先月世界経済フォーラム、通称ダボス会議でカナダのカーニー首相が行ったスピーチが、今ヨーロッパの首脳らの間で評価され、注目されている。それは、アメリカ第一主義で力に任せて言いたい放題、やりたい放題のトランプ大統領を批判する内容だった。欧米のメディアでも「アメリカによる平和の終焉を痛烈に描写した」と伝えられている。カーニー首相が語ったのは、大国間の競争の中でルールに基づく国際秩序が衰えていると述べ、カナダもこの秩序の下で繁栄してきた一方で、時として大国に都合よく使われる「虚構」でもあったということだった。このところアメリカの都合次第で身勝手な要求をするケースが多いトランプ大統領に対しては、大分批判が高まってはきたが、他国の首脳陣らもやはりもう黙ってはいられないと思ったのだろう。
ついては、トランプ大統領が昨年10月にワシントンD.C.市内にアメリカ独立250年を記念して、凱旋門を建設すると語っていたが、一昨日ワシントン・ポスト紙が、トランプ氏はポトマック川を見渡せる場所に高さ250フィート(約76m)の凱旋門建設計画に執着していると報じた。建設計画者は、もっと小さい凱旋門を考えていたらしいが、トランプ氏が250周年記念だから250フィートが相応しいと強く主張した。いつもゴリ押しするトランプらしく、恐らくその内に名称も凱旋門ではなく「トランプ門」と呼ばせるようになるのではないかと思っている。
因みにご本家パリの凱旋門は、高さは約50mで小さいが、かのナポレオン・ボナパルトが建設させたものである。ナポレオンはセントヘレナ島へ流され、そこで亡くなったが、トランプ氏も無人のトランプ島へ流され、そこで波乱の生涯を閉じことになるのではないだろうか。
実は、トランプ大統領については今アメリカで問題になっているトラブルがある。それは、ワシントンD.C.にある総合文化施設「J.F.ケネディ舞台芸術センター」理事会が、昨年12月現名称を「D.J.トランプ及びJ.F.ケネディ舞台芸術センター」に改称すると決定したことである。ケネディ・センターは、銃弾に倒れたケネディ大統領のための記念碑であり、連邦法によって「ケネディ」の名がつけられた。理事会の決定は、違法である可能性が高いが、トランプ大統領が任命した理事らは、あまり気にしていないようだ。ただ、名称を汚されたような印象を抱かされたケネディ家の反感は拭えないだろう。
今年7月から2年間休館して大規模改修工事を進めるようで、恐らくケネディ大統領を押しのけて自らの存在を誇大にアピールする記念館にするのではないかと噂されている。トランプ大統領という人は、どこまでも自分を売り込むために何でもやってのける稀な人物と言える。