6005.2023年10月22日(日) 自衛隊にのめり込む岸田首相、木原防衛相

 支持率低下で頭を痛めている岸田文雄内閣に、また頭の痛い問題が公になった。防衛大臣を務める木原稔・衆議院議員が地元熊本に近い長崎県の衆院補欠選挙の応援演説で、「自民候補を応援していただくことが、自衛隊並びにそのご家族のご苦労に報いることになる」と軽率な発言をした。自身防衛相である立場上つい口を突いて出た本音であろうが、自衛隊を政治的に利用した発言として野党ばかりでなく自民党内からも厳しい批判を浴びている。

 これも自民党政権が最近とみに右傾化、防衛力強化へまい進している行動がはしなくも現れた一例であると思う。木原防衛相は、第2次岸田内閣で初入閣したばかりだが、その手腕は党内でもかなり評価が高いという。他国領域のミサイル基地などを破壊する敵基地攻撃能力を具体化させたが、そのため岸田首相と直談判の上で訪米しアメリカ宇宙軍トップと会談し、宇宙領域での協力について同じ方針であることを確認した。ただ、持論がやや先走りする軽い傾向があるようで、防衛政策に精通はしているが、不用意な発言が多い。2015年に沖縄全戦没者追悼式では、当時の安倍晋三首相に「帰れ」とヤジを飛ばした参列者たちに対して、彼らは沖縄県による「動員」だったと陰謀論を唱えて物議を醸したこともある。

 冒頭の長崎の応援演説の発言については、防衛相ではなく政治家として発言したと発言自体に反省はなかったが、誤解を生むというなら撤回したいと一歩後退した。自衛隊の政治利用を巡っては、2017年にも当時の稲田朋美防衛相が軽率な発言をして批判され、発言を撤回したことがあるが、それが教訓になっていない。防衛相は、憲法が認めていない軍事力を保持する自衛隊のトップであるだけに、発言には充分な配慮が求められるが、木原防衛相のタカ派的体質にはブレーキがかからないようだ。木原防衛相は前記のように党内でもこれまで度々物議を醸す発言を行ってきたが、むしろ防衛予算を大幅に増額させた功績?により、党内では着実に地歩を固めている。稲田防衛相は発言の責任を取り辞任したが、木原防衛相は、「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境を踏まえると防衛力の抜本的強化を着実に進めていく必要がある」として、その気はまったくなく、岸田首相も頼もしい?と考えているのか野党から罷免要求には応じず、このまま留任させるようだ。

 また、昨日は防衛省で殉職された自衛隊員の追悼式が行われ、岸田首相、木原防衛相らが出席され、首相は職務中に尊い命を落とされた自衛隊員の霊を慰められたという。それは由として、同じように国民のために職務を遂行中に殉職された警察官、消防官らを追悼する式に出席したという話は聞いたことがない。やはり右翼政治家であり、防衛力強化を心掛けている首相だけに自衛隊には格別の扱いをしたいのだろう。

 ウクライナ戦争の解決がまったく見えず、新たにパレスチナ・ガザ地区の攻防が注視されて自民党内でも防衛力強化の動きが強まっている。しかし、戦争体験のない日本の政治家が、いくら口ではうまいことを言ったところで、所詮戦争の本質が分からない政治家が、戦争に触れるような言葉を発するたびに、日本が戦争に巻き込まれる可能性がどんどん増していくような気がしてならない。

2023年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6004.2023年10月21日(土) 岸田内閣のバラマキ、所得税減税と給付金

 このところ岸田内閣の支持率が下降傾向で、各メディア独自の世論調査でもその支持率は30%前後がほとんどである。最近の朝日新聞の調査では、2021年岸田内閣発足以来最低の29%まで落ち込んでしまった。この他に読売34%、毎日25%、共同通信32.3%、時事通信26.3%といずれも似たり寄ったりで過去最低を更新した。特に若者の支持率が10%台とパッとしないことが効いている。

