5650.2022年11月1日(火) 山中竹春・横浜市長の裏切り行為

 安倍晋三元首相の国葬が国民の半数以上の反対を押し切って強行されたことに、今でも国民の間では批判があるが、国葬以前の9月初めに山中竹春・横浜市長が国葬参加を決断したことに対して昨年の市長選で市長を支援した市民らが抗議を行っていた。旧聞に属する話かも知れないが、今振り返って昨年の横浜市長選は、中央政府の与野党対立を象徴するような厳しい選挙だった。山中市長が市長選に立候補したのは、横浜市の統合型リゾート施設(IR)を巡り誘致に積極的だった林文子前市長に対抗し、医師として政治には素人の山中現市長が、誘致に反対する市民の支持を受けて立候補し、並み居る大物候補者を降して当選したものだった。

 戦前からこの市長選は稀に見る激戦を予想されていた。著名な候補者がずらりと顔を並べていた。田中康夫・元長野県知事、松沢成文・元神奈川県知事、福田峰之・元衆議院議員、最強の対抗馬だった現職閣僚だった小此木八郎氏、4選目を目指した林市長ら8人が立候補した。結局最大の争点は、IR施設誘致に賛成か、反対か、だった。林市長が実績をかざしてIRが港町横浜にとって、更なる発展の礎となると主張した一方で、自民党の小此木氏は菅首相の強い支持をもらいながら、自民案に逆らいIR誘致反対を唱え、党内から支持が得られない乱戦となった。結果的にクリーン・イメージの山中医師が全投票数の1/3を獲得して圧勝となった。それほど山中市長への信頼感は高かったのである。

 それが、自民党支持者の間でも反対の声が強かった国葬実施に、クリーンなイメージの山中市長が参列すると決断したのには、支援者から大きなブーイングの声が上がった。どうしてこういうことになったのだろうか。やはり市長当選後に政府、自民党筋との接触が増えるにつれて少しずつ自民党体質に染まって行ったのだろうか。裏切られた感のある横浜市民にとっては、どうにも納得出来ない。市長はなぜ国民の半数以上が反対する元首相の国葬に出席したのか、支援する市民らにきちんと説明すべきではないだろうか。さもないと3年後の再選は難しくなるだろう。

 このところソウルの人身事故のせいもあり、多くの人が密集するハロウィーンの現場を警戒する空気があり、それは昨年までコロナ禍のため、人との接触を避けるよう警戒がされていたことに表れていた。しかし、今年はコロナもやや収束気味ということから大分緩和さ、いろいろな場面で密集の緩和が許されつつある。ところが、この1週間ばかりは少しずつではあるが、リバウンド現象を示し、新規感染者の数は全体的には下降傾向にあるが、直近の感染者数だけを見てみると、逆に増加傾向にある。因みに昨日の全国合計と47都道府県の新規感染者数はすべて、一昨日より増加している。これらを考えると、ハロウィーンの緩和はやや早過ぎたように感じている。自粛は辛いが、将来的に長く自粛が続くことを思えば、一時的に厳しい自粛もやむを得ないのではないかと思う。

2022年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5649.2022年10月31日(月) 世界で蔓延る人命軽視の風潮

 昨日韓国ソウルで154人もの死者を生んだハロウィーン騒ぎが、今日多くのTV番組で報道され、今まさに日本もハロウィーン最中にあるだけに注目されている。いつも話題になる渋谷スクランブル交差点の群衆の動きと彼らの行動が、殊更詳しく報じられている。だが、集まった群衆は、所詮烏合の衆である。識者の語るところでは、これらの群衆には主催者とか管理者がいないので、全体を統率出来ないから止めさせろというより、新しい文化のひとつと考え、むしろ参加者がルールを守り常識的に考えて行動するよう仕向ける方が良いとの考えも強かった。しかし、これが文化がどうかについては、異論も出ていた。今日はソウルの事故を受け、日本各地の大都市でも改めて警戒を厳しくするようだ。

