6478.2025年2月6日(木) 大手企業による栄枯盛衰と発展への脱皮

 トランプ爆弾発言により各国から非難の声が挙がっているが、特に、外交関係を軽視するような発言には、グテーレス国連事務総長も「強制的な住民移住は民族浄化に相当する」として反対の意を表した。各国からトランプ大統領は本気で言っているのかとまで疑念を持たれている案配である。特に、関係国に対して関税を課す問題については、相手国との関係を考慮しない強引さと理不尽さに、呆れられている。

 翻って明日トランプ大統領は、石破茂首相との初めての首脳会談を前に、日本に対して現時点で大きな問題は見えないが、会談でどんな話題と結論になるのか、興味津々である。仮に日本に対しても関税を課すようなことになれば、日本経済にも影響が及ぶ。その日本の経済界の中でも、その影響を受けそうな大企業の経営上の厳しい問題が今脚光を浴びている。

 そのひとつは、自動車業界のライバル会社、ホンダと日産自動車による統合問題である。昨年12月下旬に両者と部分的に関与したい意向の三菱自動車の3社の社長による記者会見が開かれ、近日統合を公表することになるだろうと予測された。ところが、状況が一変した。昨日辺りから統合は破綻したというニュースが流れてきた。元々ホンダの三部敏宏・社長には、橋本英二・日鉄会長と同じように他人を見下す傲慢な一面があり、それを敢えて日産との統合まで話を進めたのは、三部社長のトヨタ嫌いが影響しているようだ。統合話破綻の真の原因は、経営的に上回るホンダが日産と対等合併する気はなく、日産を子会社化する意向であると報じられ、これを日産が受け入れられないとの内輪の話が外へ漏れて来たのだ。昨日開かれた日産の取締役会で反対意見が相次ぎ、今日日産社長がホンダを訪れ、三部社長に直接日産が子会社化されるのは反対と伝えて、経営統合は難しくなった。

 もうひとつ話題になっているのが、天下の「パナソニック」が、解散するという誤解されそうなニュースである。解散して会社自体がなくなるということではなく、経営形態を変更するということのようだ。パナソニックと言えば、家電、車載機器、電池、空調など幅広い分野に亘って事業を展開している日本を代表する企業のひとつであり、それが解散ともなれば、日本の経済界に与える損失、影響も計り知れない。

 その実情は、2025年度中にパナソニック㈱を解散し、事業ごとに独立した新しい子会社へ再編する決定をした。そこには各事業が独立経営を行い、迅速な意思決定を可能にするためと、「自主責任経営」を強化し、グローバル競争力を向上させる狙いがある。

 そのひとつである、経営戦略とは、①事業ごとの独立採算制を確立し、利益を最大化、②世界市場で戦える競争力を高める、③投資家にとって魅力的な企業構想を作る、の3点を挙げている。ひと昔前の企業の経営方針の中には、③なんてほとんど見られなかった。

 いずれにしても株式会社の営業方針と経営戦略が見直され、今後多くの企業においてもこの点は、充分銘記されることだろう。パナソニックという社名をどういう形で使用するのか、或いは使わないのかは現状では不明である。

 トランプ発言とは直接関係はなくても、日本企業も着実に変わりつつあるということだろう。それにしても松下電器のナショナル時代を知る我々の世代にとっては、ノスタルジアを感じる栄枯盛衰である。

2025年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com