5712.2023年1月2日(月) 穏やかな正月に今年の目標を考える。

 昨年末から元旦まで3日間に新型コロナウィルスの新規感染者がやや減少し始めた。政府が年末から行動制限の自由に言及したので、タガが緩んで再び拡大するのではないかと懸念していたところだった。

 皇居ではコロナ渦のために休止となっていた一般参賀が3年ぶりに行われ、天皇が挨拶されたのをはじめ皇后、上皇、上皇后ら皇族方が揃って、皇居の長和殿ベランダから集まった国民に手を振られていた。集まった人々は事前に抽選で選ばれ、今日も1回の皇族方の登場の都度、入場者を1,500名以内に制限したようで、比較的混雑したという印象ではなかった。思えば、1954年の一般参賀では二重橋付近で押し合いへし合いの挙句に多くの人々が押し倒され、17名が亡くなられた悲惨な事件があった。その点では今日は随分すっきりしていたと思う。

 このところ寒さは厳しいが、天候は晴れ間続きで気持ちが晴れるが、湿度が低く乾燥して各地で火災が発生している。今日も近所をウォーキングしながら正月模様を探して見たが、これという特徴的なものは見られなかった。駒沢公園では陸上競技場でお正月恒例の全国高校サッカー3回戦が行われていた。ちょうどウィンター・スポーツも佳境に入っている。国立競技場では全国大学ラグビー選手権の準決勝が行われ、同時にお正月の恒例行事である関東大学対抗箱根駅伝が今日と明日の2日間に行われる。

 箱根駅伝の出場校の顔ぶれを見ても以前とは大分変わっている。かつては、中央、日大、早稲田、東京教育大(現筑波大)、順天堂大などが常連校だったが、その後駅伝新興の大東文化大、山梨学院大が出て、神奈川大や東洋大が進出してきた。近年は青山学院大、駒沢大、東海大辺りが優勝争いを演じている。今日も今年大学3冠を目指す駒沢大が往路1位で、2位は久しぶりに中央大、そして3位は昨年の覇者青山学院大学だった。明日復路の結果で勝負は決まる。かつては、毎年正月3日に鵠沼の実家へ国道1号線上を車で向かう途中で、復路を走って来る各大学の選手たちとすれ違い、生で駅伝を見る機会がしばしばあった。これも正月の風物詩だなぁと感じたものである。

 今日は風もなく小春日和で穏やかなお正月の1日となった。最近は健康管理に人一倍注意しているが、それでも年々身体のどこかに異常が見られることが増えてきた。今年も従来と同じように毎日血圧、脈拍、体温、体重を計測して毎月統計表を作成し異変を見つけたり、自身で身体に異常を感じたら即刻医師に相談するつもりである。今の所特別に気になる点はない。

 そして今年中には今取り掛かっているドキュメントを仕上げたいと考えている。これは自分自身のドキュメントではなく、世に知られた故人のプライバシーに関するドキュメントのため、いい加減な気持ちで執筆することは出来ない。また、取り上げた人たちのご遺族と名誉棄損とか、プライバシーの侵害などでトラブルを起こしたくないので、充分な配慮が必要であると思っている。市販本としては最後の作品、つまり遺作にするつもりなので、悔いのない作品に仕上げたいと心に期している。

2023年1月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5711.2023年1月1日(日) 新年に思う。読み書きしなくなった現代人

 令和5年の新しい年を迎えた。大晦日の昨晩は、NHKテレビで恒例の「紅白歌合戦」を観て、その後の「ゆく年くる年」で各地の除夜の鐘の後床に就いた。それにしても巷間言われるように近年の「紅白歌合戦」はどうしてこうもつまらない歌番組になってしまったのだろうかというのが、率直な疑問である。特に高齢者にはまったく興味がない若い歌手が、ダンスを交えて歌うパターンが面白くない。これは各年齢層による好みの違いだけではなく、現在の番組制作者の若者への迎合、空気感の鈍さと研究心の欠如によるものだと思う。これでは年配者はいずれこの伝統ある番組を観なくなってしまうだろう。終戦まもなくして田舎でラジオにかじりついて聞いていたころは、歌の上手な歌手、人気のある歌手、その年にヒット曲を出した歌手が揃って出演したものであるが、今や一世を風靡した歌手の出演は数少なくなった。代わりに歌は上手くなくても若者に人気のある歌手や、力のあるプロダクションが強引に押し込んだ歌手、服装、化粧や顔が派手な歌手、歌唱力には首を傾げるがダンスが上手い歌手などが出演している。時代の流行もあってか、五木ひろし、細川たかし、森進一、小林幸子のような演歌歌手はほとんど姿を消している。こうして昭和の時代がだんだん忘れられていく。テレビがない時代に育ち、ラジオと懐メロに浸って育った世代の楽しみが、今後少しずつ姿を消すということだろうか。これから「紅白歌合戦」は、どんな路線を辿っていくのだろうか。