 ソウルで多数の死者が出た昨日、インドでもグジャラート州で吊り橋が崩落して、通行中の120人が死亡した。この釣り橋は約140年前に建設され、半年間の修復工事を終え、通行が再開されたばかりだったという。233mの橋を500人近い人が通行して、橋はその重量に耐え切れずに崩落したと見られている。これは責任の所在がはっきりしているから、再発防止策が講じられることだろう。更に、その前日には、アフリカのソマリアの首都モガディシオでは仕掛けられた爆弾が2発爆発し、死者が少なくとも100人、負傷者が300人を超えるイスラム過激派によるテロ攻撃が発生していた。

 どうしてこうも簡単に尊い人命が失われていくのだろうか。結局は、人命がそれほど尊重されていないという証しではないだろうか。自然の災難ならある程度理解できないことはない。だが、ソマリアのような人為的な殺害や、ロシアのウクライナ侵攻などは、為政者の胸三寸で決められる。特に、途上国に成り下がったロシアは、相変わらず次から次へと人為的な企みによって人命を犠牲にしようとしている。恐ろしいことである。いつまで続くのかウクライナ戦線の今後を思うと、ロシアが人為的に核を使用するのではないかと考えざるを得ず、つい不安な気持ちになる。

 さて、地球の裏側のブラジルで昨日大統領選挙が行われ、左派のルーラ・ダシルヴァ元大統領が、僅差で現職の右派ボルソナロ大統領を破り、12年ぶりに大統領に復帰することになった。ボルソナロ氏は、ブラジルのトランプ(米前大統領)と呼ばれて、傲慢で強引な手法が一部では敬遠されていた。アマゾンの森林破壊により地球温暖化防止計画を逆向させた張本人である。ルーラ氏が大統領在任中国民の貧困解消に努めた経験から、国家主導の経済・社会保障政策を復活させると公約し、アマゾンの森林破壊などの環境問題にも力を入れると述べている。一方のボルソナロ氏は、早くもトランプ氏の大統領選敗戦直後と同じ行動に出ている。選挙に不正があったと主張し、選挙結果の受け入れを拒否し、支持者がデモを行う動きを見せている。

 選挙戦は稀に見る接戦となり、勝者50.83%対敗者49.17%でその差は1.66%という際どいもので、新大統領の今後の政局運営は厳しいことが予想される。これからルーラ新大統領が、国民に公約した社会政策をどう実施するのか、過去の実績があるとは言え、したたかな前大統領が隙あらばと狙っているだけに、気を許せない。

2022年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5648.2022年10月30日(日) ワクチン接種にPC予約は出来ない。

 今年のハロウィーンは3年ぶりの自粛規制が解かれたせいもあり、繁華街ではかなりの人出があるようだ。東京・渋谷も最盛期ほどではないが、アニメキャラクターなどの仮装をした多くの若者や外国人観光客が群れて歩いていた。

 トラブルが起きなければ好いと懸念していたところ、昨夜お隣の韓国・ソウルの繁華街・梨泰院でぶったまげるような事故が起きた。ハロウィーンで狭い路地のような商店道路に押し合いへし合いとなっていた人の群れが、1人転び2人転んだことによって大勢の人が折り重なるように道路上に倒れ、下の人が逃げ出せなくなり押しつぶされたような形になった。驚いたことに、死者153人、負傷者133人が明らかになった。死者の中には、外国人が25人いるが、その中に2人の若い日本人女性がいる。これから明日、明後日と続くハロウィーン期間中、日本でも渋谷を主に、大きな事故が起きないことを祈るばかりである。

 さて、収束しそうで一向に収束の動きを見せない新型コロナウィルス新規感染者の動向であるが、今日も1週間前の日曜に比べてその数は増加に転じている。8日間連続して前週より増えている状態である。このため5回目のワクチン接種が奨励され、先日当初は4回目の接種が終わってから5か月後と言われていた接種が、3か月後と修正された。我々夫婦は7月に4回目の接種を受け、3か月が過ぎたこともあり、先日我が家にも妻と私宛に5回目の接種の案内状が郵送されてきた。今日区役所のコロナワクチンコールへ電話をして来月9日に予約をしてもらったが、今回に限って理解出来ない新たな事象が見つかった。

 それは、今政府はデジタル化を進め、昨年9月にはデジタル庁を設置し、河野太郎デジタル担当大臣が、国の事務は極力デジタル化すると強い口調で意気込みを語ったにも拘わらず、ワクチン接種受付は相反する扱いだったことである。

