4956.2020年12月7日(月) 親しかった友がまたひとり旅立った。

 今日友人の訃報をご家族から受け取った。在籍した3番目の中学、京都市立上桂中学時代の友・穴田弘くんが5月に亡くなった。彼は同じクラスの仲良しグループ5人の中のひとりだった。4人のうち、すでにひとり亡くなっているので、残った友は2人になってしまった。穴田くんとの想い出は随分ある。3年生時の1年間だけしか在学しなかった中学であるが、よく学びよく遊んだ。卒業直前に父が東京へ転勤となり湘南・鵠沼へ引っ越すことになった。卒業直後の春休みに大阪で大相撲春場所があり、彼と2度も大阪府立体育館へ相撲を観戦に行った。特に千秋楽に大関三根山が優勝を飾り、祝賀パレードに付いていき三根山と握手を交わして嬉しかったことが思い出される。

 藤沢市鵠沼へ転居した高校時代には、神奈川県で国体が開催され友人は京都代表・京都府立西京高校バレー部員として藤沢へやって来た。授業の合間を縫って試合会場へ西京高の応援に出かけたことも懐かしい。

 昨年中学を卒業して65周年の学年同窓会で、5年ぶりに会った時、元気がなくガンで余命は幾ばくも無いと寂しいことを言っていたが、それが正夢になってしまった。

 それにしても今年は友人の永眠を知らせる訃報がちょっと多いような気がしている。先日も高校の同級生が亡くなった。10月には高校ラグビー部の1年後輩でともに試合で戦った友人が旅立った。彼は大学も同じで、会社も業種は異なるが同じグループで、普段から親しかっただけに余計寂しい気持ちである。

 人の一生は、いつか終わりが来る。それは頭では分かっているが、どうしても気持ちでは割り切れない。私も今や82歳で政府から後期高齢者として医療費負担を倍増されようとしている年代である。だが、高齢者だからと言って、静かにじっとしているのは、新型コロナウィルスの影響下の現在ならやむを得ないが、そうでないなら、やはり前向きに歩きたい。幸い文章を書くことと、読書が大きな励みでもあり、その点でこれからも気を落すことなく目標を持ってやっていきたいと思っている。

 さて、コロナ禍が世界中を席巻しているが、ファイザー社のワクチンがいよいよイギリスで接種されることが決まった。まだ、完全にその効果の実証が確実になされたわけではないが、それでも日本の医師は極力接種を勧めている。イギリスでは、高齢者から順次接種を行うようだが、その最初に何とエリザベス女王とフィリップ殿下が対象となっている。女王94歳、殿下99歳である。イギリス国民の3割が接種を希望しないとの世論もあり、その抵抗感を振り払いたいからだとの噂もあるが、そうだとするなら女王夫妻はまるでピエロである。ましてや相当なご高齢で今更ワクチン接種が必要なのか疑問に思うところである。

 日本でもワクチンが接種可能となったら高齢者を優先的に扱うとの国の方針のようだが、私ら夫婦の場合は、やはりコロナが怖いので進んで接種を受ける心構えである。それにしてもコロナ風は益々猛威を振るい、アメリカでは最近5日間で105万人が感染し、日本でも医療崩壊が一歩手前までに迫って北海道をはじめ、各自治体が自衛隊医院に応援を要請している現状である。あ~ぁ、いつまでこんな辛気臭い空気が続くことだろうか。

2020年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4955. 2020年12月6日(日) 「いま判った!」出版の難しさ

