5995.2023年10月12日(木) 暗い事件頻発に気晴らしスポーツ中継観戦

 世界中の今夏の熱暑についてグテーレス国連事務総長が、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」とお手上げの発言をした。ところが、今世界中は熱が冷めるどころか、益々熱くなっている。それには戦争勃発の影響がある。

 ウクライナ戦争に続いて、中東ではイスラエルとパレスチナ・イスラム組織ハマスとの間で、連日戦火が加速している。2014年にイスラエル軍がパレスチナ自治区に大規模な攻撃を行い、パレスチナでは2,200人の犠牲者を出したが、その7割は民間人で、500人は子どもだった。一方のイスラエルでは、ハマスによるロケット弾被弾により市民の犠牲者は4人だった。それが、今回は昨日時点でパレスチナ・ガザ地区の犠牲者が1,000人とされているのに対して、イスラエル側にはガザ地区より多くの1,200人を超える犠牲者が生まれた。その上ハマスがイスラエル側の市民を人質として捕らえて、攻撃の生贄にしようとしていることに、イスラエルの憎しみが余計に募っているようだ。

 この事態に対してアメリカは、イスラエルへの支援を強化すると公表したが、EU諸国内では各国がその対応を巡って意見が対立している。そしてこの間にもウクライナでは、ロシア軍との戦闘が激しくなる一方である。

 イスラエルは今度こそ徹底的に報復する考えのようだ。一方、人口密集地域のガザでは、空爆とイスラエルによる地域の完全封鎖により市民は極限の生活を強いられ、多くの人が最早死を覚悟しているというから悲惨である。これから事態はどういう方向へ向かうのか予測がつかない。第3次中東戦争以降半世紀以上も前からイスラエルをはじめ、周囲のアラブ諸国レバノン、ヨルダン、エジプトを旅して少しは彼らの生活を見ているだけに、彼らの生活を想うと忍び難いものがある。

 概して日本人には、中東問題は歴史的、宗教的、民族的にも中々理解し難いところがあり、気持ちのうえで現実から大分遠いところで幻想的に見ている傾向がある。6年前にアウシュビッツ強制収容所を訪れた時の印象を「戦争は地獄である。戦争を続けているようではここ(アウシュビッツ)で命を落とした無実の人が浮かばれない」と書いて某紙に寄稿したが、今の憎しみ合った戦いぶりを考えるとイスラエル、ハマス両者ともに戦時中のネオ・ナチが冒した行為と寸分変わらないのではないだろうか。

 さて、一転国内の明るい話題を取り上げてみよう。昨日将棋の藤井聡太8冠が誕生したことが、今日の朝刊と夕刊の一面トップに大きく取り上げられている。近所に住む羽生善治9段が、7冠を獲得して当時全タイトルを独り占めした時期があったが、今や無冠の帝王となった。いずれ藤井8冠も厳しい試練を味わうこともあるだろうが、まだ21歳の若さだけに当分「藤井時代」が続くのではないだろうか。


 もうひとつ、スポーツのテレビ観戦が盛り上がったようだ。先週1週間(10/2~8)のテレビ視聴率で上位10傑の内、6つのスポーツ中継が上位を占めた。こんなことは、あまり例がないのではないか。朝ドラ「ブギウギ」が始まったばかりで、前回の「らんまん」の視聴率を上回ったそうだが、それをダントツ視聴率21.5%を獲得した生中継、ラグビーW杯で日本が2大会連続予選突破を賭けた対アルゼンチン戦には、とても太刀打ち出来なかった。以下3位アジア大会男子サッカー決勝、5位男子バレーW杯対スロベニア戦、6位アジア大会女子サッカー決勝、8位男子バレーW杯対アメリカ戦、同8位男子バレーW杯対セルビア選、という具合にすべて注目を集めた試合である。

 これには、国内に鈴木宗男議員のロシア訪問・党除名、全国銀行協会ネットワーク障害、埼玉県自民党県議団の「子ども放置禁止」条例案の撤回、などお粗末な事例が相次いで起きたので、せめてスポーツ観戦でもして気晴らしをしたいとの気持ちが国民の間にあったのだろう。

2023年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5994.2023年10月11日(水) 関東大震災、中国大陸侵略に絡む残虐事件

