5600.2022年9月12日(月) 沖縄県知事に玉城デニー氏再選

 昨日実施された沖縄県知事選挙で現職の玉城デニー知事が、4年前と同じ佐喜眞淳・前宜野湾市長を破り2度目の当選を果たした。玉城氏の得票は33万9千票、佐喜眞氏は27万4千票で前回とほぼ同じ得票率割合である。選挙戦の焦点は、辺野古基地移設と沖縄経済の振興だった。玉城氏は前回同様に終始アメリカ軍の普天間基地の名護市辺野古への移設反対を訴え、勝利した。一方の佐喜眞氏は、県民の間に反対の強い辺野古基地移設問題を避けるように沖縄経済の活性化をアピールした。沖縄の経済がコロナ禍の影響もあり、最大の収入源である観光収入が落ち込んだことにより沖縄は今や苦しい状況に陥った。佐喜眞氏を支援する政府、自民党は辺野古基地移転に賛成なら、沖縄を財政的に支援しようというあざとい策を囁いたが、功を奏さなかった。

 現在沖縄県には日本全国のアメリカ軍専用施設面積の約7割が存在しており、沖縄本島面積の約15%を占め、沖縄がアメリカ軍基地の島と称される所以でもある。しかし、アメリカ軍が落とすマネーも沖縄経済にとって重要であると言える。だが、いびつな基地経済に陥った沖縄を経済支援するとの条件で基地を認めさせるというのは、経済不況に苦しむ県民の弱みにつけ込むあくどい手法で、国がやるべきことではない。

 基地反対派の玉城氏が勝利したからと言って、日本政府もアメリカ軍も沖縄県民の声を聞き入れることに二の足を踏む状況には変わりない。今後も玉城知事らは県民の気持ちを汲んで、辺野古基地移設に反対を続けるだろう。我々沖縄とは遥か離れた地域に住んでいる者にとっては、アメリカ軍基地が呈する好ましくない問題を、沖縄県民が我々の肩代わりをしてくれているのだということは心の片隅に留めておくべきである。玉城デニー知事のご健闘を祈りたい。

 さて、去る8日に逝去されたイギリスのエリザベス女王の棺が、スコットランドのバルモラル城から車で6時間をかけてエディンバラに到着し、大聖堂に安置された。途中の沿道には大勢の地元の人びとがお見送りをして女王に最後のお別れをした。今日は、テレビのワイドショーでも女王について多くの話題が上がり、英王室と日本の皇室とのつながりや、1975年に女王ご夫妻が訪日された時のエピソードも随分話題となっていた。国葬は19日ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる予定で、日本から天皇が参列される予定であり、岸田首相の出席も検討されている。

 それに引き換え、27日に予定されている安倍元首相の国葬は、日本国内の反対の声もあり未だ主要国の出欠がはっきりしない。特に、問題になりそうなのが、中国が出席を公表しない間に台湾外交部が代表を派遣すると回答してきたことであり、一方今月末に日本と国交正常化50周年を迎える中国政府は、「台湾独立勢力が政治工作する舞台を日本は提供してはならない」と早くも警告を発し、ややもすると政治問題化する懸念がある。厄介なことにならなければ好いが・・・。

2022年9月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5599.2022年9月11日(日) 9.11 NY同時多発テロから21年

 ニューヨーク同時多発テロ発生から今日で21年になる。あの恐ろしいテロが発生した4か月前に次男とその現場となった世界貿易センタービルを訪れていた。まさかあのような大惨事が起きるとは考えもしなかった。ただ、事件の予兆は感じていた。それについては拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の冒頭に取り上げた。それはその前年2020年3月にアフガニスタンとパキスタンの国境カイバル峠を訪れた時のことだった。国境手前のパキスタン人集落ランディ・コタールの市場で武器の取引らしい現場を見てしまったのだ。周囲には女性や子どもたちの姿はまったく見られず、殺伐とした雰囲気だった。これらの武器が横流しされ、仮にもテロ集団が手にしたら世界的に反米感情が高まっていた折だけに、何となく反米的事件が起きるのではないかと予感のようなものを感じたからである。爾来9.11テロ後も反社会的な事件は相も変わらず絶えることはない。人類が生存する限り、地球上の揉めごとは永遠になくならないのではないかとつい暗い気持ちになる。
 さて、元新潟県知事の衆議院議員・米山隆一氏が、毎日のようにツイッターをまめに発信しているが、医師と弁護士の免許を持ち英才らしからぬ几帳面さと正当な論理性には敬服している。米山氏は、国際政治学者の三浦瑠璃女史の下記のツィッターに納得出来ないと思われたのか、昨日彼女が発信したツィッターに直ちに返信した。

