5450.2022年4月15日(金) 中国、香港民主化の望みを絶つ。

 昨日の今日で思いがけないことに、昨日のブログにJR恵比寿駅の看板について書いたことが、今朝7時のNHKニュースでその続編が報道された。恵比寿駅のロシア語案内板を覆っていたカバーが外されて、以前のようにロシア語の案内が表れたとの放送に思わず苦笑せざるを得なかった。朝日朝刊にもその件が書かれていた。また、ネット上でもロシア語の案内表示が元へ戻ったと伝えていた。

 各メディアの報道から考えてみると、昨日のネットでロシア語の表示が隠されたと伝えられてからJR恵比寿駅には、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻したからとは言え、そのためにロシア語の表示を止めるのは一種の差別ではないかとJR東日本へ批判や抗議の声が寄せられ、JRでは元へ戻すことを決めたという。随分安易に隠したり、元へ戻したりするものだと思う。マイノリティに対する差別を研究するNPOは、「結果的に差別にあたり、消極的なヘイト行動に該当する」と言い、侵攻が始まってから「ロシアに関係することは叩いて良いとの同調圧力が強まり、企業がそれに過剰に反応している」と指摘している。

 全般的に現代社会では何事にも神経が繊細になり、些細なことであっても直ぐ反応するようになってしまった。それだけに一つひとつの言動に注意深い神経と心遣いが求められるようになった。私自身充分気をつけたい。

 さて、ウクライナとロシアとの戦闘が取り上げられている中で、中国のロシア寄りの姿勢が話題となり注目されている。その侵攻の間に香港の行政長官選挙の立候補受付が締め切られ、ただ一人立候補を表明していた強硬派の李家超氏の長官就任が確定した。民主派の追い落としを企んでいる本家中国としては、すでに立候補に民主派が出来ない厳しい条件を付けており、選挙以前から民主派を排除している。この時点で選挙は名ばかりのものとなっている。李氏は警察出身で、これまでの香港民主化運動の弾圧をリードしてきた治安機関のトップで、習近平総書記の覚えも目出度い。これにより、香港の民主化の希望は消え失せ、中国大陸と同じ政治及び社会体制が徐々に浸透していく。中国政府は、新疆ウイグル自治区、チベットに続き、今また香港も非民主的隷属地区へ貶めようとしている。

 1997年の香港返還以来、中国政府が香港市民に約束していた「一国二制度」は、完全に骨抜きにされてしまった。この事実を知ると新たに台湾問題が気がかりである。台湾の独立を中国政府は、「台湾は中国領土の一部」と主張しており、台湾についても「一国二制度」を認める筈がなく、今後台湾としてはアメリカの支援を得ながら、中国併合からガードして、中国が認めない存在になる立場を貫くのではないかと思う。心配なのは、中国と台湾との間にトラブルが生じれば、間違いなくその影響は日本の平和にも及んでくることである。

2022年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5449.2022年4月14日(木) 韓国国会議員の対応に失望の声

 昨日までの真夏日、夏日から一転して今日は真冬並みの寒さとなった。東京都内では午后3時に11.7℃を記録し2月下旬並みの陽気だった。雨も降り庭木にも良いが、苔に艶が出て来ることを期待したい。

 さて、いつものことながらウクライナ情勢について、理解し難い情報も入って来る。侵攻を続けているロシア国内では、プーチン大統領の支持率がかなり上がって83%だというが、ウクライナの戦況を正しく把握出来ていない国民と、作為的な術を使うロシア政府の欺瞞的なやり方から見て、この高い支持率はとても信用出来ない。

 更にこの数日ロシア正教会のキリル主教とプーチン大統領との密接な関係が伝えられている。政教分離であるべき宗教活動が、まったく正反対でキリル主教はプーチンのお蔭で現職に就いたとされ、大統領の行動を全面的に支持している。しかもジェノサイドを冒したとも言われるロシア軍に反対もしないというのは、宗派の指導者としてはとても考えられない。一部には、主教に反対してその元を去った宗教家がかなりいるという。

