5267.2021年10月13日(水) オリンピック競技施設がレガシー?

 最近しばしば「レガシー」という言葉を耳にする。「遺産」と言う意味で使われるが、オリンピック・レガシーという言い方、オリンピックに使用された競技場施設などを表している。だが、それら施設は本当に「遺産」と言えるものだろうか。

 今朝の朝日新聞に「五輪『レガシー』止まらぬ赤字」のタイトルで今年開催されたオリンピックとパラリンピックのために新設、或いは改築された施設の維持に関する記事が掲載されている。

 案の定と思ったことであるが、施設の新設計画された時、莫大な費用がかかるのに、どうして既存の施設を少しでも改良して使用することが出来ないのか釈然としなかった。今更悔やんでも始まらないが、施設はいずれも維持費がバカにならないのだ

 既存の施設に若干手を加えるなりして、どうして再使用することを考えないのか疑問に感じたのは、自宅近く駒澤オリンピック公園内に立派な施設がいくつもあり、今も数々のスポーツ大会やイベントに使用されているからである。しかも2つある屋内競技場のひとつとホッケー・グランドは割合最近になって改修されたばかりである。加えて今大会の各施設のように孤立して建てられた施設ではなく、公園内に一定のスペースを取り施設がいくつ分散して駐車場も完備し、交通の便も頗る良い。名前まで前大会に使用されて駒澤「オリンピック公園と名付けられている。

 もちろん今後これらの施設も各競技団体やイベント会社などによって有効に利用されると思うが、とても建設費を賄うまでには行かないだろう。今年の2つの大会のために新たに作られた主な施設だけで6か所もある。特に競泳会場として建設された東京アクアティクスセンターなどは、近くに東京辰巳国際水泳場があるにも拘わらず「無駄」な施設と思えるように新設された。それが、毎年約6億4千万円の費用がかかるという。新設された「大井ホッケー競技場」などは、前記の改修されたホッケー場があるだけに敢えて新設する必要はなかったとにかく東京都の6施設の内5つの施設だけで年間10億円以上の維持費がかかるという

 これらの施設を建設するに際して、東京都の関係部署、或いは関係スポーツ団体ではどれほど施設新設の必要性を感じて、代案も充分検討したうえで決定したのか、今後のためと、同じような国際大会開催に照らして精査するべきである。同じような施設を敢えて作った無駄については、妙な思惑や忖度があったり、建設を請け負った大手建設会社などとの間に裏取引や、その中を取り持った人物がいたのではないかと勘繰らざるを得ない。

 現在東京都は施設の赤字額について、スポーツ振興に向けた投資と説明しているようだが、資金の出どころは都民の税金であることを頭に入れて欲しい。コロナ禍で大変な時期とは言え、落ち着いたら都はきちんとオリンピックの収支と今後の対策と影響について精査し、その結果を発表してもらいたいと思っている。

 さて、このところ東京都を中心に全国的にコロナの新規感染者数が減少し、ややホッとしている。今日までの1週間で都内の1日平均新規感染者は88.7人まで下がった。それでも油断大敵、気を許すなということがしきりに言われている。そこへコロナの感染第6波が襲うとの試算が公表された。仲田泰祐・東大准教授らの試算によるものだが、①飲食店などへの時短要請、②大規模イベントの制限撤廃、③来月から3カ月間感染拡大前の経済活動復活、などを考慮に入れた場合、来年1月以降徐々に感染者数が増え、2月に都内の感染者が1日5千人を超え、2月第3週には1万人を超えると想定されている。そのためには、ワクチン接種率向上、重症患者への対応を引き上げることが重要である。確かに最近日々新規感染者数は減少しているが、もうコロナ禍は勘弁してもらいたいというのが本音である。

2021年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com