 新年に当たって相応しくないと思うが、もうひとつ寂しい話題に触れたい。以前から度々話題になっていることだが、新聞購読者の数が激減していることである。これは書籍の新規出版数が大分減っていることとも相関関係があると思う。若者が書物を読まなくなった傾向が顕著になったことである。

 昨年9月に関西大学がネットジャーナリズム論受講者にアンケート調査をしたところ、大学生で紙の新聞を週3回以上読んでいる学生は、僅か3%だったという。大学生にしてこの数字である。これは極端な例かも知れないが、日本新聞協会が最近公表したデータによると2000年には一般紙の総発行部数は、約4千8百万部あったが、その後年々減少し、昨22年には2千8百万部にまで落ち込んだ。最近5年間に毎年約2百万部も減少している。この最大の原因として考えられるのは、ネットの普及であり、紙の新聞や本を読む人が少なくなったことが挙げられる。ネットの普及は新聞の大きな収入源である広告量の減少にも影響している。商品の宣伝にメーカーなどが頼っていた新聞、雑誌の広告より、ネットの方が安価で効果的と見られることから、新聞はネットに広告を奪われている。元旦の朝日新聞本紙は、テレビ・ラジオ欄の22頁を別にして36頁であるが、その内16頁が全面広告で埋められ、中でも集英社、小学館、講談社、岩波書店が4頁を占め、また、その他にも文芸春秋、新潮社、光文社、自社朝日などの3段広告など傷を舐めあうような互助サポートもあり、全紙のほぼ半分以上が広告紙面である。実際ネットによる効果が大きいようで、今春以降皇室でもSNSを含むネット発信を強化して、皇室への理解を深めてもらう考えのようだ。ヨーロッパの王室は、SNSによる発信を早くからスタートさせており、特にイギリス王室は、2007年にすでにユーチューブ、09年にツィッター、10年にフェイスブック、13年にインスタグラムを開始して、王室の活動やメッセージを国民に発信している。

 一般的にネットの利用・発展が、新聞購読者の減少や若者の読書量の低下に直結するわけではないが、ひとつの兆候として、ネット、スマホに走るあまり本を読まなくなる傾向があることは間違いないと思う。本を読まなくなることは、文章力も衰えさせ、手紙も書かなくなる。

 元旦に際してたくさんの年賀状をいただいたが、当然ながら高齢者である故若い人からのものは少ないし、普段から若者から手紙をいただくこともほとんどなくなった。文部科学省もよほど国語教育の充実を考えないと、遠からず日本語で文章を書ける人がいなくなってしまうのではないかと心配している。

 新年のスタートに当たり、そんなことを漠然と考えた。

2023年1月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5710.2022年12月31日(土) 今年最後の印象深いテレビ・ドキュメント

 いよいよ大晦日を迎えた。つい樋口一葉の「大つごもり」の寂しい情景を想い出す。大掃除をまだ終えてなかったので、噴射器とタオルで我が家の10枚の部屋のガラス戸と玄関扉を1年ぶりに磨いてさっぱりした。

 大晦日を迎えてしみじみ1年を振り返ってみると妙に昔の古い記憶が懐かしく思い出されてくる。若いころは大晦日に海外で過ごすことが比較的多かった。特に印象に残っているのは、今から55年前1967年の大晦日には、エジプトのカイロからスエズ運河の街へ向けて列車で向かったが、車内検札でエジプトの入国ビザは持っていても、スエズ市滞在許可証を持っていないとの理由で終着スエズ駅に到着と同時に警察官に身柄を拘束され、駅近くの安宿風仮収容施設に拘束された衝撃的な事件があった。その後一時収容施設を脱走したり、他にもいろいろ奇々怪々な事件に巻き込まれながらも窮地に一生を得たことがあった。若気の至りかも知れないが、若かったからこそ味わえた危険な臨場感で、それは今日まで私には活きている。

