったが、直近では50%にまで盛り返した。

 問題はこれからである。習近平・中国国家主席は、昨年「1国2制度」による台湾と統一の姿勢を示した。それが香港情勢によりやや変わらざるを得なくなった。しかし、海外において「一帯一路」路線を広く実施しつつある中国としては、台湾をこのままにしておくわけには行かないだろう。蔡氏は中国も最終的には対話の道を開くだろうとやや楽観的に語っているが、そう簡単には行かないだろう。香港も思い通りにならず、ここへ来て台湾も言うことを聞かなくなっては、覇権国家中国としては面子もつぶれこのまま黙っているわけには行かないだろう。中国は、次なる手として果たしてどんな手を打ってくることだろうか。

2020年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4625.2020年1月11日(土) アメリカ・イラン対立によるトラブル頻発

 アメリカとイランが対立している最中、イラク国内の米軍基地に向けて発射されたイランの革命防衛隊のミサイルは、幸いにして米軍兵士にひとりも死傷者を出さなかった。そのためアメリカはこのミサイル攻撃に対して敢えて報復を行わなかった。だが、ちょうどその数分後テヘラン空港を離陸したウクライナ航空機が被弾により墜落し、176人が死亡した。イランが撃墜したのではないかとの憶測が伝えられたが、ザリフ・イラン外相はこれを強く否定していた。

 ところが今日になってイランの統合参謀本部が、ウクライナ機墜落は人的ミスによる誤爆だったと認めた。参謀本部が情勢に敏感になっていた矢先に航空機が革命防衛隊方面へ飛行したので、不注意にも誤爆したと語ったが、緊張感で張り詰めていた情勢が読み取れる。結局対立構造の中で負の連鎖により軍部以上に民間に犠牲者が生まれた事実を、両国とも十分考えるべきだと思う。

 ともかく張り詰めた緊張状態が、全面戦争へ踏み出さなくてホッとしている。

 さて、中東情勢が極めて流動的な折に中東3か国訪問を予定していた安倍首相に対して訪問延期の声があった中で、今朝首相は当初の予定通りサウジアラビア、オマーン、アラブ首長国連邦へ向けて出発した。ところが、生憎昨夜オマーンのカブース・ビン・サイド国王が亡くなられた。安倍首相は事前に訃報を入手した筈である。サイド国王は40年前に父親の前王を追放して即位した人物であるが、イスラム教宗派を問わないバランスの取れた政治を行い、周辺国からの紛争から距離を置き、オマーンを「中東のスイス」と呼ばせるまでに好感度を高めた国王である。国王自身はイバード派に所属するが、スンニ派、シーア派とも政治的なバランスを保っている。偶然とは言え、目的を持って訪れるなら、そんな国王が亡くなった直後に、弔問外交のように訪れて成果を上げられるだろうか。

 アラビア海域を航行する日本船舶の安全確保のための情報収集が目的とする、海上自衛隊の哨戒機も今朝沖縄を出発した。いろいろ正当な理屈をつけているが、どうも本来の目的ではなく、中東の緊張感が高まる中を戦時中の特攻隊の如く突っ込んでいくような危険なイメージがどうしても拭えない。

2020年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4624.2020年1月10日(金) 日本の米軍基地が攻撃されたら・・・。

 アメリカとイランの戦争は一先ず避けられたとホッとしているところだが、よくよく思い返すとぞっとするような危険なケースについて考えさせられた。

 一昨日イラン革命防衛隊が、隣国イラクのアメリカ軍基地に向けてミサイルを発射したが、兵士を殺害しないよう計算づくめの発射だったために、幸い死傷者は1人もいなかった。このケースについてちょっと考えてみた。

 イラクが仮に日本として在日米軍基地が攻撃を受けたケースを想定してみた。アメリカが恨みを買い、相手国から攻撃を受けるとしたら、日本国内の米軍基地は例外なく敵の標的となる。そして計算することもなく精一杯ミサイルを発射するなら日本国内は一瞬にして火の海になることだろう。いくらイージス・アショアを配置しても敵のミサイルはすべての基地で防ぎようもなく容赦なく、米軍施設を中心に命中する。米軍施設が防衛、攻撃の施設というより呼子となって攻撃されることになる。想像するだけでぞっとする。仮の話だが、こんなことに成らないよう日本もアメリカも留意してもらいたいものである。

