4690.2020年3月15日(日) フィリピン、米比地位協定廃棄

 日米地位協定が極めて日本に負担が重い相互協定で、アメリカと他の国々との協定内容に比べてもあまりにも日本にとって不利な内容となっている。一部には協定を改定すべきであるとの声もあるが、安倍政権にはそのような動きはない。現在米韓協定が、アメリカが韓国に対する負担額を大幅に値上げする交渉が、韓国の強硬な反対で暗礁に乗り上げている。韓国との交渉にカタがつけば、アメリカは次のターゲットとして日本に無理を言うことは間違いない。

 アメリカの言い分は、東アジアの地域防衛のためにアメリカが後ろ盾になって国の防衛に当たるので、自国がアメリカに世話になっている防衛費について応分の負担をという論理である。

 ところが、寡聞にして知らなかったが、フィリピンではドゥテルテ大統領が先月11日に「訪問米軍地位協定(VFA)」の終了をアメリカ政府に通告していた。このVFAは1998年に結ばれてからさほど日時が経過しているわけではない。それに「訪問」とあまり聞き慣れない言葉が使われている。実はそれ以前に本来の「地位協定」が1991年まで締結されていた。しかし、同年にフィリピンにとって負担が多すぎるとして協定を解除した。ところが、フィリピンの国防上問題があるとして両国が確認して一時的に米軍がフィリピンに上陸することが出来るとして1998年に「訪問米軍地位協定(VFA」」が締結された経緯がある。そのVFAがフィリピンの一方的な通告により廃棄されることになった。これには、ドゥテルテ大統領の側近だった国家警察長官を始め、国会議員の訪米についてビザを発給しないアメリカに対する反感と対抗策があった。

 両国の間には、1951年に結ばれた米比相互防衛条約と防衛協力強化協定が機能しているが、これにはVFAがなければ有名無実化するとみられており、米比間の防衛協力体制は、今後見通しが立たなくなるであろう。

 トランプ大統領は、大いに結構で多額の節約が出来ると、どこまで本気か分からないが、逆に大統領選を前に自らの成果と誇っている。

 日本政府もただアメリカの言い分を鵜呑みにするだけではなく、これらフィリピンの対応や、韓国政府が対米交渉で粘っている現実をしかと受け止め、日本の立場をアメリカへ伝えて、もっと日本にとって利のある交渉を進めるべきであると思う。

 さて、いつもながら新型コロナウィルス感染の影響が拡大している。昨日までに世界中の感染者数は15万人を超え、死者は5,764人となった。最も死者の多いのは、最初に感染者を出した中国で3,189人、以下イタリア1,441人、イラン611人、スペイン183人、フランス79人他であるが、アメリカの感染者も急速に増えて死者すでに43人となっている。大リーグの開幕は延期され、アイスホッケー、バスケットボールも停止状態である。東京オリンピック開催も怪しくなってきた。まったく鬱陶しくなる。いつになったら終息に向かうのだろうか。

2020年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com