 昨晩NHKで1時間20分に亘って放映された「映像の世紀」拡大スペシャル版「ロックが壊した冷戦の壁」を興味深く鑑賞した。導入部はビートルズに始まり、その後東ドイツの女性シンガー、ニナ・ハーゲンからアメリカのロックシンガー、ルー・リードを通してデヴィッド・ボウイに至るミュージック界の流れと変転激しい時代の移り変わりを、その時代の政治の動きを通してドイツ・ベルリンの壁崩壊までのショート・ヒストリーを見せてくれた。東ドイツ出身のメルケル前首相の若いころも紹介された。ニナ・ハーゲンやルー・リードとも関係が出来て、メルケル氏は首相退任式で音楽隊に望んで演奏してもらった曲目が、首相としては前例のない彼らのヒット曲♪カラーフィルムを忘れた♪だったことから周囲では呆れられたようだが、それくらいメルケル氏にとってもベルリンの壁崩壊前後は印象的だったのだろう。ロックが時代の流れを加速させたということだろう。

 話の中心はベルリンの壁だったが、壁崩壊以前に何度か東ベルリンを訪れたことがある。その他にも東西対立時代の1983年には東ドイツのカール・マルクスシュタット(現ケムニッツ)に滞在して東ドイツの秘密警察シュタージから監視されながら学校訪問をしたこともあり、テレビの内幕がかなり想像出来た。また、チェコスロバキアが1968年8月にソ連軍戦車の突然の侵入により、多数の市民が犠牲になった。その後1度は潰えた「プラハの春」が、詩人ハヴェルらの力強い行動によりシュタージに身柄を拘束されたり、行動を監視されながらも反ソ的行動に出て、ベルリンの壁崩壊とソ連崩壊により反ソ連国家として独り立ちした経緯は、私自身の旅行体験も思い出し,身をつまらせながらも納得して観ていた。

 実は、「プラハの春」事件が勃発した1968年チェコスロバキア・プラハ市内のカレル大学に留学する準備を進めていたところ、事件発生のためチェコに渡航出来なくなり留学を諦めた苦い過去がある。ハヴェル氏は、反体制派勢力を結集して市民フォーラムを結成し、共産党政権打倒を掲げ「ビロード革命」と称して新生チェコスロバキアの初代大統領になった。日ごろ親しくしていただいている小中陽太郎氏から、その直後にハヴェル大統領に会われたとその時の印象を伺っていた。ハヴェル氏はすでに2011年に亡くなっている。不運にして小中さんが、今月1日自宅で頭部を打撲され日赤大森病院へ緊急入院されたと奥様からご連絡をいただいた。その後どうなられたかと気になっていたので、今日奥様に電話をしてみたところ、まだ同じ病院に入院したままで、あまり体調は良くないというお話だった。

 偶々因縁がありそうで印象深い臨場感を感じさせるこのようなドキュメント番組を観ていると、考えさせられるものだ。この種の奥深い内容の番組を提供するのは、他のテレビ会社ではあまりないので、この種のドキュメント番組は当時の政治的な動静などを知る意味で、とても参考になる。それにしても小中さんには1日も早く快癒されるようお祈りするばかりである。

2022年12月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5709.2022年12月30日(金) 年の瀬に想う今年逝った人たち

 お正月に横浜に住んでいる次男家族がやって来るので、妻のおともで午前中自由が丘のスーパーにショッピングに出かけたが、やはり年の瀬とあってかなり混雑していた。子どものころによく唄っていた♪もういくつ寝るとお正月~♪が懐かしい。

 さて、今年も多くの著名人が亡くなられた。エリザベス女王、ゴルバチョフ元ソ連書記長、江沢民元中国国家主席、それに日本人でも高校の先輩で私の高校時代に「太陽の季節」で芥川賞を受賞し一世を風靡した元東京都知事・石原慎太郎氏、安倍晋三元首相、海部俊樹元首相、ファッションデザイナーの森英恵氏、プロレスラーのアントニオ猪木や元ロッテのまさかり投法の村田兆治投手らが冥界へ旅立たれた。皆懐かしい名前である。

 そこへ年末の今日になってサッカーの王様と称されたブラジルのペレが亡くなった。82歳である。ブラジルのエース、ネイマールは「ペレは永遠だ」とその死を惜しんだ。2年前にアルゼンチンの英雄・マラドーナが亡くなった折には、ペレが弔辞を伝えていた。実は、「ペレ」という名は愛称であるが、本名は「エドソン・アランテス・ド・ナシメント」と言い、「ペレ」はポルトガル語で「はだし」を意味して、ペレ本人はこの愛称はお気に入りではなかったと言われている。この悲報を受けたワールド・カップ優勝の立役者・メッシも追悼したという。

