4896.2020年10月8日(木) 民間企業不況の中で国家予算は膨張の一方

 新型コロナウィルスの影響が世界的に広く及んでいる中で、日本では経済面で打撃を受けながらも国の支出予算ばかりは増えている。来年度の概算要求額を見ても数年来財政支出抑制の声がありながら、今年度に比較して全体で4.5%も上乗せされている。減額は、警察庁と皇室費だけである。最も高い増額予算を要求したのは、経産省27.5%、環境庁26%、農水省19.9%、文科省11.4%、外務省13.6%である。庶民の生活実態を知らず、また配慮しない官僚と政治家がすべてを仕切っているからである。

 先日の本ブログにも指摘したが、近年青天井で増えつつある国家予算の中で、社会保障費の多い厚労省の32兆9千億円をトップに、以下総務省16兆8千億円、国交省6兆1千億円、文科省5兆9千億円の順である。次いで、防衛省が5兆5千億円もの多額の予算を要求している。今以て違憲の可能性が高い防衛関係費が、なし崩し的に増額支出され、いつの間にか国家予算の中枢を占めるほどの支出を行うことになっているのはおかしいと思う。このままにしておいて良いのだろうか。ここは1度国民的議論を戦わすべきではないだろうか。

 景気対策が行き詰まる中で、政府もあの手この手を振り絞って対策に当たっているが、今日発売の「週刊新潮」に、「GO TO TRAVEL」「GO TO EAT」の高笑いは二階自民党幹事長とJTBだけだと、国民に恩恵が及んでいない実態を皮肉っているようである。それでも今年7月まで景気は悪化と診断されていたが、8月に入り漸く輸出や生産業が回復して、景気下げ止まりの傾向が見えてきた。このままコロナが終息し、回復することを願うばかりである。

 この間経済不振で最も影響を受けたのが、観光業である。大小を問わず打撃を受けたが、大手企業でも航空会社の被害が甚大なようだ。国際線乗客がほとんどいなくなり、全日空では今年4~6月期の旅客数は前年同期と比べて国内線で89.8%減、国際線で96.3%減に陥り、純損益で過去最大となる1,088億円の赤字となる見通しである。人員解雇もそう簡単には出来ず、このままでは経営が成り立つまいと思っていたところ、会社側は組合に対して全社員の賃下げを提案した。

 それによると冬のボーナスを支給しないことと、すでに支給した夏のボーナス1.5か月分、それに若干の給与の下げを合わせると前年度に比較して約3割の減収になる。これを1万5千人の従業員に求めるという。他にも希望退職も募るという厳しい労働環境になった。給与の減額は20年ぶりだという。こういう実態をあまり国会を開かず国民のことを考えることもなく、黙って高給をいただいている国会議員は、どう思っているのだろうか。

 コロナでは日本中が暗い窮屈な空気に包まれている。コロナを軽視して元気を装っているのは、世界中でトランプ大統領ただひとりである。ワシントン・ポスト紙は「トランプ政権というのは傲慢で虚栄心の塊で無能の極み」とこき下ろしているが、こういう愚かな大統領の言動は当てにせず、我々庶民は1日も早いコロナ禍の終息を願うばかりである。

 それにしても今日は寒い。南方洋上に台風14号が発生して数日内に関東地方にも襲来するらしい。その影響もあるのだろうか、東京都内の今日の最高気温は15.5℃だった。11月中旬の気温である。寒いわけだ。

2020年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4895.2020年10月7日(水) 学術会議会員任命拒否と大統領コロナ感染

 現在国内外で大きな話題となっているのは、国内では日本学術会議の推薦会員候補者のうち6名が菅首相から任命されなかった点を巡り、学問の自由への侵害としてもめている問題である。他方海外では、アメリカ大統領選を1か月後に控えてトランプ大統領が2日に新型コロナウィルスに感染し直ちに軍医療施設に入院していたが、僅か3日後に退院して業務に復帰した常識外の行動である。

