931.2009 年11月30日(月) スイス国内にイスラム・モスクは建設出来ない。

 先日来ヨーロッパで話題になっていたスイス国内のイスラム教モスク建設について、国民投票の結果モスク尖塔の建設を禁止する憲法改正案が賛成多数で可決された。今後スイス国内では尖塔の新規建設ができなくなった。この動きはドイツや、フランスでも物議を醸すことになりそうだ。

 これでスイスは極右思想国と看做される可能性が高くなり、スイス政府は気を遣って既存の尖塔は維持され、信仰は出来ると声明を発表している。しかし、すでにイスラム諸国から反発の声が挙がっており、今後の関係悪化が懸念される。スイスではかねてよりモスクから街中へ流れる礼拝時のアザーンの大音声が問題になっており、地元住民との間であつれきが生じていた。

 確かにイスラム諸国を訪れた時、耳に入ってくるあの読経のようなアザーンは、非イスラム圏から来た旅行者には、少々耳障りで異質な感じがする。朝早くから尖塔から大音声が流れると流石にけだるい気分にさせられてしまう。

 イスラム系住民と地元住民との交流もあまりスムーズにいかないようだ。かつて、東西対立時代の西ドイツでトルコ系住民が集団で固まって居住していたために、学校によってはトルコ系生徒が多くなり、宗教の違いから来る生活慣習の違いによる対立により、学校内が殺伐としていたという。その後東ドイツと統合されたことにより、ドイツは労働力としてトルコ人を必要としなくなり、イスラム系住民の排斥という新たな問題が浮上して、大きな国内、国際問題となった。

 異質な民族と共存することは、頭では納得出来ても現実問題としてすんなり受け入れるのは難しい問題がある。今ではいずこの国も民族問題を避けて通ることは出来ないが、感情論として好き嫌いの気持ちが表れてくるのは避けようがない。日本国内でも戦前の在日朝鮮人問題や、明治以降の部落民問題などは日本人の心の中に今日でも触れられたくない問題として引きずっている。

 表面的に民族差別はなくなったとは言え、根底には相手の気持ちを慮る気持ちが大切であるとつくづく思う。その点で案外無神経なのは、金さえあればとか、表現は自由だとか言って周囲の人たちの気持ちを斟酌せずに、不必要なトラブル発生の原因を作っている広告なども注意したいものである。

 ヤンキースタジアム内の右翼外野席前の「よみうり新聞」の大きな日本語広告や、シアトル・マリナーズのホームグランドのバックネット下に良く出る日本製品のCMなどは、あまりどぎついとアメリカ人の神経を逆撫ですることを考えた方がよい。逆の立場に立って、国立競技場や、東京ドームにけばけばしいハングルや、アラビア語で埋め尽くされた場合などを考えてみたらどうだろうか。

 要は「ほどほど」と「相手の気持ちを慮る」ということを忘れないことが大切ではないだろうか。

 それにしても株式市況の動きはめまぐるしい。先週末には、ドバイ金融筋の信用不安から大幅な円高となり、日経平均株価も一気に300円下げて、藤井財務相が具体的な対策を講じることもなく、この円高を容認するわけにはいかないと言った途端、週明けの今日の為替と株式市場は敏感に反発して、円は86円台に下がり、日経平均も264円も上がって9,345円まで戻した。

 しかし、世界の景気は一向に回復せず、雇用状況はぱっとしない。給料は下がり失業率も上がり、こんな経済状況ではどうしようもない。トップの鳩山首相はと見れば、親から譲ってもらった隠れ贈与を突かれて追い詰められつつある。怪しげな政治資金入金ルートを追及され、しどろもどろではないか。支持率は高いが、下手をすると短命内閣に終る恐れが出てきたように思う。

2009年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com