 去る7日に兄と横浜・山下公園の横浜開港資料館(旧イギリス領事館)で開催されている「関東大震災100年展」を鑑賞した。100年前の関東大震災の際、数々の事件が起きたようだが、今まで世間一般には知られていなかった残虐な事件があったことを知り、興味を抱いた。それは、先日9月1日の「震災記念日」に公開された映画「福田村事件」によって改めて注目された残虐な事件である。奇しくも今日知人がこの映画を観て感動したので、観るようFace bookで勧めてきた。

 事件自体も映画と同じ「福田村事件」と言われ、震災直後の9月6日に千葉県福田村・田中村を通った香川県の行商人一行15人が、不意に数百人の地元住民に襲われ、9人が死亡した悲惨な事件である。震災では、多くの朝鮮人が襲って来るとか、「朝鮮人が井戸に毒を流した」などのデマにより、当時住民は「朝鮮人の襲来」に備えて武装していた。そこへ通りかかった行商人が聞きなれない讃岐の方言で話していたために、戦々恐々だった住民らは彼らをつい朝鮮人と思い込み、命乞いをした母娘まで殺害したという残酷な事件だった。気の毒にも被害を受けた行商人らは、皆被差別部落出身者だったために名前もすべて仮名だったという。この事件については、辻野弥生さんが事件と同名の著書を再販しておられる。

 朝鮮人を殺害した事件は、今以て完全に解明されているとは言えない。今年は震災からちょうど100年となったが、10年前には、衆参両議院に対して、質問書や請願が提出された。その中で参議院に日弁連弁護士らが主体となって提出された、関東大震災時の朝鮮人虐殺の真相究明に関する請願にかなり具体的な事実が記載されている。

 「1923年の関東大震災では、多くの朝鮮人や中国人が日本の軍隊や警察、民衆により虐殺された。また、朝鮮人と間違えられた日本人虐殺事件や軍隊による労働運動家・無政府主義者らの虐殺事件も起きた。しかし、特に朝鮮人犠牲者については、名前や人数など、その実態はほとんど分かっていない。事件後、議員が帝国議会において内務省や地方行政が流言飛語の拡大に関わったことを追及したが、当時の首相は調査中と答えたまま90年がたっている。今日まで虐殺の実態について調査を進めてきたのは各地の市民や研究者であり、流言の流布から虐殺、そして事件の隠蔽に至るまでの日本政府の関与が明らかになった。しかし、これまで日本政府は、虐殺・事件隠蔽に関与したことを認めたことはない。2003年8月には、日本弁護士連合会が日本政府に対して責任を認め謝罪し真相を調査するように勧告したが、これも政府は無視してきた。再びこうしたジェノサイドを起こさないためにも、この事件の解明が必要である。以下略」。

 未だ国、官の関わりが不透明であり、今後も同じような経緯を辿るのではないかと考えているが、その一方で真相究明の動きも地味ながら着々と進んでいるので、一応問題点として挙げてみた。

 そして「福田村事件」と同様に、一般人が知らない残虐な事件が、震災から10年近くを経た1932年に中国国内でも起きていたことを知った。柳条湖事件から1年後である。撫順市内の平頂山で村人3千人が日本軍によって虐殺されたという事件である。事件を生きのびた中国人も今では全員亡くなった。事件から2か月後、中国は国際連盟に虐殺を告発したが、日本政府は全面的に否定し、今もそのままである。今年大震災100年に当たって知った残虐な事件であるが、遺族たちは日本政府に対し、これまでに3つの要求をしたが、未だ実現されていない。それは、①事実と責任を認め、公式に遺族に謝罪する、②日本政府の費用で謝罪の碑を建てる、③事実を究明し、教訓を後世に伝える、ことである。

 これほど残忍な事件が、これまでほとんど伝えられなかったのは、日本の占領時代に起きた事件で日本にとって最早遠い過去の事件とみているからだと思う。しかし、戦後80年近く経って未だに事実が広く伝えられないことが信じられない。だが、他にもまだまだ隠れた事件や事実があるかも知れない。闇に光を照らすべきである。

 さて、夜遅くなってから吉報が入って来た。21歳の将棋界のエース、藤井聡太7冠が、永瀬王座に勝ち、残る唯一のタイトルを獲得して将棋界のすべてのタイトルを手中にした。将棋界始まって以来の8冠達成である。メデタシ!メデタシ!