 前者は任命を拒否された6人が、近年政府の特定秘密保護法案、安保関連法案、共謀法案にそれぞれ反対していたことが理由と見られている。これに関して記者会見した菅首相は、任命拒否は適法としつつ、中曽根元首相が在任当時、推薦された学者をそのまま任命すると語った発言については、前例を踏襲して良いのかと考えたと語った。そのうえで任命拒否は学問の自由とはまったく関係ないと明言した。この強気の姿勢からするとこれからも広い分野で、人事への政府介入トラブルが発生するのではないかと懸念される。

 後者については、トランプ大統領の行動は無分別で非常識だという人が多い。普通コロナは発症後2週間目ごろに炎症が起き、重症化することが多い。トランプ大統領が高齢で肥満気味のため重症化のリスクが高く早期退院には疑問の声が上がっている。加えて大統領の退院のパフォーマンスが病人とは思えないほど派手なことだ。コロナを軽視してコロナ対策で散々評判を落した大統領が感染したことは誤算だった。それをコロナに打ち勝ったとPRしたくて車で支持者の前を走って拳を固めたり、医療施設からヘリでホワイトハウスへ降り立つと建物には自力で歩いて元気なポーズを見せたりして大統領らしいパフォーマンスを行っていた。

 しかし、ホワイトハウスの側近の間に18名もの感染者が出たり、入院して未承認の抗体治療薬を飲んだり、酸素濃度が2度も低下したり、24時間体制で医師団が待機して治療に当たっているが、医師団の言葉も今ひとつ煮え切らない。12日までこのまま行けば、最終的に安心できるとしているが、依然健康状態が懸念される。

 今度の大統領コロナ感染により、コロナの恐ろしさを改めて周知させることになり、これまでコロナ対策に本腰を入れなかったトランプ大統領は、選挙戦で益々不利な状況に追い込まれている。郵便投票を組み込んでいるので、最終的な選挙開票結果は11月3日の即日結果判明というわけには行かないが、いずれにしても1か月後には今後4年間の新大統領が決定していることだろう。

2020年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4894.2020年10月6日(火) ブログのアクセス急増に‘Google’より連絡

 今日唐突に ‘Google’から‘Your September Search performance for http://www.mr-kondoh.com/’として、‘Google Search Console’なるメッセージを送って来た。気になっていた9月15 日にアクセス急増のブログ・パフォーマンスについて、頼んだわけではなかったにも拘わらず、わざわざ追及した結果を知らせてくれたのである。すでに本ブログに書いたように、9月15日付「革共同の清水丈夫さん、半世紀ぶりに出現」のブログへのアクセスがその日あまりにも増えて、当初はその理由が分からなかった。当日朝日デジタルをはじめいくつかのメディアが長い間地下に潜伏していると思われていた高校ラグビー部の先輩・清水さんが、9月6日革共同、つまり「革命的共産主義者同盟」の集会に議長として半世紀ぶりに姿を見せ、講演したことをメディアが報道したのだ。アクセス数が伸びた原因は、その日の記事を目にした人たちが、Wikipediaの「清水丈夫」項目を見てその中に私の2つのブログを読んだからではないかと思ってはいた。普段は1日に160程度のアクセス数が、その日に限り3,300にも増えた。翌日クールダウンした点から推して、この日のNETでニュースを観た人がWikipediaを覗き、私のブログを発見し読んでくれたからだと理解した。

 実際今日送られてきた‘Google’メッセージは、9月のトップ・パフォーマンス・ページとしてWikipedia「清水丈夫」上のブログからのアクセスであると表示していた。それなりの評価をいただいたものと理解している。それまで閲覧されたブログのトップは、2013年9月30日に作家山崎豊子さんの盗作について書いたものだったが、それを2007年11月6日の清水さんに関するブログが圧倒した形で抜き去りトップにリストアップされることになった。因みに「山崎さんの盗作」は「64」という数値だったが、清水さんはそれを圧倒的に上回る「795」だった。