 一昨日彼女がツイッターで「個々の議員が自分宛の招待状の写真をアップして欠席を表明する(野党議員が国葬への招待状を示し、欠席すると述べたことを指しているようだ)のは、はしたなく見えるのでやめた方がいいと思いますよ。余計なお世話ですが。ほんとにそんなことしても票は増えませんよ」とかなり辛辣にあげつらっていた。これに対して米山氏は「赤の他人に『はしたなく見えるからやめた方がいい』なんて言うのは『なぜあなたの独自の道徳感を他人に押し付けることができるんですか?』と思われ、傲慢に見えるので、やめた方がいいと思います。余計なお世話でしょうが、そんなことを言っても、あなたの見識が高くなるわけではありません」と三浦氏の言い分を正面から巧みに批判している。このツイッターに他の人も割り込んで私見を述べているが、今後米山氏と三浦氏の間で論争に発展するのだろうか。

 ただ、三浦氏は、率直に自らの保守的な考えを押し付けるせいか、やや傲慢と受け取られて反感を買うことが多いようだ。この他にも、学術論文がない国際政治学者とは?とか、或いは天皇の国葬「大喪の礼」について、「たいものれい」と言ったとか、やや上から目線のような話しぶりや、軽率な表現のせいもあって批判されている。彼女は高校の後輩にあたるので、その点ではあまり心地良いものではない。もう少し謙虚であってもらいたいものだ。

2022年9月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5598.2022年9月10日(土) 知らなかったミヤンマーの幻の高山

 NHK・BSで「幻の山カカボラジ アジア最後の秘境を行く」という2時間のドキュメンタリー番組が2015年に放映され、それが去る5日に再放送された。タイトルに何となく興味を覚えたので録画して今日じっくり観た。中々興味深いミヤンマーの幻の山とその登山行である。こんな神秘的な山がミヤンマーにあるとはあまり知られていないと思うが、ミヤンマー最高峰という海抜(5,881m)もさることながら、その位置が未踏の秘境である中国とインドに挟まれた山深い国境の地にあり、山麓までのアプローチが長く頂上を極めたのはこれまで日本人登山家の尾崎隆だけしかいない。番組では3人の日本人登山家がそのミヤンマー最高峰の登攀を目指して約4週間に亙り苦闘した。頂上を目前にして登頂を諦め引き返すことになったが、その精一杯の行動を追ったドキュメントである。映し出される登山ルートとして、前半は蛭や毒蛇が潜んでいる深いジャングルを抜け、一瞬視界が開ける4000mの高地ベースキャンプ、そして最後の雪と雲の中に人を寄せ付けようとしない険しい頂上へのアプローチなどは、登山に興味を持つ者にとっては見逃せないドキュメンタリーだった。

 そして偶然というべきか、この番組が最初に放映された2015年に、その年の「NATIONAL GEOGRAPHIC」9月号が「ミヤンマー『伝説の最高峰』カカボラジ」と題する、同じようなテーマの特集を掲載していたことに一段と興味を抱いた。ここでも男女5人の登山家が、一足先に現地入りした日本隊同様に頂上を目の前に登頂を諦めることになった。そして日本隊と行き交うことにもなった。TVで紹介される登山本来の映像にも増して、途中のミヤンマー人集落の風俗なども興味を惹く。タロン族住人は今や3人しか残っていない。彼らは皆小柄で、たった1人の成人男性の身長は僅か130㎝しかない。その彼らがポーターとして荷揚げを手伝ってくれた。実は、ちょうどこの時期に山頂へ向かったミヤンマー人登山家2人が遭難し、その救助活動をしていたヘリも墜落して3人が亡くなった。そのために多くの住民が狩り出され、日本隊は思うようにポーターを雇えなかった。
 とにかく謎の多い山だが、地元民の山への敬い方も並みではない。もうひとつミヤンマーにはガムランラジと呼ぶ高峰がある。カカボラジより高いという話があったが、地元ではそんな筈はないと一笑に付された。どちらが高いか正確には分からないが、最近のGPSによる調査によると、ガムランラジは5834mでカカボラジの方が47m高いということが分り、地元民を安心させたようだ。