 案内書には、申込は電話、スマホ、パソコンで行うよう書かれている。前4回と同様にパソコンで申し込もうとしたところ、案内書類にはどこにも申込先のメール・アドレスが書かれていない。首を傾げて区役所のHPで調べてみたところ、今回に限ってどこにもアドレスが書かれていない。止むを得ず、今日電話することになったのだが、この対応は政府の主張するデジタル化促進方針とは逆向しているのではないか。電話で申し込む場合は、容易につながらないことを警戒して、電話回線を増やしたとか、普通の役所休日にもオープンして随分窓口を広げてくれた。そのおかげで電話も簡単に接続出来た。しかし、これでは明らかにデジタル化路線ではなく、アナログではないか。しかも、デジタル化の動きから後退しているように感じた。よく分からないが、スマホなら掲げられたQRコードからアプローチ出来る。HPからもQRコードからアクセスしなさいということだろうか。そのため前回まで掲示されていたメール・アドレスを削除してしまったのだろうか。用件は果たしたので、今更騒ぐことではないが、どうしてメール・アドレスを掲示しないのか理解できないし、私と同じようなことを考えている人に対して不親切であると思う。

2022年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5647.2022年10月29日(土) 到来! ハロウィーンの時節

 近年恒例になったハロウィーンの時節がやって来た。毎年東京・渋谷のスクランブル交差点で仮装した若者たちが人混みの中で騒ぎを起こし、話題になるとともに物議を醸してきた。過去2年間はコロナ禍の影響もあり、人混みで騒ぎまくるこの時期の集会は自粛を求められ、ごく一部を除いては静かなハロウィーンだった。しかし、今年はコロナが下火になったからとの理由(実際にはこの1週間新規感染者は増加傾向にあり、第8波到来と言われている)で、この3日間は路上飲酒禁止で、酒販売店は酒類の販売を自粛するよう求められたが、行動自粛を要請されることはなかった。これで以前と同じように多分交差点周辺で若者の乱痴気騒ぎが引き起こされなければ良いが・・・と願っている。

 そもそもハロウィーンが日本で話題になり、若者が異様な衣装を着て騒ぐようになったのはごく最近である。現在国内では格別時期を特定せずに、9月辺りから11月初めにかけてハロウィーン期間としているようだが、正式には、ケルト人の1年の終わりが10月31日で、この日を以て秋は終わり、冬が始まりに際して行われるケルト人のお祭りとされている。今ではアメリカで民間の行事として定着し、祝祭本来の宗教的な意味合いはない。カボチャをくりぬいた提灯を飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して家々を訪れてお菓子をもらう温かく穏やかな風習で知られている。

 自分自身振り返ってみてハロウィーンを知ったのは、1976年旧文部省の教職員海外派遣団とともに初めてアメリカを訪れた時に、マサチューセッツ州ニューベッドフォードの小学校で珍しい飾り物を見せてもらい意味を説明されて知ったのが最初である。現地の先生の案内で子どもたちが「trick or treat!」と繰り返し叫びながら、家々を訪れる行動に附いて行きその場面を見せてもらった。それまでまったく知らなかっただけに、随分変わった趣向の風習だなと思った印象がある。同行した日本の先生方も初めて知るこの風習には、些かびっくりしていたようだった。この当時、日本ではこの風習はほとんど知られておらず、記録によると1983年にキディランドが自社製品の販売目的で、ハロウィーン・パレードを行ったのが最初らしい。まだ認知度が低かったが、97年になって東京ディズニーランドがハロウィーン仮装パレードを採り入れてから認知度が急速に高まったといわれている。

 その後この時期にアメリカの教育施設を訪問する都度、ハロウィーンに出逢ったが、素朴で子どもたちにとっては楽しいお祭りで、さぞや子どもたちの幼いころの良き想い出になるだろうと思っていた。しかし、日本では特異なお祭り騒ぎとなってしまったような気がする。日本には日本特有の歴史を持つ伝統的なお祭りが各地で行われているが、それぞれが神社のルールの下で整然と実施されている。その中で並外れてお行儀の悪い日本式ハロウィーンは主宰者がいないだけに、荒れるのも若者任せになっているが、好い加減にきちんとしたルールを決めて周囲に迷惑をかけることなく実施してもらいたいものだと思う。この先30日から11月1日へかけて3日間不祥事が起きないか心配でもある。

