5640.2022年10月22日(土) 円相場、慌ただしいアップダウン

 どうも分かりにくい外為市場のカラクリである。円安が急速に進行し、遂にニューヨークでは日本時間の昨日9時半ごろ1㌦=151.94円まで下がった。ところが、今日午前1時50分ごろには、144.50円まで円が回復し、7.34円も円高になった。この過程については今日の朝刊には大きな円安の記事の中の一部に円高と書かれているが、今日のテレビ報道を観ている限り、あまりこの円高については触れていない。日本政府も何らの発表もしていない。日銀が覆面介入したような複雑な事情が秘められているのではないだろうか。ニューヨーク市場の取引参加者は、「金利など他の指標は動かない中で円だけ急騰した。日本政府が為替介入した可能性がある」と話している。どうも気がかりなのは、多くの関係者が、日本が9月に続き再び為替介入を行ったとの予測が流れる中で、日本政府・日銀はこの点について何のコメントも出さないことである。それでいて、アメリカが利上げを加速させる一方で、日本は相変わらず金融緩和策に固執している。夕刊には、朝刊に続いて「政府・日銀、再び為替介入 7円超急騰、一時144円台」との見出しで伝えられたが、政府・日銀から説明はなく、鈴木俊一財務相は「投機による過度な変動は容認できない」と牽制球を投げるだけで公に為替介入をするような円安防止対策を全く打とうとしないことである。どうも責任感がなく国民への説明責任を果たしていない。

 「円高は遠きにありて思うもの」だろうか。思い起こすと、東日本大震災が発生したほぼ半年後の2011年10月には1㌦=75.32円だった。現在の約2倍の円高だった。

 さて、国内の苦しい問題は政治家が直ぐには解決出来ないことばかりだが、今世界中から注目を集めているイギリスのトラス首相の辞任も自らの言動が招いた無思慮、かつ拙速な行動にある。1か月半前に首相就任の折には、存命のエリザベス女王から承認され、国葬にも出席するという光栄な立場にいたが、政治的手腕については、苦しい国内の経済的事情の中で大型減税をぶち上げ、国債増発による金融市場の混乱を招き、あまつさえ財政悪化を懸念させた。政権は金融市場から全面否定という反応で、ポンド急落、金利急騰、株価急落を招来させ、財務相を更迭した。これが責任を部下に押し付けて自らは責任を取らない冷酷な対応として党内外の批判が高まり、更に支持率が7%にまで下がり、首相の地位に留まっていることは難しいと判断し、自ら史上最短首相という芳しくない負の「称号」を手に首相の座を去ることになった。

 その傍ら、トラス首相と同様、イタリアでも史上初の女性首相が誕生しようとしている。先月行われた上下両院選挙で極右政党「イタリアの同胞(FDI)」党首のジョルジャ・メローニ氏が勝利宣言をした。LGBTに反対し、ジェンダー思想に反対、イスラム主義暴力に反対、集団移民に反対などかなり過激な保守思想を堅持しているようであり、前途は必ずしも平穏ではないと予想される。この国の政治も難しいところがあり、大分昔にわがままな政権運営をしてとかくの噂が付きまとっていた鵺(ヌエ)のようなベルルスコーニ氏が、今も蔭で暗躍しているようで、その辺りももう少しすっきりさせないとクリーンな政治は望めない。イタリアでは、大統領が首相指名をするので、まだ若干首相指名には時間がかかるかも知れない。

2022年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5639.2022年10月21日(金) 日本が今抱える悩みと未解決問題

 日本には今明るいニュースがほとんどない。経済的にはあまりにも激しい円安のせいで、2022年度の貿易収支も厳しいものとなった。

 財務省が昨日発表した今年度上半期の貿易統計によると、案じていた通り貿易収支は11兆75億円の大赤字だった。年度半期の赤字額としては過去最大で13年度下半期の8兆7千億円を大きく上回った。この原因としては、大きく2つが考えられるが、ひとつはウクライナ危機による資源価格の高騰であり、もうひとつは急速に進む円安が輸入額を押し上げ物価の上昇を招いたことである。昨日1㌦=150円台にまで下がった円は、実に32年ぶりの円安である。今日は1㌦=150.98円となったが、政府・日銀がいつものように「市場の動向を注意深く見守る」を暗示するかのようにのんびり手をこまねいている現状では、早晩円安加速は収まらないだろう。9月の消費者物価指数も前年9月に比べて3%も上昇した。31年ぶりである。