 30頁に亙るナショグラ誌には、迫真的な写真に地図も添えられている。登山とは、天候に恵まれ多くの人たちの協力を得て、なお緻密な計算と体力が欠かせない厳しさを力強く求められる。私も膝を痛める前までは学生時代から会社でも登山クラブに所属して、日本アルプスをはじ3,000m級の山々を数多く制覇してきたが、改めて登山の難しさと奥深さを知った次第である。30年ほど前に大学の登山クラブの後輩で、息子たちの家庭教師をしてくれたT君が、厳しい岩登りが好きでカラコルムで遭難し若くして亡くなった。カカボラジなんか知っていれば、トライしたかもしれないと思うと不憫でならない。登山とは、知れば知るほど奥深い谷底へ吸い込まれるが如く、迷いながらも、自力で明かりを探って出口を見つけ知をも得るものだと思っている。テレビも雑誌も中々魅力的だった。実に観ても面白く読んでも興味をそそり、まさに知の源泉でもある。

2022年9月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5597.2022年9月9日(金) エリザベス英女王崩御 享年96歳

 イギリスのエリザベス女王が日本時間で今朝亡くなられた。女王は一昨日ロンドンから820㎞離れたスコットランドのバルモラル城で、新保守党党首トラス氏を新しい首相に任命したばかりである。その時の写真を見ると杖をつきながらも立ったままトラス新首相と握手を交わしていた。公務を若干控えておられるようだったが、まだまだお元気そうで、このように唐突に彼岸へ旅立たれるとは思いも寄らなかった。新首相に会われてからほんの2日後の他界である。女王は今年4月に96歳の誕生日を迎え、5月には国王最長在位である即位70周年(プラチナジュビリー)をお祝いしたばかりでもある。それはフランスのルイ14世(72年)に次ぐ世界で2番目の長期在位国王となった祝典だった。それらを考えると女王は天寿を全うされたと言えよう。

 エリザベス女王の逝去によって国王の座は、長男であるチャールス皇太子に引き継がれ、正式にチャールス3世の誕生となった。これまでとかくスキャンダルの多かった73歳の新国王も、国王になったらもう目立つような不祥事はやらないだろう。

 女王は1926年生まれで、日本流に言えば7巡目の年女であり、私より1回り上の寅年生まれである。1950年女王がケニア滞在中に父ジョージ6世の崩御により思いがけず女王になられた場所、アバーディア国立公園内のツリートップ・ホテルを半世紀ほど以前に訪れたことがある。木の上のホテルを見学したが、樹上から見下ろすと真下にいろいろな野獣が集まっているのが見えた。女王もまさかそのような環境の中で女王の座に就くとは思いも寄らなかったのではないだろうか。ホテルは女王滞在の4年後に火災で焼失し、私が見学したのは、原型通りに再建された2代目だと後になって知った。

 イギリスの王室は日本の皇室と同じように思われているが、大分異なるようだ。日本の皇室は神武天皇が即位した紀元前660年に始まり万世一系で世界でも最古の王室である。それに対してイギリスの王室は、大分遅れて平安時代の1066年にフランスから上陸したノルマンディー公ウィリアムが、ノルマン王国を創始したのが始まりと言われている。そのイギリス王室はデンマーク王国に次ぎ、世界で3番目に長い歴史と伝統を有している。イギリスの立憲君主制に対して日本は象徴天皇制であり、イギリスの王室は長子が継承するが、日本は戦後の皇室典範により男子が継承することになっている。

 世界の要人から早速数多くの弔意を示されているが、天皇陛下も今日弔意を送られた。ウクライナ戦争の渦中にいるが、女王の生前会ったことがあるプーチン・ロシア大統領からも弔電が送られてきたそうだ。BBCは当然のように国葬はウエストミンスター寺院で2週間以内に営まれると伝えている。

