今年の気象は、地球の沸騰化現象の影響であろうか、異常な暑さと度々気温の激しいアップダウンには些か辟易させられる。一昨日から昨日午前中にかけて冷え込み、街を通行する人々もメディアのインタビューに着衣に頭を悩まされていると応えていた。
実は今日も昨日に比べて各地で大分気温が上昇しており、淡路島と沖縄・大東島では31.1℃と真夏日となり、10月の観測史上最高を記録した。関東でも南風が吹き込んだ千葉県内では、館山市で29℃、千葉市で27.5℃と夏日だった。いずれ夏夏冬冬と1年2シーズンになると懸念されているが、今冬はいつ頃やってくるだろうと考えてしまう。
気象がおかしいと世の中も少し狂ってくるようだ。このところ「闇バイト」と称する強盗事件が頻発している。かつてはこのような犯罪はなかった。8月末から首都圏内で次々発生し、14件もの同じような手口の強盗事件が起きている。強盗が押し入り、住人が殺害されたり、大けがをさせられている。一連のこの闇バイト事件に関して、警察庁が合同捜査本部を設けたり、石破首相が、警告を発するまでになっている。SNSでバイトを申し込んだことがきっかけで、素性の知れない指示役の指令に従い、普通の民家へ侵入して脅し、金を巻き上げている。複数で侵入する時は、お互いに見ず知らずの他人だというのが特徴である。今日もいくつかの昼間のエンタメ番組でかなり詳しく報道していた。一番驚いたのは、昨日山口県光市内で警察に捕まった若い3人組は、千葉県と茨城県の高校生2人と中学生だったことである。親も知らないところで、スマホでSNSによって指示役に強要され言いなりになって、悪の道へ足を突っ込んでしまったのだ。警察庁も困ったら警察に相談するようにとしきりに啓蒙しているが、犯人たちも指示役の手から抜け出せずに、逮捕されて初めて後悔している有様である。
昨年も似たような国際的な事件が頻発したが、それも「ルフィ」と呼ばれた指示役が、フィリピンの刑務所内から指示を出していた。幸いルフィと仲間が逮捕され、すべて解決したかと思いきや、今年の国内の闇バイト事件は、似たような別の組織が行っているようだ。あまりすっきりしない事件なので、ニュースを聞くたびに暗い気持ちにさせられる。
スマホを介したこの種の事件が起きるというのは、最近のスマホへの「のめり現象」が影響している。スマホは確かに便利ではあると思う。しかし、私自身もあまり使い慣れておらず、利便性が実感として分かっていない。ところが、スマホにのめり出すと夢中になって周囲がよく見えなくなる危険がある。そして、別の点でも視力を衰えさせることや、スマホでメールのやり取りに熱心なあまり、手紙や文字を書くことから縁遠くなることである。挙句に本も読まなくなる。教育的にはマイナス面が多過ぎる。その他に身近に感じたことがある。今日外出して電車座席に座り前の座席の乗客を見たら、12人の全員がスマホに夢中だったし、朝ゴミ出しに道路へ出たら目の前を通学する1人の女子高生がスマホにのめり込んで歩いていた。これもいずれトラブルを起こすことになるのではないかと心配になる。「利便必ずしも効果に非ず」と思った次第である。