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の出版が迫っているが、中々思い通りに行かないものだ。その最たるものは、新聞記事、昔の流行り歌の歌詞コピーの許諾である。これで大分時間を費やしてしまった。発行は当初10月末日を予定していたが、それが11月末日となり、今月半ばを予定している有様である。ここで今まで知らなかったことを知った。書籍の裏表紙に定価や出版社名とともに書かれている発行日が、1か月、また2か月先になるのは出版業界では当たり前なのだそうだ。地図も難しい。写真は幸い私自身が現地で撮ったものを使うのだが、スエズ運河なんかは面白い体験をしたので、ストーリーとしては興味深いのだが、生憎スエズ市が戒厳令下にあったため写真は1枚も撮れなかった。あと出版社と原稿校正、及び組版チェックのやり取りで、今の計画通り中旬には世に出したいと思っている。それにしても自著としては、5冊目だが、1冊の本を世に出すことの難しさを改めて知った。幸い拙著には、冒険作家の椎名誠氏が面白いと言って下さり、表紙帯に推薦文を書いていただいた。販促効果が上がることを期待したいと取らぬ狸の皮算用をしている。

 その拙著の中でロヒンギャ民族について1項目を設けて、そもそも難民が生まれた原因と現状、そして旧インド領バングラデッシュとミヤンマーを植民地化していたイギリスの宗主国としての責任を追及した。実際イギリスの「分割統治」という不条理な植民地政策により、現在ロヒンギャが住んでいる南東部のコックスバザールから3年前にミヤンマー政府によって追放されるまで住んでいたミヤンマー・ラカイン州へ強制移住させたことが、問題の発端である。それをイギリス政府が知らぬ顔をし、国連も敢えてイギリスの責任を追及するでもなく、ミヤンマー政府の責任を追及するばかりである。そこへメディアがイギリスに同調するような立場で報道している。それらの点が気持ちとしては許しがたく私なりに厳しくイギリスの植民地政策を暴き、その罪と責任を追及したつもりである。少しでも多くの読者に実態を理解してもらえるなら嬉しいことである。

 今日の朝日朝刊に依れば、バングラデッシュ政府は、コックスバザール難民キャンプにいたロヒンギャ族をバシャンジャールという小さな島へ強制移住させた。その島は過去に豪雨や高波に見舞われたこともあり、今後水没する危険性もあるようだ。バングラデッシュ政府にしてみれば、ロヒンギャ族を厄介者とみて島流しにしたと思われる可能性がある。先祖がミヤンマーへ強制移住させられ、3年前にそのミヤンマーを追われ、今また自国政府の心ない施策により無人島へ追いやられるとはロヒンギャ族はあまりにも気の毒である。派手に難民の救済などが訴えられているが、それとは異なり大勢のロヒンギャ難民が見捨てられているのだ。

2020年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4954.2020年12月5日(土) 75歳以上高齢者の医療費負担増額?

 このところ医療のお世話になる機会が多いせいもあり、昨今75歳以上の医療費値上げ問題がちょっと気になっている。われわれ75歳以上の高齢者の医療費負担は現在1割だが、それを一気に2割、割合で言えば倍増である。確かに若い人が少なくなり、彼らの将来的負担を考えると、そろそろ何らかの手を打たないと健康保険制度自体が揺らぐことになる。

 私自身は1割負担の恩恵を受けているので、心苦しいところであるが、ある程度負担が増えるのはやむを得ないと思っている。ただ、アメリカでは健康保険制度が充分でなく、しばしば問題になっている中で、日本の医療制度は海外でも高い評価を受け、模範的な制度でもあるので制度の根幹を壊すようなことは避けて欲しいと思う。現在は健康保険制度自体が赤字に陥っているようだが、これまで手を付けられないできた。ここへ来て新型コロナウィルス感染拡大により、医療費が相当増えることがはっきりしてこのまま見過ごすわけには行かなくなったことは理解できる。 

 ただ、政治家はすぐ忘れがちであるが、2年前に消費税を8%から2%値上げして、10%に決めた時の理由づけは、医療費負担を含む社会保障費が持ち堪えられないので、値上げ分は社会保障費に充当すると明確に述べていた。当然医療費の不足分は相当分消費税によって賄われるような筋書きになっていた。それが、昨年辺りから早くも高齢者医療費が話題に上がるようになった。どうして実施された消費税値上げ分が、約束通り医療費へ回されないのか。