 日英両国の王室の間には、150年に亙る交流があるだけに当然日本の皇室も国葬にはそれなりの対応をすることであろう。それに引き換え、日本国内では今安倍元首相の国葬に対する世論の反発が根強い。同じ国葬とは言え、2つの国葬は大分受け止められ方が異なる。どう考えたら良いだろうか。

2022年9月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5596.2022年9月8日(木) 東京オリンピック、後味の悪いスキャンダル

 2030年に冬季オリンピック招致を目指す札幌市の秋元克広市長が、山下泰裕・日本オリンピック委員会(JOC)会長とともにスイス・ローザンヌで国際オリンピック委員会(IOC)トーマス・バッハ会長と会う予定でいたところ、直前になってIOC側から今はタイミングが悪いという返答があった。2030年大会には、過去に開催した実績のあるバンクーバーやソルトレークシティが招致を進めていると聞き、つい早とちりをしてしまったようだ。

 実はこの裏には東京オリンピックの贈収賄事件があった。今大きな話題と注目を集めている昨年の東京オリンピックがらみの贈収賄事件が影響して、しばらくオリンピックに関する動きを注視しようとの考えがあるようだ。東京オリンピック絡みの贈収賄については、不祥事が後から後へと暴露され、その中心人物で組織委員会理事だった高橋某が収賄容疑で逮捕された。その一方でスポンサーとして紳士服の㈱アオキ、出版社のカドカワ書店、そして大阪の広告代理店「大広」らが贈賄容疑で次々と社内捜査を受けている。

 かつてはオリンピックなんか金食い虫と揶揄され、金を生み出すなんて発想はまったくなかったが、近年のオリンピックは商業オリンピックと言われて走る広告塔とか、プレイする広告塔と言われて広告に囲まれてスポーツをやっている印象が強い。そのため今やマネージメントを広告会社1社に絞り、大会すべての商業広告を取り仕切る形になっており、それを東京大会では電通が差配していた。その電通の元役員だった高橋某がかつて知った内部事情から、取り巻きをうまく引っ張り込み収賄の旨味を味わっていたようである。
 昨日の朝日朝刊社説に「五輪汚職~札幌招致どころではない」と厳しく批判している。東京大会の贈収賄事件は海外でも報道され、注目されている。また、札幌招致は市民との間に感覚のずれがある。社説では、山下JOC会長の行動についても手厳しい。組織委員会副会長を務めていながら元理事の脱線を招いた当事者として、重い責任がある。その自覚さえあれば、招致運動どころではない筈だと痛いところを突いている。また、室伏広治・スポーツ庁長官が「残念というか、悲しいようなニュースを見るたびに悲しく、つらい思いをしている」程度の発言しか出来ないことに失望したと断じている。オリンピックのような大きなイベントには、それ相当の資金が要る。いかにスポンサーがいようと、それでも大会開催国としては相当の税金を投入することになる。これを公明正大に開催し、世界中の人びとが喜んでくれれば、文句なしであるが、どこかに隙があると必ずスキャンダルが生れる。日本でも、すでに冬季大会は長野でも札幌でも開催した実績があるので、札幌市民の間に開催反対の声が強いなら、無理に開催する必要はないと思う。

 それにしても今捜査中の贈収賄事件は、いつになったら解決するのだろうか。未だに中心人物の高橋氏はすべての収賄容疑を否認している。東京オリンピックはコロナ禍のせいで1年延期されて開催されたが、人一倍の工夫と努力をして開催大成功と世界中から称賛の声をもらった。その裏側でとんでもない悪だくみが行われて、東京大会成功に大きな傷をつけてしまった。残念でならない。

 その点では、スケールは遥かに小さかったが、ラグビー・ワールドカップは成功裡に終わった。2019年日本各地で開催されたラグビー・ワールドカップは、流行語大賞となった「ワン・チーム」のスローガンと、「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」の合言葉を流行らせ、大成功を収めたことは忘れられない思い出となった。どこが違ったのだろうか。

2022年9月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5595.2022年9月7日(水) 有難いGoogleのブログ人気調査