 意外だったのは、ブログのアクセスが日本で最も多いのは当然としても、2番目がアメリカで3番がタイだったことである。

 とにかくこれまで疑心暗鬼だったアクセス急増の原因が漸くGoogleを通して確認出来た。それにしてもひとりの個人が気まぐれに書いた文章が、公のブログとしてアップされると広い角度から鋭い目で注目されるということであり、改めてうっかりしたことは書けないと責任を感じている。偶々今回は60年安保闘争時に全学連書記長として安保反対闘争を仕切り、半世紀以上に亘って世間から姿を隠していた清水丈夫さんが、突然前触れもなく姿を現したという衝撃的な事態に、ラグビー部時代に清水さんを知っていた私が2007年に書いたブログがWikipediaに掲載され、多くの人がそれを読んでくれたことが、アクセス数急増につながった。これまで中国について批判めいたことを書くたびに、今回ほどの数字ではなかったにせよアクセス数が増えていたが、それほど気にも留めなかった。これからはいかなるテーマでも、よほど心して責任感を持って書かなければいけないと痛感した次第である。

2020年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4893.2020年10月5日(月) 教員海外教育視察団の思い出

 東京医療センターで白内障手術後3度目の検査をしてもらった。医療センターは幸い自宅から近いので、約束の朝9時前にはセンターへ着いた。ほんの徒歩20分足らずで着いて、帰りも歩いて帰って来た。

 執刀医師からは、術後の経過は順調というお話だった。3週間後にまた検査していただく予定である。術後は毎日3種の点眼薬を日に3度さしている。薬が少量になったので、医師に予備の薬の処方箋をお願いしたところ、減り方が少し早すぎると言われた。よくよく尋ねてみたら、これまで点眼量を知らずに目にこぼれんばかりにさしていたが、それでは多過ぎて反って目には良くなく、3度の点眼の都度3種の点眼薬をそれぞれ1滴ずつで充分だと言われた。しかし、こういうことは最初に言ってもらわないと誰だって困ると思う。

 私には縁も所縁もないが、お名前だけはよく知っていたファッションデザイナーの高田賢三さんが、昨日選りによって新型コロナウィルスに感染してパリの病院で亡くなられた。私より遥かに先輩だと思っていたところ意外にも1歳若かった。私もコロナには気を付けなければいけない。彼は、ブランド「ケンゾー」を立ち上げ、長年パリで活躍された。イダルゴ・パリ市長がツィッターで追悼の言葉を送り、フランスの主要紙が一斉に速報で伝えたというから日本人としては稀にみる大きな存在感だったことが判る。

 さて、閑話休題。これまで海外へ業務、プライベートを含めてかなり出かけているが、先日延べ日数にしたらどのくらいになるだろうかと友人と冗談半分に話していて、渡航回数が多いことと細かい日程などは記録がないので、分からないと応えた。だが、添乗員として同タイプのツアーに何度もでかけた一つのケースとして、旧文部省が主宰していた教員海外教育視察団がある。幸いこれは各団ともに文部省の決まりで各団が報告書を作成し、その1部をいただいたので、有難いことに訪問先や日時、団員もこの報告書を見れば昨日のことのように思い出すことができる。

 そこには視察団それぞれの懐かしい思い出が沁み込んでいる。離陸直前に搭乗機の機械部品に不備が見つかり、急遽滑走路から引き返し成田に1泊して1日遅れで出発したことがあった。また、ビートルズのジョン・レノンが暗殺された時、マルセイユで学校訪問中だったが、マルセイユでは号外も出て大騒ぎだった。オクラホマ州議事堂で州知事を表敬訪問したこともあった。アメリカ・ニュージャージー州では、パトカー先導でサイレンを鳴らしてニューヨーク郊外を走ったこともあり、東西冷戦下に東欧圏のブルガリア、ルーマニア、東ドイツ、チェコスロバキアなどの学校視察でマルクス経済学の授業を参観したこともあった。

 それら文部省派遣団体は、教員を主とする全国の教育関係者からなる30日間の長期団と、短期団と称する各都道府県単位の16日間の行程の2種類があり、1976年から1994年までの間に21団に添乗員としてお供した。長期団9団の他に、短期団では茨城5団を筆頭に、山梨2団、東京、埼玉、群馬、福井、兵庫の各1団を合せて12団である。旅行日数を数えてみたら、実に合計で462日に上る教育視察の旅だった。今指折り数えてみて、懐かしいこともさることながら、普通では訪れる機会がない学校をはじめ教育施設を見学させてもらったこと、同行した先生方との交流がとりわけ記憶として鮮明に残っている。どの視察団も帰国後毎年同窓会を行っていたが、今では参加者の間に寄る年波がやって来たこともあり僅か1団、1985年の兵庫県団だけが1年に1度の集まりを持っているに過ぎない。これら教育視察団では、普通の観光ツアーでは行けないような歴史のある地方都市を訪れることが出来た。懐かしくもあり、寂しくもある。振り返ってみるとみんな素晴らしい旅だった。この文部省団で自らも学ばせてもらい、有意義な旅だったと実感し、つくづく幸せだったと思っている。