 さて、来年フランスでラグビー・ワールドカップが開催されるが、その強化試合として今日日本代表チームが、強豪ニュージーランドのオールブラックスと国立競技場で戦い、善戦空しく31対38で敗れた。しかし、WCへ向けて頼もしい試合ぶりだった。前回WCでは初めてベスト8に入ったが、来年は世界のベスト4を目指している。実力も年々上達しているので、何とかベスト4入り出来るよう願っている。

2022年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5646.2022年10月28日(金) 上級者は最前線で戦え!「戦争絶滅受合法案」

 寒さが厳しくなってきたウクライナの戦線で、相も変わらず侵略者であるロシアのプーチン大統領が、最前線で戦っている兵士らの旗振り役となって愛国魂を鼓舞しているようだ。ついては、昨日の朝日夕刊「素粒子」になるほどと思わせる一文が載っていた。ジャーナリストの長谷川如是閑が、100年も前に紹介した「戦争絶滅受合法案」という奇妙な名の法律に関することである。その中身が揮っている。その法案はデンマークの陸軍大将の原文を如是閑が翻訳したものである。

 如是閑は明治、大正、昭和3代に亙り反権力論陣を張ったジャーナリストとして大正デモクラシーに活躍し、ファシズム批判でつとに注目された。この訳文を原文の法案に深く近づけてみると、概ね以下のように書かれてある。「開戦後または戦線布告の効力発生後10時間以内に次の者を最下位兵卒として最前線に送り、敵の砲火の下に実戦に従わせるべきであるとして、①元首で男性、②元首の16歳以上の男性親族、③首相・大臣・次官、④戦争に反対しなかった男性の国会議員及び高位聖職者」である。更に厳しく本人の年齢や健康状態などを考慮してはならずとしている。妻や娘、姉妹なども看護婦や使役婦として招集、最も砲火に接近した野戦病院に勤務させるべきだと、上級の立場にいる者は命じることよりも戦線の最先端で戦えと辛辣にアピールしている。

 「素粒子」で取り上げたのは、戦前の日本の軍隊でもそうだったが、軍隊で上位にある者ほど背後で命令だけを発して弾丸飛び交う戦争の最前線には出て来ないことを皮肉っている。それはビルマ・インパール作戦を強行した牟田口廉也・第15軍司令官の態度によく表れている。いま「素粒子」で「戦争絶滅受合法案」を取り上げたのは、プーチン大統領が自らはクレムリンの奥深く引っ込み、30万人を徴兵して口先では兵士たちに愛国心に訴え、彼らを厳しい前線に押し出し戦わせようとしている態度に皮肉を込めて非難したものだろう。「素粒子」の後半には「為政者が『愛国』を唱えるなら、動員令でも戒厳令でもなく、率先垂範この法の制定こそ」とある。「戦争好きなプーチン大統領よ! 兵士を前線に派遣するだけでなく、今直ぐにでも自身が戦火の中へ飛び込め!」と言ってやりたい。

 言葉と言えば、同じような比喩的な言葉が、昨日の日経新聞朝刊「春秋」欄にも紹介されていた。「ドロナワ」である。旧統一教会に対する宗教法人法の質問権行使の基準を話し合うために文化庁の専門家会議が設置された経緯こそが正にドロナワ式である。そこにはこう書かれている。「『泥縄』という言葉はいつ生まれたのだろう。泥棒を捕らえて縄をなう。ことが起こってから慌てて対策を練るお粗末さを言い表して、かくも的確な表現はない」。

 前者は戦争最前線の上級者の狡猾な行動を皮肉たっぷりに批判したものであり、後者は言葉の面白みを突いているものだが、言葉というものはいかようにも使い分けが出来るということを改めて教えてもらった気がする。

2022年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5645.2022年10月27日(木) 「汚い爆弾」と「世界一汚い男」

 一向に停戦の気配が見えないウクライナ戦線で、ロシアはウクライナが「汚い爆弾」を使用する計画があると突然主張した。ウクライナは、これはロシアが「汚い爆弾」を仕返しとして使うために使った口実であると反論している。欧米は偽りの情報としてロシアを批判しているが、ロシアは現状この戦争の成り行きが効果的ではなく、あらゆる裏の手を考えているようだ。