 今朝の朝日の死亡公告を見て些かショックを受けた。元朝日論説委員だった轡田隆史さんが先月31日多臓器不全で亡くなられていたのだ。86歳だった。知的生産の技術研究会(通称:知研)でお会いしてから、親しくしていただいた。2016年にキューバへ出かけた翌年4月に知研でその報告を兼ねて講演をすることになった。大学ゼミの友人らにも声をかけ、轡田さんにもそのご案内をしたところ轡田さんから是非キューバの話を聞きたいと仰っていただき、当日トークとその後の飲み会で大いに語り合ったことが懐かしい。リベラルながらも高校、大学とサッカー選手だった轡田さんと話し合うことによってご教授いただくことが多かった。随分勉強させてもらったものだ。とにかく親しくしていただいた知識人が亡くなり寂しい限りである。

 さて、毎月楽しみにしている8月分の「Search Console」がGoogleからメールで送られてきた。最近のブログの中で一番アクセス数が多かったのは、8月16日の「つまらない新聞連載小説」と、4月23日の「幻と消えた第二山手線」だった。前者は朝日新聞朝刊に先月まで連載されていた芥川賞作家・多和田葉子氏の「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」について私なりの率直な感想を書いたものだ。ご高名な著者には失礼に当たると思うが、ドイツに長く在住している著者だけに、ドイツの空気に触れられるようなドイツ的ストーリーを楽しみにしていたが、波瀾万丈とは程遠くドラマ性もなく少々退屈で期待外れの作品だった。

 後者は、NHK・BSで放映されたタイトル通りの山手線に次ぐ新線計画について、その遠大で計画性のある新線開設プロジェクトが、昭和恐慌という時代の風をうけて計画中に取りやめとなったドキュメントである。実際に計画途中だったプラットホームが京王線明大前駅傍にそのまま残されている現実に、プロジェクトのリーダーが実現を目の前にして、時代の風に流され計画を諦めなければならなくなった無念の心情を感じずにはいられなかった。この特別番組を観た友人たちもとても良い企画で、こういう計画があったこと自体知らなかったので、参考になったと言っていた。

 幸いこれら2つのブログが、一般の人の目に入り、読んでいただいたことを有難く思うと同時に、それらの人たちの期待を裏切らないよう毎日真剣にブログに取り組んで行かなければいけないと改めて心を引き締めている。

 今日の証券取引場の円安急騰と日経平均株価の低落には少々がっかりしている。アメリカの相変わらずの高金利のせいで、厳しい円安市場は1㌦=144.06円となり、2.54円の大幅な値下げとなった。日経平均株価は対前日196円安の27,430円だった。アメリカの度々の金利の値上げに対して、日本は一向に打つ手がなくただ見守っているだけという情けない印象である。この円安はエネルギー資源などを輸入に頼る日本にとっては、経済的にも厳しい影響を受ける。そのせいもあり、国内で消費物価の値上げが止まらない。当然政府、並びに日銀は臨機に対応策を講じなければならない筈だが、去る3日の本ブログにも取り上げたように、当事者である鈴木俊一財務相が、為替の動きを注視すると述べただけで、一向に具体的な解決策を打ち出そうとしない。今日も鈴木大臣は、同じような発言で円安の加速について、最近の動きは急速で一方的だと評論家的な感想を述べたかと思うと、円安の動きが継続することに強い関心を持っていかなければならないとまるで傍観者の発言である。従って、この鈍感な担当大臣の発言から察すると円安相場から当分抜け出せそうもなく、むしろそれは強まるばかりで、財務大臣も日銀総裁も仕事をせず不必要な存在になっており、現状を放っておくだけという怠け者天国である。かつては経済大国を自認していた日本にも、随分次元の低い金融司令官が現れたものである。

2022年9月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5594.2022年9月6日(火) 首相の事象及び人物の判断が不透明

 安倍元首相の国葬に関する話題が喧しい。当初その費用が2.5億円と公表されていたが、規模から推して少なすぎるのではないかと言われていた。松野官房長官は、警護費用などは含んでいないので、葬儀終了後に公表すると語った。ところが、今日になって唐突に警護費用と海外要人の接待費用を合わせて国葬費用は16.6億円になると発表した。野党からはそれでも少な過ぎ、100億円程度はかかるのではないかと言われている。実際政府は海外約200か国・地域と80の国際機関に案内状を出し、参列者も6,400人を想定している。果たして国費の支出16.6億円内に収まるだろうか。