2020年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4892.2020年10月4日(日) 拙著の表紙デザインほぼ固まる。

 近く上梓する拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の表紙デザインの修正案をイラストレーターから今朝送信してきた。手を入れたのはこれが3度目であるので、これでほぼ固まったと思っていたが、縦書きの裏表紙に著者名がない。これでは、書店本棚に展示した時に著者の名前が分からない。早速イラストレーターにあまりスペースがないが、工夫して著者名を表記するよう連絡したところ、幸いすぐに修正すると連絡があった。書名もやや長いが、サブ・タイトルはもっと長い。「超半世紀海外武者修行から若者とメディアへ」というものだ。

 さて、年々進む地球温暖化の影響で、南極の氷も解けだしているとはしばしばニュースで伝えられていたが、今日付の‘The Asahi Shimbun GLOBE’に、その影響は北極海にも現れているとして「氷消滅? 北極海からの警告」の記事があった。北極海からも氷がどんどん解けているようだ。

 実は、‘NATIONAL GEOGRAPHIC’9月号にもアメリカ・カナダ5大湖の最近の様子を報道した「五大湖 凍らない冬」との特集が掲載されている。シカゴでミシガン湖の畔を歩いたこともあるし、エリー湖畔のバッファローからナイアガラの滝を通りオンタリオ湖畔のトロントへ向かったこともある。ガイドさんから冬になると2つの湖はかなり結氷すると聞いてもいた。

 オンタリオ湖の平均気温が氷点下の日が、昨年までは平均75日だったのが、昨年の冬季は61日にまで減ったという。エリー湖も68日だったのが47日になり、ヒューロン湖なんか93日が64日になった。明らかに結氷の日が減っている。この現実を世界の科学者は、二酸化炭素排出による地球温暖化による影響があると言っているが、アメリカのトランプ大統領は科学的根拠もなく、それはないと言い、二酸化炭素排出を制限するパリ協定から一方的な離脱を宣言した。

 すでに南極や北極の氷解により、海面が上昇し、南太平洋の小さな島国では海面上昇による浸水により島が水没する危険性が指摘されている。人類の成長は科学の進歩につながり今後も続けられると期待されるが、人類の生存に弊害をもたらすようでは本末転倒であり、人類の叡智を絞って絶対その進行を止めるべきである。

 つい数日前新型コロナウィルスを軽視した挙句にコロナに感染したトランプ大統領こそ、科学軽視のしっぺ返しを受けたということだろう。コロナ禍が終息したら、地球温暖化対策にも各国は力を入れるべきである。

 今アメリカ大統領選でトランプ大統領は苦戦しているが、仮に苦境を脱して再選されたら、地球温暖化は一層進むことが懸念される。そうなれば、地球上から氷河は消え、海上から氷山はなくなるだろう。そういう殺風景な光景だけは見たくないと思っている。

2020年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4891.2020年10月3日(土) 年々肥大化する防衛費予算

 新型コロナウィルス対策に国をはじめ、各自治体が補助金を拠出しているが、先日財務省が公表した来年度一般会計予算の各省庁の概算要求額は、7年連続で百兆円を超えた。特に国の借金の返済に充てる国債費と防衛費がかなりの増額である。

