5761.2023年5月30日(火) 岸田首相、長男の政務秘書官を更迭

 政治家に有りがちな後ろ向きの行動にはうんざりさせられる。昨日岸田首相は、長男の政務秘書官を6月1日付で交代させると発表した。野党からはもちろん、自民党内でもかなり批判的な声が強く、政権運営上首相自身が更迭を決断したようだ。長男が仕出かした不祥事とは、昨年末に首相官邸内の公的な場で、首相の長男をはじめ甥や姪ら親族が集まって忘年会を行い、長男の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切であったというものである。確かに公に公開された写真を見ると首を傾げるシーンが多い。こんな幼稚な行為ぐらい非常識だと息子は気がつかなかったのだろうか。

 今回の事件は、初めてではない。今年1月外遊する首相に同行してロンドンを訪れた際、大使館の公用車で市内観光を楽しんだり、ショッピングをしたと追及された。買い物は世話になった人へのお土産として購入したもので公的な業務だったと弁解していたが、今回ばかりは許されなかった。首相も前回は厳しく注意したということで乗り切ったが、今度ばかりは2度目のドジで前回の事件からまだそれほど時間も経過していない。結局岸田家三代に亘る世襲の挙句に、膿が出たということではないだろうか。

 つまり岸田世襲家の体質が行動に現れたと言っても好いのではないか。若いころから周囲が皆お膳立てをしてくれ、あまり考えることもなく行動出来る。今日本の政治家に世襲の割合が高くなった。そう簡単に政治家になれない中で、生まれつきの家系のお陰で苦労なく政治家になれる世襲政治家というのは、政治家としての努力や勉強もせず、ただ運が良いというだけだ。

 それにしても10年ほど以前のことであろうか、自民党が率先して選挙で世襲議員を認めないルールを作ったことがある。あれは親と同じ選挙区からはある一定の期間を置かなければ、立候補出来ないと決めたものだ。世襲議員にとっては不利益が多すぎて苦情が出たのだろう、あっという間に消えてしまった。しかし、いずれにせよこの世襲問題は国民にとってマイナス面が強すぎるので、遠からず世襲議員廃止の動きが現れることだろう。

 さて、今日はNPO法人「JAPAN NOW観光情報協会」定期総会が開催され、何年ぶりかで出席した。同NPOはコロナ渦で十分な活動は抑えられていたが、地道に活動を続けている。理事長が一身上の理由から急遽辞任されたので、今年度は暫定的に理事長を選出し、来年度改めて新理事長の選任を行う。総会後にJR東海顧問の須田寛氏が、「『産業観光』の位置と役割」のテーマで講演された。須田氏は今年92歳になられるが、相変わらずお元気で矍鑠としておられる。僭越だが、私的な質問と感想を述べさせていただいた。日本国内だけで活動する国鉄、JRに長年勤めておられた須田氏が、海外とも連携しなければならない「産業観光」にご執心で哲学を持っておられるのに敬服している。「産業観光」が「見る」「学ぶ」「体験する」であるということは、「触れる」「コミュニケートする」ことでもある。現在インバウンド需要は盛況であるが、海外旅行初期には、公的に国民が海外とコミュニケートすることを妨害されていたような印象を受けている。幸運にも役所の努力もなしにインバウンドが繁栄するや、観光業の発展に何もしなかった役所が、観光業繁栄を得意げに語っている。散々役所に痛めつけられた初期の海外旅行に携わっていた我々観光業者にとっては、頭を切り替えるべきだと役所を批判する話をした。須田氏も納得してくれたようだし、出席者からも理解してもらえたと考えている。

2023年5月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com