 岸田首相が国葬を決めた理由として挙げた安倍元首相の首相在任最長期間以外は、元首相への忖度と感覚的な理由ばかりで、とても国費を使ってまでも国葬を行う必要はないと思う。すでに安倍家家族葬を済ませており、国民の声も過半数は反対している。公的な葬儀を行うなら自民党葬で充分ではないだろうか。安倍支持派に言わせれば功績があったというが、負の実績も無視出来るものではない。

 森友・加計学園問題と「桜を見る会」が、今以て未解決で、国民の間に不透明な印象を残している。しかも、呆れたことに「桜を見る会」の企画・実施を行った業者が、今度の国葬も手配するというからどこかで安倍派と業者がつながっていたものと勘繰らざるを得ない。更に政府はこの一社だけに見積もりを提出させていたというから業者とデキ・レースであることは間違いない。

 また、岸田首相が昨日自民党としては今後一切旧統一教会との関係を絶つとまで言及した。その陰湿で不明瞭な関係を結び、今日のふしだらな問題を引き起こした原因は、明らかに安倍元首相の祖父・岸信介元首相が個人的な関係を結んだことに始まっている。それらの不条理な問題を抱えながら、国費を投入してまでも安倍元首相のために国葬を実施しなければならないのだろうか。疑問だらけである。

 さて、かねがね噂になっていたが、茂木敏充・自民党幹事長の傲慢な言動がまたSNSでも話題になっている。自民党員への旧統一教会との関係を調査するというレポートの提出を求めたが、記者会見の場で記者が「調査」と質問したことに対して、敢えて「調査」ではなく、「点検」であると開き直ったり、相変わらず我が儘で高慢な態度を見せていた。以前経産大臣時に経産省役人に対するパワハラが問題になっていたが、最近益々エスカレートしている。

 「問題だらけの人間性、官僚への逆ギレが得意の幹事長」と皮肉たっぷりにコメントされているが、この程東京新聞・望月衣塑子記者のツィッターに現われた動画では、衆議院委員会で政府答弁に立った人事院松尾恵美子事務局長に「帰れ!帰れ!」とばかりにジェスチャーを交えて局長を答弁の席から追い出すような素振りを見せ、立ち去る局長も不満を露わにしていたが、このような人格的に問題ある人間の行動を観ているだけで不愉快になる。動画は茂木幹事長の地である傲慢と礼儀知らずの性格を恥ずかしげもなくはっきり写し出していた。これを隣席の河野太郎大臣も見て見ぬフリをしている低次元の国会委員会論戦の場には愛想が尽きた。

 茂木氏は頭脳だけは明晰なのかも知れないが、1人の人間として人並みのエチケットがまるで身に着いていない。官僚の間でも自分たちの直属の大臣に茂木氏が着任しないことを願っているというから相当霞が関でも嫌われ者として名を成しているのだろう。こういう人格的にも最低の人物が国会議員、党役員として活動することも問題である。岸田首相は何故こんな人間失格のような人物を重用するのだろうか。安倍元首相の国葬実施とともに分からないことばかりである。

2022年9月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5593.2022年9月5日(月) イギリス保守党党首、首相にトラス外相

 昨日のブログに取り上げた話題の続編である。セルビアの友人からどういう返事が来るかと考えていたところ、友人は指摘した雑誌記事の間違いを敢えて「選択」の出版社へ連絡することまではする気はないという考えだった。記事の内容と記事中に彼が間違いだと指摘した事実が異なるが、選択出版社に連絡することもないとの考えだったので、了解することにした。

 今日は情けないことにつまらないミスをいくつかやってしまった。ひとつは、銀行の通帳を他行の通帳と間違えたことにバス停までやってきてから気付いて、自宅へ取って返したことだ。どうかしている。2つ目は、その銀行で預金を引き出してから郵便局で印鑑を使用しようとしたところ、それが手元に見つからず、慌ててしまった。この印鑑を仮に紛失したら他に2つの取引銀行も同じ届け出印鑑なので、一大事である。直ぐ銀行へ戻り、ほんの少し前にテーブルに置き忘れた印鑑を取り戻しに戻ったと申し出たところ、いろいろチェックされた挙句、幸い印鑑は銀行に保管されていることが分り無事印鑑を取り戻すことが出来た。

