充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら取り組んでおります。淡々と書き続けてきただけで、10年2月に初めて4桁の大台1000回を、そして奇しくも74歳の誕生日に当たる2012年「文化の日」に連続2000回を、15年7月31日に3000回、18年4月26日に4000回、21年1月19日に5000回を数えました。ここでは、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言や想い出を書き込んで、自分自身の気持ちを素直に表わしながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。
ブログ・ご意見番の意見
ブログ一覧
6325.2024年9月6日(金) 日米の大手企業買収問題の行方
このところ俄かに注目を集めている経済的、かつ政治的な問題がある。それは日本製鉄㈱によるアメリカの大手鉄鋼会社「USスチール」買収計画である。昨年12月両者間で約2兆円の買収に合意していた。しかし、買収案は全米鉄鋼労働組合(USW)や、労働者らの反発を招いた。そこへ大統領選が近づくにつれて、政治的な干渉により支障が生ずるようになった。外資によるアメリカ企業の買収案を調べる対米外国投資委員会(CFIUS)が、アメリカの鉄鋼生産に打撃を与える安保上のリスクになると日鉄側に伝えていたという。
それが、アメリカ大統領選の影響により、政治的な動きが目立ち始め、当初トランプ前大統領が絶対買収を阻止すると公言していた。それが最近になって民主党大統領候補者ハリス副大統領も買収計画に反対の声を上げ、更に、バイデン大統領も買収を認めないとの発言をすると外電は伝えている。これには、USスチールがピッツバーグ(ペンシルベニア州)に本拠を置き、ペンシルベニア州で大統領選に民主・共和両党が拮抗の選挙戦を展開し、買収に反対の従業員と、同州の選挙人獲得を意識した行動に出たためと考えられている。
USスチールと言えば、現在粗鋼生産で世界27位とやや振るわないが、従業員2万人を超えるマンモス企業で、かつては世界最大の企業として知られた老舗の大企業である。
しかし、この政界とは一歩離れた経済界の民間企業の経営に関して、アメリカ政界のトップを争うボスたちが、異を唱え、その渦中へ飛び込み騒ぎ立てるとは、自由競争を奨励している資本主義国政府のやるべきこととは思えない。自らの大統領選絡みで、経済界に口出しして外国の自由な投資にブレーキをかけさせるなんて行為は、自重すべきであり、自由主義、民主主義を標榜している資本主義国家として情けない。果たしてこの結論はどうなるのだろうか。日鉄は、アメリカ政府が法に則り、適正に審査されるものと信じているとコメントを発したが、アメリカ国内の日本企業約70社で構成する日米経済協議会は、CFIUSが審査プロセスを政治的に利用する試みには多大な懸念があり、審査を厳正に進めるよう求めるとの声明を出した。その一方で、日本政府からは何らの声も聞かれない。
そんなニュースが話題になる一方で、その逆のケースも発生している。流通大手の「セブン&アイ・ホールディングス」が、カナダのコンビニ大手「クシュタール社」の買い取りの提案について、買収価格が低く受け入れられないと回答するという。買収価格は5兆5千億円で、上記の日鉄のUSスチール買収額に比べれば、かなり高額である。
「クシュタール社」はコンビニ事業ばかりでなく、北米とヨーロッパを中心にガソリン・スタンドも経営し、30か国に1万6千店を超える店舗を抱えている。昨年度の売上高は、日本円でおよそ10兆円もあり、その内7割はガソリンの売り上げである。
日本の「セブン&アイ・ホールディングス」も、これまでアメリカで積極的な買収により事業を拡大してきた。国内でコンビニ事業を成長させた「セブン&アイ」は、アメリカの「7-ELEVEN」の株式を取得して完全子会社にし、営業利益11兆円の内およそ7割を北米市場で稼いでいる。だが、「クシュタール社」の買収持ちかけの狙いは、「セブン&アイ」が所有するアジア地域の7万弱の店舗で、アジア戦略で遅れを取っている「クシュタール社」としては、この7万の店舗を得ることによってアジアの市場を抑えることが出来るとの腹がある。
クシュタール社の申し出通り買収が実現するかどうか、果たしてクシュタール社の思惑通りことが進むかどうかは不明である。
6324.2024年9月5日(木) 台風に屋久杉倒壊、風雨に木製美術館腐食
