4322.2019年3月13日(水) どうなるのか? イギリスのEU離脱

 2016年以来課題となっているイギリスの  EU離脱について、昨日イギリス議会下院で採決の結果、離脱条件を定めたメイ首相苦心の協定案の修正は反対多数で否決された。1月に否決された当初案より差は小さくなったが、現状では「合意なき離脱」は思うように行かない。議会内にはEU残留派議員が抵抗を示しているということである。EU離脱の行方は依然として見通せない。メイ首相は前回1月の採決否決に続く、再度の否決にかなり衝撃を受けているようだ。離脱の日は今月29日と間近に迫っており、一日も早く結論を出さねば間に合わなくなる。現状では合意がないまま当初の予定通り29日に離脱すべきかどうかの是非を、昨日に続いて今日採決するというから慌ただしい。

 その「合意なき離脱」を今日採決して、可決の場合はそのまま「合意なき離脱」が実行される。仮に否決の場合は、「離脱の延期を採決」を採決して否決なら「合意なき離脱」となり、可決ならEUサミットで同意のうえで「離脱延期」となり、6月末に離脱することになるようだ。こうなると国内に根強くあるEU残留の意見、もう一度国民投票で是非を問うべきとの意見も無視出来ない。

 とにかくややこしい。ただ、イギリスの最終結論がまだ出ていないため、各地に影響がでているようで、その経済的損失は計り知れない。今話題となっているのは、ドーヴァー海峡の税関にからむ問題である。イギリス側とEU側にトラックが長蛇の列が出来ている。日産自動車のサンダーランド工場では高級車インフィニティの生産を中止するとのニュースが伝わってくる。イギリスの労働市場にとって大きな問題である。今日の採決は果たしてどう出るだろうか。

 一方国内では、このところ物議を醸す言動の目立つ二階俊博・自民党幹事長が、昨日安倍晋三首相の自民党総裁4選の可能性について言及した。それまで総裁任期が2期6年だったところ、一昨年総裁任期を3期9年まで延長する党則改正を行ったばかりである。しかも二階幹事長自らが主導した。それにも拘わらず、時を経ずしてまたもう1期3年を延長しようと言い出したからその節操のなさには、自民党内でも波紋が広がっているようだ。もともと政治家の発言と約束は、薄っぺらな紙切れのようなもので風が吹けば飛んでいくところがある。

 二階幹事長の思惑として、政権末期になるとレームダック化が避けられなくなるので、まだ末期ではないと思わせるためにもう1期あると思わせてレームダック化を防止する腹があるようだが、少々政治をもてあそんでいる気がする。これが政治、並びに自民党の現状である。もう国民のことを考えた発想が現れないものだろうか。それにしても二階氏は随分ジジくさく見えるが、私より3ヶ月ばかり遅い生まれである。あまり頑固老人づらを見せつけないでもらいたいものだ。

2019年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com