3949.2018年3月6日(火) 「帝国主義国家」中国の独裁者

 昨日開かれた中国の全国人民代表大会(全人代)で、かねがね噂されていた通り、習近平指導部は国家主席の任期制限撤廃を取り入れた驚くべき憲法改正案を提案した。現在2期10年の国家主席の任期制限を撤廃して習近平長期政権へ道筋を付けようとの目論見である。テレビ画面を観ているとこれを提案した李克強首相は、共産党の指導を「中国の特色ある社会主義の最も本質的な特徴」と一般大衆には理解しがたい表現で、かつてはライバル視されていた共産党主席の習近平をほめそやし、習近平という名前を13度も挙げていた。少しでも反習近平的言動を行えば、直ちに要職から追放されかねない国家幹部にとって自らの地位保全のために、国家の№2が№1にしきりにヨイショするが如き茶番はあまりにも滑稽である。

 大体「中国の特色ある社会主義」という表現自体が矛盾を孕み、国民に分かるように表現されていない。今日の中国は、マルクス、レーニンが目指した社会主義国家とは似ても似つかぬ代物であり、真の社会主義国家とは最も縁遠い存在となっていると言って過言ではない。

 ナチ・ドイツは戦前国家社会主義こそがドイツ帝国主義の目指すところだと、ヒトラーは言い放っていたが、その意味では現在の中国の社会主義というのは、ナチズムの目指す帝国主義国家と同じではないか。即ち今日の中国社会主義は、戦前ナチズムが唱えた「国家社会主義」と同根であると言っても好い。実際経済発展から取り残された中国農村地帯の現状は、中国帝国主義国家が重工業の発展に重点を置くあまり、第1次産業を見捨てた挙句の国の姿を映し出している。その帝国主義国家を習近平指導下に長期政権にして、うまくすれば永久政権にしてしまおうという算段なのだから、とても社会主義国家のテーゼではなく、露骨な帝国主義国家ではないだろうか。広い中国には流石に反対意見もあるようだが、現状では多勢に無勢で反旗を翻すことは追放、抹殺を意味する。しかし、長期政権の末路が惨めなことは、卑近な例を見ても分かりそうなものである。父親も党指導部の要職に就いていた世襲の指導者・習近平にはそんなことも分からないのだろうか。

2018年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com