 もうひとつ嫌な情報として連日報道されているのが、旧統一教会問題である。当初安倍元首相が射殺され、しばらくメディアからは話題されなかった旧統一教会が、その後あらゆる場面で取り上げられ、最近では宗教法人としてライセンスを取り消すことや、旧統一教会との結びつきの強い国会議員から潔白である証拠を示させるような動きが注目されている。この数日は、テレビを通して元信者の発言と旧統一教会の激しいやりとりが、関心を呼んでいる。

 偶然にして安倍元首相が殺害されたことで世上に浮上し、再び話題となった旧統一教会であるが、そもそも元首相の祖父・岸信介元首相が早くからこの教会と接触し、強い結びつきが始まり、それが3代目の安倍元首相にまで続いていたことであり、その意味では岸・安倍一族と旧統一教会の懇ろで闇の関係をはっきりさせないといけない。その元首相の国葬を国民の過半数の反対を押し切って実施した、岸田政権の責任も重大である。今国会でも国葬問題について議論が交わされることになっているが、現状はそれどころではなく、後から後から明るみに出される自民党国会議員と統一教会の選挙がらみの協力がすっきりせず、安倍家と旧統一教会の関係まではとても追及出来るような状態ではない。

 それでも今日自民党は党改革実行本部総会で旧統一教会とは関係を持たないとする方針を決定するようだ。これだけ世間を騒がせ、多くの被害者を生んだ組織と不明瞭な関係を維持することが、どれほど長い目で見て党にとってマイナスであるかということにやっと気が付いたようである。ただ、この方針が党の末端まで永続的に守られるかどうか、いつも朝令暮改の自民党にとってそれこそが問題である。

 暗いニュースばかりの中で、今日ホッとする話題がひとつあった。秋篠宮家の長女真子さんと結婚された小室圭さんが、3度目の挑戦でニューヨーク州の司法試験に合格されたとテレビで報道された。これまであまり楽観的な情報がなかっただけに、俄かに和んだ感じであるが、秋篠宮ご夫妻も喜ばれ安堵されたのではないかと思う。偶々23日明後日は真子さんの31歳の誕生日で、26日はご結婚1周年記念日だという。メデタシ メデタシ。

2022年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5638.2022年10月20日(木) 仲本工事死去とトラス英首相の辞任表明

 タレントの仲本工事が昨晩亡くなったとのニュースに少々驚いた。一昨日朝横浜市内の横断禁止道路を横切って車にはねられ、病院に搬送されて緊急手術を受け、重症だったと聞いていた。半世紀近く前に「8時だよ!全員集合」の生番組を妻と幼かった長男とともに鑑賞に行ったことがある。何度か自由が丘駅前広場で顔を見たこともあるので、近くに住んでいるのではないかと思ってはいた。それにしても一昨年コロナで同じザ・ドリフターズの仲間だった「ばか殿様」の志村けんが亡くなり、今また仲本が逝って昭和を代表するタレントが、またひとり消え2人消えて寂しい限りである。先月30日には落語家の三遊亭円楽師匠が72歳で、翌今月1日にはプロレスラーのアントニオ猪木が79歳で亡くなったばかりである。

 この交通事故死でちょっと気になったのは、あの事故現場は横断禁止でそれを無視して渡った被害者に責任はあるとは思うが、テレビの映像を観る限り、大勢の人びとが横断禁止標識を無視して道路を横断していた。もう少し毅然とした防止対策が取れなかったものだろうかと疑問に感じている。