 一方、ウクライナについては、このほど韓国国会で行われたゼレンスキー大統領のリモート演説に対して、300名の国会議員のうち出席した議員がほぼ50名で2割にも満たない出席率だった。何とも寂しい結果だった。日米の国会議員に対して行われた同じ国会演説では、ほぼ全議員が出席したのに比べて、あまりにも少ない出席者である。また、演説会場では、ゼレンスキー大統領がすでに演説準備OKにも拘らず、韓国議員が後から後から挨拶を続けて、大統領はずっと所在なさそうに待ちぼうけを食っていたそうだ。ウクライナの苦悩を承知している筈の国会議員の行動としては首を傾げたくなる対応である。

 その演説でゼレンスキー大統領は、韓国が朝鮮戦争を経験したことについて同情的に言及した。ウクライナには兵器が必要なので韓国の持っている兵器を支援してくれれば有難いとお願いした。韓国側の支援策は分かっていないが、この日の韓国議員の対応には、流石に韓国メディアからも「誠意がない」とか、「恥ずかしい」と厳しい声が上がっている。

 ついては、ネットで知ったことだが、日本でロシアに対するこんな珍しい一件があった。JR山手線・恵比寿駅西口改札口上に東京メトロ日比谷線の案内板が掲示されている。そこへ昨年のオリンピック、パラリンピック開催前に日本語、英語、韓国語に加えてロシア語の行き先表示アクリル板看板が掲げられた。ところが、今月7日にそのロシア語看板にカバーが被せられ、ロシア語文字が隠れてしまったという。いろいろ理由があったようだが、昨今のウクライナ情勢に利用客から「不快だ」と撤去するよう求められ、それにJRが応じたという。こんな市民生活の中にもウクライナ侵攻のロシアに対する不満と拒絶反応が表れたということだろう。

2022年4月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5448.2022年4月13日(水) 1㌦=126円台、20年ぶりの円安昂進

 このところ物価上昇が目立つようになった。日本銀行が昨日発表した2015年を100とする、国内企業物価指数の3月は112で、第2次石油危機の影響があった1982年12月以来、39年3か月ぶりの高水準になった。3月の価格水準は前年同月より9.5%も上昇し、今年2月の過去最大だった9.7%に匹敵する上昇率だった。それは新型コロナウィルスやウクライナ情勢の悪化による資源高や円安が主な原因である。

 アメリカでは3月の消費者物価が昨年より8.5%も上昇し、約40年ぶりの高水準になったという。この急激な物価上昇を抑えるため、3年ぶりに0.25%の利上げを決定した。しかもこのインフレ傾向が収まらない場合には、更に0.50%の追加利上げも検討するという。

 一方、日本の金融関係者は諸物価が値上げされている現状をどう考えているのか、アメリカとは逆に日銀では長期金利の上限を0.25%に抑え込む方針を維持しており、日米間の金利差が拡大した。その結果、円安相場が進み、昨日は6年ぶりの高水準である1㌦=125円台に達したが、今日は一層円安が進み凡そ20年ぶりに1㌦=126円台となった。何と先月半ばまで1㌦=115円台で推移していたものが、この1か月間に10円余も円安が進行してしまったのである。これにはウクライナ情勢によって制裁対象国ロシアから石油、天然ガス等が輸入出来なくなったことが大分影響しているが、今後この円安状態が続くとすれば、輸出にも大きな打撃となり、更なる物価上昇を招くことになる。
 ところが、最近下落傾向にあった株価が、円安と引き換えに東京株式市場では反転して一気に値上がりした。日経平均株価の今日の終値は、昨日より508円も値上がりした。

 ウクライナ侵攻については、アメリカのバイデン大統領がロシアの行為をこれまで戦争犯罪と非難していただけだったが、昨日になり我慢しきれなくなったのか、遂にロシアの行為はジェノサイド(集団殺害)であると一歩踏み込んで非難した。この日ウクライナ東部のマリウポリでは知事が、死者の数は2万人を超えたと発表した。