 その説明がまったくなされていない。そして有無を言わせず、1割負担では軽そうだからと強引に75歳以上の高齢者に2割負担を押し付けるのは、少々理不尽ではないだろうか。

 国会議員は、この議論を尽くす前に第203回臨時国会は今日閉会となった。野党はコロナ対策もあり、会期延長を求めたが、政府にはその気はないらしい。政府・自民党は8日の閣議で高齢者医療費の負担増額を決定したい腹のようだ。ただ、与党内でも自民党と公明党との間で若干意見の食い違いがあるらしい。公明党としては出来るだけ高齢者に負担をかけないよう単身の年金収入が240万円以上としているのに対して、自民党は多くの高齢者に負担してもらいたいと単身年金収入170万円以上を譲らない。

 こうして気楽な国会議員は内外ともに多事の中を、冬休みに入ることになる。日本の国会議員は世界で最も報酬の高い給与をいただいて、それほど働かなくとも所得を得ることが出来る。恵まれない人たちが多い中で、恵まれた幸せな人たちである。彼らにとっては医療費なんて普段の生活上はあまり真剣に考えたことがないのだろう。

2020年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4953.2020年12月4日(金) ふと気づいた身体の異常

 この数日来右手の薬指と小指の付け根の辺りが、起床とともに小さな痛みとしびれるような感触を覚えて、今朝かかかりつけの松本整形外科医院で診てもらった。先日下肢静脈瘤手術を終えた後の健診の際、担当医に手術と関係がないかと尋ねたら、まず関連性はないとのことだった。今日の整形医も無関係だと思うが、毎日指の周辺のストレッチをやった方が良いとアドバイスをいただいた。

 まったくおかしな痛みで、夕刻になるとほとんど痛みが消える。それが明け方から痛み出すので、困ったものだが、医師が言うようにこれからは毎日ストレッチとして指を揉んでみようと思っている。

 それにもうひとつ不思議なことは、今朝洗顔しようと鏡を見て右胸の上に血の塊のような2㎝ほどの赤い斑点のような跡が着いている。内出血のようだが、昨日まではまったくなかった。これも整形外科医に尋ねたら、すぐ皮膚科で診てもらった方が良いとのご託宣だったので、すぐ近くの皮膚科医院へ電話して駆け付けた。結論から言えば、皮下出血ということで数週間このままにしておけば、赤色が黄色になって自然消滅するでしょうとのお話だった。もし、異常が見られるならまた来診されるようにということで、特別な処方とか、薬をいただくことはなかった。

 2つとも考えてもいなかったことで、特別自分の身体に無理をしたとか、無茶をやって傷つけたということではない。これもやはり加齢のせいではないかと思う。段々自分の年齢を考える機会が増してきているとつくづく思う。

 すると、午後になって選りによって生命保険会社から、万一の場合保険金の指定受取人の追加が出来るので、希望するかどうかと聞いてきた。先日郵送されてきた書類を見て長男を指定したところだが、どうもタイミングが良すぎる、パッとしない話だ。

 それはともかく平素の健康管理だけは、しっかりやる必要があるとは思っている。その点では、2月に糖尿病と診断されてから食事やその他の食べ物について、随分気を遣うようになった。毎日欠かさずウォーキングを行うようになった。そのせいもあるが、糖尿病のヘモグロビン数値も安定してきたし、体重がかつてより8~9㎏も減り、変動がない。やはり自分で健康に気を付けて間食を避け、食事量、カロリーなどに注意を払わないと止めどもなく不健康体になってしまう。精々自分の身は、自分で守るくらいの気持ちがないと、身体は劣化していくことが何となく分かった。

 アフガニスタンでボランティア活動を行っていた医師の中村哲さんが亡くなられて今日でちょうど1年になる。今もアフガニスタンでは多くの人びとから敬愛されている。実に惜しい方を喪ったものだ。今日はアフガニスタン政府主催の合同追悼式が行われる予定だったそうだが、テロリストによるテロが予想されるということから中止になった。アメリカ軍が撤退してから治安が不安になり、アルカイーダが暗躍しだして国内は大分危険な状態になった。中村さんが生きていたらどう思うだろうか。しかし、中村さんをよく知る人々の間では慰霊の儀式が行われたという。