 今日ネットを見ていてちょっと気になったことがあった。見出しに「Cロナ早退に批判」とあって「コロナ禍に学校の生徒が早退して批判を浴びている」と早飲み込みしてしまい、どういうことなのだろうと疑問に思い記事をよく読んでみた。他愛ない誤解で、記事はコロナとはまったく無関係で、実はサッカーのイングランド・プレミアリーグの試合でマンチェスター・ユナイテッドに所属するポルトガル代表クリスチアーノ・ロナウド選手が、試合終了2分前にベンチから姿を消したことに対して解説者やファンから批判が集まっているという内容だった。「Cロナ」選手はその試合には出場しなかったが、チームの雰囲気を乱す行為であると厳しい声が上がっているようだ。その早退の件は別にして、クリスチアーノ・ロナウドを「Cロナ」などと書かずに、せめて頭文字「C」の代わりに後ろに「ウド」を加えて「ロナウド」とすれば、すぐ理解出来たし、混乱することもなかったのに随分粗雑で軽率に略するものだなぁというのが実感である。
 いま夜10時前であるが、このブログを書いている時に、外電の速報が入って来た。イギリスのトラス首相が今日辞任を表明したという驚くべきショッキングなニュースである。首相就任後、まだ2か月も経っていない。そこには、複雑な党内外の事情があるようだ。トラス首相が就任1か月強内に、重要閣僚である財務相と内務相が辞めたことも驚きだった。クワーテング財務相は、法人税増税の凍結や国民保険料の再引き上げなどをアピールしたが、首相はいずれも撤回し、財務相に責任を取らせ更迭することに決めたようだった。ブレイバーマン内相は、責任を取ろうとしない首相への批判的行動として辞任したと受け取られている。野党のみならず、与党の一部からも首相として問題視され、辞任を求める声が上がってはいた。それにしても随分簡単に首相という国のリーダー職をこうも簡単に放り出すとは、責任感がなさ過ぎると思う。首相がこんな軽々に行動するので、閣僚も同じように行動するのだろうか。

 一方国内では、高校の後輩である山際大志郎・経済再生担当大臣が、旧統一教会との度重なる接触が明かされる都度言い訳を述べることに対して、メディアからもかなりの批判が出ており、一昨日には衆議院予算委員会で首相に山際大臣を更迭させるよう要求があったくらいである。しかし、山際大臣は辞めない。それが日本の政治家の流儀だからである。

2022年10月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5637.2022年10月19日(水) 政府が傍観する円安進行

 円安が止まらない。ついに昨日の東京外為市場では、1㌦=150円台目前まで下落した。政府、及び日銀は先月22日24年ぶりのドル売り円買いの為替介入に踏み切ってから1か月近く経過するが、それでも介入した当時の水準から4円以上円安が進んだ。振り返ってみると昨2021年冒頭は今から考えると円高基調が維持されていた。実際、2020年は1㌦=103.5円で閉め、翌21年はそのままスタートした。7月に111円となってから年末は113.26円で終わり、明けて22年に入ってから115円台に、4~6月には120円台に、そして7~9月に130円台となり、10月1日に144.81円と円安は大きく進み、昨日は149.22円にまで下がった。この1年間で実に35.02円も円高が進んだ。ここまで円安が進むと物価が上がり一般家庭への経済的影響もかなり厳しいものがある。電気、ガス、水道料金をはじめ、ガソリン代金も大幅に値上げされ、家庭は悲鳴を上げている。この3年ほどコメの新米価格が下がり続けていたが、何と今年は安値が一転してそのコメまで値上がりしたのである。

 ただ、最近の円安動向はアメリカがインフレを抑制するためとの名目で高金利を続け、それは日本円ばかりでなく各国通貨の下落へ導いている「ドル独歩高」に繋がり、各国とも日本ほど極端ではないが、ドル高に悩んでいる背景がある。

 この円安について、衆議院予算委員会では与野党の激しい論戦が繰り広げられた。野党は円安が進むのを放置しながら物価高対策をしても砂漠に水をまくようなものだと追及し、ゼロ金利政策の変更を求めた。また、この円安を招いた黒田日銀総裁がまだ来年3月まで残っている任期完了を待つことなく更迭を求めた。当然黒田総裁は反論し、「金融緩和がまったく失敗したと言うのは事実に反する。金融緩和はデフレを解消することを目指している。辞めるつもりはない」と強く拒絶した。また、岸田首相は原材料などが高騰しても価格転嫁を進められれば賃上げに繋がり、物価高を乗り越えられると安易に考えているようだが、この考えは、給与所得者にはある程度当たっているが、そうでない職種の人たちにとっては空念仏に過ぎない。

 ここで毎度厳しい局面に至ると最高の責任者である財務大臣の発言が注目されるが、いつもながら前向きなコメントは語らない。昨日も鈴木俊一財務相は、「今日もしっかりと市場の動向を注視する」とお決まりの一言を遺しただけで、前向きな対応を呈示しなかった。喜んでいるのは、インバウンド解禁で訪日しショッピングで買い漁っている外国人観光客と、日本の輸出産業だけであろう。