 また、コロナについては、感染者が世界で5億人を超えたと昨日ジョンズ・ホプキンス大学が公表した。今年1月に3億人、2月に4億人を超えたが、相変わらず新規感染者は、増え続けている。これでは、物価の上昇も止まらず、円安も益々進むことだろう。国民はだんだん厳しい生活を強いられるようになるだろう。

2022年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5447.2022年4月12日(火) 想い出のシベリア鉄道がデフォルトに

 ロシアのウクライナ侵攻を機に、世界各国からロシアへの非難が集中し、ロシアに対する経済制裁が極めて深刻なものとなり、徐々にロシア経済を苦しめている。

 そして遂にその第1弾がロシアを襲った。ロシア国営鉄道会社「ロシア鉄道」が、外貨建て債務の利払いができず、デフォルト(債務不履行)との認定を受けたことがわかった。ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシア企業のデフォルト認定は、これが初めてである。ロシア鉄道と言えば、当然最大の売り物である「シベリア鉄道」を経営している。そのシベリア鉄道もデフォルトの影響を受けることになる。ウラジオストックから首都モスクワまで9,300㎞、時差が7時間もある長い区間を7泊8日もかけて走行する。私が乗車したのは、もう20年も昔の3月初旬で都市はもちろん、車窓から眺める森林風景はどこも夢幻的な銀世界だった。雪の季節に訪れた理由のひとつは、トルストイの「復活」に惹かれていたからである。ヒロイン・カチューシャが殺人犯としてシベリアへ送られ、それをネフリュードフ公爵が雪の中を追っていく方向とは逆に、私はモスクワ方面に向かった。作品のイメージはロマンに溢れておりその情景と雰囲気を現場で感じてみたかったからである。確かにコンコンと降り続く雪の中を走り抜けるのはロマンチックだった。

 今のJR各社の高級列車に比べれば、その設備等は大分見劣りする。私が乗ったのは4人1室の2等車だったが、座席だけの3等車は家族連れのロシア人でいっぱいだった。素朴で変哲もない外の景色を眺めているだけで、やや退屈だったが、満足感に浸れた。太陽が地平線に沈むシーンは何とも言えず神々しかった。

 あのシベリア鉄道は、デフォルトによってどうなるのだろう。そして沿線に住んでいるロシア人たちの生活はどんな影響を受けるのだろうか。

 ロシア鉄道は3月にスイス・フラン債権(約340億円)の利払い期限を迎えて、ルーブルで支払うつもりが、制裁により西側の金融機関が協力せず、受け取ってもらえずデフォルト(債務不履行)第1号となってしまった。ロシア鉄道はロシア政府の鉄道部局をその前身としており、隈なく路線がロシア全土を走っており、従業員の数も約77万人を数えるというからスーパーマンモス企業である。現実的に倒産となれば、彼らも路頭に迷うことになる。

 それにしても今ではロシアへの旅行はもちろん、海外旅行も思うように出来なくなってしまった。ロシアへの旅行はしばらく無理だろう。ロシアのような広大な国は、現地を訪れてみなければ、その実態は分からない。その点で、武者修行でシベリア鉄道に乗ったことや、30年前にシベリアの戦没者遺骨収集の調査で、つい最近ウクライナ避難民がロシア軍によって連行、移住させられたとの噂も出たサハリン方面へ旅することが出来たことなどは、今思えば貴重な価値のある旅だった。

 ロシアが強気一辺倒でこのまま突き進むのか、或いは自己反省して制裁から解放されロシア鉄道のデフォルトも解除されてロシア社会も安定状態を取り戻せるのか、プーチン大統領にとっても正念場である。

2022年4月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5446.2022年4月11日(月) プーチンの後を追う習近平と金正恩

 このところ気温が毎日ぐんぐん上がっている。ご多聞に漏れず今日も全国各地で夏日が多かったが、驚いたのは、岩手県内だけは今年初の真夏日の地区がかなり見られたことである。特に意外だったのは、東北地方にフェーン現象があったために東北地方の気温が全国的にも一番上昇したことである。中でも岩手県でその現象が顕著で、全国都市の中でも岩手県の都市が高温都市1位から6位までを占め、それらはいずれも真夏日だった。因みに1位の宮古市は31℃、2位山田町30.9℃、3位釜石市30.3℃、4位岩泉町小本30.2℃、5位岩泉町、及び久慈市30℃だった。極め付きは全国上位10位内に岩手県内の8都市が入ったことである。沖縄の南の西表島がやっと12位に入ったくらいである。上位50位内に東北地方の都市が34、沖縄が9都市で、暑いと思いがちの九州地方の都市がひとつとしてランクインしなかった。意外にも今年は、「暑さは東北(岩手)」を印象づけることになるだろう。