 岸田首相の経済対策には5本柱があり、①物価対策、②賃上げ継続、③国内投資促進、④デジタル化など社会政策、⑤国土強靭化、であるが、国民にとってはこのままではあまりピンと来ない。それも不人気を加速させている原因のひとつでもある。財政的に苦しいなかで税収がやや増えたのを知り人気回復策として首相が検討したのは、安易なバラマキ、つまり所得税の減税である。それが自民党内でも賛否両論で中々方向性が見出せなかったが、所得税減税と還元策を同時に実行しようということになりそうだ。つまり減税と給付をセットにしようという腹のようである。ところが、それも実施にはそれぞれハードルがある。所得税減税は、所得税自体にかかる税額が収入の多寡により7段階もあり、高額納税者ほど還元額が多い。また、一定水準以下の収入だと所得税はかからない。非納税者に対して税金の還元を行うわけにはいかず、給付金を配布するという試案である。しかし、こうして税収増になったからと言って還元だけしか頭の中にないようでは、いつまで経っても財政再建は難しい。

 いずれにしても実際に減税となると、その制度設計には現場が相当苦しむことになるだろう。しかし、これはあくまで岸田内閣の不人気のせいで、こういう未来への展望のない政策ばかりやっているようでは、財政悪化が積もり積もって次の世代を苦しめることになることをよく考えるべきである。

 さて、今年も文化勲章と文化功労者の受章者が決定した。文化勲章受章者7名の中でその名を存じ上げている人は、4名だが、その中でサッカーの川淵三郎氏が選ばれたのには少々驚いた。スポーツ界からは古橋広之進、長嶋茂雄に続く3人目だそうである。サッカー選手だった川淵氏はサッカーJリーグの創設に関与して初代チェアマンとして活動し、Jリーグを地域に根付かせてスポーツ文化に貢献した後に、バスケットボールのBリーグ発足にも役割を果たしたことが評価された。川淵氏自身も選手としての功績ではなく、スポーツ文化の発展向上が認められたことが、嬉しいと語っている。他には、狂言の野村万作氏、作家の塩野七生氏、経済学者岩井克人氏の他に3氏が選ばれた。文化功労者には、俳優の北大路欣也さん、卓球の木村興治氏、漫画家の里中満智子さん、グラフィックデザイナーの横尾忠則氏ら20名が選ばれた。

 図らずも時代劇俳優の市川右太衛門の子息である北大路欣也さんが、13歳で銀幕デビューした時の作品が「父子鷹」だったと知り、感慨深く感じている。実は、「父子鷹」は、子母澤寛の原作で高校時代に読売新聞夕刊に1年余に亘り連載されていた、勝海舟父子の波乱万丈の物語に熱中していたが、今時の新聞連載小説がまったく面白くないのに比べて、今以て新聞連載小説の中で一番印象に残っている作品である。

2023年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6003.2023年10月20日(金) アメリカがイスラエル肩入れで安保理拒否権

 パレスチナ・ガザ地区では空爆を受けたうえ、食料、水などの生活必需品が入らず、電気・ガスも止められ、その困窮ぶりは想像を絶する。東京23区の6割程度の土地に新潟県とほぼ同じ人口、約222万人の人びとがひしめき合っている、世界で最も人口密度が高いと言われるガザ地区の被災の様子は、連日テレビで目を背けたくなるような悲惨な光景を映し出している。バイデン米大統領をはじめ、各国の首脳や要人がイスラエルを訪れ、人道危機的状況を何とか回避すべく会話を交わしているようだが、各国それぞれが人道危機より、自分たちの打算的な思惑による発言に終始して一向に解決へのメドが立たない。

 そんな苛立った空気の中で、昨日国連安保理事会が開かれ、議長国のブラジルが提出した、①ハマスによる攻撃や誘拐を非難し、人質の解放を求める、②人道支援のための戦闘の一時的な停止、③イスラエルがガザ地区北部の住民に出した退避通告を撤回するよう求める、など主要3項目を盛り込んだ決議案は、非情にも否決された。15理事国のうち日本を含む12か国が賛成し、ロシアとイギリスは棄権したが、常任理事国のアメリカだけが唯一反対を唱え、決議案は否決されることになった。何故アメリカはこの提案に反対したのか、戦争を嫌う国民は誰もが賛同すると思える提案にアメリカが反対するとは、普段「正義の仮面」を被っているアメリカの言動からはとても信じられない。決議案にイスラエルの自衛権についての言及がないことがお気に召さぬらしいが、平素からイスラエルの支援国であるアメリカとしては、少しでも親イスラエル国の印象をイスラエル国民と自国民に与えたかったのだろう。