 銀行を出てから戻るまでに20分程度の短い時間だったので、何とか取り戻すことが出来て幸運だったと思う。気持ちはやれやれだったが、どうも今日は普段と違うようだ。その後、帰宅してうっかり従姉弟に電話をかけてしまった。間違いでちょっとスマホに触れただけだが、相手は何か用件があると思ったようだった。ついうっかりだったと笑い話で済んだが、今日の私はどうかしている。認知症とは思いたくないが、やはり後期高齢者なので、何かの拍子にふわっと認知症現象が顔を出したのではないかとも思っている。気をつけよう。

 さて、イギリスではジョンソン首相の不祥事続きから首相への不信、不評により閣僚の辞任が相次ぎ、流石に厚顔のジョンソン氏も首相を辞めることを公表した。その後保守党党首の後継に何人かの保守党員が立候補したが、2度の選挙の末最終的にトラス外相とスナク財務相が残り、今日午后9時前に全党員の投票の結果が発表された。当初はスナク財務相が先行していたが、その後国内の経済政策、とりわけインフレ対策で直ちに減税を訴えていたトラス外相が優位に立ち、最終的に8万1千票対6万票でスナク氏を破った。トラス新保守党党首が首相として承認されれば、女性としてはサッチャー氏、メイ氏に次ぐ3人目の女性首相となる。新首相は47歳で、「鉄の女」サッチャー元首相に似ているとして「鉄の女2.0」と呼ばれている。

 とかく派手なパフォーマンスで失笑を買っていたジョンソン首相がEUから離脱したことに対して、明日エリザベス女王から任命され、正式に新首相に就任するトラス氏は、いかなる対応をするのか、内憂外患の中お手並み拝見である。

2022年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5592.2022年9月4日(日) 立場が違えば、意見が異なる。

 昨日セルビアにいる友人・山崎洋氏に月刊誌「選択」9月号の記事「旧ユーゴ『戦争再発』の足音」のコピーをメール送信したところ、今朝返信があった。それによると執筆者が無記名で分からず、論評が典型的に西側情報筋に偏っていて事実ではない箇所が大分あると何か所かを指摘してきた。

 彼は1963年大学卒業直後旧ユーゴスラビアの首都ベオグラードへ渡り、爾来60年ベオグラードで生活し、活動している。ユーゴ解体を身をもって体験した彼が、これまでに度々1990年代にセルビアに対するNATO軍の空爆、コソボのセルビアからの独立問題等について彼なりの意見を送ってくれた。ユーゴ解体時にNATOがセルビアを空爆したことについては、彼は厳しくNATOを批判していたが、かつて彼の母上と生前電話でお話しした際、母上もNATOの行動を手厳しく非難していた。セルビアについて欧米のメディアは誤解をしているし、今度のウクライナ情勢についても、日本ではあまりにも西側の報道を鵜呑みにし過ぎていると彼は不満を漏らしていた。我々が黙って日本のメディアから情報を得る限りは、どうしても一方的にロシアが悪で、ウクライナに理があると捉えがちである。しかし、ロシア側の事実に基づいた正しい考えも聞き入れることが大切であるとは思っている。現状はすべてロシアが悪いと一刀両断であるが、もう少し胸襟を開いてロシア側の考えも聞く必要がありそうだ。

 そこで「選択」誌の考えはどうなのか、編集長に尋ねてみたいと考え、取り敢えず、山崎氏に彼の意見をそのまま雑誌社に伝えて「選択」の本音というか、必ずしも正しくないコメントをどう考えているのかを尋ねてみたいが、その前に彼がこれをどう思うか問い合わせているところだ。確かに彼のメールを読む限りでは、セルビア・サイドから見れば、記事は間違っている箇所が多いようだし、誤解を膨らませるようなコメントになっている。山崎氏からどんな返事が来るだろうか。