 ところで、国内では建築家の磯崎新氏が沖縄の自宅で亡くなられたとニュースで知った。丹下健三の弟子である磯崎氏は、国内はもとより、海外でも知られる世界的な建築家で数々の素晴らしい画期的な建物を設計された。バルセロナ・オリンピックの室内競技場や上海シンフォニーホールなどの建設に携わり、建築界のノーベル賞と称されるアメリカの「プリッカー賞」を授与されている。1度磯崎氏が関わったロサンゼルス現代美術館を訪れたことがあるが、その折初めて磯崎氏の名を知って日本人建築家の業績に感銘を受けた記憶がある。

 いずれにせよ本年2022年も残り少なくなった。来年こそは争いのない世界になって欲しいものである。そんな淡い期待をしていた時に、去る21日南シナ海洋上でアメリカ空軍の偵察機に、中国軍の戦闘機が急接近して飛行を妨害したと今朝になって報道された。中国軍機は米軍機の機首から6m以内に接近したというから、正に紙一重である。

 そうかと思うと政治的なニュースであるが、イスラム教徒との間でしばしば諍いが起きているイスラエル国会で、昨日ネタニヤフ元首相を首班とする右翼連立政権が信任され、ネタニヤフ氏は1年半ぶりに首相の座に返り咲くことになった。ネタニヤフ氏が所属する右翼政党「リクード」を主に、それ以上の極右政党やユダヤ系宗教政党が連立政権に加わる。右翼のネタニヤフ氏を中心に、ユダヤ人の優越性をアピールする極右政党のベングビール党首が警察権を管轄し、別の右翼政党のスモトリッチ党首が、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のユダヤ人入植地建設など管理の権限を与えられるなど右翼一色に固まり、パレスチナ人たちとの争いが過熱しないか懸念される。その上彼ら首脳陣は、元々性的少数者やアラブ人への差別的言動で知られて国際社会から批判されており、今後のイスラエル政治の先行きが心配される。

 世界にまた表面的には収まっていた別のマグマが来年早々に噴火しなければ好いがなぁというのが、静かな新年を望む率直な願いである。

2022年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5708.2022年12月29日(木) プーチン大統領の身勝手な誇大妄想

 年末も押し詰まり今年も残すところあと3日となった。今年は寅年のため年男だったが、昨年同様にコロナ、コロナに明け暮れた憂鬱な1年だった印象が強い。今もコロナは旋風をまき散らし、一時収束へ向かいそうだったが、逆に拡大しつつある。経済面を配慮して政府が緩和策を取ったせいで、年末年始も行動制限なしにしたが、むしろ正月明けの感染状況が気がかりである。このところ人出も増え東京都の死者数も増えむしろ勢いを盛り返したようだ。午後近所をウォーキングしていたら、行き交った人の中にはマスクを着用していない人がかなりいた。これも身勝手に自分勝手にコロナ渦から緩和していると思っているのだろう。

 昨日愛子内親王が20歳の誕生日を迎えて成人となられた。大学2年生であるが、お気の毒にも今以て対面授業がなく大学へ通学していないという。これでは残りの大学生生活の間に親しいご学友も出来ないのではないかと懸念される。いつになったらこの鬱陶しい空気は解消されるのだろうか。来年こそこんな嫌な空気を吹き飛ばして欲しいとウサギさんにお願いしたいものである。

 さて、今年は沖縄本土復帰50周年という沖縄県人にとっても、日本人にとっても記念すべき1年だった。復帰以前に多少なりとも沖縄返還闘争に加わりデモにも参加して、力及ばずともその一翼を担ったとの自負は少なからずある。沖縄は、国内で唯一地上戦が行われた島であり、その結果広島、長崎のような原爆被災地と変わらぬ犠牲者を生んだ。沖縄戦の犠牲になり沖縄県民の4人にひとりが亡くなったといわれている。そのしこりは今も残っているが、際立っているのは男女の人口比である。特に終戦の1945年沖縄では21歳から45歳までの働き盛りに男性が少なく、全体の約3割しかいなかった。7割が女性だった。その後沖縄の生活と再生は長らく女性によって支えられていたということになる。今戦闘中のウクライナはどういうことになるだろうか。いずれ停戦となった何年後には、沖縄同様に女性人口が多いということになるのではないだろうか。

 ところでいつまで経ってもウクライナ戦線が縮小される気配がない。しかし、英国王立防衛安全保障研究所の日本特別代表の秋元千明氏によると、このまま戦争が膠着状態なら来年8月末にはロシア軍の軍事資金が枯渇し始め、大規模な戦闘の継続が難しくなると述べている。そうあって欲しいものである。

