4906.2020年10月17日(土) 中曽根元首相葬儀に国費投入と黙祷強制

 昨年11月に亡くなられた故中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬が、喧しい話題を提供しつつ今日厳かならず仰々しく新高輪プリンスホテルで行われた。秋篠宮ご夫妻、真子様、佳子様ら皇族、菅首相以下森喜朗、小泉純一郎歴代首相らが列席された。ユーチューブで画面が流れていたので一部観てみたが、これが1億円の国費を投じた葬儀かと思った程度の感想しか湧いてこなかった。あまりにも費用をかけ過ぎている。更に行き過ぎではないかと思えるように、文部科学省が国立大学や各都道府県教育委員会などに弔旗を掲揚し黙祷すること要望し、また総務省が都道府県知事と市区町村長に対して葬儀中に哀悼の意を表明することを文書で求めた。これが各界に複雑な問題を提起した。

 公務員のほとんどが出勤していない休みの土曜日にどうして彼らに黙祷を捧げさせようとまでいうのだろうか。日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)は、この点について政府が国民への奉仕者である公務員の政治的中立性を損ない、公務員個人の内心の自由を侵害することにつながるとの談話を発表した。

 確かに中曽根首相が国のために総理大臣として奉仕したことは認めるが、亡くなってから1年も経ち、中曽根家としての葬儀もすでに終え、今でも新型コロナウィルス禍が収束していない中で多額の国費を費やしてまでも、多くの国民に黙祷を強いるような葬儀を行う必然性があるのか疑問である。

 安倍政権を継承すると言った菅首相は、この件でも安倍前首相の決めたことを踏襲している。多額の税金が注ぎ込まれるひとりの政治家の葬儀にかくものめり込んでいるが、こんな調子で今後別の面でも影響が表れないか。もう少し慎重に対応すべきではないか。

 さて、一昨日西武ホールディングが日本政策投資銀行とみずほ銀行から800億円の融資を受け入れると発表した。このニュースを聞いて驚いた。融資を受け入れるのは西武HDの2社、西武鉄道とプリンスホテルでいずれも西武HDを代表する押しも押されぬ大企業で経営状態が悪いとの噂や風評はこれまで聞かれなかった。因みに西武鉄道は、大手私鉄16社の中でも営業利益率ランキングでは、2018年第1位、2019年は第2位と常に私鉄各社の模範的存在だった。売上高に対する営業収益率も23.5%と堂々たるものだった。それが如何にコロナ禍の下で交通機関が苦戦しているとは言え、それは他の私鉄各社も同じ条件下にあり、なぜ西武だけが急激に坂道を下るようになったのか原因が見つからない。故中曽根元首相の葬儀会場も、西武系のプリンスホテルであり、西武グループの2枚看板である西武鉄道とプリンスホテルが下降線をたどるようになったのかよく分からない。

 西武とは関係ないが、同じ鉄道会社の南海について今日こんな記事を目にした。今から百年以上も昔(1918年10月21日付)の読者の投稿が朝日朝刊に掲載されていた。「電車発着時刻は、社会に対する一の約束なり、厳守する事は管理者の義務なり。然るに和歌山直行電車の如きは浜寺以南に於いて殆ど常に四五分、甚だしきは十分間も早発す。半時間の間隔を有する和歌山行に、乗り遅れたるものの迷惑又は損害の少なからざるを思へ。~~」。時間前に駅に着いていながら電車に乗れなかった投稿者の憤懣たる気持ちはさもありなむと思う。今ではとても考えられない。

2020年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com