世界各地で相も変わらず紛争が絶えないが、ここへきて隣国同士のタイとカンボジアが国境線付近で戦闘を始めた。日本とは異なり陸路の国境を接している国は、お互いにちょっとしたお節介な行動が隣国の神経を逆なでするのか、争いに発展しがちである。早くもタイ側に住民ら12人が死亡し、国境近くに住む10万人以上の住民が避難したと伝えられている。カンボジア側には、国境近くにある世界遺産のヒンズー教遺産の「プレアビヒア寺院」がタイの空爆に晒されたと伝えられている。公私ともに良いことはまったくない。日本政府も両国に対して自制を促しており、グテーレス国連事務総長も懸念を表明している。
ウクライナ戦争も一向に停戦の希望が持てず、パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルの非人道的な空襲により、多くの住民が飢餓状態に追い込まれ幼児を含む多くの住民が餓死する酷い環境にある。昨日フランスのマクロン大統領が、来る9月に開催される国連総会でパレスチナ国家を正式に承認すると表明した。当然イスラエルは、強く反対している。トランプ大統領に至っては、「マクロン大統領の言っていることはどうでもいい。発表に重みがない」と深いコメントは言わなかった。イギリスとドイツは、慎重で特にこれまでとは変わらない姿勢である。パレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルの2国が併存することが平和のための条件と考えられているが、これに以前から強く反対しているのが、アメリカとイスラエルであり、従来よりパレスチナを国家として承認しているロシアや中国との対立が一層はっきりするだろう。
その点では、戦争とはまったく縁遠い平和で誰からも歓迎されるテーマパークが、今日新たに沖縄に開業した。これまでの東京ディズニーランド(TDL)や、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のようなテーマパークとは一味異なる、太古時代の恐竜が登場する「ジャングリア沖縄」のお披露目である。これは企画も一風変わっているが、オープンした場所も沖縄の北部で、普段あまり観光客が訪れない土地柄である。沖縄本島の名護市と今帰仁村にまたがるところである。TDLや、USJのような大都市にあるのとは違って、観光客が来ない土地であり、今後観光の起爆剤として期待されている。元ゴルフ場だった跡地を利用して建設され、アトラクションの建物がいくつか建てられ、これまでのテーマパークのようにその中で楽しむというのではなく、むしろ自然の中にお客を溶け込ませることを狙って計画されたようだ。土地面積も東京ドーム13個分に匹敵し、約60ヘクタール(he)あり、USJの54he、TDLの51heに比べてもやや広いくらいである。
何といっても恐竜が飛び出てくるのが目玉のひとつだろう。恐竜も20頭いるという。やはり相当の投資をしたようで、初期投資は約700億円だったそうである。入場料金は大人6,400円からで、TDLの7,900円、USJの8,600円に比較すればやや安い。TDLやUSJとは異なり、経営が日本資本によるところが好いと思う。今後期待通り沖縄観光業の先駆けとなれば結構だと思う。