5772.2023年6月10日(土) ジャングルで大人は「死」、幼児は「生」

 世の中には、驚くべきことや、奇々怪々なハップニングは起こり得るが、このニュースばかりは俄かには信じられない。ジャングルで発見された時の最初の報告が、「奇跡、奇跡、奇跡だ!」というものだった。これを聞いた大統領が、「国にとっての喜びだ! 国への贈り物だ!」と率直な喜びを表しツィッターに投稿した。

 こんなことがあるのかと思えるハップニングは、南米のコロンビアで起きた。ことの発端は、去る5月1日アマゾンのジャングルに小型飛行機が墜落し、操縦士と母親ら3人の大人の死亡は確認されたが、4人の子どもたちの行方はようとして分からなかった。そして約40日も経過して昨日になって奇跡的にも13歳、9歳、4歳、1歳の子どもが生きていることが確認されたという。しかも1歳の赤ちゃんはこの間に初の誕生日を迎えていたことが分かった。とても信じられない。彼ら母親と4人の子どもは、現地先住民だった。子どもたちには、脱水症状や虫に刺された症状があるというが、1か月以上もの間幼い子どもだけで野生動物が生息するジャングル内で、誰の助けを借りることもなく食事も与えられず無事という奇跡なんてあるだろうか。ネットで現場の写真を見るとジャングル特有の大きな植物や、適度な気候が幸いしたように思える。これがゴツゴツした岩山や、強い日射の砂漠地帯、海上だったらとてもこんな奇跡は生まれなかったと思う。

 子どもたちの母親は亡くなったが、祖父母や父親は生存しているようなので、肉親や周囲の温かい理解と助けを得て子どもたちが揃って、第2の奇跡である全員が天命を全うするまで健康に生きながらえるよう願って止まない。

 さて、世襲議員へ厳しい批判が高まっているが、「週刊ポスト」今週号は、「岸田バカ息子(翔太郎氏)が公邸追放、広島で『立候補準備』へ」と少々意地の悪い見出しで、先般首相政務秘書官を更迭された首相の長男を取り上げている。しばらく派手な行動を起こさないよう自重すれば良いのに、この長男もこうなったらこうするしかないとばかりに早変わりで世襲ぶりを発揮しているようだが、物笑いの種になるのではないだろうか。

 自民党内では頭の蠅も追い払えぬ内に、岩手県では筋金入りの世襲候補を自民党県連が自民党本部へ次期衆院選公認候補の申請を行う方針だという。その世襲候補とは、米内紘正・岩手県議員で帝国海軍の総司令官として海軍大臣も務めた米内光正元首相の曾孫だというから、並みの世襲候補とは別格である。学歴も開成高校から東大農学部卒というから、安倍氏や麻生氏のようないわゆるお馬鹿首相とは違うようだ。ただ、それでも米内県議の名を出せば、必ず曽祖父の米内光政元首相の名が思い出されるだろうから、世襲の恩恵を受けることは間違いない。本人は当然曽祖父の高名を利用したいだろうから、どうやって世襲候補者のイメージを払拭しつつ、自らが出来る行動と政策をアピールするかということになろう。

 残念ながら一時世襲制度を批判的にアピールしていたメディアに、昨今「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の傾向が見えるのがどうも気になるところである。

2023年6月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com