 さて、正月松の内も明けて受け取る年賀状もそろそろ少なくなってきた。今年いただいた年賀状で特に気になったのは、今年を最後に来年以降の年賀状は辞退したいという添え書きである。すでに10人からいただいた。こちらサイドから言えば、この分来年以降年賀状を書く手間が省けるということになるが、ちょっと寂しい気がしている。高齢を理由にしている例が多いが、それでも10人のうち、私より若手が半分以上の6人もいる。これも最近手紙を書かなくなった時代の空気であろうが、残念な気がしている。実際のところ私自身いつ書けなくなるか分からないが、ペンを執れる限りは新年に向けて年賀状を書く年初の習慣だけは、続けていきたいと思っている。

 年賀状 明治はますます 遠くなり

2020年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4623.2020年1月9日(木) 身勝手なゴーン氏と中東戦争可能性の減少

 昨夜レバノンのベイルートでカルロス・ゴーン前日産自動車会長が、身勝手な記者会見を開いた。世界中から注目されていた会見だったが、自分の言いたいことだけを一方的に主張する極めて理不尽なものだった。

 自らの会社法(特別背任)の罪を棚に上げて、日本の司法制度を非人道的と批判して、自分は日本政府と日産にはめられたと一方的に日本を非難した。記者会見には、世界のメディア12か国の60社の記者を招いたが、不法出国した日本からは朝日新聞、テレビ東京、小学館の3社しか招待されなかった。自分に不利と思うメディアを排除していた。それでもフランスのル・モンドや、イギリスのザ・ガーディアン紙を始め、ヨーロッパのメディアからは保釈中の身でありながら密出国して自分の正当性をアピールするために開いた釈明会見だとして、あまり同情されていない。

 日本のメディアを始めとして事実関係を知る世界のメディアは、ゴーン氏に同情的ではない。日本から不法に出国していながら裁判の途中でその責務から逃げ出し、自由になった身で糾弾されていた日本の司法をいくら攻撃したところで、その正当性に対する評価は低い。

 朝日新聞の「視点」では次のように取り上げられていた。

「~日本の司法制度に全く問題がないわけではないが、検察の捜査や司法制度の問題点を指摘するなら、公開の法廷で堂々と主張すべきだった。裁判で無実を証明すると主張しながら保釈条件を破り、不正な手段で海外に逃亡した前会長の言葉を、額面通りに受け取るわけにはいかない。自身の主張に自信があるのならなおのこと、なぜ正面から裁判で闘わずして海外に逃げたのか。強く疑問が残る」

 自分の正当性だけを言い、裁判で被告人に至った経緯については、自らが再建させた会社からはめられたと言い、恨み節を語るばかりだった。

 残念ながら居住するレバノンは、いくらゴーン氏が政府から支援を受けようとも、現状では外にも出られない。加えてレバノンは反政府デモのせいで足元がぐらついて政府は国民から厳しい批判にさらされ、かつては中東のパリと呼ばれた優雅な雰囲気は今では感じられない。半世紀以上も前に首都ベイルートに滞在した当時海岸は華やかなムードが漂い欧米からの観光客で溢れていた。落ち目のゴーン氏が落ち目のレバノン政府に支えられてどこまでともに支援し合っていけるだろうか。

 ゴーン氏は一難切り抜けたと思っているかも知れないが、家から外にも出られず、こういう環境が最も苦手なゴーン氏がこれからどう生きていくのだろうか。好い加減な人物であることは分かった。

 さて、懸念されていたアメリカとイランの対立が、取り敢えずこれ以上は発展しないようだ。昨夜半トランプ大統領がイランへ報復宣言をするのではないかと心配されていたが、好戦的なトランプ大統領が米軍からさらなる攻撃は避ける考えを示した。これには、昨日のイランの米軍基地空襲が、人を殺害しないよう仕掛けられたということと、死傷者が1人もいなかったことが心象を良くしたのではないだろうか。ともかく少しでも戦争の危機が遠ざかったことは佳しとしたい。

 ところで、前記のゴーン氏の記者会見が、ヨーロッパで注目されていながらそれほど視聴率が伸びなかったのは、ちょうどその時間帯にトランプ大統領の重大な声明が発せられると言うニュースと、イギリスのハリー王子の財政的な自立を目指すとのニュースが影響したと言われている。ハリー王子が王室行事を減らしてアメリカでも仕事をして財政的な自立を目指すということらしいが、エリザベス女王を始め王室関係者が知らない話で女王は激怒しているという。

 まぁ世間も慌ただしくなってきたと思う。

2020年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4622.2020年1月8日(水) イラン、イラクの米軍基地を攻撃