 さて、北朝鮮では、金正恩・朝鮮共産党総書記が、その座に就いてからちょうど今日10年目を迎えた記念式典を金正恩欠席の中で行った。今年は祖父の金日成生誕110年でもあり、国家財政が苦しい中で派手な外国向けPR行事を開催することを検討しているようだが、独裁者が権力を握ると何をやり出すか分からないから困る。ロシアの独裁者プーチン大統領は、今度のウクライナ侵攻によって今では世界中から戦争犯罪人として非難され糾弾されているが、プーチン自身には改める気持ちはさらさらなさそうで、ひたすら「前へ 進め!」あるのみである。

 プーチンに次いで怖いのは、この金正恩と中国の独裁者である習近平・国家主席である。2人とも世襲によって現在の地位に上り詰めることが出来た。ライバルを左遷によって追い落とし、周囲にはご機嫌取りの取り巻きだけを置いて、民主主義の基本である選挙制度を採り入れず、国内から自由、言論、民主を排除して国民の気持ちを斟酌することなく、政治を自らの考えだけで一手に取り仕切っている。憲法といえるものがあるのか、疑問を感じるが、仮にあったとしても憲法を順守することなく、いつでも自己都合で勝手に変えてしまう。自らの任期は自分の胸三寸である。これが現今の中国と北朝鮮の政治である。恐るべきは、今回のプーチンのひとり芝居「ウクライナ侵攻」が、いずれどういう結果になろうとも終結し、プーチンの出番がなくなった後にこの2人の独裁者が、一層強い非人道的権力を行使する恐れがあることである。習近平と金正恩による第2のウクライナ事件が起こらなければ好いがなぁと気にかかる。

2022年4月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5445.2022年4月10日(日) 戦争がもたらす各国首脳の誤解と不信

 一昨日辺りから気温が上昇しているが、今日は午前中から暑く東京都心では26.8℃を記録して今年最初の夏日となった。因みに昨年の夏日は4月21日だった。

 こう暑くなるとウォーキングも楽ではない。出来るだけ日陰を探して歩く有様だ。近くの宮前公園内の桜も大分散って二分咲きというところだろう。今週中には桜は見られなくなるのではないか。

 さて、連日悩ましいニュースを知らされる新型コロナウィルスとロシア軍によるウクライナ侵攻であるが、前者についてはこのところ東京をはじめ大都市を中心に全国的にも新規感染者が増加して、沖縄県では知事が第7波に入ったと認識していると語った。

 後者については、相も変らぬロシア軍の残虐な攻撃がウクライナ各地で行われている。特に残酷なのは、東部ドネツク州の鉄道駅で避難のため列車を待っていた人びとが、国際条約で禁止されたクラスター爆弾がロシア軍によって使用され、子ども5人を含む52人が犠牲になったことである。この事実をロシアは否定している。首都キーウ近郊のブチャでは先日空爆が行われ多数の死者が出たばかりだが、同じキーウ近郊のマカリウでは、射殺された132人の遺体がロシア軍撤退後に見つかったという。

 ロシア軍の非人道的な軍事行動について、久しぶりに意外な人物が発言した。かつて長年に亘ってイタリア政界最前線で活躍していたベルルスコーニ元首相である。20年間盟友として付き合ってきたプーチン大統領に対して愛想尽かしの発言をしたのである。以前は「プーチンは世界のリーダーの中で間違いなく№1だ」と買い被っていたが、そのロシア軍の軍事侵攻に対して「プーチン氏は侵略の全責任を取らなければいけない。ウクライナを攻撃したことでロシアはヨーロッパに加わることなく、中国の手中に落ちることになった」と厳しく批判し、剰え唯一の強大国仲間である中国の配下に入るまでになったとまで言ったのである。