 実は、手元に200㌦ほど持っている。いつも海外へ出かけるための僅かな準備金のようなものである。慌てて両替しなくても直ぐ対応出来るように、常に身近に保有している。ところが、コロナ禍により海外へ出かけるチャンスがほとんどなくなった現状と、例えコロナが終息しても健康面で以前のように自らの健康に太鼓判を押せる状態ではないので、海外旅行の機会が少なくなると考えている。いくらでこれらのドルを購入したのか、記憶にはないが、仮に110円程度だとしたら8千円程度の為替差益を得たということになるが、どうも実感がない。

2022年10月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5636.2022年10月18日(火) 気軽な気分で昭和歌謡コンサート鑑賞

 今日は玉川区民会館内にある「せせらぎホール」で歌手木山裕策と「歌声カルテット」という若い4人組のコンサートが行われ、妻とともに鑑賞に出かけた。大改築された世田谷区玉川総合支所内にあるコンサートホールで気軽に聞くことが出来た。木山は2008年唐突にNHK紅白歌合戦にデビュー曲♪home♪で初出場した時、サラリーマンとして務めながら4人の子どもがいるとの紹介に、普通の歌手から見ればやや異色だと思っていた。一昨年定年を機に歌手に専念したというが、大阪外国語大学(現大阪大学)イスパニア語学科でスペイン語を学んでいたというから、やはり歌謡界では異才である。今日はヒット曲♪home♪の他に、昭和の名曲、童謡などを披露してくれた。会場はほとんど高齢者ばかりで、車いすの人も多かった。この辺りは普通のコンサートとは違う。木山の他に第1部として若い「歌声カルテット」が、やはり昭和の名曲を歌ってくれた。4人の内2人が桐朋学園大出でピアノとヴァイオリンを演奏し、歌ったのはテノールとバリトンの2人で、いずれも東京芸大声楽科出身で流石に歌謡力は素晴らしかった。

 8月末に渋谷オーチャードホールでブロードウェイの♪CHORUS LINE♪を鑑賞したが、その時は本場から来たグループが演技する歌とダンスの迫力に圧倒された。それに比べれば、今日のコンサートはぐっと地味なもので入場料もお手軽だった。世田谷のお年寄りのためのコンサートという感じだったが、それだけに皆それなりに楽しんでいるようだった。デラックスな音楽会はもちろん素晴らしいが、こういう地味でありながら、実力派歌手が歌う地元対象のコンサートも中々肩が凝らない楽しいものである。また、同じような企画があれば、是非とも鑑賞してみたいものである。パンフレットにはこう書いてあった。「音楽は記憶の扉を開けるカギと言われて、懐かしい音楽を聴くことは、脳を活性化します」。

 ところで、ステージで木山氏はコロナ禍で随分企画がポシャッたようなことを述べていたが、コロナの流行も第7波に入って去る8月19日には第7波のピークに達し全国で26万1千人の新規感染者が出たほどだったが、その後徐々に下火になり、10月10日には1万3千人にまで減少した。それが2日後の12日には4万5千人にまで増え、その日を頂点に再び減り出し昨日は1万5千人に落ちた。それが、今日になってまた4万2千人にぶり返している。長いスパンで見れば傾向としては減少しているが、期待を抱かせてくれるような減少傾向には一向にならない。これまで国内の累計感染者数は、実に2,181万5千人になり、これは国民の6人にひとりが感染したことになる。世界でも9番目の多さである。死者も累計で4万6千人である。あと半月で木山氏の父親と同じ84歳の誕生日を迎えるが、最近3年間は人生を無駄遣いしているような気がしてどうも意気が上がらない。先の見通しが立たないというのが一番の悩みである。

 コロナを撲滅出来ず、地球温暖化を止められず、それでも愚かにも核やミサイル開発だけには熱心で、今の世界は人類のために折角開発した科学を、人類の発展のために使用せず、人類を滅ぼすために使っているように思えてならない。

2022年10月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5635.2022年10月17日(月) サッカー天皇杯の大番狂わせ

 スポーツでこれほどの番狂わせはそうざらにないと思う。昨晩行われたサッカー天皇杯決勝戦である。延長戦でも決着が付かず、PK戦でJ2のヴァンフォーレ甲府が、J1のサンフレッチェ広島に勝って初優勝を決めた試合である。いわゆる下克上である。何と甲府は今季J2リーグ22チームの中でも、下位の18位に低迷していた。地元チームの予想もしていなかったまさかの優勝に甲府市内では号外も発行されたようだ。チーム自体もよもやサッカー界の頂点に立てるとは思ってもいなかったようである。