 この中でとりわけ気になるのは、各省庁ともコロナ対策に備える点から予備費の計上が多いことと、防衛費の膨張である。特に、年々増額傾向の防衛費の要求は、ついに5.5兆円となり、かつて防衛費は国家予算総額の1%以内に抑える方針だったが、いつの間にやら青天井となった。自衛隊員が自然災害の都度災害自治体の支援要請により出動し、地域住民から感謝されているのは、今では国民一般に広く理解されているので、その点では感謝こそあれ反発はない。問題は憲法で軍備を持つことを禁じられているにも拘わらず、自衛隊の軍事整備品にかかる高額な経費である。最近はミサイル防衛関係費がかさんで、全体として防衛費を嵩上げしている。今年度に続き、来年度もロッキード社製ステルス戦闘機F35を6機購入する計画であるが、これが1機111億円という莫大な価格である。そこへ今年配備を取りやめたイージス・アショアの代替策が未定のため、それに金額を示さず「事項要求」などの術を使っている。

 一番の気がかりは、トランプ大統領の言いなりになって高い軍需品を購入させられていることと、駐留米軍の経費負担金の増額要求であり、これを安倍前首相は突っ張り切れなかったが、菅首相は両国が納得出来る負担経費で手を打つことが出来るとも思えない。

 アメリカの2019年度の国防予算は7,318億㌦(約80兆円)だったが、これでは苦しいからと海外の駐留経費を減額しようとして、結果的に駐留米軍が留まる国ではアメリカから負担増額の要求を突きつけられている。中国の今年度の国防予算は、アメリカに次いで多く、約2,611億㌦(約29兆円)である。因みに2019年度の世界各国の国防予算を探ってみると、1位のアメリカ、2位の中国の地位は揺るがず、この2カ国だけで世界の総国防費の半額を超える。3位以下は大分下がり、インド7.8兆円、ロシア7.1兆円、サウジアラビア6.8兆円、フランス5.5兆円、ドイツ5.4兆円、イギリス5.3兆円の順で、次いで日本が5.2兆円、そして日本の次に韓国が4.8兆円で続いている。日本が財政供出している国防費は世界の中でも9番目に多い。問題なのは、前記の通り日本は憲法上軍備を持たないと記されている。それに理由をこじつけながら自衛隊を抱え軍備を整えていること自体、明らかに憲法に違反している。その日本流こじつけの結果、憲法が認めない軍事費に世界でも9番目に多額の投入をしている。カナダやオーストラリアより遥かに多い国防費を支出しているのである。

 このまま防衛費の増額を野放しにして良いわけがない。これまでも憲法と自衛隊の関係について断片的な議論は交わされたが、国としてきちんとした結論を出していない。戦後75年が経過して戦争体験者が年々少なくなる時勢に、片手間ではない堅実な議論を行うべきではないかと思っている。

2020年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4890.2020年10月2日(金) トランプ大統領夫妻揃ってコロナ感染

 昨日の本ブログにアメリカ大統領選のテレビ討論会に対する日米メディアの厳しい反応を取り上げ、殊更トランプ大統領が対立候補の話に割り込んで自己主張する、ルールを守らない非常識さに呆れたと感想を書いた。そこへ今日そのトランプ大統領がメラニア夫人ともども新型コロナウィルス陽性が判明したとのニュースが入ってきた。元々トランプ大統領がコロナを軽視したせいで、今日アメリカが世界で最も感染者と死者が多い最悪の結果をもたらしたと言われている。大統領の集会に集まる支援者もほとんどマスクも着けていない。そのしっぺ返しのような形で当の大統領がコロナに感染してしまった。笑い話にもならない。これから益々激しくなるであろう選挙活動にも差支えが出て、あと1か月後に迫った投票に大きな影響が表れるのではないだろうか。

 さて、昨日菅首相は首相就任後最初のチョンボをやってしまった。日本学術会議が推薦した105名の新会員候補者のうち、政府は6名の学者を任命しなかった。推薦候補の任命拒否は、現制度になった2004年以来初めてのことである。日本学術会議は日本の科学・文化分野で最も権威のある学者提言機関で、日本学術会議法が制定されて会員は国家公務員の資格を有する。同法案には「会員は同会議の推薦に基づき、総理大臣が任命する」とあり、首相に任命権はあるものの選任出来る権利はなく、1983年11月の参議院文教委員会で政府は「学会から推薦されたものは拒否しない、形だけの任命をしていく、政府が干渉したり中傷したり、そういうものではない」と答弁している。それなら今回の任命拒否はどういうことになるのだろうか? この事態を野党も厳しく批判している。