 また、昨日第1回の投票が行われたフランス大統領選でこれまで支持率が低迷していたマクロン大統領が、ウクライナ侵攻に際してロシアのプーチン大統領と停戦のために15回も電話会談し、評価を上げていたと見られていた。だが、これに対して避難民を多数受け入れているポーランドのモラビェッキ首相が、その会談では成果を生んでいない。プーチン大統領と会談して何を得たのか、と批判した。これを憤慨したマクロン氏があなたこそ極右の反ユダヤ主義者だと応酬して、両国外務省の対立にまで至っている。

 戦争が長引けば、いろいろなところから想像も出来なかったような波紋が広がり、それが取り返しのつかない事態を招くこともある。一刻も早く戦争を止めるべきである。

 ところで今日日本のプロ野球界に久しぶりに祝砲が飛び込んできた。開幕してまだ1週間しか経っていないが、一昨日開幕したアメリカ・メジャーリーグで昨年MVPを獲得した大谷翔平選手への期待もあり、日米プロ野球が盛り上がっている。そこへ今日プロ入り3年目、20歳のロッテ球団・佐々木朗希投手が、何と28年ぶり16人目の完全試合を達成したのである。プロ野球記録の13人連続奪三振とタイ記録の1試合19奪三振のおまけまでついた。こういう若者の記録は清々しく頼もしく思う。

2022年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5444.2022年4月9日(土) 鉄道運賃もついに値上げか。

 大手私鉄のトップを切って東急電鉄が、来年3月に運賃値上げを実施する。新型コロナウィルスの影響を受けて乗客が大幅に減少し、その上コロナが終息したとしてもリモートワークを行う社会人が増えたようだ。そのため業績の回復が難しいと判断し、すでに国土交通省に対して値上げ申請を行っていたが、昨日値上げが認可され、来年正式にほぼ東急全線に亘って値上げされる。

 鉄道運賃の値上げは国の許認可事業ということもあり、そう安易には出来ない。これまで値上げされたことが少なかった事情もあり、鉄道運賃が高いという声はあまり聞かれない。東急は、平均13.5%の値上げをする予定であるが、家庭生活にとっては切り離せない必要経費でもあり、その値上げは各家庭にとって大変厳しい。その辺りを配慮したのか、東急では通学定期代の値上げは実施しないという。コロナの打撃を受けた他の私鉄も様子見をしており、近鉄をはじめ、他の私鉄各社も間もなく右に倣えということになるだろう。

 鉄道運賃が長い間据え置かれていたのはJR各社も同じで、最近値上げしたJR西日本の例は、国鉄3分割以来初めてだった。

 どれほど長期間値上げされなかったかは、私自身駅員として勤務した1963年の小田急電鉄の例では、新宿~町田間運賃は当時大人片道90円だった。それが今では380円で60年近くの間に4倍強となった。だが、この上昇率は他の物価の上昇に比べれば随分低い方だと思う。例えば、学卒新入社員初任給が、63年度は1万8千円だったが、今や平均23万円で13倍になっている。国家予算に至っては、63年度は2兆8千億円だった、それが今ではほぼ40倍近い107兆円である。

 いずれにせよコロナで私鉄業界のみならず、各民間企業は苦戦している。そこへ新たにウクライナ情勢によるロシアへの経済制裁により、物価に影響が表れ始めた。とうとう鉄道会社も泰然としてはいられなくなったということだ。懸念されるのは、コロナがいつ終息するのか予想出来ないことと、ウクライナ戦争も一体いつになったら終わるのか見通しが立たないことである。このまま現在の経済状態が続くとしたら、今後も商品の新たな値上げが考えられるだろう。

