4028.2018年5月24日(木) ゴールが見えない日大アメフト部の対応

 ここ数日アメリカン・フットボールの日大対関学交流戦で、悪質なタックルにより関学QB選手を負傷させた日大選手のアンフェアな行為が連日メディアを賑わせている。そんな中でタックルをして退場させられた20歳の日大宮川泰介選手が、弁護士立会いの下に名前と顔を出して一昨日記者会見を行った。試合前には出場させないと言っていた監督から、出たいなら相手選手を壊せと言われてその通り相手を倒し負傷退場させた。これが乱暴なプレイとして非難された後で、宮川選手は父とともに不本意なプレイで負傷させた関学の選手や家族に謝罪に行くことを願い出たが監督から許されず、世間では監督の指示と選手の理解・判断に乖離があったとの話が伝えられ、本人は悶々として苦しんでいた。一昨日宮川選手は正直に自らの行為と謝罪をしたが、好きだったアメフトが今では嫌いになったという苦衷を曝け出した。正直にはっきりと分かり易く、かつ筋道を立てて話したことは立派だったと思う。

 正直に心情を告白し、苦しんでいる学生に対して大学側は助け船を出すようなことはせず、見捨てるような対応だと日大当局を批判する声が上がった。これを受けたのか、昨夜急遽日大構内で内田正人前監督と井上奨コーチが同席して記者会見を行った。約300人のメディア関係者を前に、すでに監督辞任を公表した内田氏は、自分は宮川選手に関学QBを壊せとは言っていないと、宮川選手の発言を否定した。コーチも辞任すると言いつつ、逃げの発言をした。結局大学側としては何のための記者会見だか分からない内に、日大広報部の司会者が一方的に会見を終了させた。ここでも立ち会っていた記者団と司会者の間でトラブルがあり、日大にとってはイメージを下げる形で後味の悪い幕引きとなってしまった。そして昨晩記者会見に出た内田前監督がその後疲労から体調が悪いとしてそのまま日大病院に入院してしまい、当分の間メディアから姿を隠すことになり報道前線から逃げてしまったとの印象が残る。

 関学側では、宮川選手の謝罪会見を評価して許すような雰囲気があるが、現状では日大と監督らの行為は到底許せないとの考えのようだ。

 あの危険なタックルと反省が見られない日大の不遜な対応は、学生スポーツの中でも伝統ある日大アメリカンフットボール部の歴史と伝統に傷を付けるもので、一番辛い思いをしているのは、アメフト部の選手たちであり、OB部員、在学生だろう。大学当局はもう少し思いやりのある適切な対応が取れないものだろうか。

 自民党石破茂氏、石原伸晃氏、立憲民主党辻元清美氏ら政界の実力者が、事実を隠蔽する安倍内閣の姿勢は、すべてを否定する日大の対応に似ていると批判したほど社会的に大きな問題になっている。高校時代にラグビーをプレイした私から見てもとても考えられない悪質なプレイだったが、いかなるスポーツでも2度とこのような世間の批判を買うようなプレイでスポーツファンを悲しませないで欲しい。

2018年5月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com