先日襲来した台風10号が、日本各地に多くの被害をもたらした。その中でも最大の損害は、屋久島の樹齢3千年と言われる屋久杉の幹が強風により破壊され倒れたことで、多くの人々、特に地元・屋久島の人びとを失望させている。
屋久杉は1993年に白神山地とともに日本で初めて世界自然遺産に登録された。その直後に現地を訪れ、大きく立派な屋久杉に見とれていたことを想い出す。こればかりは元通りに修理、回復させるわけにもいかず、屋久島にとっても最高の観光資源だっただけに、これからどうするのだろうと些か気がかりである。
自然界の不意打ちの襲撃にはとても太刀打ち出来るものではないが、最近自然の木材の腐食による建築物の劣化が問題になっている。世界的に知られた建築家・隈研吾氏が設計した栃木県の「那賀川町馬頭広重美術館」が老朽化によりかなり痛んでいることが分かった。特に外部と接する屋根と外壁には栃木県特産の八溝杉を使ったが、完成以来24年が経過してその劣化が大分進み惨めなものとなった。改修するためには、約3億円もの費用が掛かると見られ、その資金が頭の痛い問題である。
「那賀川町馬頭広重美術館」は、1民間人によって歌川広重の肉筆画や、版画、徳富蘇峰の書をはじめとする浮世絵、工芸品、書籍など多数寄贈された作品、そしてそれらを展示するために建てられた木製の建物と庭園が見事に調和した美術館として県内外から多くの見学者が訪れている。
町立の美術館だけに、財政的にもそれほど楽ではない中で、町としてはシンボル的な建物でもあり、来年開館25周年を迎える機会に、那賀川町としては何とか改修費用を工面して町民が誇りとし、再び観光客を呼べるような施設に回復させたいと考えている。
隈研吾氏設計の建築物は、自然の素材としてよく日本の木材とか、竹が使われる。ただ、これらの素材は厳しい自然に弱い点もあり、主に自然界の試練から逃れられる建物内部の建築資材として使用される。東京オリンピック招聘を機に改装されることになった東京信濃町の国立競技場も隈研吾氏の設計である。当初デザイナーが隈氏と発表された時には、これまでコンクリート製だった競技場に木材を使用することによって耐久性を懸念したことがあった。幸い国立は屋根の下の部分に木材を使用したので、直接風雨に晒されることがなく、大きく傷つくことはなかった。しかし、これとて間接的には風雨を受け止めているので、いずれ時が来れば寿命が尽きることだろう。
屋久杉については、自然界の襲来に晒され食い止めることは出来なかったのも止むを得ない。しかし、建物に使用された木材などが直接自然界の脅威を浴びれば、痛むことも分かる。建物の建設については、財政的に余裕のない自治体は、著名なデザイナーの特殊な建築に捉われず、名より実を重視して耐用年数の長い建築物を建設するのが財政的にも助かるし、妥当なところではないだろうか。
蛇足ながら、「那賀川町馬頭広重美術館」の「馬頭」の意味が分からず調べたら、「栃木県那須郡那賀川町馬頭」という地名から名付けられたそうだが、那賀川町までで充分で地区名まで付ける必要があるのだろうか疑問である。ただ、それほどこの美術館は土地の人びとにとって「おらが町」の自慢できる誇り高い「宝物」なのだろう。
6323.2024年9月4日(水) 車いすラグビーでパラ五輪金メダル獲得
今パリでパラリンピックが開催されているが、日本は個人、団体ともに活躍している。昨日から今日にかけてスポーツ番組のみならず、意外にもニュースの一環として報じられているのが「車いすラグビー」の金メダル獲得である。今朝の朝日新聞には一面に写真入りで報じられている。
私自身高校時代はラグビー部で3年間プレーしたが、当時は弱いチームだった。その後母校は徐々に力を付け、今ではレベルの高い神奈川県内でベスト8の常連になり、公立校では最強チームの一校になったと思う。高校では主将を務め、長年OB会長も務めた。その影響だろうか、2人の息子たちも幼いころからラグビーに熱中した。今では孫の一人が中学生ながら、昨年クラブ日本一になった強豪の横浜ラグビースクールでプレイしている。そんなラグビー一家でありながら、この金メダルを獲得した車いすラグビーについては、ほとんど無関心だった。ラグビーとは別のスポーツのように思っていた。テレビ観戦しても随分ルールが異なると感じたが、その激しいプレーぶりは、身障者のスポーツとしては他には見られないもので、ラグビーとの精神的つながりを感じた。