2023年10月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5993.2023年10月10日(火) USBの不具合に続き、今度はキーボードが不調

 先日パソコンのUSBメモリーが不具合を生じて、メモリーを読み取ることが出来ず往生したが、幸いITコンサルタントに来宅してもらい、メモリーを甦らせPC本体に記録させることが出来た。同じUSBに17年間も毎月健康診断用の資料を記録していただけに、記録を呼び戻らせないと困ると思っていたが、コンサルタントのお陰で一安心だった。USBが古く少し使い過ぎているようだった。

 そんな時に、3日前からHP作成用のもうひとつのノートPCのキーボードの文字「K」だけが使えなくなり、ブログも書けなくなって困惑した。またコンサルタントに相談して今日PCの新しいキーボードの表面部分だけを交換してもらって、事態は解決した。いつものノートPCが使えないため、この3日間のブログは、デスクトップPCを使い「K」をいつもの通りタイプしてブログを書き、それをノートPCに送信してブログを仕上げていたが、その面倒さから4日ぶりに解放された。長い間毎日PCを使用していると思わぬトラブルに襲われるものだ。今回もコンサルタントの迅速な手配と修理によって事は解決した。やれやれである。従って今日のブログは本来のノートPCで書いている。

 ついては、59年前の今日、1964年東京オリンピック開会式が行われた。前日までの雨模様が一転して快晴となり、秋晴れの下で古関裕而作曲♪東京オリンピック行進曲♪に乗って各国選手団が鮮やかな行進をした姿を思い浮かべる。

 そんな昔の明るいニュースとは裏腹に、一昨日中東のイスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの間で始まった内戦は、第5次中東戦争へ発展するのではないかと懸念される。僅か3日間に両者の死亡者は増え、双方で計1,600名を超えた。今度の内戦で見逃せない点は、ハマスが百余名のイスラエル住民の他に外国人まで不埒にも人質として捉えたことである。イスラエルのネタニヤフ首相が、捕らえられた市民の解放のためにあらゆる手段を講じると述べたことに対して、ハマス報道官は、あるまいことか「警告なしにガザの住民を攻撃した場合、人質を処刑する」とイスラエルを強くけん制した。罪もない市井の市民を戦争の駆け引きに使うとは、普通の人間の考えることではない。

 30年前の対立の際は、エジプトが仲介役として介入し、何とか停戦にこぎ着けることが出来た。しかし、今回はエジプトが介入するかどうかは極めて微妙である。アラブ民族であるエジプト国民は、一般的にイスラエルにあまり好意的ではない。特に、来る12月に3度目の大統領選を控えているシシ大統領にとっては、イスラエルに有利と見られる行動を取ることは、選挙を控える身にとって決してプラスにはならない。中々難しいところである。イスラエル政府は、ガザ地区の封鎖作戦を強化して、電力、水道などのインフラや、食料などを止めるそうだが、これではガザ地区に住む200万人のパレスチナ人の生死が問われることになる。

 これからの行方は予想もつかないが、1日も早く平和な世界が戻ることを願わずにはいられない。

2023年10月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5992.2023年10月9日(月) ラグビー日本代表チーム、ベスト8入り成らず

 昨晩はラグビー・ワールドカップの予選突破を賭けた対アルゼンチン戦が行われた。ラグビーに関する話題は、4年前に日本大会で初のベスト8入りを果たし、チームの「ワンチーム」という相言葉が、その年流行語大賞ともなり大いに盛り上がった。ラグビーについて数日前からメディアでもしきりに取り上げられ、今回も2大会連続のベスト8入りを狙ったが、力及ばなかった。後半28分まで27―29の僅差で追っていたが、その後1トライ、1ゴール、1ペナルティ・ゴールを奪われ、結局27-39で敗れた。キックオフからノーサイドまで終始テレビ観戦していたが、相手の力が体力的にも戦術的にもやや上回ったのではないかと思っている。

 日本代表チームは、毎回力をつけ、今では相手チームも手を抜くようなプレイはしなくなった。その原因のひとつとして、日本代表チームの選手は、必ずしも日本国籍を取得していなくても一定期間日本に滞在し、チームが認めれば日本代表選手になることが出来る。これは他のスポーツにはあまり例がない。従って一時フォワード8人の内、6人は身体が頑丈な外国人選手だった。そのために覚えにくいような名前の選手が、チーム内にかなりいる。

 人によっては、これでは真の国際試合ではないという声も聞かれるが、これから世界的に国民の交流を図るとするなら、むしろこのようなシステムの方が人種の壁を超えるには、好都合だと思う。少し時代を遡れば、アメリカ・チームなんてどのスポーツもこの類だと思う。