 それにしても国連安保理事会で、拒否権を発動するのはこれまで決まって中国か、ロシアでこの両国の否決のせいで国連の機能が充分発揮されないとまで言われていたが、それが今回は中国とロシア、そしてほとんどの国々が賛成する中でアメリカだけが否認するとは、アメリカこそが、国連の機能不全に加担したことになるのではないか。

 さて、昨日のブログに記した日大アメフト部部員が大麻を服用した事件について、日大理事会内でもめていることが外へ漏れ伝わっている。林真理子理事長が、この事件の対応に当たっていた澤田康広副学長に辞任を要求したことである。これには、この不祥事自体の他に、このまま日大自身で大麻問題を早急に処理出来ないと大学としてのイメージが大きく損なわれるということがある。そしてそれが、このところ2年間文部科学省による私学助成金の不交付に繋がったことが影響しているようだ。日大への私学助成金は、2020年度に90億円交付されたが、その後田中英壽・前理事長の背任、収賄事件が明るみに出て、21年度、22年度は交付されなかった。学生による大麻スキャンダルも大きなマイナスだったが、助成金が交付されなかったのは、むしろ日大のガバナンスの欠如が、大分効いているようだ。結局理事会内の対立、ガバナンスの欠如、学生の大麻スキャンダルなどが大きく影響している。澤田副学長の解任を迫った林理事長も漸く真剣な顔で対応するようになったが、「週刊朝日」6月9日最終号で阿川佐和子氏と対談した林理事長が、阿川氏からどうして日大理事長を引き受ける気になったのかと尋ねられて、面白そうだから引き受けたと不真面目な応え方をしていた。理事長も日大理事長の職を遊び半分で引き受けていたのだ。こんな理事長らの対応では世間が納得すまい。況してや私学助成金の原資は国民の税金である。もう少しマンモス大学もしっかりしてもらいたいものである。

2023年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6002.2023年10月19日(木) 不祥事続きの大学体育会運動部

 このところ大学体育会運動部内の不祥事が立て続けに表沙汰となり、運動部存在の意義自体が問われている。

 先般日本大学アメリカンフットボール部の一部員が、大麻服用・所持の疑いで逮捕され、他にも大麻を所持している部員がいるのではないかと疑われたが、他にはいないということで話は終わった。ところが、その部員と合宿所で同室の他の部員が大麻を購入した疑いで逮捕される事態が発生した。日大理事会内ではこれまでの扱いと対応を巡って責任のなすり合いのような事態にまで発展し、林真理子理事長が澤田康広副学長に辞任を求めたことまで公になった。学生アメフト界の強豪として知られる日大アメフト部も、今やその存在すら危うくなっている。

 そこへ近畿大学剣道部で、部員同士の暴力沙汰から1人の部員が死亡するような事件まで起きた。その他にも大学内の暴力事件などが散見される。

 スポーツの強い大学でこれらの不祥事が続出するのは、専門家である大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、スポーツで一芸に秀でている高校生が、スカウトされて大学に入学した後に正選手になれず、いくら頑張っても上に行けないと分かると大学での目的を失い、落ち込みが激しくなるからだという。特に一芸を見込まれ特待生待遇で入学した場合は、部を辞めるわけにいかず、そのまま堕落して違法行為に手を染めるリスクが高いという。実際大学の授業には出席せずに、合宿所とグランドを往復しているだけで、学業成績二の次という選手がスポーツ強豪大学にはかなりいるとの話はよく耳にする。

 石嶺氏の話では、アメリカには全米大学体育協会(NCAA)という組織があり、ほとんどの大学が加盟していて、一定以上の成績を上げなければ、その学生は練習禁止、チームの対外試合に出場禁止の措置を科せられるというシステムになっているという。学生として身に着けるべき教養を学ぶ目的を持たせているというから文武両道が徹底している。このような個別の学生の成績を外部の組織が把握するシステムは、所属する大学の枠からはみ出して、聊か勇み足のような気もするが、考えてみれば、そのくらい大学生としての良識、学力を習熟させることを大学は求められているわけである。