初めて気が付いたことは、昨日アメリカとの決勝戦でアメリカ・チームに女子選手が出場したので、アレっと首を傾げた。そこで一般社団法人日本車いすラグビー連盟(JWRF)のHPを開いてみた。特殊なルールがいろいろあり、1チーム12人でコートに出場するのは4人というチーム構成も初めて知ったが、一番驚いたのは、この激しいスポーツは、女性選手も所属し男女混成チームであることだった。障害スポーツであるので、1チーム4人の選手にそれぞれ障害の程度によって0.5から3.5までそれぞれ点数があり、試合中選手交代しても1チームの合計点が8点までと決められている。想像外だったのは、女性選手が出場すると0.5が加点され、チーム全体として8.5点まで認められることである。その他に試合のルールについてもいくつか取り決められている。15人制ラグビーと根本的に違うのは、パスを前へ送ってもスローフォワードの反則ではなく、認められていることと、ゴールライン内へタッチダウンしなくともラインを越えれば、トライとなることである。だが、5点ではなく1点であることがラグビーとは違う。
優勝という栄冠を得て、トーナメント大会は終わってしまったが、これからはもう少し関心を持って車いすラグビーを観てみたいと思っている。車いすラグビー優勝の影響で、15人制ラグビーの日本代表チームにもプレッシャーがかかり、現在の世界14位から2019年大会でベスト8入りした当時の力を常に発揮出来るよう努力が望まれる。
さて、話題はウクライナ絡みになるが、ウクライナでの戦争犯罪でロシアのプーチン大統領には国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ており、ICC加盟国は当然自国へプーチン氏が訪れたら身柄を拘束する義務がある。そのプーチン氏が、昨日モンゴルを訪問したが、石油製品と電力をロシアに大きく頼ってロシアに恩義を感じているモンゴルは、ICCのルールに反してプーチン氏を逮捕することはなく、プーチン氏は今朝未明にロシアに帰国した。ICCのカウコランタ議長は、加盟国が義務を果たすことなく、プーチン大統領を迎えて無事に送り返したことは許されないと強い口調で語った。ロシアとしては、モンゴル訪問をきっかけに他の国々をも訪れ、権威をまき散らしたいのだろう。ただ、この義務不履行によって国際的に大きな組織にヒビが入りかねないことは事実である。モンゴルとしては、本音ではプーチン大統領の訪問を断りたかったのではないだろうか。力あるものには勝てない。
残念なことだが、自国の力を見せつけるために、国際的組織や、協定を蔑ろにする行為は当たり前だということをプーチンはやってのけたのである。これでは外交も何もあったものではない。困った世界の我が儘リーダーである。
6322.2024年9月3日(火) 自民総裁選で改憲が議論されないのは?
自民党総裁選(12日告示・27日投開票)が迫っているが、出馬予定者12人の内出馬を宣言したのは、小林鷹之、石破茂、河野太郎3氏だけだったが、今日4人目の林芳正・官房長官が出馬表明した。それぞれ20人の推薦人を集めるのに苦労されているようだが、派閥、旧派閥との話し合いや、他の出馬予定者の戦略を計算しながら、折を見て出馬宣言するつもりだろう。噂では現状小泉進次郎・元環境相が優位な立場にいるようで、6日にも出馬を表明すると見られている。それでもその小泉氏に対しては、案外党内外に批判的な意見が多いようだ。特に政治評論家の間では、小泉氏は空虚な実像の首相候補と言われており、何事にも定見がないと言われている。確かに、父小泉純一郎元首相の人気を引き継いだ世襲政治家であり国内外に名は売れているが、自身の口から国内向けに日本のあるべき姿について思想的、哲学的にぶれない政治家としてのビジョンや、国際社会に向けて日本の立場を語ったのを耳にしたことがない。それは必ずしも小泉氏だけの問題ではないとは思うが、仮にも日本の首相になる人物を選ぶことになるので、この機会に臆せず本音を語ってもらいたい。
総裁選の各候補者は、首相として日本の政治、外交問題などをどう考えているのか自民党内の内輪の選挙というだけではなく、一堂に会して討論会を行い、国民が日本のビジョンと歩むべき道を知る機会を作るべきである。さすれば、総裁選の意味、本質も分かり易く国民が政治について関心を抱くだろう。特に聞きたいのは、彼らが改憲論議にばかり先走っているが、憲法について自分はどう考えているのかということは、国民にとって一番知りたいことである。
