6015.2024年2月9日(金) 猪に襲われた中学卒業直前の大事件

 最近猪に襲われる人が増えたと昨日の新聞に出ていた。2022年度は過去最多で81人が襲われたそうである。クマに襲われるケースはしばしば報道されるが、猪は確かに少ないようだ。どうして猪に襲われたような記事に目を惹かれたかというと、実は私も中学時代に猪に襲わかかって、危うく難を逃れた体験があったからである。

 京都市右京区の阪急嵐山線の上桂駅近くに住んでいた当時のことだった。仲の良かったやんちゃな友だちと2人で嵐山に近い松尾山中にメジロを捕獲に出かけ、山道を歩いていた時だった。後ろの方から不意に「あっちだ、こっちだ」との大きな声にふっと後ろを振り返った時、目に入ったのは我々へ向かって突進して来る1匹の大きな猪だった。一本道を猟師たちが鉄砲を持って猪を追いかけ、その先を我々2人が歩いていたのだった。友だちが「逃げろ!」と先に走り出した。彼は直ぐ左側の傾斜面を登り出した。途中で「ここを登れ!」と私に大声を張り上げた。斜面を何とか登って下を見た時、猪が一本道を体を揺さぶりながら走り去って行った。その後を猟師らしい2人の男がワイワイ言いながら「どっちへ逃げたかなぁ」と言っていた。友だちと下へ降りると道にはところどころに血痕があった。猟師から撃ち損なった手負いの猪だと聞いてギョッとした。猟師は「猪突猛進」と言う言葉があるように、猪は獲物をめがけて一直線に突進するので、斜面を上に登ったのは良かったと言ってくれた。何のケガもなく逃げ切れたのは、運が良かったこともあるが、知らない間に友だちと斜面を一緒に登ったことが良かったようだった。中学卒業直前の考えられないハプニングだった。一緒に逃げたその仲良しの友だち、「登喜さん」こと、湯浅孝康(旧名:登喜夫)くんも宇治市内の商店会役員として活躍していたが、悲しいことに11年前にこの世を去り、もう「猪突猛進」について語り合うことは出来なくなってしまった。

 さて、昨日財務省が公表した2023年の国際収支が、黒字で何と前年より92.5%増の20兆6千億円だったという。貿易収支は自動車の輸出などが好調だったが、全般に輸入が増えて結果的には赤字だった。では何が故に国際収支が黒字になったかと言えば、コロナ禍が落ち着き外国人旅行者が増えたこともあるが、意外にも海外にある子会社から企業が受け取る配当などが増えたことに加えて、円安の影響もあり全体で黒字になったという。

 そこへ今日財務省は改めて2023年末の国の借金を報告した。毎年増え続けている借金が、また増えたのだ。過去最大の1,286兆円に膨らんだ。一時的に国際収支が黒字になっても毎年赤字予算を組んでいるようでは、将来に禍根を残す国の借金は増えるばかりである。財政再建と言う言葉が毎年のように言われているが、真剣にこれに取り組もうとの気持ちが財務大臣をはじめ政治家にはないのだ。毎年増え続けていた借金が、2013年に1千兆円の大台に乗ってから歴代の財務大臣は、増えることを当然と思って予算を組んでいる。今や全国民が1人当たり1,025万円の借金を抱えていることになる。

 借金膨張の原因については、決まって高齢化社会になって福利厚生費が大きな負担となっていると言うが、むしろ防衛費増額が大きく影響しているのではないか。共産党以外いずこの党も防衛費削減には二の足を踏んでいるが、これをバッサリ切れば、せめて借金の増額分は償えるのではないだろうか。

2024年2月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com