 恐れていたことが起きた。米軍によるイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官の殺害で、アメリカとイランの対立が新たな戦争へ発展することが懸念される危険な状態に入っている。その最中にイラン革命防衛隊が、報復としてイラク国内の米軍基地へ数十発の弾道ミサイルを撃ち込んだ。この攻撃でイラン国営テレビは、80人のアメリカ人テロリストが死亡したと報じたが、この報道には疑問が出ている。しかし、これがきっかけとなり、今後報復合戦が過激化することが心配である。狙われた米軍基地のうち、アサド基地には一昨年12月トランプ大統領が駐留米軍兵士を激励に訪れたことがある。

 昨日ソレイマニ司令官の喪が明けたのを機に、テヘラン市内では道路を埋め尽くし立錐の余地もないほどの市民が、司令官の死を惜しみ冥福を祈った。国民に慕われていた司令官の死は、最高責任者のハメネイ師も涙を流していた。

 それにしてもこの緊張状態を作ったのは、間違いなくトランプ大統領である。理由をこじつけているが、先に手を出したのはトランプ氏である。今夕の朝日「素粒子」欄にも「一方的な核合意離脱、そして国際法違反の疑いが濃い司令官殺害。口火を切ったのは、米国だったことを忘れまい」と書かれている。これから勃発するかも知れない戦争を視野に入れながら、対立を薄めるよう両国がお互いに話し合うことや、中国のような強大な仲介国が現れることが求められる。両国に友好国としてのパイプがある安倍首相にも出番を期待したいところだが、無理だろう。火中の栗を拾うことが危惧されているアラビア海に海上自衛艦を派遣することに反省することもなく、当初の予定通り派遣すると言う政府は、戦争に巻き込まれることを望んでいるのか、腹のうちを聞きたい。このまま手を拱いていると一足飛びに戦火に巻き込まれる不安がある中で、トランプ大統領を糾弾しない普通のアメリカ国民と、危機管理の薄い安倍内閣は戦火が近づいていることにまったく気が付かないのだろうか。バカにつける薬はないようだ。

2020年1月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4621.2020年1月7日(火) ゴーン前日産会長逃亡に大きな抜け道

 昨日も取り上げたゴーン前日産自動車会長の不法脱出事件で日本出国の様子が大分分かってきた。都内の自宅から2人のアメリカ人と六本木のホテルで待ち合わせて新幹線で大阪へ行き、音響機器輸送用のコンテナでチェックの甘いプライベート・ジェットの通用ルートを通って逃亡した。

 それにしてもプライベート・ジェットだとチェックが甘いようだ。普通民間航空会社が一般の出国者に対して行っているようなX線による手荷物検査や身体検査を行わず、最終的には機長の判断によるそうだ。これほど緩い検査だとは思いも寄らなかった。アメリカのウォールストリート・ジャーナル紙によるとゴーン・サイドは10~15人のメンバーによるプロジェクトを作り数か月前から逃亡計画の準備を進めて、20回以上も日本を訪れ入念に計画を立て、関西空港の弱点を見抜いて関空からの出国を決めたという。キャロル夫人に対しては証人喚問の際偽証を行ったかどで、昨日逮捕状が出された。それにしてもこういうリッチマンに対してはチェックが甘いなぁと思う。

 今日国土交通省は羽田、成田、関西、中部各空港でプライベート・ジェットに大型荷物を積み込む際の保安検査を義務化したという。何を今更と言いたくなる。さらに森雅子法務大臣は、保釈中の被告が逃走した場合に処罰出来るよう法改正を検討していると語った。

 しかし、これとてどうも遅きに失したのではないだろうか。日本には、探せばまだ不備のあるような法律がいくらもあると思う。この際徹底的に調べ上げて2度のこのような無様な不祥事を起こさないよう気を付けて欲しいものである。

 さて、暦のうえでは、昨日小寒だったせいか、今日は寒かった。その中を昨年末に予約していた歯科へ半年検査で歯の具合を診てもらいに出かけた。実は半年置きに歯科で診てもらっているが、今日は元旦に入れ歯を支えている磁石部分が急に痛み出したので、チェックというよりそちらを治療してもらうことになった。入れ歯はきれいに収まっているが、年齢とともに大分自分の歯が抜けて今ではかなり入れ歯のお世話になっている。今日歯科医の話では、X線検査で入れ歯の磁石周囲の歯茎が柔らかくなっていることが分かったので、そのための歯磨き講習を受けて後日診てもらうことになった。加齢に連れ、身体の部分が支障を来すようになった。悔しいことだが、やむを得ないだろうか。

2020年1月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4620.2020年1月6日(月) アメリカ・イランの対立、エスカレート