 実は、日本でも2019年にNCAAを模した「大学スポーツ協会」という組織が発足したそうだが、加盟する大学は少なく、各大学の運動部の活動を制限するような罰則は設けられておらず、自主性に任せている。自校の学生の学業を他の外部組織に規制されることは大学自体が潔しとせず、不本意というのが日本の大学の考えだろう。「学問の自由」、「学問の独立」を主張する各大学にはそれなりの言い分があるだろうが、最高学府学生としての能力や矜持を持たない学生が多いことも事実である。これを大学側として今後どう指導していくのか、対策を生み出さないと勉学にはまったく興味がなく、成績も上がらない多くの学生が大学から社会へ送り込まれては、日本社会もいずれレベルダウンしてインテリジェンスに欠ける社会となる懸念がある。

2023年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6001.2023年10月18日(水) パレスチナ・ガザ地区を空爆、500人が死亡

 今や世界中から注目を浴びている戦乱の地・パレスチナ・ガザ地区北部に、昨夜こともあろうに病院が空爆され、少なくとも500人が死亡したと今朝悲惨なニュースが伝えられた。住民はイスラエル政府から南部へ避難するよう警告を受けてほぼ半数の人びとが避難した。だが、避難しようにも避難出来ず残された人も多い。ガザ北部地域には大きな病院があり、避難が懸念されていた矢先に攻撃を受けて哀れにも病院関係者や患者ばかりでなく、病院の敷地内に一時的に避難していた一般住民も巻き添えを食らい、多数の犠牲者を出した。

 早速過激派組織ハマスは、イスラエル軍による空爆によるものだと主張したが、当のイスラエル軍は、攻撃を否定したうえで、ハマスとは別の武装組織がロケット弾の発射に失敗したのが原因と述べた。イスラエルのネタニヤフ首相も、ガザ地区の病院を攻撃したのは、ガザの野蛮なテロリストでイスラエル軍ではないと関与をきっぱり否定した。

 これにより今日イスラエルを訪れたバイデン米大統領は、その後訪れる予定だったヨルダン訪問を延期すると発表した。一方、パレスチナ自治政府のアッバス議長は、病院空爆はジェノサイドの罪に当たると非難し、ヨルダン訪問を取り止め、エジプトのシシ大統領を交え、この難問解決のために話し合う予定だったネタニヤフ、アッバス、バイデン、シシによる4者会談は行われなくなった。

 このガザ地区の病院空爆について、グテーレス国連事務総長は、厳しい言葉で非難した。ハマスに対する支援者であるトルコのエルドアン大統領は、これはイスラエルの尊厳を欠いた攻撃だと非難し、イランのライシ大統領も厳しくイスラエルを非難したうえで、今日18日を喪に服すことを決めたと公表した。

 その中で、ドイツのシュルツ首相は、昨17日に各国首脳の中でもイスラエルに一番乗りしていたが、その理由は歴史上ナチスが冒したホロコーストに対する反省と責任から、「イスラエルの生存と安全のために立ち上がることを我々の使命としている」とジレンマを感じつつイスラエルへの共鳴を表した行動を取っている。

 早晩いかなる組織がこの無差別殺戮を狙った残虐な攻撃を行ったのか明らかになるだろう。

 さて、創業者のジャニー喜多川の若年タレントに対する性加害で、ジャニーズ事務所は会社を閉めることになり、社名を「SMILE-UP」に変更し、昨日から新事務所が稼働した。今後は新会社が被害者の補償に取り組む。ほぼ半世紀に亘る創業者の性加害による被害者は、9月末時点で325人も申し出ているという。すべての問題を解決するまで大分時間がかかると思われるが、補償が済んだ時点で「SMILE-UP」も解散して、マネージメント会社が発足するという。昨日のジャニーズ・ショップなどではギフト商品などを求めてジャニーズ・ファンが列を連ねていたという。取り敢えず社会的な事件ともなったジャニーズ問題はひと山超えると思われるが、いろいろな噂が流れているようで、まだまだ新たな問題が噴き出るかも知れない。

2023年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6000.2023年10月17日(火) パレスチナ・ガザ地区で懸念される戦火拡大

 昨日不可解なメールが送られて来た。三菱UFJ銀行から「入出金制限のお知らせ」というものだった。最近怪しいメールが時々送られてくる。私の銀行口座が三菱ということを知っている人はそんなに多くはない筈である。どうして知ったのだろうか。取り敢えず、「規制解除」という箇所をクリックするのは止めて、銀行に照会した方が良いと考えメールの文面をコピーして、三菱の自由が丘支店へ出かけて調べてもらった。案の定、三菱が送ったメールではないことが確認された。偶々昨日は国民年金の入金日であったので、それはきちんと通帳に記帳されていて、入出金に異常はなかった。