 トーナメント戦では運不運が作用することはあり得るが、長期間に亘って多くの試合をこなすリーグ戦では実力が表れるものだ。弱いチームが上位チームに勝つチャンスはそう多くはない。それを甲府は短期決戦のトーナメント戦で成し遂げたのである。ともかく3回戦以降はJ1所属チームを5試合連続で破って栄冠を獲得した。これで来シーズンのアジア・チャンピオンズ・カップへの出場権も得た。まぐれではこう連続して強豪チームに勝つことは難しい。予想外の天皇杯獲得にヴァンフォーレ甲府は、1億5千万円の賞金を獲得してニタリとしているだろうが、その一方で来季はアジア・チャンピオンズ・カップ出場のため海外へ出かける機会が多くなり、その間隙にリーグ戦に出場しなければならず、日程調整に頭を悩ませることになるだろう。最大の問題は現在のホーム・グランドが海外チームと公式戦を行うための条件をクリアしておらず、これからグランド問題をどうするのか知恵を絞らなければならない。

 それに引き換えてプロ野球も日本シリーズを前にして、セ・パ両リーグとも早々に出場チームが決定した。今年は昨年に続いてセ・リーグ優勝チームのヤクルト・スワローズとパ・リーグ優勝のオリックス・バッファローズの対戦となるが、ここには下克上は早や消滅した。いずれもリーグ優勝チームがクライマックス・シリーズで勝ったからである。そもそもこのクライマックス・シリーズが厄介ものである。各チームが長いペナント・レースを戦い、漸く勝ち抜いたチームがリーグの代表チームとして日本選手権に出場するのは当然のことである。にも拘わらず、一旦決まったリーグ戦の順位を軽視するようなクライマックス・シリーズなんて制度を設置して、折角勝ち得た優勝チームのプライドとヴァリューを傷つけるようなシリーズを行うなんてペナント・レースの権威を台無しにしてしまう。

 例えば、クライマックス・シリーズの出場チームはリーグ戦で3位以内であるが、仮に3位のチームの勝率が5割を割っていて、そのチームがシリーズを勝ち上がり、日本シリーズでも勝った場合、1年間戦って半分も勝てなかったチームが全12球団の中で最も強いチームと認定されてしまう。今年は結果的に日本シリーズへ出場すべきチームが出場することに決まったが、何かが欠けているような気がしている。アメリカMLBのポスト・シーズン・ゲームとは考え方が違う。金儲けのためにクライマックス・シリーズを実施するなら、他に観客を呼び込む別の方法があると思う。

 日本のプロ・スポーツも年々盛んになり、華やかになってビジネスとしても成り立つようになったようだが、考えてもいないレア・ケースが発生する可能性がある。中々難しいものだなぁと思う。

2022年10月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5634.2022年10月16日(日) 王室、皇室が平穏に存在するためには?

 イギリスのエリザベス女王が亡くなられてから1か月余りが経過したが、女王は70年という最長期間に亘り在位され、イギリス連邦国家の象徴としてその地位におられただけに国葬には、英連邦諸国をはじめ世界中から多くの首脳、要人が参列された。だが、今後の王室に対する不安や懸念が囁かれてもいる。とりわけ女王の後を継がれたチャールズ新国王が皇太子時代に私生活面でとかく問題児であっただけに、王室の将来が危惧されている。世界的にかつての王家、王室が少しずつ姿を消しているが、そのほとんどは政治的権力を握り独裁的に君臨して、軍事クーデターや民主化運動などで追放された例が多い。特に歴史的に長く王制を踏襲していたエジプト、エチオピア、イランなどでは歴史と伝統を誇った王室が廃止され、今やかつてのように国王、皇帝は王座に就いていない。

 ヨーロッパでは国家の象徴としての王室が今も残されている国が大分あるが、時代の流れもあり、その存在に対する見方も厳しいものがある。そのため王室は国民にとってある程度模範的な存在であることを意識して愛される王室であるよう心掛けているようだ。