折も折、昨日岸田首相は、自民党の憲法改正実現本部が取りまとめた憲法へ自衛隊の明記などの論点整理を、新総裁に引き継いでもらいたいと要望した。現在憲法改正実現本部が取りまとめた論点は、現憲法9条の条文はそのままにしつゝ、新たに自衛隊の存在を明記するというものである。憲法改正をアピールすることは、国民の間にかなりの抵抗があると考え、中々至難であると考慮の末に、現存する自衛隊の存在を憲法に明記することによって自分らの考えを押し通そうとの意向である。そこには、石破元幹事長の「自衛隊は違憲だという意見を完全に払拭するために意義がある」という考えがあり、自衛隊を軍隊と名称変更するかどうかは不明だが、戦争放棄と軍隊を認めることに些かも矛盾を感じていないようだ。石破氏が特に拘っているのは、憲法第9条2項の削除であり、1項で「武力の威嚇、及び行使は永久に放棄する」と謳った文言をそのまま残しながら、「陸海空軍その他の戦力は、保持せず、国の交戦権は認めない」の2項を削除しようというのである。第1項の説得力は当然弱くなる。
ともかく現状では自民党総裁=首相=自衛隊の最高指揮監督者、という点からも、この際憲法第9条について総裁選立候補者は持論を披瀝するべきである。
6321.2024年9月2日(月) ドイツ地方選で右翼勝利、右傾化するヨーロッパ
昨日ドイツの2つの州で州議会選挙が行われ、そのひとつであるチューリンゲン州では、戦後初めて右派の「ドイツのための選択肢」が1位となった。ショルツ首相の社会民主党など与党3党は一敗地に塗れ、相当なショックを受けている。ナチスが第1次世界大戦中に冒した残虐で非人道的な行為の反省から、寛容とか、多様性を重視してきた戦後ドイツでは考えられないことである。況して同州は東西に分断されていた民主化以前は東ドイツ領にあって、ナチスを徹底的に非難していただけに、あまりの落差にかつての東ドイツを知る人にとっては驚天動地の驚きと言ってもいい。
私自身1983年に旧文部省海外教育視察団にお供して旧東独のカール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)を訪問した時、行動の際は終始シュタージという秘密警察に監視され、落ち着いた気持ちになれなかったことを想い出す。高校で見学した授業では右翼とは反対の社会主義的な科目が多かった。とても右翼的雰囲気は感じられなかった。東西対立崩壊後でも、ドイツ政府は寛容な政策を取っていた。それが近年アフリカ諸国などから多くの難民がヨーロッパに押し寄せて来て、欧米諸国政府は彼らの入国を不法入国として厳しい政策を取るようになった。それでもドイツ政府は難民や移民を受け入れていた。近年労働市場が厳しくなったせいもあり、徐々に移民の入国を規制すべきとの声が強まってきた。そんな最中に移民を排除すると叫んでいた右派「ドイツのための選択肢」が1位となった。
同じく昨日選挙を行ったザクセン州の結果は、まだ分かっていないが、ここでもかなり右翼勢力が伸びていると伝えられている。そして、22日にはブランデンブルグ州でも州議会選が行われる。まだドイツのほんの一部にしか過ぎないが、戦時中のナチスの行動を反省した筈のドイツに、ナチス的動きが復活することに只ならぬものを感じる。
それにはロシアのウクライナ侵攻がそのきっかけになったようだ。プーチン大統領の遠謀によりヨーロッパに昔のハプスブルグ家の影らしきものの復活を仕掛けている。最近のハンガリーのオルバン首相の行動が民族主義をベースに、欧州議会で新会派「ヨーロッパの愛国者」なる組織を立ち上げた。これにオーストリアの極右政党「自由党」キッケル党首とチェコのバビッシュ前首相が顔を揃えた。一部には、「ハプスブルグ家の再来」とも見られている。この他にフランスのルペン国民連合党首をはじめ、イタリアやオランダの極右勢力が合流し、ヨーロッパの右翼勢力が結束しそうな雲行きである。
世界には、今や民主主義的、社会主義的な空気よりも右翼、極右的、帝国主義的な行動への回帰が表れているような気がする。日本でも政治や社会の動きに無関心でいたら、世間には保守的な空気が流れ、それがやがて右翼的なものとなり、気が付いたら昔の大日本帝国の軍国主義に戻る可能性だってあり得る。一説に依るとプーチンは、親ロのオルバン首相を操り、戦後国土を失った国々に再び旧国土を自国領にするとの甘言でルーマニアや、スロバキア、セルビアに帝国主義的領土侵略の行動を煽っているとの声が聞こえてくる。ロシアが帝国主義の亡霊を呼び覚ます中で、中央及び東ヨーロッパは、ヨーロッパの火薬庫となりつつある。
プーチンの匙加減でヨーロッパは危険な帝国主義的体制にのめり込む恐れが表れている。明らかにロシアは共産主義国家でなく、社会主義国家でもなく、帝国主義的国家である体質を表しつつある。
ところで日本はどうだろうか。裏金に目がなく、利己主義的で戦争好きな国会議員たちの間では、右翼化の傾向が表れ始めているのではないだろうか。