 任命を拒否された6人は、国会内外でこれまで政府の安保関連法、沖縄・辺野古基地建設、改憲や特定秘密保護法、共謀罪の趣旨を含む改正組織犯罪処罰法などに強く反対を訴えた学者たちである。ここに拒否の理由がある。政府の方針に反対する学者は会員として認めないというなら、前記の政府の見解とどう帳尻を合わせるのだろうか。一昨日学術会議会長を退任した山極寿一・京都大学総長も学問の自由への介入だと言われても仕方がないと厳しく批判している。

 懸念されることは、国家、或いは政治家が気に入らなければ、学者の提言機関にまでも強引に介入してくることである。加藤官房長官の説明も「学問の自由の侵害には当たらない」との認識を示して突きっぱなしたが、とても納得できるものではない。任命しない理由を国民にもはっきり説明すべきである。

 このまま菅政権も安倍前首相の非民主化路線を継承して、極右への道を突き進んでいくのだろうか。菅首相の本性が如実に現れたというか、化けの皮が剥がれたと言うべきだろうか。

2020年10月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4889.2020年10月1日(木) 史上最低のアメリカ大統領選テレビ討論会

 昨夕から今日1日中メディアでは、昨日行われたアメリカ大統領選の2人の候補者、共和党のトランプ大統領と、民主党のバイデン前副大統領のテレビ討論に関する厳しいコメントが伝えられていた。

 これは日本のみならず、当のアメリカ国内でも史上最低の討論会と非難されたように、誰が見ても評価のしようもないほどお粗末な討論会だったと思う。アメリカ大統領選の討論会という大イベントがこれほどまでに劣化し、子供じみたものであるとは誰も予想出来なかったであろう。例えこれまでのトランプ大統領の言動から推して、トランプ・サイドにはその兆候があったにせよ、バイデン氏側には想定外の泥仕合に巻き込まれてしまったとの後悔の気持ちがあるのではないだろうか。流石にこれは酷いと思った主催団体は、残る後2度の討論会では進め方を検討し、新措置を講じると表明した。

 とにかくアメリカのメディアからは、「敗北者はアメリカ国民」との声が出るほど酷かった。冒頭からバイデン氏の発言の最中に大統領が度々口を挟み、これにいら立ったバイデン氏が「黙ってくれ!大統領らしくない振る舞いだ」と言い、それでも大統領が割って入ると司会者が「STOP!」と声を荒げる場面もしばしばあった。大統領がバイデン氏を指して「過激左翼」とか、「頭が切れるようなところがない」などと言うと、バイデン氏が大統領を「人種差別主義者」「プーチンの子犬」「史上最低の大統領」とイタチごっこのように罵り合う次元の低いシーンが展開された。これほど世界が注目している中で、お互い功成り名遂げた相手に対して罵り合う構図は想像も出来ないものであり、1960年に初めて行われたケネディ氏とニクソン氏の討論会とは雲泥の差だった。

 案の定CNNテレビのキャスターは、「最早討論会ではない。恥をさらしただけで、今晩はアメリカ国民の敗北だ」と吐き捨てた。ニューヨーク・タイムズは「90分間の混沌としたやり取りで、現代のアメリカ政治では前例のないレベルの辛辣な侮辱を互いが示した」と指摘した。CBSテレビの世論調査では、勝者をバイデン氏としたのは48%で、大統領の41%を少し上回っただけだったが、CNNニュースではバイデン氏60%に対して大統領はほんの28%だった。討論会の感想についてはあまりの罵り合いに「腹が立った」と答えた人が、実に69%にも上がった。朝日夕刊の「素粒子」に「ジョークでもヤラセでもなく。アメリカ民主主義の劣化を、リアルに可視化した中傷合戦」と皮肉っていた。

 仮に日本でこのような事態が想定されたら、日本人としてはとても恥ずかしくて世界に顔向け出来ない。海外にも今後出かけにくくなるのではないかと感じるほど恥ずかしい印象を抱いた。

