高校の同級生からメールがあり、同じクラスメートの環境学者・中西準子さんが文化勲章を授賞されると知らせてもらい、直ぐネットでチェックしたところ確かに7人の受賞者のひとりに中西さんの名前が載っていた。また、今日の夕刊に受賞者の名前と略歴が紹介されていた。2010年に高校の4年先輩だった根岸英一博士がノーベル化学賞を受賞され、その年に中西さんは、博士と我々より21年も後輩のオーケストラ指揮者・大野和土氏と一緒に文化功労章も受章している。
彼女は環境問題の専門家で、一般には中々理解し難い分野で研究している。高校時代の印象では父親が参議院議員だったこともあり、英語の成績も良かったので文系に進むものとばかり思っていたので、横浜国立大工学部に進学したと知った時は意外な感じがしたほどである。高校1年時には同じクラスだったので、お互いに知ってはいるが、51人のクラスに女性は彼女を含めて僅か3人しかいなかったので、親しく話をするような機会はそれほどなかった。彼女が入学早々教室で♪第1インターナショナルの唄♪を堂々と歌ったのには、度肝を抜かれたことがあった。近年は同期生会もコロナ禍でストップしているが、これを機会に文化勲章受章のお祝いを兼ねて復活させたいものだ。
授賞式が行われる11月3日「文化の日」は、偶々私にとって86歳の誕生日に当たる。早速彼女にその日お互いに祝杯を上げようと、メールでお祝いのメッセージを送った。するとすぐに「ありがとう」と返信があった。とにかくお祝いごとでめでたいことであり、お互いに年齢を重ねたが、健康に気をつけて充実した余生を送りたいと願っている。
さて、今日本でアメリカのニュースと言えば、ワールド・シリーズ(WS)に尽きる。特に、微に入り細に入ってメディアが朝から晩までそのニュースを報道しているのは、ドジャースの大谷翔平選手とヤンキースのジャッジ選手の今季の成績を示してお互いの対決を煽っていることが大きい。元ニューヨーカー同士の43年ぶりの一騎打ちも全体のムードを盛り上げるのに役立っている。大谷選手、ジャッジ選手ともに両リーグの本塁打王、打点王でチームの勝敗以上に2人の対決が一掃興味を盛り上げているようだ。その煽りを受けたのが、日本のプロ野球界である。スポーツ報道が大谷一色に染まり、WSと同じ時期に行われる日本シリーズの影もやや薄い。先週(14日~20日)のTV視聴率ランキングでは、3位にMLBナショナル・リーグ優勝決定シリーズのドジャース対メッツ第1戦が、9位のセ・リーグCSシリーズ最終戦・巨人対横浜ベイスターズ戦を大分リードしたほどである。WSの実況も全試合NHKで生中継されるというから、日本のファンも大勢テレビにしがみつくことだろう。日本球界にも大谷選手のようなスタープレイヤーが現れないと、人気も高校野球にも追い抜かれかねない。WS第1戦は明日行われる。
WSを除けば、アメリカの話題は、金利の引き上げがこれから実施されるかどうかである。もし上げるようなら日本にとっても大いに影響が出て来る。とりわけ外為相場では、円安ドル高が進むことだろう。
もうひとつアメリカで話題になったのは、大統領選が残り10日に迫った中で、去る22日にトランプ前政権時に首席報道官を務めたジャン・ケリー氏が、トランプ氏は「ヒトラーは良いこともした。アメリカを守るために命を捧げた兵士たちは『カモ』、『負け犬』だ」とまで述べた。トランプ氏はファシストであり、極右の権威主義者、極端な国家主義者、独裁的指導者で憲法も法の支配の概念も理解していないとも語ったのである。この報道を知ったハリス副大統領は、トランプ氏は信じられないほど危険な人物であり、本当はどのような人物であるかをアメリカ国民に示す証拠で、彼は無制限の権力を求めていると批判した。一方、ケリー氏は首席補佐官当時、トランプ氏との関係が悪化してホワイトハウスを去った経緯があり、当のトランプ氏は「ケリー氏が憎悪から話をでっち上げた」とSNSでケリー氏に反論している。ここまで来ると、泥仕合の様相を呈してくる。ここへ来て意外なのはアラブ系のアメリカ人の間でトランプ支持が増えているそうだが、大統領選はどういう結果になるだろうか。