2020年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4952.2020年12月3日(木) 元旦の母校ラグビー祭例年通り開催

 毎年正月元旦に母校湘南高校ラグビー部OB会は、恒例で湘南ラグビー祭と称してもう長い間現役部員や保護者ともども母校グランドと、その後懇親会というか現役部員激励会を兼ねて食事会を行っている。来年はラグビー部が誕生してちょうど70周年とい節目の年でもあり、新型コロナウィルス禍ではあるが、簡単に中止というわけにも行かず、どうするか気になっていたところ今日OB会長名で少し形を変えて実施すると案内状をもらった。

 これまで室内で行っていた懇親会は、現役を励ます会ということにしてグランドで行うことに決定したという。コロナが気にはなるが、母校はまた創立百周年記念となるダブル祝典の年でもある。私も寄稿したラグビー部創部70年記念誌も発行される。今年も現役部員は県ベスト8を目指していて1回戦は完勝した。しかし、2回戦で負けてしまった。それでも来シーズンへ向けた意気込みは、相当激しいので期待したいと思う。

 現在発行が予定より少々遅れているが、正月には間に合うので新著「八十冒険爺の言いたい放題」を何冊か差し上げようとも思っている。僭越だが、若い人が読んでもかなり面白いと思うし、サブ・タイトルに「~若者とメディアへ」と銘打っているので、「ジャンケンポン! 最初はグー~」でもやって賑わいの場を作っても好いと思っている。生憎昨年免許証を返納し車も処分したので、移動には不自由を感じる。今年は電車で出かけたが、来年も電車で行くことになる。

 さて、近年危惧されている香港の民主化が、コロナ禍の影響とアメリカ大統領選挙のざわつきの間隙を縫って中国の思う壺となってやられている。先月身柄を拘束されていた民主派活動家のリーダーだった黄之鋒氏と周庭さんが、昨日無許可のデモを組織した罪でそれぞれ禁固の実刑判決を言い渡された。特に昨日24歳になったばかりの女性活動家周さんは、日本語も手慣れたもので日本にもファンが多い。周さんは禁固10か月の実刑であるが、初めての収監に心細そうだった。

 去る6月に中国全人代が香港国家安全維持法案を可決して、これまで香港における「1国2制度」が有名無実化されるようになり、香港への圧力が高まり、香港の民主化が懸念されていた。トランプ大統領が再選されていれば、中国政府に対して相当の圧力を加えたと想像されるが、アメリカ政界は選挙後のドタバタでそれどころではない。香港の旧宗主国だったイギリスをはじめ、先進国が中国を非難しているが、中国はいつも通り国内干渉と呟きどこ吹く風と知らぬ顔である。

 心配されるのは、香港の自治が習近平・帝国主義国家によって冒され、香港で「言論の自由」が失われることである。今の中国のやりたい放題の姿勢では、香港の自由と民主化が埋没してしまう。かつてのソ連が、崩壊したように今は中国国家の自然崩壊を待つより仕方がないとするなら、あまりにも夢がない。来年1月にアメリカ新大統領が就任したら、少しは中国に対して圧力をかけてくれるだろうか。

2020年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4951.2020年12月2日(水) 「65歳以上の高齢者と基礎疾患のある人」

 新型コロナウィルスの感染拡大は留まるところを知らない勢いである。昨日菅首相と小池都知事が話し合いの末、東京都が「GO TO TRAVEL」について都内発着分の利用を65歳以上の人と基礎疾患のある人に対して一時自粛するよう要請することになった。