 さて、先日鈴木宗男参議院議員が、所属する「日本維新の会」に断りもなくロシアへ出かけ、ロシアの要人に会ってウクライナ戦争で「ロシアの勝利を100%確信している」などと党議はもちろん、国の方針にも反するロシアへの忖度発言をした。党としては除名処分を検討して、明日にも正式な処分を行うようだ。この動きに対して当の鈴木議員は、自分の認識で発言したことが問題だということはもってのほかで、裏を返せば彼らはウクライナしか見ていないことになると居丈高に反論している。処分はいかなる決定でも受けるが、政治家の認識で言ったことで処分となれば民主主義の根幹にかかわるなどと反論している。しかし、これでは政党にいる必要はない。鈴木氏自身これまで身勝手な言動において民主主義の根幹にかかわることを随分冒してきた。立場が窮地に陥った今回、それを云うなら、普段から民主主義的行動を取ってもらいたいものである。その場、その場で都合の好いように行動する鈴木氏の言動は信用ならない。

 ところで、昨日取り上げたイスラエルとガザ地区で活動するイスラム組織ハマスとの抗争が、大分エスカレートしている。僅か1日でイスラエルとパレスチナを合わせて死者が1,200人を超え、戦闘は激化している。タイ人が12名、アメリカ人も数名が亡くなったという。ハマスに比べ戦力が勝るイスラエルに対して、グテーレス国連事務総長はハマスを非難し、アメリカはイスラエルを支援すると言った。長く続いているイスラエルへの支援にアメリカ議会では、支援停止の声が上がっており、アメリカは今後ウクライナよりイスラエルへの支援に注力するのではないかと見られている。そのアメリカが、今日空母艦隊を現地に派遣すると発表した。昨日はタリバンが支配するアフガニスタン国内でもマグニチュード5.9の地震があり、2千人を超える人が死亡したと伝えられている。国際的な制裁を受けているアフガニスタンには支援が行き届くだろうか。

2023年10月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5991.2023年10月8日(日) 世界的な話題、ノーベル平和賞とパレスチナ攻撃

 今日は2つの世界的な話題について言及してみたい。

 ひとつは、このところ連日今年度のノーベル賞受賞者が発表されている中で、とりわけ世界中の関心を惹いているのは平和賞受賞者である。生理医学賞に続き、化学賞、物理学賞、文学賞、そして昨日その平和賞の受賞者が決定し、発表された。この平和賞受賞者の選定について、選考委員会は「女性に対する弾圧と闘い、人権と自由を守るためにも闘った」として、イラン人の女性人権活動家ナルゲス・モハンマディ氏を選出した。モハンマディ氏はこれまで長年に亘って女性の権利擁護や死刑制度の廃止などを訴えてきた。イスラム教の原理の尊重、特に女性への差別を謳っているイラン政府は、モハンマディ氏が行ってきた活動は国の安全保障を脅かしたとして彼女はこれまでに何度も逮捕され、現在も首都テヘランの刑務所に服役中である。

 イランでは昨年9月、女性が公共の場で着用を義務づけられている「ヘジャブ」と呼ばれるスカーフのかぶり方が不適切だとして逮捕された女性が死亡し、警察による暴行を疑う抗議デモが各地に広がったが、これについてモハンマディ氏は獄中からSNSに投稿したり、メディアに寄稿したりして、デモへの連帯を示すとともに、デモの参加者に対して政権側が暴力をふるっていると繰り返し非難してきた。モハンマディ氏は、夫も14年間の投獄を経験した後、3人の子どもを連れてフランスに亡命している。

 イラン当局はこの受賞について反発を示しており、12月にオスロで行われる授賞式にモハンマディ氏が出席出来る可能性は、かなり薄い。残念ながら、今年も各分野で日本人受賞者はいなかった。

 もうひとつの話題というより事件は、ウクライナ戦争に目が向いている最中に、昨日突然中東の火薬庫と言われるイスラエル・パレスチナ自治区のガザ地区からイスラム過激派ハマスがイスラエルへの大規模攻撃により多数の死傷者を出したことである。新たな戦争へ発展しなければ良いがと願っている。ロイターによるとイスラエル側の死者は200人を超え、一方ガザ地区でも報復攻撃により230人余りが死亡したという。イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスが残酷で邪悪な戦争を仕掛けた」として、強力な報復措置を取ると表明し、米国など西側諸国はパレスチナによる攻撃を非難し、イスラエルへの支援を表明した。バイデン米大統領は、イスラエルには自国を防衛する権利があると述べた。