 さて、新年度へ入って間もないこの一両日は、会社の入社式や、学校の入学式が行われ、コロナ禍の折華やかとは行かないまでもフレッシュなイメージがある。今夕の朝日に入学式の写真が載っている。中でも1946年千葉県秋元村国民学校のそれが印象深い。私が入学したのは、その前年で終戦の年だった。親に手を引かれて学校へ向かう子供たちの服装や持ち物が懐かしい。何を持って、何を着ていたのかはっきりとは記憶にないが、学校へは入学後ずっと下駄ばきで通っていた。ランドセルなんか持っていなかった。写真で見る親の衣装も垢抜けない。贅沢は言えず、戦争中に出席した田舎の入学式と空襲におびえた幼児期の印象が、ウクライナ戦争の画像とダブってくる。

2022年4月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5443.2022年4月8日(金) 非人道国家ロシアという国

 今日はお釈迦様の誕生日であるが、世間はやかましい。一向にウクライナの戦闘情勢はクールダウンしない。ウクライナへ侵攻したロシアに対しては、各国が諸々制裁を科しているが、今日岸田首相は新たな制裁を科した。その中でG7の対応と足並みを揃えるためにロシア人外交官の一部に対して国外退去という極めて厳しい制裁を行うと想定されていた。しかし、意外にも国外退去を求める外交官は8名で、その中には大公使ら主要外交官は含まれていない。これでは、必ずしも厳しい追加制裁と言えないのではないだろうか。

 こんな時にロシアで上院議長を10年も務めたセルゲイ・ミロノフという大物議員が、「どの国にも願望があれば、隣国に領土要求を提出することが出来る。ロシアは北海道の権利を有している」とあまりにも非常識な暴論を無節操にも所属する政党の公式HPに表明したという。気分次第で北海道もいただきますよと言っているのだ。議長を長く務めた政治家の言葉にしては、あまりにも常識を欠き、外国に非礼である。こんなことを認めたら世界中の領土は、軍事大国の草刈り場になってしまう。ロシアは以前から、北方四島の領土権についても第2次大戦の戦勝国として、敗戦国からの戦勝品だから返還する気持ちは毛頭ないと公言しているが、これとて日本が世界に降伏宣言をして武装解除し、無抵抗になった8月15日直後に無法に上陸して占拠したものであり、国際法上認めがたい暴挙である。暴力国家ロシアは、今またウクライナに対しても、同じようなロシア覇権主義をむき出しにして世界中に侵略国家の顔を見せている。

 ロシアという国は幸か不幸か、国土が広すぎて政府が統治するにはとても手が回らない。国家を安定的に維持していくためには、自力だけではとても無理で他人の手を借りると言いたいところだが、そんな常識はなく、他人の手を奪うことだけを考えている。即ち、自国の経済力だけではとても国家を維持していけない。人口は1.4億人で日本とあまり変わらないのに、国土は何と日本の45倍もある。これではインフラを含めて国の隅々まで目が行き届くはずがない。そこでロシアは武力で他の領土を奪うことをこれまで歴史的に行ってきた。

 ロシアという国を知るには、首都モスクワを見るだけでは分からない。辺鄙な地方都市へ行ってみるとその貧しさが分る。インフラは整備されておらず、公衆便所は糞尿が流れ出し、シベリアやサハリンへ行けば、この現代においても未舗装道路がかなり目につき、貧しさが感じ取れる。これは事実であり、現状ではロシアが現在の経済力を保つためには、もっと積極的に持てる資産である、森林や地下資源を国外へ売り渡すことを積極的に行うか、他国からその資産を略奪するより手段はない。

 プーチンのような自己顕示欲の強い政治家がいると、地道に経済力を底上げする国策を講ずることなく、つい軍事力を増強して他国へちょっかいを出すようなことになる。ロシア人の本質的な人間性からよほど真っ当な政治家が現れない限り、今回のような軍事行動に出て自らの存在感を高めようとの強欲が現れる。

 どういう形でウクライナ戦を終戦に持ち込むのか、不明であるが、ロシアは国として少なくともプーチンのような独裁的な政治家を輩出させない仕組みを作らないと、再建ロシアにとっても、また同じ轍を踏むことになる。ロシア文学を読んでいるとロマンを感じて、ついロシアに憧れを感じるものだが、それこそが大きな落とし穴にはまることに気を付けないといけない。文学は文学である。