 詐欺事件が頻発していた今年春ごろに、やはりそれらしい電話があり、話の内容がおかしいと感じたので、直ぐに玉川警察署に電話で確かめたところ振込詐欺の手口だと言われた。翌日には警視庁特殊詐欺センターから電話で確認があった。怪しいと思ってすぐ警察へ連絡したことが良かったようだ。

 近年は身の回りにも嫌な事件が起きるようになったものだ。子どものころには自宅に電話もなくこんな悪意のある事件はなかったと思う。電話、テレビ、PCなどが広く普及するようになって、社会では陰険な事件が頻発するようになった。利便性が進んだからすべてが良いのか、或いは例え不便でも周囲が同じ条件の下に落ち着いた世の方が良いのか、やはり後者の方が誰でもが安心できる。小学生時代を過ごした片田舎の生活が時々懐かしくなる。

 さて、イスラエル・ガザ地区の内乱状態が情報の氾濫もあり連日錯綜し、その中で多くの犠牲者が生まれ、人道危機が深刻化している。ガザ地区222万人の住民のうち、ほんの2万人程度のイスラム原理主義組織ハマスが、イスラエル人を人質に捉えて抵抗している。イスラエルも攻撃を仕掛けるが自国民に犠牲者が出るのを警戒して、一般国民が傷つくのを避けようとしている。ガザ北部に住む住民に対し南へ避難するよう警告してほぼ半数の住民が着の身着のままで南部へ移動したが、北部に残された医療施設の医療関係者らの身が懸念されている。

 実は、ユダヤ人とパレスチナ人との長年の対立を扱ったNHKテレビ番組「映像の世紀」が昨晩放映された。「砂漠の英雄と中東百年の悲劇」、「ばらまかれた憎悪の種」、「バンクシーが描く祈り」を取り上げた。アラビアの英雄だったローレンス自身の心に秘めた終生の悩みとなったアラブ諸国に対するオスマン帝国からの独立のささやきと、彼の母国イギリスが仕掛けたパレスチナの地にユダヤ人の国家イスラエルの独立計画を、第一次世界大戦以降の実写を交えて分かり易く伝えていた。ここにもイギリスの大英帝国時代の利己的で狡猾な分割統治制度が見られる。それはアデン(現イエメン共和国)の植民地化もそうだったし、ミヤンマー(旧ビルマ)のロヒンギャ難民問題もイギリスの身勝手な植民地政策の分割統治が生んだ負の遺産である。いずれの難問に対してもイギリスは今以て責任を取ろうとしない。

 今イスラエルに対しては、レバノンから同じイスラム過激組織「ヒズボラ」が砲撃しているとの報道もある。テロの動きが広がらないことを願っている。明日にはバイデン大統領も支援国イスラエルを訪れるそうだが、多くの国々がこの狭い地域の戦火に手を突っ込むようになると、益々戦火は拡大し人道危機では済まなくなる恐れがある。イスラエルが、ガザ攻撃を続けるようだと、下手をすると第三次世界大戦に発展しかねないことになる。イエス・キリストとアラーの神のご加護によって、何とか事態を収めることは出来ないものだろうか。

2023年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5999.2023年10月16日(月) 辞めない高齢の国会議員に定年制を

 13日の細田博之・衆議院議長の辞任の記者会見について、一昨日の本ブログでも「衆議院議長史上最低、最悪の議長」として取り上げたが、体調不良の中で、議長は辞職しても一議員として今後も活動していくとの主張は、メディアでもネットでも非難され、その対応ぶりが厳しく批判されている。

 記者会見に登場した時の細田氏の足取りの覚束なさや、聞き取れないか細い声に、記者から何を言っているのか分からないとの声もあり、質問もよく理解出来ていないのではないかと厳しい指摘もあった。

 そこで出てきたのが、議員にも定年制が必要であるとの声だった。実は、議員定年制については、ちょうど20年前に小泉純一郎首相が「衆議院比例代表では、73歳以上は公認しない」という内規を適用し、その内規によって宮沢喜一氏と中曽根康弘氏も政界から引退せざるを得なくなった。公明党内には、任期中に69歳、或いは在職24年を超える場合は公認しないとの内規がある。ところが、自民党では折角決めた内規を特例として容認するケースがあり、特例続出により内規も形骸化している。結果的に「73歳定年制」に抵触する国会議員は、衆議院40人、参議院20人、合わせて60人の高齢議員が在職している。その内43人が自民党議員である。内規を実践している公明党にはひとりもいない。