 なぜ、この時期にハマスは、このような過激な行動をとったのかということであるが、昨日はユダヤ教の祝日のシーズン、最終日の土曜日だったこと、日ごろ経済封鎖によりパレスチナ全体に不況が訪れており、パレスチナ人民の不満を解消するためにそのタイミングを狙っていたと思われる。

 2012年にパレスチナ自治区のベツレヘムを訪れ、イエス・キリストが生まれた馬小屋だった聖誕教会を訪れたことがあるが、自治区内へ入るためには車も乗り換えなければならないほど制約があった。ただ、表面上は何事もなかったように見えたが、もう2千年以上に亘って対立を繰り返しているアラブ民族とユダヤ人との確執はそう簡単には消え去るものではないと思う。世界に争いは絶えないが、現代に生きる我々は、ひとつでもそれをなくすことを心がける必要があると思う。

2023年10月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5990.2023年10月7日(土) 「関東大震災100年展」を観賞

 半年ぶりに横浜のホテル・ニューグランドで、地球物理学者で兄の高校時代の友人と兄を交えて3人でランチを楽しんだ。約束の時間に大分遅れて来た兄の体調が悪そうだったので、少々気になった。それでもランチでは明るく話していたが、ランチ後にホテルを出て歩いている姿を見て背中が完全に折れ曲がって背も今までになく大分低く見える。どうも背骨に一部骨折が見つかったらしい。それでも高校時代の友人が薦めてくれた「関東大震災100年展」を一緒に見学することにした。ホテル近くの横浜開港記念館(旧イギリス領事館)において12月3日まで開催中で、館内のスペースはさほど広くはないうえに、あまり仰々しい飾りつけではなくごく地味な展示であるが、珍しい資料が随分並べられていて兄ともども結構楽しむことが出来た。通常横浜開港記念館では横浜開港100年の展示物を公開していて、関東大震災に劣らず、これもまた大変興味深いものだった。かつて横浜市内に住んでいたこともあり、横浜の当時の風物を知る資料は日本と外国との文化の違いを知る意味でも興味のあるものだった。

 それにしても今日は3連休の初日で天候も良かったせいもあり、山下公園周辺は若い人たちを中心にかなりの人手だった。明日以降は天気が下り坂だということもあるので、その後は秋本番の気候になるのではないかと思う。

 ところで、群馬県朝日岳で4人の男女高齢者が遭難し、今日捜索隊が登山道で4人全員の遺体を発見したという悲しいニュースが伝えられた。何せ最年少が65歳の男性で最高齢は79歳の女性だったという。一昨日当たりから朝日岳周辺の山塊はかなりの雨と、強風も吹いていてそれぞれ低体温症を起こした可能性があると見られている。私自身学生時代から若いころは、登山に熱中して数多くの山々を登っていたが、肉体的な疲労より、悪天候の方を一番警戒していたものだ。先月25日に会社の山岳部の集まりがあったが、彼らとも何度となく登山をしたが、通常の天候と天候の変化はいつもお互いに気にかけていた。朝日岳遭難については、これから原因の究明が行われるだろうが、どうして山の天候変化と年齢を考えると、若い人たちならともかく高齢者だけで登山して、79歳、72歳、69歳、65歳の4人もが全員遭難するような羽目になったのか、よく分からない。どこかに心の隙があったのではないだろうかと思えて仕方がない。

 今から30年ほど前に、大学の登山クラブの後輩で、息子たちの家庭教師をやってよく面倒を見てくれた男も国内外を問わず登山した挙句に、ヒマラヤの岩山から転落して生命を落としてしまった。ご両親の悲しみようを知っているだけに、山で遭難事故を起こすことにはつい神経質になる。

 これから秋の後には冬がやって来る。登山には最も厳しい時節である。とにかく無駄に命を落とさないようしっかりした登山計画と慎重な登山をして欲しいと願っている。

2023年10月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5989.2023年10月6日(金) ブログ「ご意見番の意見」へのアクセス

 一昨日当ブログの9月分アクセス数とその多寡について、いつも通りGoogle Search Consoleより知らせてくれた。簡単に説明をしてみたいと思う。

 Googleによると全体的には、累積アクセス数1位は、2022年8月16日の「つまらない新聞連載小説」だった。ドイツ在住の多和田葉子氏の朝日朝刊に連載された「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」が、読んでいて面白くなくまったく興味が湧かなかった。割合短期間で連載は終わったので、やれやれと思った次第である。2位は、かなり古いもので2009年9月13日の「奥穂高のヘリ墜落事故に思う」だった。その2日前に奥穂高岳で遭難しかかっていた登山者を救助のために向かったヘリコプターが墜落して、乗員3名が亡くなられた事故について、何度か穂高岳を登った経験上書いた感想文だった。これまでにも何度かランクインしたブログはあるが、穂高事故のような14年も前のブログを読んでいただけた確たる原因は分からない。今夏の炎暑に暑い夏山シーズンの記憶を想い出された方が多かったのだろうか。