 当初は経済効果があるとして高い評価をされた「GO TO TRAVEL」も、最近の第3波の拡大感染により、このまま継続する是非が話題になってきた。確かに体力的に弱い高齢者は外出しない方が安全である。ただ、若者だって感染する可能性があるわけだから、一律に高齢者だけを対象にするのはどうだろうか。困るのは、若者が外出を許されたことを幸いとばかり外出回数が増えることだ。そして若者が感染して家で同居している高齢者に感染させたら意味を成さないという人も多い。やるなら同じ条件で老若男女の区別をしない方が良いのではないかという声がある。夜になって政府は来年1月までとされていた「GO TO TRAVEL」を来年6月まで延期すると公表した。やはり経済効果を考えて今すぐに止めるわけにいかず、政府としては苦渋の決断をしたのだろう。実際菅首相就任以来最も評価の高い政策が、コロナ対策だそうだが、「GO TO TRAVEL」については7割が賛同しているという。

 私も82歳であり65歳以上に該当し、基礎疾患も回復途上とは言え糖尿病患者なので、完全に対象者ということになる。気持ちのうえでは健康体だと思っているが、窮屈な世の中になったものである。

 今年の「流行語大賞」に「3密」が選ばれた。これもコロナの成せる業と言ったらよいのだろうか。昨年の同賞はラグビー・ワールドカップで初めてベスト8入りの活躍をして、ラグビー・ブームを巻き起こしたラグビー日本代表チームが合言葉として確認し合っていた「ワンチーム」だった。随分イメージが変わったものだ。

2020年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4950.2020年12月1日(火) 近鉄グループが火の車

 師走に入ったらやはり一段と寒くなったような気がする。寒くなったのは陽気ばかりではない。新型コロナウィルスによる今日の死者は41人、重症者493人の数は過去最多となった。今日菅首相と小池都知事が会談して、知事は「GO TO TRAVEL」に就いて停止を求めたようだが、首相は譲らず結局65歳以上の高齢者と基礎疾患がある人に自粛を要請するという結論になった。

 一方で、企業もコロナの影響を受け散々である。特に、飲食店業界が痛いパンチを食らっている。そこへ各自治体から深夜の営業自粛を要望されて青息吐息のようだ。観光に関しても、旅行すること自体が覚めた目で見られるようになった。当然観光業、特にそれを采配する旅行業にとって厳しいものとなっている。

 先月21日の本ブログに「過去最多のコロナ感染者と旅行会社への打撃」として、JTBを中心に、HISと近畿日本ツーリストの実情を取り上げたが、今日郵送されてきた月刊誌「選択」12月号を見ると「近鉄グループHD」の見出しに「『赤字膨張』で崩壊の瀬戸際」の副題が添えられて近鉄グループの営業実態について書かれている。これほど近鉄が鉄道業を主に追い詰められているとは寡聞にして知らなかった。JTBが上期決算で対前年国内旅行▲85%、海外旅行▲90.8%となり、来年度までに従業員を全体の6割に当たる約6,500人も削減する方針を打ち出したことが、旅行業界にショックを与えている。

 近畿日本ツーリストの実態は、JTBより大分深刻らしい。それは、親会社の近畿日本鉄道は私鉄業界の中でもトップクラスだったが、今年は最悪の決算となりそうで子会社はそのトバッチリを受けたせいもあるようだ。過日ある情報で近鉄が鉄道運賃の値上げを口にしたと知ったが、「選択」誌によれば、先日の決算発表の場で近鉄が運賃値上げに言及したことは事実のようである。しかし、各私鉄とも厳しい経営環境にありながら、どこも値上げに触れる私鉄はなかったという。それほど近鉄グループは、親会社である近鉄自体が経営悪化に苦しんでいるらしい。運輸事業は下期も回復の見込みがないと見られている。近鉄の子会社としてその恩恵を受けている近畿日本ツーリストが、親会社の経営が悪化しては、この先立ち直れるのか気になる。売上高は2018年度4,118億円だったが、今年度の予測では、1,400億円に沈む。問題の営業利益が、2017年度32億円だったが、今年度は▲250億円という大幅な赤字だから相当厳しい。海外パッケージの老舗「ホリディ」も市場から撤退するというから、ひところの羽振りの良さを知っている私には寂しい気がしている。

 とにかくコロナを1日も早く終息させることが先決であるが、いつまでも現状が続くようだと事業としての観光業は、消えてしまうのではないかと心配である。

2020年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4949.2020年11月30日(月) コロナの渦中に真子さまのご結婚を認める?