 オリンピック・イヤーがスタートしたと思い何がしかの高揚感と期待感が膨らんでいたが、昨年末のカルロス・ゴーン前日産会長の不法出国やら、年明け早々の3日米軍によるイランのイスラム革命防衛隊司令官殺害のような世界を驚嘆させる事件に愕然としている。テレビのエンタメ番組でも識者は、ゴーン前会長に対して日本の司法制度を批判するのは結構だが、裁判できっちり意見を主張することもなく、不満な司法制度を破ってリッチマンにしか出来ないような逃亡をするのは、筋が通らないと厳しく指摘されている。現在日産の所有物だったレバノンの自宅に潜んでいるようだが、8日に記者会見を開きたいと身勝手な言い分を述べている。正当報酬、不正取得金を取り交ぜ在任中に日産自動車から約170億円もせしめたようだが、保釈金として16億円に逃走費用として20億円以上をかけて、差し引き130億円を手元に残したにしても、そんなお金持ちの計算式を世間は納得する筈がない。容疑者でありながら正当な裁判から逃げて日本の司法を愚弄し、ゴーン氏の意を受けた最高レベルの日本人弁護団への支払いや、日本に残した資産などの始末をゴーン氏はどうつけるつもりなのだろうか。

 さて、後者のイラン司令官殺害問題についてもアメリカはどう始末をつけるつもりなのだろうか。中東情勢は一触即発のピンチに追い詰めておきながら、トランプ大統領はわれわれは戦争を求めていないなどと子どもの発言ではないかと思わせ、過去の歴史を忘れさせるような軽々しい発信をしている。第1次世界大戦前に世界には諸々の地域紛争があったが、決定的な開戦のキッカケとなったのは、1914年セルビアの1青年がオーストリアの皇太子を射殺したサラエヴォ事件が致命的だった。幼いトランプ少年の戦争ごっこにより第3次世界大戦の幕が切って落とされるということにもなりかねない。実際イラクのアメリカ大使館周辺にロケット弾が撃ち込まれたり、世界の各地で散発的に反米テロが起きている。イランは報復を辞さないと広言しているが、その手始めに今日核合意の制限を破り「保有するウランを無制限に濃縮する」と宣言した。殺害事件がイラク領内で行われたことに強く抗議して、イラク議会は駐留米軍の撤退を求める決議を採択した。

 アメリカとイランの対立は、経済的にも大きな影響が表れてきた。まず、石油価格の暴騰により世界中の株式が一斉に下落したことである。イランにとっては外貨獲得の6割が石油の輸出に頼っている。これではイラン経済は益々疲弊する。

 日経平均株価も例外ではなく年末に比して451円の値下げで23,204円の終値だった。今後政治的、社会的な影響と同時に経済面でいかなる現象が表れるか注目されるところである。

2020年1月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4619.2020年1月5日(日) ワールドカップ成功によるラグビー人気

 昨年TBS・TVで放映され、評判になっていたラグビー・連続ドラマ「ノーサイド・ゲーム」がここ数日再放送されている。ラグビー日本代表チームが、ワールドカップ史上初めてベスト8入りして日本中を熱狂させる大きなきっかけとなったのは、このテレビ・ドラマの影響が大きいと言われていた。実際前回大会で主将を務めた広瀬俊朗が準主役で出演していたし、その他にも現役東芝チームの選手たちが出演して激しいぶつかり合いのシーンを見せていた。放送中にも時折観ていたが、昨日と今日の再録放送で凡そあらすじを知ることが出来た。  

 嬉しいことに昨今ラグビーのプラス効果について多方面で改めて言及・評価されている。先日も国際関係とか、移民、多国籍問題について、多国籍混在の日本代表チームのメンバーが、それぞれ日本チームの一員として日本のために身を賭して戦っていることが大きな話題になった。実際31人の日本代表メンバーのうち、15名が外国人だというから日本人を中心とする国際チームである。過去のイメージからすればまったく別のチームという印象である。しかし、そのことがむしろ今まで外国人との間に壁を作っていた伝統的な日本人の考え方を根本から覆したと評価されている。今では今大会のラグビー日本代表チーム活躍のお蔭で、日本代表のチーム構成に違和感はほとんどない。そういう意味でもラグビー日本代表チームの功績は大なるものと思う。

 2019年度シーズン首位打者となったプロ野球・広島カープの鈴木誠也選手が、今朝の朝日紙にワールドカップをテレビで観てラグビーに熱中しすごく感激して、オリンピックの野球でもあのような試合が出来れば好いと語っていた。代表チームの「ワンチーム」という合言葉も頻繁に使われ、流行語大賞となり流行っている。

