5375.2022年5月9日(月) ロシア、対独戦勝記念軍事パレードを挙行

 昨日まで5月にしてはやや暖かく、あの北海道ですら真夏日が記録されたほどだったが、今日は昨日に比べて最高気温が5℃も下回り、大分寒いと感じて自室内では暖房をつけていたほどである。加えて小雨が降って一層寒さを感じた。まぁ庭の樹木には良いお湿りである。いつまでこのような気温の変化が激しい陽気が続くのだろうか。

 さて、今日はロシアが1945年第2次大戦で対独戦の勝利を祝う戦勝記念日として、ロシア各地28か所で軍事パレードが行われた。時差の関係もあり、午前中には極東のサハリン州都ユジノサハリンスクで勇ましいパレードが行われた。日本時間午後4時過ぎになって主会場であるモスクワの赤の広場では、プーチン大統領が演説を行った様子が生中継された。

 演説の要点として、①ナチスが復活しないように祖国の未来のために先手を打った。②ウクライナに最新の兵器を提供していると欧米を非難した。③避けられない唯一の正しい選択肢として特別軍事作戦を始めざるを得なかった。④欧米に互いに歩み寄れる安全保障体制を提案したが、無駄だったと述べたが、アメリカやNATOに対してウクライナを含む旧ソ連圏へのNATO不拡大を盛り込んだ条約案を送ったが、拒否されたとの不満を指しているようだった。欧米のメディアがその可能性を漏らしていた、ウクライナに対する戦争宣言、勝利宣言、或いは核使用については触れなかった。いくつか首を傾げる事態があった。前宣伝が派手だったにも拘わらず、パレード参加の兵士の数と軍事車両が少なかったことと、パレード直前になって恒例の編成飛行が突然中止されたことで、過去にはないことだった。天候が勝れないためとの理由だが、映像で観る限り上空は雲こそあったが、青空が見えていた。2日前には予行飛行を行っていたのに、隠された事情があったのだろう。

 1995年戦勝50周年記念式典には、江沢民・中国国家主席、ミッテラン・フランス大統領、メージャー・イギリス首相ら55カ国もの首脳クラスが、ずらり軍事パレードに出席していたが、今年ばかりはさすがに外国首脳はどこの国からも出席しなかった。日本からはかつて2005年に小泉首相が、ブッシュ(ジュニア)大統領、アナン国連事務総長らとともに出席したことがあった。

 ところで、昨日韓国で反骨の詩人と言われた金芝河氏が亡くなったとのニュースが入って来た。1970年前後に韓国民主化運動に関わり、朴正熙政権特権層の振る舞いを批判した風刺詩「五賊」を発表し、大きな話題となった。だが、これが政権を怒らせ投獄される羽目に陥った。一時は他の罪状と合せて死刑の判決を受けたが、後に減刑され7年間獄中にいた。「五賊」を発表したことにより、民主派のみならず、韓国当局にも金芝河という名を知らしめることになった。

 そもそも「五賊」とは、「首都ソウルのど真ん中に住む五人の盗人」との意味でやや刺激が強過ぎた。金芝河はこれら盗人に朴政権の腐敗を代表させ、架空の化け物として象徴化した。五賊とは具体的に、①財閥、②国会議員、③高級公務員、④将軍、⑤長・次官である。これが大きな話題になり、反政府活動を活気づけた。軍事独裁政権下にあって中々このような勇気のある人物にはお目にかかれない。特に平和ボケした日本では、先ず見当たらない。印象に残る韓国人のひとりだった。

 その後韓国では朴正熙大統領は、民主化運動を取り締まったが、思っても見なかった身内の大統領府警備担当部長によって射殺された。この不祥事以降韓国では、大統領の晩年は不幸に見舞われるケースが多発している。果たして明日就任する尹錫悦次期大統領は、大過なく職務を全うすることができるだろうか。

2022年5月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com