2022年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5442.2022年4月7日(木) 小中陽太郎氏、日本ペンクラブを去る。

 ウクライナにおけるロシア軍の攻撃の結果が徐々に明らかになり、言葉では言い尽くせないほど悲惨なものになってきたことが分った。過去の悲惨な戦禍として、日本でも終戦の年の今日、かの戦艦「大和」が鹿児島の沖合で米空軍機の激しい攻撃を受け撃沈させられ、3千人を超える尊い命が失われてから77年目になる。戦艦一隻が現在でも4千億円もかかるという無駄遣いとあまりにも多くの犠牲者を生んだ戦争は、いつの時代でも止めなくてはいけないと声高に叫ばれるが、現実には世界各地で大小いくつもの戦争が起きている。その中でウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍のウクライナ侵攻は第2次大戦後最大級の残酷な戦争だと言い放った。
 現在も停戦交渉は進められているが、お互いに受け入れ難い条件を提案しているだけに、そう簡単に協議はまとまりそうもない。まだ当分の間ウクライナが、ロシア軍の理不尽で、情け容赦のない攻撃を受けなければならないのかと考えるとつい憂鬱になる。

 さて、このほど日本ペンクラブから今年度の会員名簿を郵送してきたが、さっと見てペン会員へ推挙して下さった小中陽太郎氏の名が消えているので心配になり、コロナ禍でなければ近くのご自宅を訪れるところだが、取り敢えず小中さんへ電話してみた。80歳を過ぎたからどうでも好いようなお話で、名誉会員としてペンに残るお気持ちも特別にないように受け止めた。数年前までは、小中さんを中心にペンの改革のために意のある我々有志がまとまって、ペン全体の体制的なものから細部まで前向きに改革しようと話し合って行動していたが、必要な数の理事を確保できず、結局体制派に押し切られた形になった。私も今ではペン改革のために進んで行動しようとまでは考えていない。しかし、当時の執行部のやり方には今でも大分不満が残っている。

 実は、HPの3月分総括として、Googleから報告された私のブログの中で、アクセス数ベスト3の中に、2019年4月4日に書いた「日本ペンクラブの不条理な言論抑圧」が入った。それはその2年前ペンの改革を試みようとしたが、出来なかったことに理不尽さを感じて、ブログに書いたものである。当時の会長以下執行部役員が、自分たちの思うように業務を進めようとの利己的な理由から、身勝手に彼らの意向に合わない理事、つまり小中さんや私らを追放、排除しようと企んだのだ。

 その手始めは、17年2月から3月にかけて実施された理事選挙に際して、ある執行部役員が20名の理事候補者名簿を都合よく作成し、今後2年間はこのメンバーに運営を任せてもらいたいので、理事選ではこの20名に投票して欲しいと訴えるメールを会員宛に広範に送信したのである。会員の誰かが個人的に数名の会員を理事に推薦するメールなら問題はない。ところが、理事選挙で選ばれる理事の定員は20名に決まっており、それを執行部の幹部が結託して20名をリストアップしているということは、リストから漏れた他の理事候補者への投票を控えて欲しいということであり、明らかに選挙妨害に当たる。これを組織的に行ったことは言語道断であり、許されることではない。

 日本ペンクラブは、これまで民主的な組織として島崎藤村・初代会長以来「言論の自由」及び「表現の自由」を主張し追求してきた。そうしたこれまでの行為と実績が蔑ろにされたのである。会長以下の現執行部役員が身勝手で個人的な考えと名誉欲によって、「言論の自由」を抑圧したばかりでなく、すべての日本ペンクラブ会員の信頼を裏切り、日本ペンクラブの名を汚したことは到底容認することが出来ない。このような主旨をブログに書き込んだのである。それが受けたのか、今頃になってアクセス数が急伸したのだ。