 その中で最近王室内に内紛のような話題を提供した国がある。それは国民の間にも絶大な人気があるデンマーク王室で、先月28日にマルグレーテ女王が、突如次男で王位継承順位第6位のヨアキム王子の4人の王子と王女の称号を来年1月以降使用出来なくなると公表したことである。この唐突な知らせにヨアキム王子が激怒して、王室内の内輪もめを公衆にさらす前代未聞のスキャンダルに発展した。女王はその公表のやり方について遅ればせながら今月3日に謝罪したが、公表した事実を取り消すことはしなかった。

 女王には2つの考えがあったようだ。そのひとつはヨーロッパ各国の王室には近年スリム化の傾向があり、王位継承順位第1位の長男フレデリック皇太子にも称号を持つ4人の子どもがいて王族が多いということに配慮したことと、2つ目に王族の称号を持つことは、多くの責任と義務を伴うので、ヨアキム王子の4人のこどもには王室の義務に煩わされることなしに普通の生活を送れるようにしてあげたいというのが本心だったようだ。

 マルグレーテ女王の深謀熟慮は理解出来るにしても、突然自分の子どもたちが将来の道を塞がれたことを事前に連絡もなく公表されたことに、ヨアキム王子の怒りが表れたのだろう。いずれにせよ、公表の仕方や、手順を誤ったことは女王、並びに王室の拙速な公表の仕方だったと思う。

 王室の経済的スリム化は当然であるが、翻って日本の皇室については支出がスリム化されているとは言えないように思う。最近皇族方のお住まいの新築、改築の情報が聞かれるが、国民の知らないところで全て決められている。これは皇族方の考えというより宮内庁の責任であるが、もう少し国民の負担、及び知る権利を配慮してもらいたいものである。

 いずれにせよ昔の王族はその必要経費を自らの力で産み出したがために、他人が口出し出来るものではなかった。しかし、今日ではそれらの必要経費はすべて国民が収める税金によって賄われている。その点を国ももっと考えるべきであると思う。

2022年10月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5633.2022年10月15日(土) 求心力が低下したプーチン大統領

 ロシアが9月に発表した30万人の予備役招集の結果、反対のデモや国外へ脱出する若者が相次いでロシア国内は混乱し、そのうえ第2の招集が噂され動員拡大への不安が広がっている。プーチン大統領の支持率も低下して政権基盤がやや揺らぎ始めた。プーチン氏はこの状態から当分追加動員を先延ばしすることを決断した模様だ。

 プーチン大統領への信頼はロシア国内ばかりでなく、旧ソ連邦独立国の間でも気持ちが離れている。昨日カザフスタンで開かれた旧ソ連構成国の独立国家共同体(CIS)首脳会議でプーチン氏が結束を呼び掛けたが、明らかにウクライナ侵攻後は影響力が低下しており、CISの盟主であるロシアの地位が揺らぎ始めていることを示した。CISはソ連が崩壊した1991年12月に発足し、現在9カ国が加盟している。そのCIS加盟国の内、12日の国連総会でロシア非難決議に反対したのは、盟主であり被非難国ロシア自身とロシア侵攻を支持しているベラルーシの僅か2か国だけだった。ウクライナ侵攻の直接的な理由としてロシアが挙げたのは、ウクライナ国民をネオナチの非民主的抑圧から解放することだった。だが、実際にネオナチ的言動を行っているのは、今のロシア自体であり、それはCIS加盟国にも見透かされている。去る7日プーチン氏の誕生日に合わせてCIS非公式の首脳会議を開催した時には、キルギスのジャパロフ大統領は欠席し、CISで作る軍事同盟「集団安全保障条約機構」(CSTO)は予定していた合同軍事演習を理由もなしに前日に中止した。ロシアによるタガは緩みっぱなしである。

 CISを開催したカザフスタンは、プーチン大統領が一方的に併合宣言をしたウクライナ4州について、「領土保全の原則を尊重する」として承認しない考えを表明した。これまで盟主のロシアの言いなりになり、押さえつけられていた旧ソ連独立共和国が、主体的にロシアの檻の中から飛び出しつつある。今や疲労困憊気味のロシア、並びにプーチン大統領に対して同盟国、或いは国内から少しずつ反対者が出て、ロシア離れが加速し、いずれプーチン帝国も瓦解することになるのではないかと期待を込めて注視したいと思っている。
 そして、アメリカとロシアが互いに首脳会談を避けている中で、アメリカのロシアへの非難は手厳しい。だが、アメリカ自体も足元を見てみると国内に多くの問題を抱えている。来月行われる中間選挙を睨み、やや旗色が良くないバイデン大統領の民主党にとって、図らずも共和党のトランプ前大統領の疑惑を追及する動きが強まって来た。トランプ氏を追い詰めている疑惑は3つある。ひとつは、昨年1月の議会襲撃事件への関与であり、2つ目は、大統領退任時に大量の機密文書を自宅へ持ち帰った疑いであり、3つ目は、ニューヨークの不動産価格を不当に高く評価して有利な条件で融資を受けたとする疑いである。