 実際最近ではロシア空軍機の墜落が相次いで、去る17日に南部グラスノダール地方で訓練飛行中の戦闘爆撃機が、アパートに突っ込んで炎上し15人が死亡した。23日にもイルクーツクでテスト飛行中の戦闘機が、住宅に墜落して炎上し乗員2人が死亡した。2月にウクライナ侵攻後、戦闘以外で11機のロシア空軍機が墜落したが、そのほとんどが酸素ボンベに不具合があったり、緊急脱出装置が機能しなかったり、事故は通常あり得ない異常な状態から発生している。これらは、ロシア軍の士気を低下させる原因となっており、ロシアとしては下がった士気を向上させるために、戦闘や戦闘員らとは無関係な理由をつけて別の戦略を考えているのではないか。それが言いがかりのようなウクライナ軍の「汚い爆弾」説であると思う。

 それにしてもこれまで軍需物資に具体的な名称や、科学的根拠に基づいた名前で呼ばれず、漠然とした形容詞「汚い」などを付けた軍製品は耳にしたことがない。これが、放射能を含んだ爆弾であることからあまりにも露骨な恐怖感と被害を与える爆弾であることから、敢えて「放射能爆弾」のような呼び方を避けたのだろう。

 ロシアのプーチン大統領は、ロシアにとって形勢が悪くなれば、世界中の批判も恐れず強引に核爆弾を使用する考えのようだ。ウクライナを始め、欧米諸国はロシアが窮鼠猫を嚙む状況に追い込むことは、避けたいところだ。しかし、核や放射能を使用すれば、世界にとって取り返しのつかない状況を生み出すことは、いかに愚かなプーチンと言えども分かっている筈である。相手を脅しによって怯えさせ、自国を有利に導こうとするロシアの戦略では、ロシアの勝利は絶対あり得ないし、下手をすると世界が共倒れになる。それを世界の良識がどうやって止めることが出来るだろうか。相変わらずロシアの動きから目を離せない。

 さて、話は180度転換するが、「汚い爆弾」が騒がれる一方で、このほどイランで亡くなった「世界で最も汚い男」が話題になっている。アモウ・ハジという94歳の男性で、半世紀以上も風呂やシャワーを浴びなかったというから、その不潔度も想像出来る。彼は風呂に入ると病気になると考えていたが、数か月前に近くの村民が風呂に入れたという。その挙句に死亡した。恐らく風呂に入らなかったら生き延びたかも知れない。彼は、衛生的な生活は好まず、1日に4リットルの水を飲み、腐った動物の死骸を食べ、動物の糞やタバコを喫っていたという。不潔な生活が続き、歳月とともに肌は練炭のように黒ずみ、肌は固まってワニの皮のように固くなった。身体からは悪臭が漂っていたという。確かに生前の写真を見てもそのご面相にはびっくりする。

 彼が幸せだったかどうかは分からない。しかし、医師の世話にもならず、不衛生な生活をして、よくぞ94年も生き抜いたというのは奇跡的である。これほど極端でないにせよ、あまり周りであれこれ世話を焼き過ぎるのも考え直した方が良い、ひとつのヒントになるかも知れない。

2022年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5644.2022年10月26日(水) インド系スナク英首相のお手並み拝見

 昨日のブログでイギリスのリシ・スナク新首相について、旧大英帝国の首相に元植民地だったインド出身者が就任して、一部イギリス国民のやっかみから嫌がらせを受けることを懸念していると書いた。今のところ露骨な声ではないが、静かにそんな空気が感じられるようだ。単に首相がインド出身者だからというだけでなく、一族が破格の資産家であるひがみもあるようだ。過去200年で最年少の42歳であり私のまだ半生しか世界の荒波を被っていないことになる。それにしてもヒンドゥー教徒として初めての首相、そのうえ一族の保有資産も歴代首相で最高というのだからすごい。すべて初めてずくめである。マーティ首相夫人はインド生まれで、今もインド国籍を有する。父親の創業した会社の保有資産が大きく、純資産は約1,480億円といわれ、故エリザベス女王の資産(約590億円)を遥かに上回っている。これらがひがみややっかみを生んでいるようだ。