 さて、自民党が所属する国会議員全員に旧統一教会との接触の様子を尋ねる調査(点検)を行って、近日自民党は党としての考えを公表するようだ。ところが、今朝の朝日新聞一面に全国会議員、都道府県棋院、知事ら約3千人に対して、旧統一教会との関係についてアンケートの結果が大きく伝えられている。それによると全国会議員712人の内、120人の自民党議員が旧統一教会と何らかの接点があると応えている。都道府県議員も2574人の内、接点があると応えた議員が290人いたが、その内239人は自民党員だと分った。結局全国各地の地方議会にまで旧統一教会と政治化がつながっていることが明らかになった。つまり選挙で票が欲しいために接点が生まれ、ずるずると関係を続けて来たことが明かされた。自民党では、茂木幹事長が調査の結果を近日公表するようだが、世間の理解を得られるような公表内容になるか。自民党にとっても正念場である。

 ところで、数日前から沖縄方面に襲来していた台風11号が、向きを北方に向けて本州を襲うと見られていたが、沖縄周辺に滞留したままで、今日も宮古島が1日中暴風雨に襲われている。久米島の民宿経営者が昨日から強い風雨が続いていて宿泊予定者が全員キャンセルになったとぼやいていた。珍しいことだと思うが、この後11号は一体どっちへ行くのだろうか。

2022年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5591.2022年9月3日(土) 円安加速とK‐POP‘BTS’の兵役義務

 円安がまた加速して昨日1㌦=140円24銭になった。140円台にまで円安が進んだのは、1998年8月の147円43銭以来である。これで食品の原材料やエネルギー燃料の輸入に頼っている業界は、更に苦境に追い込まれることになる。

 いつもながらこの緊急とも言える事態にも拘らず、政府、日銀は事態の推移を見守るだけで、円安ストップへ向けた動きを一向に示そうとしない。実際食品など多くの原材料を輸入に頼っている日本では、それはそのまま物価高騰に直結する。円安の原因は、日米の金利差であることは分かっているが、これに対して鈴木俊一財務相は、「しっかり緊張感をもって、これからの為替の動向について注視していきたい」と4月と同じ発言をしている。5か月前は1㌦=126円だった。緊張感をもって注視している間に15円も円安が加速してしまったのだ。よく政治家が発言する「緊張感をもって」とか、「~注視したい」と言っているが、どうもその場凌ぎの言葉に思えて仕方がない。やる気があるのかないのか、或いはどうしたら良いのか分からないのだとしたら、岸田首相は鈴木財務相をさっさと替えて、行動する大臣を抜擢した方が円安相場にブレーキがかかるのではないかと思う。

 さて、お隣の韓国では、今K-POPの人気アイドル・グループ‘BTS’(防弾少年団)の徴兵問題が話題になっている。徴兵を猶予すべきであるとのファンの声がある一方で、韓国国民の義務である兵役を彼らだけ特別に免除するのは不公平だとの疑問も出ている。‘BTS’は韓国ばかりでなく、アメリカのヒット・チャートで1位であり続けた7人組のアイドル・グループ(24~29歳)で、グラミー賞の候補にも挙がっている。韓国の徴兵制度は、18~28歳の男子に20カ月間の兵役義務を課している。

 昨日韓国国防相が、国民の考えを知るためと世論調査の検討を指示した。しかし、一部の人の行動のために国が国費を投じて国民に考えを聞くという手法に疑問が出て、結局世論調査は取り止めとなった。かつて1960年代にボクシングの世界チャンピョンだったムハメッド・アリが、その絶頂期にベトナム戦争従軍の兵役義務を拒絶したことがあった。不幸にしてアリは、ボクシング界からすべてのタイトルを剥奪され、追放された。それは財産をすべて失った栄光のボクサーの悲劇だった。BTS徴兵問題は、果たしてどういう結末を迎えることになるのだろうか。決定の期限は、最年長のメンバーの兵役年齢がぎりぎりに迫る今年12月までである。

 軍隊が存在しない日本の若者にとって兵役は絵空事であるかも知れないが、仮に憲法改定によって日本が軍備を持つことが認められ自衛隊が軍隊となった場合には、若者に対して兵役が義務化されかねない。安易に憲法改定に賛成するならその覚悟も持たなければならないが、果たして保守傾向の現代の若者たちは、兵役に対してどう行動するだろうか。

2022年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com