4909.2020年10月20日(火) 新聞販売数減少下の新聞広告拡大対策

 今日朝日朝刊を開いて首を傾げた。5頁いっぱいに「♯広告しようぜ」という全面広告が載っていた。「広告はつまらない」「広告は嫌いだ」「広告なんて」と自虐的な言葉の下に「それでも広告は、時に企業のメッセージを超えて、人の心を揺さぶり、時代を象徴し、社会を動かす(こともある)~」との文言が続いている。朝日新聞メディアビジネス局が企画・制作したものである。新聞広告を呼び掛ける広告である。それだけではない。その他に全面広告4頁を使って「♯広告しようぜ」とPRしているのだ。近年簡便な携帯の普及により各新聞とも発行部数が漸減している。ネットで情報を得られるようになって手軽にスマホ等からニュースや情報を仕入れているのだ。しかし、ネットから得られる情報だけでは、しっかりした記事や解説などは得られるとは思えない。根本的には、スマホの急激な普及が新聞の購読者数を減らし、更に読書をする人まで減らしてしまったように思っている。新聞購読者が減少したことにより、企業の販促活動で新聞広告に依頼する度合いが減ってしまったことが、この「♯広告しようぜ」につながったのだと思う。

 新聞広告の対費用効果が下落したということではないか。それはテレビ広告でも感じることがある。最近の民放テレビの放映時間内の広告割合の多さには呆れることがある。それは、広告スポンサーが減ったために広告料金を値下げして、その代わりに広告時間を増やして多くの企業の広告で分担するからだと思う。それによってテレビの広告では、今まで社名も知らなかった企業が増え、かつての重厚長大企業の広告掲載が減ったように思っている。これも経済の成り行きや、広告宣伝費を支出し易い企業にも栄枯盛衰があるのだろう。それにしても大朝日新聞に全面5頁も使って商品広告ではない広告を掲出するとは、日本経済も大分変化してきたということだろうか。

 さて、首相へ就任して菅義偉首相は夫人を伴い初めて外遊に出かけた。ベトナムとインドネシアを最初の訪問国に選んだのは、南シナ海における海洋進出で影響力を強めている中国に対して、価値観を共有する両国とインド太平洋構想で理解を求める考えである。今日ベトナムからインドネシアへ飛んだが、それなりに実績を残した安倍前首相のルートを辿った訪問でどれほどの成果を上げることが出来るだろうか。

 その菅首相の今日発売された文春新書「政治家の覚悟」なる著書が、今朝の朝日紙広告に大きく載っている。ところが、その著書について朝日にはこんな記事が書かれている。これは民主党政権時代に発行された著書「政治家の覚悟 官僚を動かせ」を改定したものだというのである。それ自体は問題視することはない。しかし、大事な箇所を削除しているというのだ。民主党政権の政権運営などを批判した文章だという。民主党政権の議事録の保存状態を問題視し、「政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への配信行為」とまで言って公文書管理の重要性を訴えていた。そう述べたご当人が、疑念だらけの公文書取扱いをやっているのだ。モリカケ問題で公文書を改ざんしたり、廃棄したのを承知していたのは当時の菅官房長官だった。首相に地位に就いて菅首相はこの点についてどう整合性を説明するのか。

2020年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com