 そもそもプーチン大統領がスターリンの旧ソ連時代の強い帝国主義国家へ回帰幻想に陥ったのが、侵攻のひとつの大きな要因である。このほどロシアが、サンクト・ペテルスブルグで同盟関係にある独立国家共同体(CIS)の非公式首脳会議を主催した際、プーチン大統領は各国の首脳8人と自分自身にそれぞれ「謹賀新年2023」の文字が刻まれた黄金の指輪を贈ったことが、EU、特にイギリス・ジャーナリズムの話題となっている。イギリス人作家トールキンの「指輪物語」に登場する死者の世界を支配する「モルドール」王国サウロン冥王を彷彿させるというのだ。残念ながら同書を読んでいないが、同書ではサウロン冥王が地上の9人の王たちを意のままに操るために指輪を与えたようだが、プーチン大統領もその辺りを意識して、冥王の役割を果たしたつもりでいるようだ。ロシアの著名な政治学者エカテリーナ・シュルマン氏ほかの政治評論家も指輪の贈り物は、実際に「指輪物語」を意識したものだったとの見解を示しているそうだ。ただ、9人の首脳の中で実際に指輪を付けていたのは、プーチン氏に忠誠を誓っているベラルーシのルカシェンコ大統領だけだったらしい。

 一方、ウクライナの国会議員が、プーチンは21世紀のヒトラーを演じるのに飽き、指輪の王を演じることにしたと皮肉たっぷりにあげつらっている。プーチン大統領もヒトラーに飽きるのではなく、戦争に飽きて欲しいものだ。

2022年12月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5707.2022年12月28日(水) またも岸田内閣閣僚と政務官が辞任

 またひとり岸田内閣の閣僚が辞任した。秋葉賢也復興相である。事務所の賃貸料を母と妻の口座にに振り込んでいたとして大分以前から政治資金規制法違反が指摘され、辞任問題がくすぶっていた。ただ、岸田首相としては、第2次岸田内閣発足以来僅か2か月の間に、秋葉氏が辞める4人目の閣僚となり、国民の間にはもちろん、自民党内でも首相の任命責任を問う批判的な声が上がっていた。首相は早速後任に渡辺博道元復興相を充てた。今回の大臣交代は、辞任というよりいろいろ思惑が絡んで更迭と言われている。あまりにも短期間に辞めざるを得ない大臣を多く出したことにより、岸田首相の任命責任が問われ、首相への求心力が低下し、政府、自民党内にも岸田離れが加速している有様である。

 秋葉復興相の辞任と併せて杉田水脈総務政務官も辞任した。この政務官の考えや、強情さは並みではない。「女性はいくらでもウソをつけます」、「チマ・チョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさん」、「LGBT・性的マイノリティーは生産性がない」等々、これまで過激な差別発言を繰り返してはその都度厳しい世論の批判を浴びていた。ネットでもこういう人物が国会議員でいることが問題だとクレームが挙がっていた。去る2日の参議院予算委員会におけるこの問題について、福島瑞穂社民党党首から直接質問されたが答えようとせず、挙句に松本総務相からその種の発言を取り消すように指示があったから辞任したと述べた。それで漸く発言を撤回し、謝罪した。だが、本心から自らの言動を悔い、反省している様子は窺えない。

 実際、水田議員は辞任後の記者会見で自身の信念を貫きたいと思うが、内閣の一員として迷惑をかけるわけにはいかないと総合的に判断して辞任を申し出たと都合よく述べた。差別と受け取られた発言は自身の信念であり、それは変わらないとの意思を強調した。このことは、水田議員が相も変わらず、差別感を抱いたまま国会議員として活動していこうという意思表示であり、更に大学生の娘を抱えながら、娘の気持ちを思いやる余裕もなく、何らの反省もない。ネットで多くの厳しい声が上がっていることにはまったく無頓着のようだ。

 かつて国会会期中に男性国会議員と飲み歩き国会を欠席したり、秘書と温泉旅行をして不倫スキャンダルとして糾弾され衆議院議員を辞めた上西小百合氏ですら、呆れたのかツィッターで「女性はいくらでもウソをつけると発言したようだが、もし自分の娘が同様の被害にあった場合も同じ態度をとるのだろうか。女性を一括りにしないで欲しい。主語は『女性』ではなく『私』でいいんじゃないですか」と皮肉たっぷりにコメントしている。