 一方で、母国インドではスナク氏の首相就任を祝い歓迎し、モディ首相は早速両国間の架け橋になってくれることを期待するとツィッターに投稿した。与党インド人民党のプリティ・ガンジー氏も「独立して僅か75年で立場が一変した」と子どものように歓喜している。国民からは24日に行われたヒンドゥー教最大のお祭りで最高のプレゼントと喜びの声が上がっている。

 インドをルーツに持つイギリス国民は現在約140万人といわれ、白人に次いで多い。彼らは教育水準が高く、白人よりも小中高生徒の平均成績では上回り、弁護士や技術者などの専門職に就く割合が、人種別で最も高い。

 しかし、今年4月にインド国籍のマーティ夫人がイギリスで税制上の「非居住者」資格を有していることから、国外の所得についてイギリスでの納税を免れていたことが暴露され、イギリス国民が生活費高騰による苦難の時期だったこともあり反響が大きく、夫人は全世界で得る所得に対してイギリスで納税すると約束させられたという。

 スナク首相は昨日チャールズ国王の任命を受け、正式に首相の座に就いた。当面トラス前首相が財源の裏付けがないのに、大型減税を目指して市場を混乱させたことを承知のうえで、次代に負債を残さないと明言した。外交、特にウクライナ支援にどう対応するのか、また防衛費増額の要求にどう応えるのか、前途には幾多の試練が待ち受けている。そのうえ首相が所属する保守党は、労働党に支持率で30ポイントもリードされている。2025年1月に行われる総選挙にどう保守党を立ち直らせるのかも大きな宿題である。

 これから何事につけ、国の舵取りを任せられたスナク首相には厳しい目が向けられるだろう。まさかトラス前首相のようにいとも簡単に首相職を投げ出すような無様なことはしないと思うが、実績を上げてかつての支配者・大英帝国の子孫であるイギリス人を見返すくらいのことはやって欲しいものである。

2022年10月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5643.2022年10月25日(火) 山際大臣辞任と那覇市長・英首相選出

 今日は今年最も寒気が厳しかった。連日旧統一教会との関係で、国会やメディアから追及され、その都度釈然としない応え方をしていた山際大志郎・経済再生相が、昨日辞任した。あまりにも遅きに失した感がある。自民党としても他に難問を抱えているのに山際大臣と旧統一教会の関係で行動を制約され、身動き出来なかっただけに反ってホッとしていることだろう。高校のちょうど30年後輩にあたる山際氏には、もう少し誠実で明快な説明をし、真摯な対応をして欲しかった。

 メディアの眼が旧統一教会問題、円安、物価高騰、ウクライナなどに集まっている中で、昨日沖縄で那覇市長選が行われた。即日投開票の結果、前副市長の知念覚氏が前県議の翁長雄治氏を破って当選した。沖縄は、本土とは異なり難しい問題をいくつも抱えているが、とりわけアメリカ軍基地が厄介である。その中で今焦点とも障害ともなっているのは、普天間基地の辺野古への移設計画である。これには県民の間で反対の声が強い。沖縄全体の問題となれば、県内の基地問題として「オール沖縄」勢力の下に移設反対を唱える候補者が勝つ。しかし、自治体単位になると宜野湾市の普天間基地と名護市の辺野古は地域が狭く、反対も限られるだけに「オール沖縄」のプラス面を力として思うように利用出来ない。実際これまで参院選や、知事選では「オール沖縄」の力を全県的に盛り上げ勝利することが出来たが、今回の那覇市長選では「オール沖縄」の声を生かすことが出来なかったように思う。

 「オール沖縄」サイドが、県民の間では辺野古埋め立て反対者が7割もいた結果にも拘わらず、その県民投票の結果を生かせず、政府の援助が充分得られない実情から、少しずつ政府寄りになりつつあるように感じている。それを如実に証明しているのは、知事選では勝てなかった「オール沖縄」派に対して、今年行われた県内7市長選では、すべて非「オール沖縄」派候補者が勝っていることである。選りによって敗れた翁長氏の父・翁長雄志元知事の後継だった城間幹子現市長は、翁長氏の子息の対抗馬だった知念氏支持に回った。城間市長は、辺野古移設反対の思いを込めて「オール沖縄」に代わる新たな枠組みを構築することを期待しているとコメントしている。