 アメリカ人とは民主主義をアピールする国らしくもう少し理性的で、公平で他人の意見や考えに耳を傾ける人たちだと思っていたが、反対されようが、止められようが、何が何でも自分の意見を強く主張するという利己主義と、我が儘を身体いっぱいに詰め込んだトランプ大統領を筆頭に相当我が儘な国民であるということが残念ながら少し分った気がする。あと2度のテレビ討論会では、もう少し真面目に議論を尽くして欲しいものである。

 さて、今日びっくりしたのは東京証券取引所が、9時の取引開始前から機器の故障からシステムに障害が生じたとして終日全銘柄の売買を停止したことである。同じシステムを使用する名古屋、福岡、札幌の各取引所も終日停止した。システムの異なる大坂取引所だけが通常通り取引を実施した。こんなことは初めてである。

 皮肉にも今夜は暦の上で「中秋の名月」の一夜である。今朝がたは曇っていたが、午後から空が明るくなり、夜になって2階のベランダに出て夜空を眺めてみると見事な円いお月さまが見えた。正に中秋の名月であり、芭蕉の2つの名句がふっと浮かんだ。

   「名月や 池をめぐりて 夜もすがら」

   「秋深き 隣は何を する人ぞ」

2020年10月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4888.2020年9月30日(水) アメリカ大統領選テレビ討論会始まる。

 上半期の最後の日、決算日である。1964年の9月から69年まで期末になると経理部門で帳簿とにらめっこをしていた。その頃はパソコンもなく毎日夜遅くなるまでソロバンを手に数字合わせをしながら残業していたものである。会社を出てから自宅へ帰り着くまで1時間半以上もかかったので、時には終電に間に合わず、近くの旅館に泊まったこともしばしばだった。厳しい時代だったが、今思い出すと妙に懐かしい。

 さて、昨日死者が百万人を超えた新型コロナウィルスは、今年1月に中国武漢市で最初の死者が出てから僅か9か月の間に、かくも多くの尊い生命が奪われたことから、21世紀に入って突出した人類史上の大事変と考えられている。かつて、疫病が流行して時代の人びとを恐れさせたことはあるが、今年のコロナほど急速に流行して人間の生命を奪い去る事象には、恐怖感を覚える。14世紀のペストでは5千万人以上、16世紀に流行った天然痘では5千6百万人が命を落としたという。更に、20世紀初頭のスペイン風邪の流行では、5千万人以上が亡くなった。その犠牲者の数は、第1次世界大戦の2千万人、第2次大戦の6~8千万人にも匹敵、否それ以上である。

 それにしても過去の大災難に比べて、科学も医学も急速に進歩した現代において、なぜこのようにウィルスの侵入を防ぎ根絶することが出来ないのだろうか。これは人間が生きて行くうえで一番大切な分野に、資金も研究も投資されていないからではないだろうか。宇宙開発、核開発など切羽詰まって必要とは見られていなかったり、人類を滅亡させる可能性の高い分野に国家の面子を賭けお互いに競合していながら、肝心要の生命尊重・維持に関しては、各国が真剣に考えていないということである。皮肉にも現在核を保有している国々は、現実にもコロナ犠牲者の数が多い。感染者数、死者ともにトップのアメリカをはじめ、インド、ロシア、フランス、イギリス、中国等を見れば分る。今年中には根絶するのは難しいと見られているが、もし終息したら今度こそ各国が真剣に今後の医療制度と対策について共通の理解を持ち、力を合わせて立ち向かうよう強く望みたい。

 ところで、日本時間の今日アメリカ・クリーブランド市で共和党トランプ大統領と民主党バイデン前副大統領によるアメリカ大統領選・テレビ討論会が行われ、全米、また世界中に中継された。これまでにないほど両候補者の非難合戦となり、次元の低い論戦に終始した。バイデン氏がトランプ氏を史上最悪の大統領と正面切って罵倒するや、トランプ氏は再三バイデン氏の発言を遮って司会者から度々注意されながらも無視する強引さに、これまでにない後味の悪さが残る子供じみた討論会となった。多くの人びとが観ているのだから、もう少し2人とも冷静になれないものだろうか。こんな調子では、真面な大統領が生まれっこない。