 明日師走を迎える。今日は全国各地で今季最低気温のところが多い。東京の最高気温は15℃だった。

 相変わらず新型コロナウィルスの感染は全国的に拡大して、それに伴って重症患者も増え、大都市のみならず各地で医療崩壊が心配されている。更に経費がかかることも懸念材料である。政府は、「GO TOキャンペーン」の実施と一部中止などにより、新たな追加予算を必要としている。これまで感染症支援対策として各種の補助金、助成金、給付金などを支出してきたが、この他に特別貸付金など資金の供出が必要となった。政府も追加で臨時予算を組むことになり国から給付金を支出することに反対の声は出ない。この緊急事態に臨時支出をすることに当たって考えなければならないことは、この一時的な支出が先送りされて国家の借金となることである。

 これまでも国会議員は、支出には寛容でありながら、これを埋め合わせる財政改革の気持ちが希薄で、借金は増えるばかりだった。それは普段の国家の予算決定に際しても、赤字予算を組み借金を増やしながら、その借金を削減しようとの姿勢が国会議員の間に見られないことでも分かる。緊急事態に際して懐は緩み支出は許されるが、それを取り戻すことに政治家たちは気にも留めていないようだ。こうしてこれまでも日本の国庫には借入証書ばかりが溜まった。いつまで国家財政に対してこんな安易な感覚で取り組もうとしているのだろうか。

 こんな時にまた国の臨時支出問題が公表された。コロナの影響で1年順延されることになった2020東京オリンピックとパラリンピックの、それに伴う追加費用がバカにならないようだ。延期自体に付随する目に見えない費用として、競技会場や練習施設の追加費用、人件費、選手村の二重払いのような支出、選手村を払い下げる予定で入居する家族連れ、その関連費用が相当な金額に上る。表面上はっきりした追加経費だけでも、コロナ対策費を含めて3千億円だというから大変である。当初の予算では開催費用は1兆3千5百億円だったのに加えて前記費用が加算される。これだけ見ても仮に来年オリンピックが再び延期されるようなことになったら、恐らく中止という残念な結論を選ぶことだろう。

 さて、秋篠宮さまの長女真子さまの結婚を秋篠宮さまが、記者会見で認めると発言された。真子さまと婚約者小室圭さんとの結婚が遅れて、破談も噂されていたが、秋篠宮さまが皇室継承順位1位の皇嗣となる立皇嗣の礼も滞りなく終わり、今日55歳の誕生日を迎えるに先立って前記のような発言となった。3年前に婚約を披露され、お2人は仲睦まじく会見をされたが、その後小室さんの母親に芳しくないプライバシーが表面化して、一時的にご結婚はペンディング状態にあった。小室さんは、真子さまと別れてニューヨークの大学で弁護士資格獲得を目指し勉学中である。しかし、2人の絆は強く、周囲の反対の声を抑えて愛を育んでこられた。婚約を発表されてからすでに3年が経ち、ご両親の秋篠宮ご夫妻も娘さんの気持ちを忍び難かったのではないだろうか。いずれ正式に発表されると思うが、お2人の愛情の強さには感動すら覚える。国民も歓迎すると思う。祝典の朗報を楽しみに待ちたいと思う。

2020年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4948.2020年11月29日(日) 「貧乏物語」を著した河上肇を想う。