 さて、少々世界の耳目を集めたイギリスの新首相選出の過程で、9月の党首選でトラス首相に敗れたスナク前財務相が、トラス首相の辞任により無投票で保守党党首に選ばれた。そのまま新首相に任命されることになっている。42歳は史上最年少の首相である。噂に上がっていたジョンソン元首相は、党首選への出馬を見送った。他に出馬を模索していたモーダント下院院内総務も出馬しないことになった。イギリスは今コロナ禍の経済対策で借金がかさみ厳しい状況にある。消費者物価指数が前年比10%を超えている。ロシア産の比重が大きかったガスや原油の市場価格は高騰したままである。新市長は、これまで財政通として鳴らしてきたが、イギリスが現実に厳しい現状からどうやって脱出出来るのか、早速手腕が問われる。

 ちょっと気になるのは、スナク新首相はオックスフォード大学で学び、スタンフォード大学でMBAを取得した英才であるが、若干気がかりなのは、偶々旧イギリス植民地だったインド出身であることから、誇り高いイギリス人のメンツから一部の国民に思いがけない嫌がらせをされることがないだろうかという懸念である。

2022年10月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5642.2022年10月24日(月) 温暖化ガス排出に間違った抗議行動

 とても許せないバカげた抗議行動がヨーロッパで相次いで起きた。世界的な名画に異物を投げつけた事件である。最初に今年5月パリのルーブル美術館で、レオナルド・ダ・ヴィンチの世界的名画「モナリザ」に向かって老婆に扮した男がケーキを投げつけた。幸い名画は器物破壊防止用ガラスのケースに収められていたので、物損はなかった。次いで今月14日にロンドンのナショナル・ギャラリーでゴッホの「ひまわり」に、胸に「JUST STOP OIL」と書いたシャツを着用した2人の若い女性がトマトスープらしき液体を投げつけた。これは額縁が傷ついた程度で済んだ。推定価格は、約125億円と言われている名画である。

 そして昨日ドイツ・ポツダムのバルベリーニ美術館でモネの「積みわら」にマッシュポテトを投げつける事件が起きた。この作品は2019年のオークションでドイツ人富豪が約164億円で落札してバルベリーニ美術館で展示中だった。作品は幸い無傷だった。

 それにしても、どうしてこうも無意味で馬鹿々々しい事件が起きるのだろうか。これらの事件を犯したのは、揃って環境活動団体だったのも意外だった。地球上から汚染物質の排除を願った活動家が、なぜ世界の宝とも思える芸術作品を損傷させようと試みたのだろうか。とても理解し難いし、実に馬鹿げている。

 モネの作品にマッシュポテトを投げつけたドイツ環境活動団体「ラスト・ジェネレーション」の支持者2人は、「人々は飢え、凍え、死んでいる。私たちは気候の破局を迎えている。あなたが恐れているのは、絵に描いたようなトマトスープやポテトだけだ」と筋違いの言い分を述べている。これを所属環境団体は、「社会に対して『芸術と命、どちらがより価値があるか』という問いかけができる」と主張し、同団体スポークスマンは、「モネは自然を愛し、そのユニークで壊れやすい美しさを作品に取り込んだ。モネがその魔力を賞賛したこの世界そのものの破壊よりも、これらの現実のイメージのひとつが損なわれることの方を恐れる人が、これほど多いのはなぜだろうか。キャンパスに描かれた牧歌的な世界に没頭するのではなく、現実を直視しなければならない。食料と水の奪い合いをしていたら、芸術を鑑賞する暇もない!」と、見当はずれのコメントを述べている。

 そんな能書きを言わずに、どうして世界的遺産を傷つけることなく、直接温室効果ガスに反対し、削減する活動へ突き進まないのか。はっきり言って、この抗議のやり方は100%間違っている。実は、ロンドンを拠点とするギャラリーやアート専門家らはアート業界における温室効果ガスを削減するためにNPOギャラリー気候連合を設立した。日本ではほとんど報じられていないが、それほどヨーロッパでは温室効果ガスが地球を破壊しつつあることに真剣に取り組んでいる。