 細田前議長は、衆議院議員として留まるべく「私以外の人ができる仕事ではないと自負している」と尊大に語ったようだが、高齢議員には特にいつまで経っても「俺がやらなきゃ誰がやる」という自負と思いあがりが付きまとうようだ。

 世襲議員が多い自民党だが、高齢議員も圧倒的に多い。これでは元々自浄作用が働かないのも頷ける。「議員定年制」、「世襲制度制限」のいずれも一旦は実現の目が見えていたが、いずれも自分たちの権利擁護を優先して消滅してしまった。

 60人もいる高齢議員には、84歳の二階俊博・元自民党幹事長を筆頭に、83歳の麻生太郎・自民党副総裁、81歳の政治の壊し屋・小沢一郎ら、元実力者がずらりといる。彼らはそう簡単には政界から去らないだろう。

 結局いつまで待っても欲深い政治家にとってメリットがない「議員定年制」、「世襲制度制限」は実現しないのではないかと残念に思っている。日本相撲協会ですら、65歳の定年制を採用している。国会議員は、欲深さではお相撲さん以上ということだ。

 ところで、今日著名な歌手の訃報を知った。シンガーソングライターの谷村新司さんが亡くなった。数々の名曲を世に出した。3人グループ「アリス」のメンバーとして、♪昴♪、♪チャンピオン♪、♪冬の稲妻♪など数多くのヒット曲を生んだ。作曲家としても山口百恵さんに♪いい日旅立ち♪を提供し、JRのCMソングとして日本中に広く流行した。一時解散していた「アリス」を復活させようと、今年6月から再結成して全国ツアーを計画中の折、今年3月急性腸炎が判明、入院中だった先週亡くなった。さだまさしが、谷村新司と松山千春、そして自身を含めてフォーク界御三家と呼んだ。各界からその死を惜しまれている。実に惜しい人を喪った。享年74歳だった。ご冥福をお祈りしたい。

2023年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5998.2023年10月15日(日) 大企業社名変更とパリ五輪マラソン代表内定

 アメリカの起業家で、経営者としても一世を風靡した感のあるイーロン・マスク氏が、今年ツィッター社を買収するや、直ちに社名を「ツィッター」社から「X」社に変えて世界中に大きな衝撃を与えた。広く会社名や、商品名が行き渡っているにも関わらず、敢えてマイナス面も含んだうえで名前を変更することには、かなりの決断と拘りがあったことと思う。

 少し歴史を遡ってみると、日本では、松下電機産業㈱がパナソニック㈱に変えたのが、当時は随分印象的だったが、これは商品名を社名にしたので事業実態としては変わらず、反ってすっきりしたとの声も聞かれたくらいである。最近では2018年に旭硝子㈱が社名をAGC㈱に変更した例がある。日本板硝子㈱と並び大手ガラスメーカーだったが、商品名ロゴを世界的な統一ブランドとして定着させるためにロゴを社名に変えた。2002年には、大手鉄鋼メーカーの日本鋼管㈱と川崎製鉄㈱が合併して発足したJFEホールディングス㈱などの合併による社名変更の例がある。

 そんな時に、先日の新聞報道で創業140年の老舗企業が、社名を変更するというのには些か驚いた。元々大阪で造船業を立ち上げた会社だったが、80年前に日立製作所の傘下に入り、社名を日立造船として発展し造船のトップ企業として君臨していた。しかし、戦後の財閥解体で日立グループから離脱し、2002年には造船業を切り離し、社名は造船会社をイメージさせるが、むしろその実態は国内最大のごみ焼却施設の建設会社となっていた。ただ、少々気になるのは、その新社名が「カナデビア」という何を意味するのか全く分からない社名である。800もの数多くの候補から最終的に決まったのが、想像もつかない社名のいきさつである。社内からは日立造船の長い歴史をどう考えているのかなどと困惑の声も聞かれたという。新社名は、オーケストラが「奏でる」ようにビア(VIA・ラテン語の「道」)を切りひらいていくことを意味する「カナデビア」という、和洋折衷の造語である。関係者はこの名に慣れるまでは大分戸惑うのではないだろうか。