 8月のアクセス数から急に増えた9月の1か月間のアクセス数の中では、1位は上記2位の奥穂高のヘリ墜落事故だった。2位には、何と2011年2月7日「元連合赤軍幹部・永田洋子獄中に死す」だった。永田は国内外でテロ事件を主導した連合赤軍の幹部で、極め付きは1972年2月に10日間に亘って続いていた「あさま山荘」事件だった。テレビでも生中継されたり、随分ショッキングな事件だった。その中心人物のひとりが永田洋子だった。事件後まもなく逮捕され、40年近くも収監されて獄中で亡くなったことが強く印象に残っていた。60年安保闘争から、学生たちの行動は少しずつ社会に受け入れられない行動になって行った。その点では、彼らの凶暴な言動に同情することは出来ないが、日本社会に衝撃を与えた人物だったことは間違いない。少し思い入れも込めて書いたブログである。3位には、2010年6月11日「ももこさんのご主人急逝」としてよく知る先輩のジャーナリストの娘さんの不幸と併せて、物故された知人の出版記念会に出席した時の印象記を書いたものである。

 ざっと目を通すとブログを読んでいただいている方々のお気持ちが、何となく分かるような気がする。そしてブログは文章を自由気ままに綴ったものだけに、読んでいただける方々が文を読むことに興味を持っていただいていることが感じられる。

 例えば、9月分には3位以内にランクインしなかったが、しばしば顔を出すのは2013年9月30日に書いた「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」である。山崎の著作は専門の分野を深く研究した作品が多く、興味津々で好奇心を呼び、時代背景や多彩な登場人物の活躍もあり、読んでいて引き込まれるような魅力がある。ただ、気になるのは、山崎の人間性やその性格に些か問題があり、2度までも盗作を行い、その点を松本清張に追求され、一旦はペンを置いた。だが、清張が他界すると再びペンを取り、剰え清張を攻撃、批判するような文まで書いた。この点については、ブログの読者も驚かれ、アクセスが増えたのではないかと思っている。

 いずれにせよ、Googleが毎月送ってくれるアクセス統計資料は、いろいろな面で大変参考になるので有難く思っている。

2023年10月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5988.2023年10月5日(木) トラブル頻発!無統制の「日本維新の会」

 このところ芳しくない話ばかりが聞かれる「日本維新の会」に、また厄介な問題が降って湧いた。

 同党の鈴木宗男参議院議員が、党や政府に届け出を提出することもなく、政府が渡航中止勧告を出しているロシアへ出かけたことが分かった。同党共同代表である吉村洋文・大阪府知事は厳しく処分されるべきであると述べ、藤田文武・幹事長は処分を検討する考えを示した。党規と政府勧告を無視することまでして、敢えて訪ロした鈴木議員は、一体何を考えてウクライナへ侵攻したロシアなんぞへ出かけたのか?

 以前からロシアに政治的なパイプを持つことをひけらかしていた鈴木氏は、首都モスクワでルデンコ外務次官、コサチョフ上院副議長と会談して、「いまこそロシア主導による停戦が必要だ」と伝えたという。これでは、クリミア半島を一方的に奪われ、昨年2月ウクライナへ侵攻したロシア軍の行為は、身勝手なロシアの侵略であり、クリミア半島から軍を撤退させ、ウクライナ東部のロシア占領地域からロシア軍が退くことが休戦の条件、と主張するウクライナの考えとはまったく相反するものである。あくまでロシアに忖度し擦り寄った主張である。事実日本政府もウクライナの主張を受け入れ、「日本維新の会」も同じ考えである。

 鈴木氏は、コサチョフ副議長が「日本が反ロシアの方針を取ったことで、日ロ関係が第2次世界大戦以降最悪になった」と批判したことに、同調し、自身も副議長と同じ考えであるとまで述べ、元の日ロ関係へ戻したいとロシアに気を遣う発言をしている。

 鈴木氏の言動は、日本の国会議員としての言動と責任を蔑ろにするものであり、国会議員の資格はない。数日内に帰国した後に、国会から、また党からも厳しい非難を浴びるだろう。

