2797.2015年1月9日(金) 桜島噴火の予兆に川内原発再稼働?

 このところ厳しい寒さが続いて、降雪も激しく例年に比べてかなりの積雪量があり、北海道や東北各地では公共交通機関にも相当の影響が出ている。一方南方では、鹿児島の活火山桜島に山体膨張と呼ばれる異変があり、地中深くには噴火の可能性があり、気象庁は警戒を発している。

 こういう予断を許さない自然環境下で、今年中に九州電力では2つの原子力発電所、佐賀県玄海原発と鹿児島県川内原発の再稼働へ向けた動きがあると見られている。その一つ、川内原発は桜島の近くの極めて危険な地域に立地しており、一旦桜島が大噴火を起こせばその影響が川内原発に直接及ぶことは火を見るより明らかである。原発賛成派や九州電力では、川内原発は原子力規制委員会による安全審査をパスし、地元川内市民の了解も得たとして再稼働へGOの姿勢であるが、この火山爆発の可能性、及びその影響については触れようとはしない。放射能の危険性に鈍感なのである。本当に大丈夫なのか、きちんと精査したうえで、結論を出すべきであろう。尤も原発が危険なことはその原発が事故を起こして初めて気がつくことであり、危険は決して消えるものではない。その意味でも再稼働自体極力避けるべきであると思う。

 さて、一昨日以来メディアの大きな話題となり懸念もされているパリの残忍なテロ事件について、フランスは欧米各国と閣僚級レベルの国際会議を開いて対応策を協議することを決めた。主犯と見られる2人の兄弟が未だ身柄を拘束されず、フランスは多くの捜索隊を繰り出している。過激なイスラム集団の行動に対して、純粋なイスラム教信者は一定の距離を置き、自分たちの考え方からは今度の過激なテロはまったく受け入れられないと言っている。イスラム教徒が犯した蛮行という観点から、イスラム教信者全体を阻害し、隔離させる動きに歯止めをかける良識的な常識論も出ている。

 ニューヨーク9.11同時多発テロ事件の1年前、パキスタンとアフガニスタンの国境・カイバル峠を訪れる前に買い求めた「イスラム教の本」(学研発行)に改めて目を通してみた。それによるとしばしばテロ集団と見なされる「イスラム原理主義」という言葉は、日本では比較的一般化しているが、イスラム世界ではこのような表現はされていないという。実際には分派と根源派という仕分け方があり、イスラム原理主義とはこの根源派を指す。ただ、すべてのイスラム教徒の心の内には分派の素地があり、それが表面に表れるかどうかは、その時代の政治や社会状況によると言われている。他の国々とは異なり、すべてのイスラム教徒には理想国家とか、イスラム社会の構想があるわけではなく、ひたすら唯一神アラーを信じて、六信を信じ五行を実践すれば善しとしている。

 もちろんそれなりの国家観や、理念、哲学はあると思うが、イスラム教徒には西欧社会やその他の社会における社会や国家に対する構想はないと言えるようだ。とても片手間では分かりにくいイスラム教の奥義は理解できないので、短絡的な理解に留まらざるを得ないが、少し研究してみる価値はあると思っている。

 果たして今逃走中のテロ実行犯は、どこまでイスラム教徒としての信念に基づき、イスラム教の何を実行しようとして、かくも残虐な事件を引き起こしたのだろうか。

2015年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com