日本の人口が2010年以降年々減って、2024年10月現在1億2千3百万人である。少子高齢化現象により生まれる子は少なくなる一方で、65歳以上の高齢者は増えて3千6百万人となり、全人口の29.3%を占めていることは、これまでメディアでも度々伝えられている。
その少子高齢化現象の中で、人口が増えたのは東京都と埼玉県だけであるが、埼玉の場合は前年まで減少していたので、印象的には人口増は東京都だけという、まさに1極集中化である。その要因として考えられるのは、仕事や教育機会を求めて若い世代が東京に集中していることや、外国人の転入が大きい。
当然東京都は財政的にも負担が重くなるが、元々他自治体に比べて収入面で有利な立場にあり裕福だったので、その点は前向きに捉えているようだ。ただ、このところ都民に対して現金支給のような形で、授業料の補助や給食費支給など教育費の支出が、目に見えるようになると、それが思うようにできない他の自治体としては、裕福なところが羨ましい。実は近年これが東京都首都圏で問題になりつつある。
13日首都圏神奈川、埼玉、千葉県の3人の知事が、総務省と財務省を訪れ林総務相らに税収格差の是正を申し入れたことが伝えられた。伝えられたところによれば、東京都が潤沢な税収を背景に、独自施策にあてられる資金が、ひとり当たり28.1万円で、他の自治体の平均7.8万円の3.6倍である。この豊かな税収を活かして東京都は夏の水道料金を無料にし、18歳までの子どもに所得制限なく毎月5千円を支給するなどの行政サービスを充実させている。東京都と同じサービスは周辺自治体では財政的に苦しく、とてもできない。本来どこに住んでいても同じサービスを受けられるべき住民が、その居住地によって差別を受けている状況である。
東京都だけが確かに財政的に恵まれていることは事実である。それは法人事業税が企業の登記が行われる自治体に入るからである。大手企業などは圧倒的に東京都内に登記しているケースが多い。これら他道府県の動きに対して、東京都は猛烈に反対しているが、政府はこの法人事業税が東京都に集中していることについて、一部を他の地方にまわすことなどの是正策を検討している。
東京都が行っているこの種の住民サービスの中でも、それは特に教育面で目立っている。義務教育の子どもを持つ親としては、確かに助かると思う。東京都に多額の法人事業税による収入が多く入るのは、都民や東京都の努力によるものとは言い難い。前記3人の知事の言うことも理解できる。税収、或いはそのリターンは、公平に配布されるのが道理であると思う。
今日配布された世田谷区広報紙に、「2026年度世田谷区予算のあらまし」が記載されている。一般会計予算額431,353百万円の内、45,227百万円が都の支出金とされている。世田谷区歳入の10.5%である。かなり区としては助かるが、今後これをそのまますんなり受け入れることは難しくなってくると思う。