6289.2024年8月1日(木) ハリス氏を差別、誹謗中傷するトランプ氏

 昨今の激しい気象の変化に人々の心情は目の回るような気持ちでいると思う。地域によって猛暑と豪雨が襲い、それぞれ大きな被害を与えている。昨夜は、都内23区にも6年ぶりの記録的短時間大雨情報が発表されたが、世田谷区ではそれほど大量の降雨はなかった。そして今日も朝から暑く、テレビでは危険なほどの暑さになると警告している。

 パリ・オリンピックも佳境に入り、日本選手のメダル獲得もあって盛り上がっている。今回の五輪を観て気になった点がある。それは審判の不審な判定とそれを誘うような疑惑的なプレイである。かつてシドニー五輪で柔道の篠原信一選手が明らかな誤審により金ではなく、銀メダルに終わったことがある。今大会も誤審ではないかと思える判定が気になった。他にもバレーボールや、バスケットで首を傾げるような判定がいくつかあった。確認のためにビデオでプレイを再現しているが、これとて視点によって見方は分かれる。それでも選手たちは不満を抑えて判定を受け入れているが、年々この種の微妙な判定は難しくなるばかりである。

 さて、アメリカの大統領選でバイデン大統領に代わってハリス副大統領が民主党の候補者に正式に指名されようとしているが、バイデン氏が大統領選から撤退を表明した時は、ハリス氏にはそれほど強い支持はなかった。それが日を追うごとに支持率が上がり、当初はトランプ氏もハリス氏はバイデン氏より戦いやすいと意にも介さないような口ぶりだった。しかし、ハリス氏がごく当たり前の正統的な論調で持論を訴えたことが、受けて支持率は徐々に上がって行った。トランプ氏の形勢は日に日に悪くなっている。流石にこの流れにトランプ氏も危機感を覚えたのだろうか、真向からハリス氏を批判し始めた。

 そんな時に昨日全米黒人記者協会の年次総会で登壇したトランプ氏は、司会の黒人女性記者の質問を受け、露骨にハリス氏をこき下ろした。ハリス氏は父親がジャマイカ人で、母親がインド系の移民であることを承知のうえで、「彼女が黒人だったことは知らなかった。それが突然黒人になって今では黒人と思われたがっている」とハリス氏の出自を侮蔑的に述べた。流石に共和党内からもハリス氏の人種的背景に疑問を呈したことは賢明ではないと指摘し、今後出自で攻めずに、政策課題で攻撃するべきだと声が強い。それにしても「全米黒人記者協会」などという黒人記者だけの協会があること自体、差別を意識させるが、これもメディアの間にも差別感があるということだろう。

 人種に限らず、多くの偏見と差別感を抱いているトランプ氏が、相手に対して悪口雑言をぶちまけるような差別的な言動を繰り返しているようでは、今後トランプ有利の流れは、逆転するだろう。もうすでにトランプ氏が「もし大統領になったら」との比喩的ワード「もしトラ」が、あまり使用されなくなったという。

 我々部外者の目から見ても、ハリス氏の方が「差別」、「対立」、「分断」などの視点、また人格的に見てもよほどアメリカ大統領に相応しいように思える。大統領選まで残り3か月余りであるが、これからもトランプ氏がハリス氏のアラ探しをして、差別と非難を繰り返すだろう。その一方で、ハリス氏は政策を真面目に訴えるだろう。さあて、どちらがアメリカ人にとってはプラスに働くのだろうか。

2024年8月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com