 明後日7日は全国高校ラグビー大会決勝戦、11日には大学ラグビー決勝戦が行われ、12日から社会人のトップ・リーグが始まる。まだまだラグビーファンを楽しませてくれるのではないかと期待したい。

 さて、ミヤンマーでは昨4日の独立記念日に合わせて、独立の父と今も国民から幅広く尊敬されているアウンサン将軍を描いた紙幣が新たに発行された。かつてミヤンマーの紙幣の肖像は、全金種とも紙幣にはアウンサン将軍の凛々しい軍服姿が描かれていた。アウンサン将軍とは、言わずと知れた独立を前に暗殺されたアウンサンスーチー国家顧問の父親である。寡聞にして知らなかったが、1990年に当時の軍事政権が個人崇拝につながるとして将軍の肖像画紙幣から他の画に変えたという。それがスーチー国家顧問への忖度からか、今年千チャット紙幣に限って民族衣装を身に着けた父親アウンサン将軍の肖像が復活した。

 千チャット紙幣の価値は約74円相当で、最も使用頻度が高いそうである。私自身ビルマ(現ミヤンマー)の思い出のひとつとして、今も財布に1枚のチャット紙幣を収めて持っている。それは5チャット紙幣で、当時は頻繁に使用したお札である。驚いたのは、その5チャットは現在のレートで換算すると何と0.37円ということになる。20年以上もミヤンマーを訪れていないので、今日の物価や金銭感覚は分からないが、その間に相当インフレーションが昂進したと想像出来る。新札発行により図らずもミヤンマーの衝撃的なインフレを知った次第である。

2020年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4618.2020年1月4日(土) アメリカ、イランの革命防衛隊司令官を暗殺

 かねてより険悪な間柄だったアメリカとイランの間に衝撃的な事件が起きた。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が米軍のバグダッド空爆により殺害されたのである。

 米国防総省は、「トランプ大統領の指示の下米軍はカセム・ソレイマニ将軍を殺害することで、在外アメリカ人を守るための断固たる防衛措置をとった」と誰を殺害しようと文句を言われる筋合いではないとばかりに、相も変わらない「アメリカ・ファースト」重視であることを発表した。さらに、「この攻撃はイランによる将来的な攻撃計画を抑止するのが目的だった」と付け加えた。イラクの首都バグダッドでは昨年の大晦日にアメリカ大使館敷地内に群衆が乱入し、米軍と衝突する事態が発生。抗議行動は元旦も続いた。大使館への襲撃はソレイマニ将軍の承認を得てのものだったとしている。

 イランのザリフ外相は、ソレイマニ司令官殺害を「きわめて危険で愚かなエスカレーション(情勢悪化)」だと呼んだ。「このならず者的な無謀な冒険主義による今後の展開について、全責任を負うのはアメリカだ」とツイートした。ラバンチ・イラン国連大使は「我々は目を閉じていられない。間違いなく報復する」と強く主張し、軍事行動も辞さないと語った。

 イラクのアメリカ大使館は滞在しているアメリカ国民に対して直ちに出国するよう呼びかけた。

 アメリカとイランは、2018年5月アメリカが、イランの核開発に関する国際合意から一方的に離脱し、イランに対する制裁を再開すると発表したことから対立が再発した。これは2015年7月に国連安保理事国にドイツとイランを加えた7カ国の間で最終的な合意に至ったもので、最大核保有国であるアメリカが国際合意から離脱することにより、効力が有名無実化してしまった。当然イランが反発し、爾来両国の関係は険悪の一歩を辿っていた。

 昨年11月結成されたアメリカ主導の有志連合は、対イラン包囲網構築を目指すアメリカに同盟国6カ国が加わって結成された。イランの友好国である日本は、アメリカの誘いには乗るわけにいかず、独自に海上自衛艦をアラビア海域へ派遣することで処方した。イランは有志連合に反発し、独自の安全確保構想を掲げて対立は一層深まる恐れがある。

 この暗殺作戦がイラク・バグダッド空港で行われたことで、イラクのアブドルマハディ首相は、駐イラク米軍の地位協定の重大な違反だとして「イラク国内での破滅的な戦争の口火を切ることになる」と警告した。アメリカ寄りだったイラクまで敵に回してしまう無節操な戦略と要人殺害計画は、考えてもいなかったイランとイラクを相手に戦火を交える流れにならないとも限らない。

 「アメリカ・ファースト」も行き過ぎると、アメリカ主役の第X次中東戦争にもなりかねない。

2020年1月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com