 だが、彼らはやり方を完全に間違えている。この抗議のやり方が、環境団体の間では常態化しつつあるようで、7月にロンドンでダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の複製画に身体を接着させたり、同じ7月にフィレンツェでボッティチェリの「春」に身体を接着させた事件が続いた。今月9日にはメルボルンのビクトリア国立美術館でピカソの「朝鮮の虐殺」に、その名を知られた「エクスティングション・リベリオン」の気候活動家が自分たちを接着させた事件も起きている。

 一連の名画攻撃事件は、世間へのアピールを大きく間違えているように思えて仕方がない。

2022年10月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5641.2022年10月23日(日) 習近平・非社会主義政権3期目発足

 中国で16日から1週間に亙り開かれていた第20回共産党大会が昨日閉会となった。第1日目に習近平・国家主席が1時間45分もの政治報告で、習指導部が目指していた、ゆとりのある「小康社会」を実現し、歴史的な勝利を勝ち取った自画自賛した。5年前に掲げた「社会主義現代化強国」の実現に向け、重要な「中国式現代化」と言う考え方を強調し、欧米とは異なる制度や理念に基づくモデルを追及する考えを示した。この中国式現代化の目標として①共産党の1党指導体制の堅持、②質の高い発展、③「共同富裕(共に豊かになる社会)」の実現、などを訴えた。台湾問題については、外部からの干渉や台湾独立勢力に対しては武力行使の放棄を約束しないと強調した。外交面では、冷戦思考と内政干渉に反対との立場から、ウクライナ侵攻を機に団結する西側の方針に反論している。軍事面では、早期に世界一流の軍隊を築き上げて、国境、領海、領空防衛力の整備を進めると軍事体制の強化に言及した。

 そして昨日の最終日に習近平・国家主席の党の核心としての地位と、政治思想の指導的地位を固める「2つの確立」を盛り込んだ党規約の改正案を承認した。つまり習近平を毛沢東以来の強力な位置づけをしたわけである。その最大のものは、68歳以上の党役員は選ばれず、主席は2期10年との旧規約を改定して、69歳で2期目を終えた習主席が3度目の主席に就いたことである。ライバルだった李克強首相は67歳で旧規約に抵触していないにも関わらず、首相職から追放して習主席への権力を集中のうえ独裁化し、習独裁体制を固めることに成功した。但し、習グループによるポストの独占や収支の権力集中に対する不満は水面下で燻り続けている模様だ。

 そして今日昨日選出された中央委員による総会を開き、最高指導部の政治局常務委員を選出し、彼らによって習近平政権3期目を発足させた。これから向う5年間は、習政権による民主化と人権抑圧の政権運営が行われる。引き続き、国民の声は聞き入れられない。

 また、社会主義現代化強国とアピールしているが、中国の社会体制は、真の社会主義とは大きく乖離し万民平等は無視され、農村部の貧困は未解決のまま国民の底辺の声を汲み取ろうとの気持ちがないことは、中国国内に民主的で平等な選挙が今以て実施されないことにもはっきり見てとれる。習近平主席思想を小学教育で教えて習主席への尊敬を子どものころから無理強いして神格化することなどが、現代中国の目指す将来像であるとは、空恐ろしいことである。今後習近平政権は、益々傲慢になり我が物顔で国際社会において悪しき存在感を高めていくことだろう。国名も「習近平絶対覇権国」とでも変更した方が余程似合っているのではないだろうか。
 ところで、相変わらず戦闘中のウクライナで、ロシア軍がやや劣勢に陥る中で、昨日NHK「週間ワールドニュース」でロシア軍がウクライナにイラン製ドローンによる空爆を仕掛けたことに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領が、イランとロシアが「カミカゼ・ドローンにより攻撃した」と非難した。こんなところにも戦時中日本軍の神風特攻隊の名が使われているのかと少々驚いた。そのニュース画像の中に映されていたアメリカのABC画面にもドローン飛行画面テロップで‘Kamikaze drones terrorized KYIV’と表示されていたし、スペインのTVEにも‘Drone Kamikaze Iranies en Ucrania’と伝えていた。いずれもごく自然に「神風」の名を使っているようだが、残念ながらあまり好い意味では使われていないようだ。

2022年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com