 いま元外務省主任分析官だった作家佐藤優の新書版「貧乏物語 現代語訳」を読み始めたところである。「貧乏物語」と言えば、言わずと知れた戦前のマルクス経済学者・河上肇の名著である。冒頭佐藤の解説の中に河上の経歴を述べた後に「収監中に河上は自らの共産党活動を敗北と統括し、今後共産主義運動とはまったく関係を断つとの転向声明を公表した」と述べている。河上が1933年に思想犯として特高に検挙され、その後豊多摩、市ヶ谷、小菅刑務所に服役中に心境に変化が見られたことを記している。だが、この「転向」声明は間違っている。河上は「転向」しなかった。「没落宣言」をしてその時点から姿を消すように沈黙すると決めたのである。

 「転向」とはこれまで辿って来た道の方向を転換することであり、思想的には、転向というよりむしろ逆向というか、反対思想に取り込まれることだ。事実「大辞林」を紐解けば、「思想的政治的立場・信念を変えること。特に、社会主義者・共産主義者が弾圧によってその立場を放棄し、他の立場に転換すること」と書かれている。河上は立場を放棄したのでもなく、他の立場に転換したのでもない。ただ、厳しい弾圧に疲れ果てそのまま自らその場所で自身を埋没しようとしたのである。実際河上はこの「転向」と見られることをひどく嫌った。正式な共産党員としては、共産主義に刃を向けるような「転向」は最も嫌がった筈である。公安からは「転向」を迫られ精神的に逃げ場を失った河上は、そのどちらにも属さず、身を潜める「没落」という逃げ道に逃げ込んだのだ。従って河上は「転向」声明ではなく、「没落宣言」をしたのだ。河上はこの「没落宣言」という言葉に強く拘り、自らの社会主義思想家として共産主義を信奉したことに背を向けることはしなかった。佐藤の解釈には、終身共産主義者として生きた今は亡き河上肇がそれを知ったら、さぞや嘆くことだろう。

 それにしても佐藤は河上書を読めばすぐ分かるようなことを、何故間違った書き方をしたのだろうか。10年ほど前上野精養軒でセミナーがあり、鈴木宗男氏とともに出席された佐藤と話したことがあり、その時浦和高の出身で私の母校・湘南高と部活の定期戦をやっていたので、湘南に行ったことがあると聞き親しみを感じたことがある。

 そもそも私が河上肇に入れ込んだのは、この「貧乏物語」と「自叙伝」5巻にひどく感銘を受けたからである。大学の教養課程を終え専門課程で専攻する当時の社会思想史ゼミの飯田鼎助教授と面接した折に、読書傾向を尋ねられ、そのことをお話したら、ではゼミで河上肇を研究してみてはどうかとアドバイスいただいたことが、一層河上肇にはまるようになった原因である。卒業論文も恥ずかしながら拙いながらも何とか「河上肇論」を書き上げることが出来た。

 河上が研究・行動過程で「没落宣言」を行ったのは、「貧乏物語」を上梓したずっと後のことである。確か晩年の作品「自叙伝」の中で読んだような気がしている。

 佐藤の著書を読了後に、改めて河上肇と向き合い、「貧乏物語」を皮切りに彼の作品を少し読んでみたいと思っている。書斎には岩波書店発行の「河上肇全集」28巻をはじめとして、「貧乏物語」、「第二貧乏物語」、「遠くでかすかに鐘が鳴る(上)(下)」、現代日本思想大系「河上肇」、他数冊の河上書がある。とても読み切れるものではないが、気軽に少しずつ時間をかけて改めて挑戦してみたいと思っている。