 それより何よりネット上でもいくつか指摘されたように、こういう国会議員が国の政治に大きく関わっていることが問題である。

2022年12月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5706.2022年12月27日(火) 中国政府が公表する統計数字のデタラメ

 先月中国・武漢市で中国政府が続ける「ゼロコロナ」政策への激しい抗議行動が起きた。近年習近平政権になってから国民が政府に抗議運動を起こすのは、極めて珍しい。その抗議行動の中でも「中国共産党解散!」とか、「習近平辞めろ!」とこれまでには見られなかった、かなり過激な言葉が飛んでいた。そもそも今世界中でコロナ渦に取りつかれたのは、約3年前にここ武漢市内の卸売市場が世界で初めてコロナの集団感染が確認された時からである。その際政府は武漢市内でロックダウンを実施し、強圧的に都市の封鎖に踏み切った。その結果2か月半で封じ込めに成功し、メディアは武漢を「英雄都市」とPRした。この成功体験が習近平指導部のコロナ対策の基本となった。「ゼロコロナ」政策は最初のうちは効果を上げ、国民の評価も高かった。中国政府は死者の数を最少限に抑えたと得意げに伝えていた。これに味を占めた習近平国家主席は、「共産党の指導と社会主義制度の顕著な優位を示した」と的外れなことを誇らし気に語っていた。まったく社会主義とは乖離した今の中国が、社会主義の効果をアピールするなど見当外れも甚だしい。

 それが今では、感染者が拡散し、12月1~20日だけでその数は、人口の約18%に当たる2億4千8百万人に達した。この数字は政府が発表したものではない。内部資料が漏れ香港のメディアがネット上に伝えたものである。この期間の感染者数については中国政府は正確な数字を公表していない。これまでも連日権威あるジョンズ・ホプキンス大学統計資料に数値が出ているが、中国の数字についてはどこまで真実なのか分からない。昨日香港のメディアが発表した上記の感染者数は、政府が公表した28万人に比べても何とけた外れの900倍の多さである。ついに中国政府はこれまでの公表数字がデタラメだったことが知られることを恐れたのか、数字を公表しないと述べた。世界の大国を自称する国家としては、あまりにも無責任であり、嘘つきを自認していることになる。

 何のPRか不明だが、昨日中国政府はコロナ対策として感染者が拡大している中で、入国者へ義務づけてきた入国後の隔離措置を撤廃すると発表した。今日の夕刊第一面のトップ記事に「中国、『ゼロコロナ』終了へ」と大きな見出しで出ている。恰も中国には最早コロナが収束し、感染の恐れがないことを宣伝するかの俄か仕立ての外国人向けのメッセージである。ところが、日本政府は今日中国からの入国者に対して入国時にコロナの水際対策を強化すると発表した。理由として、中国での感染急拡大が日本へ波及するのを抑えるためだとしている。習近平メッセージとは真逆の対策である。

 その習近平国家主席は、ゼロコロナについて語らなくなっていたが、昨日毛沢東主席が1952年に呼びかけ、当時蚊、ハエ、ネズミ、ゴキブリなどを駆除して伝染病の予防を図った「愛国衛生運動」に倣うとして、共産党と社会主義を持ちだしトンチンカンなアピールをした。こんなからくりに国民は付いていけるだろうか。

 個人的にも中国政府の公表数字が信用出来ないという不信感を抱いている。2年前の夏から昨年2月まで、中国は前記ジョンズ・ホプキンス大学が毎日発表する各国の新規感染者数に、各国では連日複数以上の死者が伝えられたにも拘わらず、中国からは半年間に死者が1人も出なかったという信じられない現象である。このような長期に亘ってコロナによる死者が人口14億人余を抱える中国から1人も出なかったなんてことは考えられなかった。すぐばれるウソを中国政府はどうして公然とまき散らすのだろうか。中国の言うことが信用ならないことはこんなところからも分かる。

2022年12月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5705.2022年12月26日(月) 我がPCがハッカーに攪乱される。

 去る22日、政府は原発の新規建設や、60年を超える老朽化した原発の運転を認める基本方針を決めた。これで、2011年の東京電力福島第1原発事故後に堅持してきた政府方針が、先般の岸田首相の検討指示後わずか4か月で大きく変わることになった。これは2050年の脱炭素社会の実現に向け、岸田首相が議長を務めるグリーン・トランスフォーメーション(GX)実行会議で決められたことである。しかし、いつも通りことを急いで決めるために、この基本方針の決め方には問題が多い。これまで政府は原発の新規建設は認めないとの方針を踏襲してきたが、今後将来的に原子力を活用するため新規建設を明記し、その手始めに廃炉を決めた原発の建て替えを具体化す方針である。

