必ずしも国内の経済状態だけが影響するわけではないので、この先のことは何とも予測し難いが、意外にもこのところ外為市場では円高傾向が着々と進行していることが分かった。昨日1㌦=153円台にまで進んだので、オヤッ?と首を傾げていた。先週はほぼ160円台を行き来していたので、久しぶりに円高に戻りつつあるのかなと期待を抱かせる。今年の年初は、1㌦=140円92銭から始まった。その後日を追うに従い円安が進む一方で、1年半前の2023年初の1㌦=131円16銭なんか遥か遠くへ追いやられてしまった。
若い時から海外を旅していたので、日本経済がまだ立ち直れていなかった半世紀以上前は今から考えれば超円安だった。外国為替管理法も厳しく、ひとり500㌦までしか持ち出せず、しかも1㌦=360円の固定相場制だった。それが節約・貧乏旅行を私自身に課すようになったわけである。1973年以降は変動為替相場制になり、2011年10月には、実に1㌦=75円32銭の超円高相場となった。当時の日本円は、今の約2倍の価値があったと言えよう。
円高相場で、一体1㌦は日本円でいくらが適当なのかは、難しいところだが、貿易で輸出は優位となる円安でも反面輸入は価格の高騰により厳しくなる。原油など大量の輸入に頼る日本経済は苦しくなる。いずれにせよバランス次第であるが、極端な外貨の上下降は避けてもらいたいものである。その意味では、現在の1㌦=160円前後は、日本経済にとって厳しい面が多い。思い返してみるとコロナが流行していた2020年ごろは、1㌦=110円前後だった。コロナにより円の価値も下がってしまったと言えよう。
今の円高傾向がもう少し進み、コロナ前の為替相場に戻れるなら由しとすべきだと思っている。但し、今日は日経平均株価が対前日比1,285円も下がり、3万8千円を割り、37,869円まで下がった。株価の大幅値下げは、円高の影響が表れていると専門家は解説している。株価については、分かり難い点が多いが、取り敢えず円高基調ならしばらくこのまま見守っていきたい。
明後日からパリで開催されるパリ・オリンピック開会式に先立って、今日早朝ボルドーで男子サッカー1次リーグ開幕戦対パラグアイ戦が行われた。びっくりしたのは、日本代表チームが大方の予想を覆し南米王者のパラグアイに5-0の大差で勝利したことである。こんな大番狂わせが演じられるとは誰もが予想もしておらず、テレビの報道番組でもスタッフは驚いている。正に1996年アトランタで日本がブラジルを下した時と同じ興奮ぶりである。幸先の良いスタートとなった。第2戦マリ戦に勝てば、予選リーグ突破が決まる。これでパリ大会の前途は大分明るくなった。