 今振り返って学生時代にしっかりとして研究テーマを見つけられ、それに前向きに取り組むことができて、恩師からも評価されたことはかけ替えのない財産だと思っている。

 河上肇が共産党員になってしみじみ詠んだ言葉に、

 「辿り着き 振り返り見れば山河を 越えては越えて 来つるものかな」

 という大好きな言葉がある。苦労に苦労を重ねて漸く辿り着き、過去を振り返ってみると一際感慨を覚えたという気持ちを率直に表したものだと思う。

 そういう意味でも河上肇の生き方に恥じない人生を送る、例え遥かに及ばないことであるにせよ今では残り少なくなった余生に委ねられた責任であるとも思っている。

2020年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

4947.2020年11月28日(土) 過去最多の感染者とノーベル平和賞受賞者の強引さ

 相変わらず新型コロナウィルスの猛威は募る一方である。今日は全国で2,683人も新規感染者が出てこれまでで最多となった。新規感染者は第3波がやってきてから増える一方だが、最近特に懸念されているのは、重症患者が増えたことである。東京や大阪では重症患者の入院により収容病院のベッド数がひっ迫してきた。一昨日26日現在で重症者は435人となり、この半月の間に約2倍に増えた。昨日の死者は全国で31人となりこれも過去最多タイとなった。

 その最中にあって東京ディズニーランドでは、休園が長く続いて大きな赤字となり、従業員の解雇が実施されているが、本家アメリカのディズニーランドでも入園客の減少により、2期連続で赤字を計上し、現在20万3千人いる従業員の内3万4千人を解雇するという。そんなプレジャーランドが不景気の中で、日本でもかつて娯楽の中心地だった後楽園、現在の東京ドームが今揺れている。

 東京ドームが価値の高い資産を所有しながら有効に生かし切っていないとして、筆頭株主である香港のヘッジファンドがドームの社長らの解任動議を提出している。その買収価格が約1千億円と見られているが、これに対して株式公開買い付け(TOB)1,300円で友好的に買収に乗り出そうとしているのが三井不動産である。同社は、東京ドームがプロ野球巨人軍のホーム・グランドであることから、読売新聞グループに20%の株式譲渡をして連携を図るという。上場企業には、ちょっと油断しているとすぐつけ込まれて、気が付いたら他人の資産になっていたなどと笑えない結末になるケースがある。東京ドームも場所としては東京の中心にあり、交通にも恵まれていながら株主の目からはそれほど経営上のメリットが表れていないと見たのだろう。

 さて、今気になっている問題にエチオピアの軍事作戦がある。エチオピア政府軍による北部ティグレ州のティグレ人民解放戦線(TPLF)への軍事作戦が最終段階に入った。エチオピアのアビー首相が抵抗を続けるTPLFへ72時間の時限付で降伏を迫っている。理由はどうあれ、数の力で抵抗勢力を屈服させようとしていると受け止められている。気になるのは、以前にも本ブログに書いたが、この場面からは平和的な空気がまったく感じられないのである。

 アビー首相は、TPLFのために開けておいた最後の門は閉じられたとまで宣言しているのだ。ところが、このアビー首相は長年もめていた隣国エリトリアとの和平を実現した功績により昨年ノーベル平和賞を授与されたばかりである。その栄誉ある受賞者が、1年後には積極的に武力を行使して力で反乱軍を抑え込もうとしている。まるで平和とは正反対の強行的な手段である。流石にノーベル委員会も苦慮して、戦争が拡大しないようアビー首相に申し入れをしているようだが、それは難しそうだ。国連も事態を憂慮しているが、このノーベル平和賞受賞者は話し合いより即効的な解決を評価しているようなところがある。ノーベル平和賞にもこれまで地道に平和活動を行っていた事実より、国際的に注目される騒ぎを派手に一時的に解決した中心人物に目を向けられている傾向があり、それが不適当な人材を受賞者に選んでしまった原因ではないかと思う。政治家とは、欲の塊で利己的に動きつつ売名行為をする人物が多い。それを見抜くにはよほど対象者の経歴と活動を長きに亘って調査しなければ難しい。今年度以降の該当者には、極力現役政治家は避けて売名的な活動を行うような人物を選ばないことが求められると思う。アビー首相の例が好例である。これからエチオピア政府軍のTPLF掃討作戦がどう展開され、どれほど死傷者が生まれるのか気になるところである。それにしてもノーベル平和賞の評価も落ちたものだ。

2020年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com