 いずれにせよ「名は体を表す」と言われるように、営業実態が外部に正しく伝わることが重要であるので、新社名を広く知らせるためにはOBも含めた全社員の努力と協力が不可避であると思う。

 さて、今朝都内はかなり激しい雨が降って肌寒かったが、この最中に来年のパリ・オリンピックのマラソン代表を決めるマラソン・グランドチャンピオンシップ(MGC)が、国立競技場発着で行われ、1、2位が代表に内定し、3位は選考対象となった。スタート時はテレビで観戦していたが、ほとんど観ることはなかった。結果的に先に行われた男子レースには、61人が出走したが、日本記録を持つ鈴木健吾選手が途中棄権した。しかし、優花夫人が女子レースで夫の声援を受けながら見事に優勝し、2位には一山真緒選手が入り、ともに代表入りを内定した。

 男子代表には、これまで名前を知らなかった小山直城、赤崎暁両選手が1、2位に入り内定した。3位には、元日本記録保持者の大迫傑選手が入った。激しい雨が降る寒い中で走る選手たちを見て、彼らが健康を害さないか気になった。難しい問題はあるだろうが、日時を変更して行うことは出来なかっただろうか。今後検討すべきだと思う。

2023年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5997.2023年10月14日(土) 衆議院議長史上最低、最悪の細田博之議長

 昨日細田博之衆議院議長辞任に伴う記者会見を見て呆れた。評論家や政治学者、メディア関係者をはじめ各界の人びとも呆れ果てたのではないだろうか。卑しくも衆議院議長とは、首相、最高裁長官、参議院議長とともに三権の長と呼ばれ、それなりの権威があり、国民の誰もが敬意を払う立場にいるものだ。それをどん底へ突き落すような言動をしては他の三権の長も、さぞかし不愉快な気分だろう。以下に細田氏が衆議院議長の資質に欠ける人物だったという点について、ほんの一部だが書き上げてみる。

 記者会見のポイントは、①世界平和統一教会(旧統一教会)と自らの関係、と②女性記者へのセクハラ疑惑の2つである。そもそも議長を辞めると言ってから大分時間が過ぎたが、その間まったくメディアからの質問にも応えなかった。昨日は質問をまとめてきちんど応えて議長辞任となればスッキリだったが、腹に一物ある細田氏としては、長老として党内に隠然たる影響力を持ち続けたいと考えたのだろう。無難に質問をかいくぐり、その後に議長は辞めるが、一議員として次回の総選挙への出馬を表明するという計算だったと思う。議長を任期途中で辞めるというのも、健康上の理由と説明していながら、議員としては働きたいというのも理解に苦しむ。

 大体疑惑について正面から応えていない。これでは記者会見を開いた意味がない。最初は僅か30分間と言ったが、これでは短すぎるとの声に50分に伸ばし、更に延長の声が出たが、その声を無視して一方的に会見を打ち切った。出席出来る記者も国会記者に限り、会見場のスペース上1社1人に限った上で行われた会見では、冒頭の2つの疑念について納得出来る説明はなかった。

 まず、解散命令の請求が出ている旧統一教会との個人的関係については、教団の関連団体の会合に8回も出席している。関係大ありではないか。それについて細田氏は、「特別な関係はない。呼ばれれば出るという程度」と密接な関係はないと語ったが、8回も特定の教団関連団体の会合に顔を見せるというのは、密接な関係はないと言ったところで説得力がない。教団の韓鶴子総裁が韓国から出席した会合では、祝辞まで述べ、安倍元首相に早速報告したいと述べたことなど、とても普通の関係とは思えない。

 また、セクハラ疑惑については、セクハラを受けた記者の名前が公表されていないが、それを幸いとばかりに5人でもセクハラを受けたという人が出て初めて「Me too」が成立するなどと詭弁を弄した挙句に、セクハラの覚えがないことをあったように言われることは、男性に対するハラスメントだなどと開き直って破廉恥な抗弁をしている有様である。立憲民主党の岡田幹事長は、これらの発言を厳しく非難しているが、流石に自民党内においても不誠実だとの批判が相次いでいる。岸田首相ですら細田氏の発言に苦言を呈している。

