3127.2015年12月5日(土) 国際サッカー連盟(FIFA)またも汚職事件

 このところ国内外を問わず、嫌な事件が頻発している。当事者は何を考え、何を望んでこんな倫理に反する事件を引き起こしたのか。

 そのひとつの例は国際サッカー界の汚職である。興味本位に見られがちな事件とは、今年5月に収賄容疑でFIFA幹部6名がアメリカ政府に起訴された事件である。FIFA内で長期政権を築いていたブラッター会長とプラティニ副会長も確証はないとは言え疑念を持たれている。巨額のワールドカップ放送権料から贈収賄が起こった。この他にもワールドカップ開催地の選定を巡って、かなりの不正資金が使われたと見られている。そのため、次回開催地ロシアとその次の開催地カタールの決定に不正な支払いを受け取ったとしてブラッター会長、プラティニ副会長も疑われ、2人は現在資格停止保留中である。

 そこへ昨日新たなスキャンダルが発覚した。FIFAの汚職疑惑でスイス当局が、2人のFIFA副会長を逮捕したのである。その内の1人は中米ホンジュラス出身であるが、こともあろうにホンジュラスの元サッカー協会会長でもあった、ラファエル・カジェハス元大統領までも疑惑を持たれている有様である。5月にFIFAに司直の手が入った時、会長の下に8人もの副会長がいるが、なぜ中南米等途上国出身者が多いのかと疑問に感じていた。それらの大陸はサッカー強国が揃っていることもあるが、今現実にスキャンダルが暴かれ、大統領を務めた要人まで汚職に関わっていたとなると最早目をつぶっているわけにはいかない。

 現在の副会長には、活動停止中のプラティニ氏を含めてヨーロッパ出身者が3人、中南米から2人、アジア・アフリカ・オセアニアから各1人となっている。中南米選出副会長に至っては、前任者2人が5月に起訴され、新たに副会長に着任したばかりの現職2人が今回起訴された。FIFA内の自浄能力にも問題がある。こう言っては悪いが、汚職が多い背景に何となく納得が行ったような気がしている。

 本家FIFAがこんなにガタガタしていては通り一遍の改革では、とてもサッカー界から汚職を一掃することは難しいと思う。サッカー人気は順風満帆だが、それを更に育て上げ、真のスポーツとして管理していくためには、現状は厳しい問題を孕んでいると言っても良いのではないか。

 それにしても大金を前にすると、かつては国家のトップの地位にあった大統領でさえ眼が眩み、つい我を忘れて誘惑に駆られてしまうのだろうか。空恐ろしいことだ。

2015年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com