 鈴木氏には、冷却化した日ロ関係を少しでも融和させるために自分なりのイニシアチブを取り、今や政界で存在感が薄くなった立場を改めて世間へ認知させようとの下心があったのだろう。だが、松野博一官房長官は、「ロシア全土に渡航中止勧告以上の危険情報を発出しており、如何なる目的であろうとも国会議員を含め、すべての国民に渡航中止を勧告している」と、鈴木議員の身勝手な行動を批判している。どうしてこうも自己本位な行動をする国会議員が現れるのだろうか。

 この他にも、「日本維新の会」では、昨日前川清成衆議院議員が、公職選挙法違反で辞職願を提出した。この他にも足元で大阪府議が大阪市議からセクハラ行為で告訴されたことを受け、除名処分にした。また、別の大阪府議も政治資金収支報告書を期限内に提出しなかったことで離党勧告処分を受けた。

 後から後からこうも不祥事が起きるのは、党に何らかの欠陥があるとしか思えない。「日本維新の会」は成り上がり政党のせいか、選挙で勝って議員数が増えるにつれて増長し、良識に欠ける低次元の議員が多くなってきた。2025年開催予定の大阪・関西万博も台所事情は火の車で、不足した費用集めにドタバタを繰り返している。1本の筋が通ったことが出来ない、だらしなく、情けない政党である。大阪や関西ではこんな政党がなぜ飛躍するのか、まったく理解出来ない。馬場伸幸代表は、以前に「共産党は日本からなくなった方がいい政党」と述べて一部に顰蹙を買ったが、むしろ「日本維新の会」の存在こそが、日本の政治をダメにするのではないか。「日本維新の会」こそ党の解散を考えた方が良いのではないだろうか。

2023年10月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5987.2023年10月4日(水) 世襲議員抑制法案提出、通るかなぁ?

 普段からパソコンを使用する機会が多い。このブログを書くことを主に、執筆や、資料作成のため毎日かなりの時間をPCと向き合っている。健康チェックのために数値を表にまとめることもしている。毎日朝と晩の2回、血圧、脈拍、体温、体重を測り、一覧表を作成し、クリニックなど診察に出かける際に表をコピーして、医師に参考として提示している。それら計測した数字は、USBメモリーに記憶させている。血液のトレンド表資料などは、健康管理に欠かせないし、医師にも大変重宝がられている。ところが、この数日これらの数字を収めたUSBの具合が芳しくなく、PC上に呼び出せなくなってしまった。どうも原因が分からず、昨日いつものようにITコンサルタントに相談したところ、恐らくUSBが古くなって差込口が摩耗したのではないかと言われた。そうなると肝心の数字を取り出せなくなってしまう。コンサルタントも大変心配され、今日自宅へ来てもらえることになった。

 そして今日コンサルタントも心配しながらチェックした末に、摩滅しかけたUSBから数値を探り出しPCに転移させて、取り敢えず数値をPC上に取り戻すことが出来た。コンサルタントも一時はダメかと思われたそうだが、辛うじてセーフだった。もしこの数値を失ってしまうと約16年間の血圧資料をなくしてしまうところだった。それでもメモリーに記憶させれば、安心というわけでもないというコンサルタントのアドバイスに従い、今日は取り戻した血圧数値をPC本体に2か所に分けて記憶させることになった。やれやれである。現代のIT機器にも案外落とし穴があるものである。でも、今日のトラブルでPCに頼り過ぎの怖さを知ることにもなった。

 さて、立憲民主党は、国会議員が親族に自らの関係政治団体を引き継ぐことを禁じる政治資金規正法改正案を臨時国会で提出するに当たり、昨日岡田克也幹事長が記者会見で趣旨を説明した。去る1日の本ブログにも世襲議員の制約に関する主旨について取り上げたが、立憲民主党の主張は、現法では政治資金は非課税扱いで、政治団体の代表者が議員から親族に交代しても相続税や贈与税はかからない。また、親や第三者が親から継承した政治団体が、子の別の政治団体に寄付の形で資金を移した場合も税金がかからない。一般国民への厳しい重税に比べると随分甘いものである。立憲民主党は、世襲議員はスタート時点から豊富な政治資金があり、親に寄付されたものを、子がそのまま引き継いで政治資金に使うのはフェアではなく、規制すべきであると指摘している。確かにその通りである。なぜ政治資金を親族が継承しても相続、及び贈与税を徴収されないのだろうか。これは確かにおかしい。国会議員のうち約3割が世襲議員であり、そのほとんどが自民党員である実情を考えると、この法案に自民党は真向から反対するであろうし、成案となるのは中々至難であると思う。