 しかし、この決定も岸田首相流に国民にはまったく説明せず、政府内部で拙速、かつ身勝手に決めたのだ。いかにロシアのウクライナ侵攻以来、原油や天然ガスの価格が高騰し、電力料金が値上がりして困っているとは言え、上記原発事故で数多くの被災者を出したことに鑑みて、政府は地元や被災者遺族らの意向を斟酌して新増設、建て替えなど新規建設は想定しない、また運転期間は原則40年、最大で60年と原発には厳しいスタンスを取っていた筈である。それが政府内部だけでいとも安易に廃炉が決まった原発の建て替え、新増設を検討課題とすることにした。また、運転停止期間もなくし約束した60年を超える運転も可能と判断した。あまりにも軽々しく国民、特に被災者の声を無視した一方的な原発政策の緩和には、民主主義の基本をないがしろにしているように思える。これが自民党、今の岸田政権の国民不在の本質ではないかと考えざるを得ない。首相官邸前では脱原発のデモが行われていたようだが、首相らは知らぬ存ぜぬを決め込むことだろう。

 さて、今日は思いがけないことで時間を取られてしまった。先日知人や友人ら約300名分を4つに分けていつも通り拙ない寄稿文を通知したところ、BIGLOBEからメールボックスのメモリースペースがほぼ満杯のため一部の受信メールが返されたと連絡があった。困ったことだと思い、いつもお世話になっているITコンサルタントに相談したところ、お互いに観れるチームビューワーで私の画面を覗いてもらい、中国のハッカーに邪魔されているのではないかと教えてもらい、調べてもらったところ、BIGLOBEの画面上に怪しげな中国語が書かれていた。彼は即座にこれは中国のハッカーにやられているということから、直ぐにもパスワードを変更した方が安全だとアドバイスしてもらい、16年前に設定したパスワードを変更することにした。取り敢えず、ホッとしているが、また同じような事態が起こらないとも限らない。しかし、時折中国のハッカーが官公庁や、大手企業のIT事業を大幅に妨害している話がメディアで話題になることがある。だが、私のような個人を妨害しても何の利益もないし、妨害したところで金銭的にも何の価値もないと思うのだが、嫌がらせのため現実にハッカーに攪乱される事態となった。今後再び同じようなこともあり得ると考えなければいけないのだろう。

2022年12月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5704.2022年12月25日(日) ゼレンスキー大統領、異例のアメリカ訪問

 厳しい寒さの中をウクライナは、ロシア軍の攻撃に耐えている。早いものでロシア軍侵攻以来早や10か月が経過した。24日のクリスマス・イブには南部ヘルソン市中心部がロシア軍に砲撃され10人が死亡し、重傷者も多数出た。ゼレンスキー大統領がこれはクリスマス・イブのテロであり、殺人だとロシアを激しく非難した。同時に大統領は、ビデオ声明で今が堪え時とばかり、国民に抗戦を継続するよう呼びかけた。

 そのゼレンスキー大統領は、21日にアメリカを訪問した。戦時下で開戦以来外国へ出たことがない大統領が、どういう手段で出国するか多少興味を持っていた。ウクライナから列車でポーランドへ入り、そこからNATOの戦闘機に護衛されて米空軍機でワシントン・アンドリュース空軍基地に到着したが、外国の首脳としては異例のアメリカ入国だった。普段テレビ出演する時と同じ装束で、アメリカ大統領のような首脳に会うための外交上の身だしなみなどに捉われず、トレーニング・スーツにスニーカーだった。アメリカではバイデン大統領と首脳会談を終えた後に、早速連邦議会で演説し、アメリカの軍事物資支援に感謝すると同時に、なお一層の支援を要望した。議場ではゼレンスキー氏への拍手が高まったが、第2次世界大戦中の1941年12月26日、チャーチル英首相が同じ米議会場で我々は決して屈しないと力強いスピーチを行ったのと同じように、ゼレンスキー大統領も同じ文言で、ウクライナは決して屈しないと演説を結んだ。