 今年米寿を迎えられる小中さんが、80歳を超えたらあまり拘らないと仰っておられたが、私も80歳は超えた。ただ、小中さんは、かつてはベトナム戦争中にぺ平連を立ち上げ、アメリカ人脱走兵を逃亡させ世間へ強烈なインパクトを与えて当時の若者にとって目標とも言うべき人だった。そのパフォーマンスで若い世代の代表のひとりとして一世を画した人だけに、今ペンから身を退かれるのは実に惜しいと思う。小中さんのお蔭で現在も拙いながらも何とか執筆活動を続けている。私の3度の出版記念会にもすべて出席して下さり、その都度お祝いのスピーチもして下さった。頭が上がらない。小中さんは淡々として達観しておられるようだが、まだある面で意欲を燃やしておられるようなので、これからもご活躍いただきたいと願っている。

2022年4月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5441.2022年4月6日(水) 久しぶりにトンボ・ユニオンズの話題

 1954年のプロ野球パシフィック・リーグの開幕直前に誕生した「高橋ユニオンズ」が、翌年トンボ鉛筆の参加により「トンボ・ユニオンズ」とチーム名を変更したと短命だったプロ球団の存在について、今朝の朝日新聞「天声人語」に紹介されている。

 高橋ユニオンズについては、2014年に上梓した「南太平洋の剛腕投手」で詳しく紹介した。高橋球団成立のいきさつや、主人公の同球団投手・相沢進、及び私にとって湘南高校の5年先輩であり、同チーム唯一のヒーローだった佐々木信也氏の関係についてストーリー化した。更に森喜朗元首相についてもトラック島駐屯の軍人だった元首相の父親のラグビー経歴を交えて紹介した。佐々木さんは、2月に亡くなられた作家の石原慎太郎氏と高校で同級生だった。すでに相沢氏も世を去ったが、旧厚生省戦没者遺骨収集団とともにトラック島(現チューク島)を訪れ相沢氏に会って話を伺った時、相沢氏から湘南高校の先輩であると聞き、驚いたものである。しかし、相沢氏はそう語っていたが、周囲の話では相沢氏はウソを語ることにあまり頓着しない人だったようで、旧制湘南中を卒業されたのかどうかもはっきり分からなかった。実際2014年に相沢氏の晩年の様子と家庭環境を取材したいと考え、島で娘さんをはじめ、親族に直接お伺いしたがその真偽は確認出来なかった。

 しかし、拙著に関わる戦前からの素朴なトラック島の人びとの心温まる交流は、今になっても懐かしく想い出される印象的なものだった。このところコロナ禍で、佐々木さんにお会いすることもなくなったが、お元気だろうか少々気になっている。

 さて、ウクライナ情勢について国際的に2つの動きがあった。そのひとつは、昨日ウクライナのゼレンスキー大統領が初めて国連安全保障理事会でオンライン演説をして、国際社会がロシアに圧力をかけ続けることを要望した。ゼレンスキー氏は、首都キーウ近郊のブチャで沢山の遺体が放置されている画像を映して、第2次大戦後最大の残虐な殺戮だと述べた。更に、安全保障はどこにあるのか、ロシア軍はウクライナに奉仕した人々を探し出し、意図的に殺していると厳しく訴え、国連が機能していない現実をアピールした。特にこれまでも度々問題視された、5大常任理事国の拒否権行使を強く批判した。今回も法的拘束力のある安保理決議が何ひとつ採択されない現実を追及し、このままでは国際法や国際機関ではなく、武器の力だけに頼るようになると厳しく警告した。

 ふたつ目の動きは、アメリカの国連大使が、ブチャで多数の民間人の遺体が発見されたことに言及し、ウクライナやヨーロッパ諸国と連携してロシアに対して国連人権理事会からの追放を目指すと語ったことである。

 ここ数日のテレビ画像には、徹底的に破壊された市街に放置された数々の遺体が映っている。ロシアはこれをウクライナのやらせだと反論しているが、証拠もなく後から後から同じような残酷な画像が現れると果たしてこれらが虚偽だと言えるのだろうか。そこへウクライナが、ブチャでの戦争犯罪に関わったロシア軍人の名前を公開した。どうやって入手したのか、不明だが、ロシア軍人約1,600名の氏名、生年月日、旅券の発行日や番号まで記されているという。相手国への批判合戦も激しくなってきた。

2022年4月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com