 冒頭司会者からテーマとして①お互いの過去の言動、②最高裁判事の指名、③新型コロナ、④経済、⑤人種問題と暴力、⑥不正のない選挙、などが示された。しかし、興奮した両人はわが道を往く有様だった。市民からはどちらも勝者ではないとの声が多かった。しかし、これは2人の大統領候補者だけがいけないのではなく、この2人をトップの座を争う地位にまで押し上げた「アメリカ第1主義」的アメリカ社会とアメリカ国民の考え方に問題があると思う。来月マイアミ(フロリダ州)とナッシュビル(テネシー州)でも行われるが、この次元の低いテレビ討論会が繰り返されるのだろうか。アメリカの未来が改めて心配になった。

2020年9月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4887.2020年9月29日(火) コロナの感染死者百万人に

 世界中に猛威を振るっている新型コロナウィルスの死者の数が、今日ついに百万人に達した。感染者は実に3千3百万人を超えている。この勢いは一向に衰えを見せる様子がない。世界中から1日も早い開発が望まれているワクチンは、まだ臨床実験段階で現実化していない。世界の景気を冷えさせ、多くの人びとを不幸に陥れている病原体を根絶しない内は、心から気持ちを休めることが出来ない。下手をすると我々高齢者は、このままコロナ禍の中に人生を全うすることになってしまうのだろうかと浮かぬ気持ちにさせられる。1日も早いワクチンの開発が期待される。

 さて、近年若者たちが間違った日本語をよく使うと話題になることがある。若者に限らず、多くの日本人がその穴にはまり込んでいる。自分自身も間違えて使っている日本語がかなりあるので、あまり批判がましいことは言えない。

 特に最近「メチャクチャ」という言い方が、良い意味で使われることが多く煙に巻かれることがある。「メチャクチャ」と言えば、ずばりメチャクチャでダメだと言う風に思っている。ところが昨今はそうばかりも言えないようだ。「メチャ好い」は「すごく好い」という使い方で若者たちが話しているからだ。

 今朝の朝日新聞「天声人語」にも困惑するような表現の例がいくつか紹介されていた。「全然大丈夫」という表現を例に挙げている。「全然」は否定形につく言葉だと考えられているが、言語学者の言によると「全然+肯定」の用法は江戸時代から使われ、明治になっても珍しくなかったという。知らなかったが、漱石の「坊ちゃん」にも「全然悪るいです」の台詞が出て来ると解説している。

 間違って使われている言葉のリストに「敷居が高い」が載っている。これは、普通「高級過ぎたり上品過ぎて入り難い」という風に考えられがちだが、実は「相手に不義理などをして行き難い」というのが正しいらしい。もっと驚いたのは「元旦」の正しい意味である。元旦と言えば、1月1日の24時間だと思っていたところ、元日の夜明けから明け方までの時間帯を表す言葉のようで、1月1日の日中や、夜は「元旦」とは呼ばないとは初めて知った。どうにも信じ難く思って手元の「大辞林」を引いてみたところ「元旦」とは「1月1日の朝、元日の朝」と書かれていた。やはり「元旦とは1月1日の朝」が正当なのだ。他にも「微妙」「姑息」「甘党」などの意味を知って唖然とした。それらは、順次「趣深くなんとも言えない美しさがある様子」「一時しのぎ」「甘いものより酒好き」というのが正しい意味だそうだ。いずれも本当だろうかと首を傾げる。よく使われる「甘党」なんかは「辛いものは苦手でその代わり甘いものには目がない」という風にこれまで考えていたが、完全に間違っていたようだ。「複雑骨折」や、「割愛」なども普通に使われている用法は、本来の意味とは大分かけ離れている。

 また、よく使われる言葉に「檄を飛ばす」という言い方があるが、これは一般的に使われる「激励する」という意味ではなく、「自らの主張を強く訴える」ということだそうだから、誤解されやすい。「情けは人の為ならず」という文言があるが、これも通常理解されている「他人に甘い情けをかけると、本人のためにならない」ではなく、「人に情けをかけると、巡り巡って自分に返ってくる」という意味で、むしろ他人に情けをかければ、回りまわって自分に還元されるという具合に、情けをかけると自分が得することになる。通常使われている言葉の逆の意味であることが判る。よくよく考えてから使うよう気を付けたいと思う。 

2020年9月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com