 その上次回総選挙に出馬する点について、自民党の若手からも「健康に不安があるのに議員活動を続けるのは理解出来ない」とまで言われている。こんな人物がよくぞ衆議院議員の最高職に留まっていたものだ。

 結局東大法学部から通産省官僚という日の当たる出世街道を歩きながらも、世間知らずで父親の後継者で単なる二世議員だっただけである。政界のみならず世間の倫理、ルール、常識をぶち壊した点でも、「二世議員」なんてロクなものではない。「二世議員」の在り方に厳しいメスを入れるべきである。

2023年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5996.2023年10月13日(金) 文科省、旧統一教会の解散命令請求

 文部科学省は、今日世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を請求した。統一教会は、昨年7月奈良県の遊説先で安倍晋三元首相が統一教会と深い関係があると逆恨みした犯人に射殺され、事件が公になり世間からあくどい献金や、高額な物品購入などが糾弾されるきっかけとなった。これまでの賠償額は示談による和解金を含めても220億円余になるというから相当長期に亘り、悪辣な集金を行っていたのだろう。意外にも政府が民法の不法行為などがあったとして解散を請求するのはこれが初めてだという。解散命令が確定すると統一教会は宗教法人の法人格を失い、税の優遇がなくなる。この動きに対して、統一教会は、極めて残念であり、遺憾に思うと言い、日本の憲政史に残る汚点とまで恨み節をHPに記している。統一教会は裁判で争う方針である。

 被害に遭った元信者にとっては許しがたいことであり、彼らが願っている解散への第一関門は通過した。だが、この組織自体が行ってきた行為に自民党がかなり深く関わっていたことが、むしろもっと大きな問題だと思う。自民党国会議員の中で、統一教会と何らかの関わりがあった議員は、179名もいる。

 統一教会の関連団体である「世界平和教授アカデミー」が80年代に立ち上げた「80年代ビジョンの会」と称する組織が、当時からほぼ半世紀に亘り自民党と内閣に対して政策提言を行ってきた。特に1982~87年の中曽根康弘政権に対するその提言たるや露骨に日本の政治に口出しし、内政干渉している。それを当時の政権はこの組織の要望をどこまで採用したのか不明ではあるが、実際に国家の政策として実行されたことも事実である。

 例えば、「80年代ビジョンの会」が政策として提言した、①国民意識の改革のために毎月1回国民に直接政策を訴える番組をメディアで計画、②国鉄の分割・民営化の促進、③日米関係の修復、日韓関係の緊密化、④防衛計画大綱の早期達成、などである。特に④では、有事法制、自衛隊法改正、民間防衛、空軍の強化にまで踏み込んで言及し、剰え防衛費の1%枠の早期撤廃、防衛予算の500億円上積みまで要求している。

 中曽根内閣は、実際にこれらの政策を進め、それは今日の岸田政権にまで引き継がれている。統一教会は本部が韓国にあり、韓国の本部が自民党を通じて日本の内政に干渉していたということでもある。長年に亘る懸案だった国鉄の分割民営化が、実際に行われたのは中曽根内閣末期の1987年4月であり、防衛費の増額も本年から大幅に増額された。「80年代ビジョンの会」の言うがままに日本の政治は操られて来たような印象を受ける。

 中曽根首相は自民党内では少数派閥で基盤は強くなかった。それ故に統一教会に頼ったところがあったのではないかと憶測せざるを得ない。

 しかし、解散までにまだいくつかの乗り越えなければならないハードルがある。その最大のものは、この決定が効力を持つまでにかなりの時間を要するという点である。それは、過去に解散命令を受けた宗教法人に、オウム真理教と明覚寺事件があるが、前者の決定が有効となるには7か月、後者に至っては3年もかかったことである。その間に所有する財産を隠匿、或いは海外へ移転させる可能性があり、すでに立憲民主党などは、財産管理命令の規定を宗教法人法に盛り込むよう主張している。

 いずれにせよ、自民党と統一教会が水面下でしっかり手を握っていたことは、多くの自民党議員の行状によっても随分明かされている。日本の政治が外国の民間の組織に指図され、財産を投げ捨てるような献金や物品の購入を求められるような宗教団体を、この際徹底的に排除して欲しいものである。

 この得体の知れない宗教団体が蔓延ったことに、自民党自身大いに反省すべきで、国民に対しても詫びるべきである。

2023年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com