 実は、EU諸国では支援に対して最近やや腰が引けている感じがしているが、アメリカでも長引く戦いにそろそろ飽きがきたようだ。アメリカ国内では物価高騰が激しく、ウクライナ支援どころではなく物価対策を求める声がかなり強く上がっていた。連邦議会には、上下両議会全議員が出席する筈であったが、共和党議員の約6割が欠席していた。万々歳の歓迎ぶりとは少々異なっていた。しかし、バイデン大統領は引き続き、支援を約束し、地対空ミサイル「パトリオット」の提供を含む約2,450億円の追加軍事支援を約束した。

 当分の間、ウクライナは軍備面で息をつけるだろうが、いかに領土を侵されたとは言え、そういつまでも緊張感と強い意思を保ってロシア軍と戦うことが出来るだろうか、気がかりである。アメリカのウクライナへの兵器提供について、プーチン大統領は、直ちに軍隊に資金調達の制限はなく、国は軍が要求するすべてのものを提供すると語り、次世代大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備計画について言及した。これではイタチごっこであり、益々停戦の希望は遠くなった感がする。

 さて、このところ日本列島への寒波の襲来が激しく、鹿児島県内や高知市内の積雪に地元民も驚いていたようだが、今日は愛媛県久万高原町に大雪が降り、積雪で停電となり死者も複数出た。県は自衛隊に災害派遣要請をした。名古屋市内でも8年ぶりに10cmの積雪があった。気象庁から今年の気温は過去最高の高さだったと公表されたばかりだが、それも虚ろに響く。今冬はこれからも極寒に襲われそうだ。

2022年12月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5703.2022年12月24日(土) 日本人の平均寿命、男81.64歳、女87.74歳

 5年ごとに公表される日本人の平均寿命、直近の2020年では上記の通りとなった。幸いにも私自身平均寿命は通り過ぎた。明治、大正期には、男女ともに40歳台だったというから随分伸びたものである。年々寿命は延びているが、戦後10年経った1955年は、男63.6歳、女67.75歳だったから70年近くの間にほぼ20年寿命が延びたことになる。近年の伸びは、結果的に少子高齢化にもつながっていると言えよう。厚生労働省では2040年の寿命を男83.27歳、女89.63歳と推計している。その一方で新たに誕生する子どもの数は年々減り続け、昨年2021年に生まれた子どもは、前年比3.4%減の84万3千人で6年連続過去最少を更新した。自然増減(出生数-死亡数)は、前年より約10万人が減り61万人だった。こうして日本人の人口は確実に減っていく。

 日本が高齢化社会になったのは、子どもの数が増えないにも拘わらず、高齢者が増える傾向にあるという根本的な構造がある。終戦直後は出生数が増加し、1947~49年の第1次ベビーブームでは、3年間で実に800万人超の誕生がありその後彼らは団塊の世代と呼ばれ今では年金生活者となっている。昔は衛生状態も悪く、特効薬もなく伝染病の流行に対処出来ず早死する子どもが多かったが、それらが解消されるに連れ、生まれる子どもの数は増えた。だが、次第に経済的な問題などから子どもが2人以下の家庭が増えている。実際特殊出生率(15歳から49歳までの女性が一生の間に産む子どもの数)では、1956年に2.22人を最後に、徐々に下がり始め、2005年には1.26人となった。それに拍車をかけたのが、若い世代の結婚が増えないことである。

 その一方で、高齢者の間でも死亡率が低下し長生きするようになった。特に、高齢者は男女とも年齢別に毎年死亡率が低下している。戦後時の経過とともに、生活環境の改善、食生活・栄養状態の改善、医療技術の進歩などにより高齢化は効果を上げている。今後日本がこのまま発展し続けるには、高齢者より以上に赤ちゃんの誕生を増やして活力のある国造りの対策が欠かせない。

 最近の政府の予算への関心度も、約束した子ども支援より、防衛費を増やすことに気持ちが向いている。結局人口減少、少子高齢化を少しでも改善しようとするなら、今の政治家の質を変え、政治制度も変えることまで考えてみる必要があると思う。

 さて、今日寒波の襲来は北海道から中国地方に押し寄せ、東日本にもやってきた。豪雪、停電、交通マヒ等々で市民生活にも相当な影響が表れている。アメリカでも中部から東部にかけて、クリスマス休暇を前に記録的な寒波による吹雪や大雪で、空の便から高速道路までかなりの影響が出ている。アメリカの気象当局が、大雪警報を発令した地域には、アメリカの人口の60%、およそ2億人が住んでおり、命に危険が及ぶ寒さであると警戒を呼び掛けている。アメリカも大変である。日米だけではなく、世界各地に異常気象の影響が及んでいる。これも気候温暖化動の影響である。生き難い時代になったものである。

2022年12月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com