 最初の議会襲撃事件について、一昨日下院特別委員会でトランプ氏を証人として召喚する決議を可決した。民主党としては、トランプ氏の責任追及を中間選挙の追い風にしたい思惑があるようだ。いずれにせよ、アメリカも足元に火が点いた騒ぎで、内憂外患というところだ。アメリカはロシアの求心力失墜を他山の石とすべきであろう。

2022年10月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5632.2022年10月14日(金) 理系第2東大設立の意図と方針

 噂では知っていたが、今日新聞に正式に発表された記事を読んで、これはどういうことだろかと疑問に思った。それは大学統合の一環とも言える、名門国立大学の東京工業大学と東京医科歯科大学が統合されるというニュースである。今日のHP「東工大ニュース」にも今日基本合意書を締結し、統合時期は2024年度中と告知されていた。いずれも天下に名高い名門大学で、入学試験も厳しい。これら名門大学が伝統に則って独自の行き方で研究し、優秀な卒業生を世に送り出すことに集中してはいけないのだろうか。受験生にとっては理系の東京工大は東大と1,2を争う優れた難関大学であり、東京医科歯科大も東大理3に次ぐ難関大学である。これらをこれまでの独自の歴史と伝統を捨ててまでどうして統合させなければならないのだろうか。

 そこには、政府が大学の国際競争力の強化を狙い、大規模な大学ファンドによって支援する制度を創設し、2024年度から年数百億円を配るそのややふざけた称号の「国際卓越研究大学」の公募を開始して、研究力を強化するために資金の提供を受けられる大学を作りたいとの考えのようだ。

 しかし、聞くところによれば、この他に文系の一橋大学と東京外国語大学もその候補に上がったが、両大学は置いてきぼりとなり地団駄を踏んでいるらしい。だが、アピール出来る研究力のない文系大学では、文部科学省の希望とは合致しない。それに新大学は理系ではあるが、所詮第2東大ではないだろうか。どうも文部科学省の考えには、全体的に事象を捉える視野が欠けているように思える。しかも、これとて多くの有識者が知恵を出し合って出した結論ではなく、当事者同士が納得のうえに出した答えでそれを文科省が支援するということだが、他の国立大学はどう思っているだろうか。

 さて、このところ外国為替市場では円安が昂進して、ついに昨日1ドルが147円台後半にまで下落し、1990年以来32年ぶりの円安相場になった。そのキッカケとなったのは、アメリカが発表した9月の消費者物価指数が、市場予想を上回る前年9月より8.2%も上昇したことによる。激しいインフレを抑えようとアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを続けるとの見方から金利が上昇し、金利の低い日本との金利差が広がることから円を売って金利の高いドルを買う動きが広がった。これに対して日本のみならず、ワシントンで開催中の主要7か国(G7)の財務相・中央銀行総裁会議でアメリカの利上げを牽制した文言が共同声明に盛り込まれた。

 日本では、急速な円安が物価の高騰に拍車をかけている。アメリカ同様に昨日日銀が発表した9月の国内企業物価指数によれば、前年9月より9.7%も上昇し、1981年以降で2番目に大きな上昇となっている。従って、輸入物価に円安の影響は、今年初めは2割台だったが、今や5割超となった。ワシントンにいる鈴木俊一財務相は、いつもながらの「投機による過度な変動は容認出来ず、為替市場の動向を高い緊張感をもって注視していく」と前の為替介入直前と同じ決まりきった台詞を言うばかりで、直ぐには動く様子が見られない。結局日本の経済政策というのは、成り行き任せということだろうか。