 私は世襲議員に相続、及び贈与税がかからないという点については考えてもいなかったし、寡聞にして知らなかったが、ここまで世襲議員が甘い汁を吸っていたのかと思うと、益々世襲議員の存在に疑問を抱かざるを得ない。私が世襲議員に反対するのは、資金云々より、むしろ世襲議員が選挙において他の立候補者より遥かに優位にあり、当選する確率が理不尽なくらいに高い点である。選挙におけるプライオリティーをなくし、立候補者は皆平等であるべきだと考えている。その点では、政治資金規正法案改正よりも制度の改正を先に考えるべきであると思う。

 例えば、議員を辞めるに際して、後継者が議員の3親等以内の親族である場合は、向こう3年間は同じ選挙区から立候補出来ないよう規制することである。もし出馬するなら、他の選挙区から立候補する。こうすれば、前議員の遺産が後継者にそのまま引き継がれることはほぼないと思う。立憲民主党は、資金面の継承だけに反対しているが、むしろ制度の改正の方が世襲議員を締め出すのには、効果的であると思う。立憲民主党だけではなく、他の野党勢力とメディアの同意を得て、世論を盛り上げてもらいたいものである。

2023年10月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5986.2023年10月3日(火) お世話になった加藤秀俊先生の死を悼む

 朝刊を見て社会学者の加藤秀俊先生の訃報を知り、少なからずショックを受けた。先月20日に亡くなられたという。父と同じ93歳での他界は平均寿命を考えれば、長生きされた方だと思うが、今から30年ほど前に先生と多少接点が生まれ、時にお手紙を交換し言葉も交わしただけに寂しい気がしている。

 先生と知り合ったきっかけは、所属している「知的生産の技術研究会」のセミナーに先生が講師としてお見えになった後、懇親会で不思議に先生と話が合ったことからである。先生はハーバード大学で研究されたが、その後シカゴ大学に移られた。偶々シカゴのフィールド自然史博物館の展示物の古代人の白骨について、骨の形から考えてアフリカ系の人骨だということでお互いに考えが一致したことが最初だった。実は、私もフィールド自然史博物館を訪れた際、その貴重な古代人の人骨を見て、これはきっとアフリカ系の人間のものであると思っていたので、お互いに同じ考えだと先生と笑い合ったものである。先生は堅苦しい学者タイプではなく、常に何事も明るく前向きにお考えの方だった。その後、先生が話された造語と同じ表現を執筆中だった拙著の中で使用しようと思った時、一応先生のご了解をいただこうとお電話したところ、特別な言葉ではなく考えようによっては一般的な言葉なので、そこまで気にされることはありません、自由にお書きくださいと快くご了解していただいたことが忘れられない。お住まいも同じ世田谷区内に住まわれ、何年か前までは年賀状の交換もしていたが、近年は音信もなくなりご健康を気にかけていた。先生のご冥福をお祈りしたい。

 さて、政治家についてはどうしても厳しい見方をしがちになる。先月29日に体調不良を理由に衆議院議長を辞任する意向を伝えていた細田博之議員は、最近スキャンダルが再三採り取り上げられ、三権の長として責任を追及され辞職勧告を受けながらも、一切取り合わず恥知らずの国会議長と揶揄されてきたが、遂に命運尽きたと思っていた。実際議員最高職である衆議院議長でありながら、昨年5月女性記者に対してセクハラ行為を行っていたとの破廉恥な疑惑が報じられていた。昨年旧統一教会との関係が指摘されたが、自民党は細田氏が衆議院議長であるとの理由だけで、調査は対象外となった。

 これらの疑念を残したまま体調不良で一議員になった今年79歳の細田議員は、身の回りのスキャンダルについて説明責任を一切果たさず、議長を辞めると言っていながら、このほど唐突に次の総選挙に立候補する意思を地元島根のメディアに語った。

 元々政治家の言うことは信じ難いことが多いが、いつも自分の都合で言いたい放題で、臭いものには蓋である。ある世論調査によると組閣以来明日で満2年を迎える岸田内閣を信頼出来るかどうか、とのアンケートに96%の回答者がそうは思わないと応えている。ちょっと異常ではないだろうか。これでは日本の将来は一体どうなるのだろうか。

2023年10月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com