 今日は♪汽笛一声 新橋を~♪と新橋駅から横浜駅へ向けて初めて列車が出発してから鉄道開業150年目に当る。奇しくも亡母の111歳の誕生日でもある。母は明治44(1911)年生まれで、1984年に他界してもう38年になる。戦時中は父の出征もあり、5人の子どもを抱えて戦中、戦後は苦労が絶えなかったろうと思う。生前はわがままばかり言っていたので、苦労をかけ、充分親孝行出来なかったことを申し訳なく思っている。弟妹からも静かにご冥福を祈ろうとのメールが届いた。その通り母のご冥福を祈るばかりである。 合掌

2022年10月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5631.2022年10月13日(木) 国連の機能不全と明石市長の引退

 昨日国連総会は緊急特別委員会を開き、ウクライナ東部・南部4州で強行された「住民投票」と「ロシアへの併合」は違法だとして非難する決議を賛成多数で採択した。日米欧など143か国が賛成し、反対はロシア、北朝鮮、ベラルーシ、シリア、ニカラグアの僅か5カ国だった。但し、棄権した国が中国、インドをはじめ35か国にも上っている。決議の主旨には賛成だが、ロシアへの同情から採決から逃げたのだろう。2月にロシア軍の侵攻が始まって以来、国連総会決議は4回目である。少しずつロシア非難決議への参加国が増え、ロシアの国際的孤立が浮き彫りになっている。決議では4州の帰属変更を承認しないよう各国や国際機関に訴え、ロシアに対しても一連の決定を撤回するよう求めた。しかし、残念なことにこの総会決議には法的拘束力がない。この点で、国連の機能不全に対する不満がまた噴き出ている。国連安保理事会の決議は、例え多数票を得ても5大常任理事国の内1国でも反対票を投じれば、決議は否認される。そこには必ず反対票を投じるロシアや中国のような国がいるからである。これではこの先国連が何を提案してもよほどロシアや中国にとってプラス面に寄与することが明らかにならなければ、両国はいかなる決議採択にも反対し、その他の多数国の意向は拒絶されることになる。ここに国連改革の声が生れる理由があるが、いくら話し合いをしても改革自体に異を唱える国がある以上無意味であるような気がしている。

 国連決議がたった2か国の身勝手な行動で提案が無効になるのを防ぐためには、8~9割以上の国が賛成なら承認と認めるか、或いは、一度拒否権を使用されてももう一度審議のうえ採決を行い、2度目の拒否権は不使用とする少々強引な手法を取り入れることを考えても良いのではないかと愚考する。
 さて、これまでとかく傲慢な発言をしてメディアを賑わせていた兵庫県明石市の泉房穂市長が、突然まだ59歳で政界から引退すると爆弾発言をして新たな話題になっている。少々口が悪く、下品な発言をして職員を怒鳴りつける不遜な態度や発言に顰蹙を買ってもいた。私自身随分乱暴な市長だと思っていたが、ここへきて再び市議会で市議との間に諍いを起こし、挙句に職を去ると公言した。

 この度物議を醸した原因は、市長に対する問責決議案を提出しようとした市議に対して、「選挙で落とすぞ!」と恫喝的な発言を浴びせたことが、広く報じられ、「暴言市長」だとか、「民主主義に対する冒とく」と非難された。実際問責決議案が可決されたことを受け、市長は暴言の責任を取るとしてさっさと引退を決めた。この間市長側と市議側との間には、真摯的な話し合いはなく、互いに自己主張を繰り返すだけだったようだ。

 それにしても市民から信頼され市長の職に就いていながら、思い付きのように職を投げ捨てる泉市長の良識には、辞めても当然と受け取られる空気もあったようだ。だが、市民からの信頼は抜群で、3年前にも暴言で辞職した直後の出直し選挙で圧勝した。そこには、地道で高い評価を受けた「子育て支援策」があったからである。それでも正規職員の削減や、市長・職員の給与カットなどを自分の思い通りに実施して、その財源を子育て支援に向ける経緯があったという。少々政策の実行過程にワンマン的な決断があった。市長を擁護する声も多いようで、「政策を実行し、世の中を変えてゆく市長と、口ばかりで何もせず、利権を守ることに熱心な議員のどちらが市民にとって有益なのか」との声もあり、挙句の果てにこんなツィッターもあったようだ。「暴言は論外としても、あの程度の発言で政治家引退なら、自民党の麻生さんや二階さんなんて100回ぐらい引退だよ」

 蚊帳の外の我々には何とも言えないが、もう少し話し合いが出来なかったのかとの印象が拭えない。

2022年10月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com